アサヒグループホールディングスの株主総会に出席しました【2026年9月9日】

株主総会
スポンサーリンク

アサヒグループホールディングス 臨時株主総会

日時:2026年9月9日(水) 10:00-12:20

場所:ベルサール新宿グランド(西新宿駅徒歩4分)

出席株主数:約200名

お土産:無し、十六茶 or 富士山のバナジウム天然水の配布あり

 

企業概要

アサヒグループホールディングス(2502)

HP:アサヒグループホールディングス

酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売を行う「日本・東アジア」(売上構成比46%)、酒類の製造・販売を行う「欧州」(売上構成比26%)、酒類、飲料の製造・販売を行う「アジアパシフィック」(売上構成比27%)の地域別セグメント、韓国酒類事業、飼料事業などを行う「その他」(売上構成比1%)を運営。

 

株式情報

時価総額:24,830億円(2026年9月8日時点)

売上高:28,946億円(2025年12月期実績)⇒32,200億円(2026年12月期予想)

株価:1,633円(2026年9月8日時点)

1株純資産:2,180円(2026年6月末時点)、PBR:0.74倍

1株当期純利益:129円(2026年12月期予想)、PER:12.6倍

1株配当:57円(2026年12月期予想)、配当性向:44%

配当利回り:3.4%

フリーキャッシュフロー:△956億円(2025年12月期実績)

株主数:257,282名

会計基準:IFRS

 

株主総会前の事前情報

①2026年12月期第2四半期は、売上収益は1兆4,639億6千3百万円(前年比7.7%増)となった。また、利益については、事業利益は1,113億5千4百万円(前年比1.5%増)、営業利益は1,441億4千3百万円(前年比56.2%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は991億4千8百万円(前年比68.8%増)、調整後親会社の所有者に帰属する中間利益は730億1百万円(前年比8.2%増)となった。なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年比0.6%の減収、事業利益は前年比8.5%の減益となった。

②日本・東アジアにおいては、酒類、飲料、食品事業の主力ブランドの強化に加え、高付加価値商品の展開を中心とした新たな価値提案により、成長基盤の拡大に取り組んだ。また、サイバー攻撃によるシステム障害の影響も踏まえ、既存領域における収益力の回復・強化と事業構造の見直しを進めるとともに、東アジア市場も含めた成長戦略の推進など、持続的な利益成長を目指した取り組みを進めた。さらに、サプライチェーンの最適化、人的資本の高度化、リスクマネジメントの強化などを通じて、強靭な事業基盤の構築を進めた。日本の酒類事業では、ビール類において、『アサヒスーパードライ』の”辛口のうまさ“をより一層引き立てる「冷え」に注目した広告・販促活動の強化に取り組んだほか、『アサヒスーパードライ冷涼辛口』を数量限定発売するなど、「スーパードライ」ブランドの価値向上を図った。また、麦芽100%のスタンダードビールとして9年ぶりの新ブランド『アサヒ ゴールド』を発売するなど、ビールカテゴリーの更なる強化を図った。RTD(Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指す)においては、成長を続けている「GINON」ブランドのクオリティアップを実施した。アルコールテイスト飲料においては、「アサヒゼロ」ブランド初の限定商品となる『アサヒゼロ エールテイスト』を数量限定発売したほか、『未来のノンアルレモンサワー』を数量限定発売するなど、お酒を飲む人と飲まない人が共に楽しめる生活文化の創造を目指し、「スマートドリンキング」の推進に取り組んだ。日本の飲料事業では、1都3県のコンビニエンスストアにおいて、ギリシャで誕生した、砂糖・保存料不使用、カロリーゼロの『green cola』を日本で初めて発売するなど、健康志向の高まりを踏まえた価値提案の強化を図った。また、期間限定商品の『ウィルキンソン ドライジンジャエール シャープレモン』の展開に加え、無糖でありながら飲みやすさとおいしさを備えた『アサヒ おいしい水 天然水 レモン水 無糖』や熱中症対策飲料の『アサヒ おいしい水 天然水 ソルティグレフル』を発売し、夏場の需要獲得に向けた商品ラインアップの拡充を図った。日本の食品事業では、「ミンティア」ブランドにおいて、ぶどう糖を92%配合し、“集中、スッとつづく”をコンセプトとした『ミンティア +FOCUSクリアラムネ』を発売するなど、集中維持ニーズに対応した価値提案を行った。また、和光堂ブランドとハウス食品の「フルーチェ」がコラボレーションしたプレキッズ向けジュレ『はじめてのフルーチェジュレ』を発売するなど、多様化するニーズへの対応に取り組んだ。東アジアでは、中国を中心に『Asahi Super Dry』などのグローバルブランドの拡販