山陰合同銀行 第123期定時株主総会
日時:2026年6月24日(水) 10:00-10:55
場所:山陰合同銀行本店(松江駅徒歩15分)
出席株主数:約110名
お土産:無し
企業概要
山陰合同銀行(8381)
HP:山陰合同銀行ホームページ
①島根県の第一地方銀行。鳥取県・島根県を主に、預金業務、貸出業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、社債受託および登録業務などを行う「銀行業」(経常収益構成比86%)を中心に、リース業務などを行う「リース業」(経常収益構成比11%)、クレジットカード業務などを行う「その他」(経常収益構成比3%)を運営。
②第10位の株主は、紳士服および婦人服の製造販売を行うグッドヒルで、156万株、1.0%を保有。
③株主優待
3月末
1,000株:VJAギフトカード1,000円分
長期保有(1年以上)
1,000株:5,000円相当の特産品へグレードアップ
5,000株:10,000円相当の特産品へグレードアップ
株式情報
時価総額:3,462億円(2026年6月23日時点)
経常利益:323億円(2026年3月期実績)⇒375億円(2027年3月期予想)
株価:2,206円(2026年6月23日時点)
1株純資産:2,136円(2026年3月末時点)、PBR:1.03倍
1株当期純利益:169円(2027年3月期予想)、PER:13.0倍
1株配当:68円(2027年3月期予想)、配当性向:40%
配当利回り:3.0%、株主優待含む利回り:3.3%(1年以上1,000株保有時)
総資産:9.04兆円(2026年3月末時点)
株主数:30,695名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2026年3月期の経営成績については、資金利益は、預金金利の引上げにより預金利息が増加した一方で、貸出金利息や有価証券利息配当金も利回りの上昇により増加したことなどから前期比で増加した。役務取引等利益は、法人ソリューション手数料やクレジット関連手数料などで増加したが、融資・ローン手数料収益が減少したことなどから前期比で減少した。また、債券関係損益は、収益性の低い投資信託などを解約したことなどにより前期比では減少した。一方で、政策投資株式などを売却したことによる株式等関係損益の増加もあり、これらを合わせた有価証券関係損益は概ね当初計画通りの損益となった。この結果、当連結会計年度の経常利益は、前期比56億19百万円増加の323億35百万円となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比39億61百万円増加し、5期連続最高益となる226億98百万円となった。
②預金等は、前期比+2,670億円の6兆7,403億円。貸出金は、前期比+3,314億円の5兆2,325億円。預貸率は77.6%。その他有価証券の評価損益は△1,011億円。金融再生法開示債権は832億円。貸倒引当金は533億円。自己資本比率(国内基準)は11.8%。総資金利鞘は0.45%。
③2027年3月期の業績について連結ベースの損益は、経常利益375億円程度(前期比51億円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益255億円程度(前期比28億円増加)を予想。本業(貸出金利息、役務取引等利益など)は引き続き好調を維持し、6期連続の過去最高益更新を見込む。2026年6月に政策金利1.00%への引き上げのみを織り込んで策定。
④2026年6月から半年ごとに+0.25%ずつ1.50%まで利上げが行われた場合、2027年3月期の資金利益は5億円程度の増加、2028年3月期は21億円程度の増加を見込む。
⑤2026年3月期の計画を踏襲し、金利上昇の影響を踏まえながら、2030年3月期に向けて評価損の縮減を進める。
⑥固定金利貸出の比率が年々低下してきており、金利上昇時の増益効果が早期に発現。
⑦山陰両県(島根県、鳥取県)で、預金・貸出金・メインバンク率、いずれもトップシェア。
⇒1941年に島根県の松江銀行と鳥取県の米子銀行が合併し、山陰合同銀行として設立。
⑧令和6年推計人口で、島根県64万人(46位)、鳥取県53万人(47位)、全国1億2,380万人。高齢者人口の割合は、島根県35.2%(8位)、鳥取県33.7%(16位)、全国29.3%。県内総生産は、島根県2.7兆円(45位)、鳥取県1.9兆円(47位)、全国595.7兆円。人口減少、少子・高齢化の進展は全国の中で最も進んでいる。働き手不足・後継者不足による産業の衰退。
⑨監査等委員である取締役を含む取締役9名中、70歳以上の候補者は倉都康行さん(1955年生まれ、71歳)の1名。
⇒役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑩監査等委員である取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は27,500万円。単純平均で取締役1人当たり6,875万円。
株主総会での個人メモ
①株主総会は、山陰合同銀行本店内の会議室での開催。
②株主総会最中に緊急事態が起きた場合、株主総会を中止とすることがあるとの説明あり。
⇒緊急事態が起きた場合、強引に議案の採決を最優先で行おうとする会社もある中、このような割り切った対応説明は印象が良い。
③質疑応答で、「有価証券運用は難しい舵取りだと思うが、含み損の今後の処理の予定は?」との質問あり。「日銀が段階的に利上げを行っている。金利の上昇により債券価格が下がっている。昨年、運用方針を変更した。金利上昇に強い運用としている。」との説明。
④質疑応答で、「主催する 「ごうぎんスタートアップフェス」では、どのような効果があったのか?」との質問あり。「2年前から開催している。山陰で新たな雇用を作る。地域の課題解決、まちづくり、観光振興など幅広い取り組みを行っている。」との回答。
⑤質疑応答で、「島根大学との取組内容を教えて欲しい。」との質問あり。「島根大学で起業した人もごうぎんスタートアップフェスに参加している。10億円ファンドを作り、地域スタートアップを支援している。島根大学の医学部では有望な研究も進んでいる。」との旨の説明。
⑥質疑応答で、「地銀再編についての具体的な考えは?」との旨の質問あり。「具体的に検討していることは無い。」との回答。
⑦質疑応答で、「2026年2月に金融庁が越境で不動産融資を拡大させている全国の地銀に警告を出したとの報道があった。越境融資が多いとの認識だが、警告を受けて対応したことがあれば教えて欲しい。」との質問あり。事務局から頭取の吉川浩さんにメモが手渡され、「不動産融資は多いが、越境融資とはとらえていないので、越境融資には当たらない。警告は受けていない。不動産融資は続けているが、危険のある水準ではない。」との旨の説明。
⇒地域別貸出金では、山陰以外の東京・関西・山陽への割合が約65%を占めている。山陰以外の融資について、越境融資ではなく広域展開との主張の模様。
⑧質疑応答で、「地銀の生き残りに関し、総資産20兆円クラブとの報道がある。現在、総資産9億円。昨年の山陰合同銀行に関する報道では、地銀再編とは距離を置くとの記事が出ていた。地銀再編から距離を置くとの方針に変更は無いのか?」との質問あり。「総資産20兆円がボーダーラインでは無いとのことを金融庁に確認した。地銀再編について具体的に考えていることは無い。」との回答。
⑨質疑応答で、「島根県は、ばけばけで注目を浴びている。健康寿命に主眼を置いたらどうか?パワハラを無くす取り組みなど、銀行が音頭を取ってやって欲しい。」との旨の意見あり。
⑩質疑応答で、「山陰合同銀行を利用している知人から、当行は大企業病に陥っていると聞く。支店と本体が連携していないようだ。顧客とのつながりが薄れているのでは?」との意見あり。「お客様のニーズが本体に届いていないという声は重く受け止めるが、以前に比べるとお客様との距離は縮まっていると思う。」との説明。
⑪議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
日銀の政策金利の見直し(利上げ)による業績向上を期待し、また、PBRが1倍を大きく割れており、株主優待も魅力的なので、平均970円で投資しました。
今回、実際に頭取や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、山陰合同銀行本店内の会議室での開催でしたので、良い機会となりました。
質疑応答では、頭取の吉川浩さんの説明に違和感を感じる場面が何度かありましたが、一方で、株主総会会場では、手話通訳が同時通訳をされていたり、緊急時の対応説明を聞いても、他社の株主総会とは一味違う良い印象を受けました。
地銀再編については、単独路線の姿勢を貫くのか、それとも山口フィナンシャルグループ(8418)、ひろぎんホールディングス(7337)、ちゅうぎんフィナンシャルグループ(5832)、鳥取銀行(8383)などとの経営統合の可能性があるのかも気になります。
余談ですが、以下、2026年6月16日に決定した政策金利の利上げ(0.75%⇒1.00%)に関する、政府と日銀の対応についての個人的な考察(妄想)です。
5月22日に日銀総裁の植田さんと首相の高市さんが会談した際、高市さんは植田さんに対し利上げに難色を示した。
一方で、植田さんはインフレ動向を踏まえ利上げを実施する意向であった。仮に、高市さんの意向通りに6月15日~16日の金融政策決定会合で利上げ見送りの議長案を提出した場合には、採決で議長案が否決され、利上げが決定される可能性が高い状況であった。
板挟みとなった植田さんは、高市さんの顔をできる限り立てる(植田さんからの利上げの議案の提出を避けた)ため、さらには植田さん自身のプライドを保つ(自身の信念に合わないインフレ状況を無視した「利上げペースを遅らせる利上げ見送りの議案」を提出し否決されるのを避けた)ため、6月9日~6月23日に入院し、議案の提出を避け、採決にも参加しなかった。
結果、高市さんの顔をある程度立てつつ、植田さんのプライドも保ちつつ、今回の利上げを勝ち取った。
以前、副総裁の内田さんが入院時でもリモートで金融政策決定会合に出席し、議案の採決に参加していたことから、今回の植田さんの対応に違和感を感じ、上記の可能性を考えました。
なお、日銀法では、金融政策の具体的な運営手法については日銀の自主性が尊重され、政府による不当な介入は制限されています。一方で、日銀の金融調節が経済政策の一環であることを踏まえ、政府の基本方針と整合的なものとなるよう、政府と常に連絡を密にし意思疎通を図る義務があります。
中立金利が1.1%~2.5%と推測される中、政策金利1.00%は中立金利の下限に達しておらず、「円安・インフレ・低金利を望む政府」と「物価の安定を目的とする日銀」の今後の動向(戦い)が気になります。
高市政権の日銀の利上げに対する否定的な姿勢が報道されており、このまま順調に中立金利まで政策金利の利上げが進むのか不透明ですが、インフレの動向、中立金利の推移やターミナルレートを注視しつつ、追加投資も検討します。
2025年7月10日に到着した山陰合同銀行の株主優待の内容についてはこちら↓
山陰合同銀行の株主優待が到着しました【2025年7月10日】 | ぽこタンの株主総会日記



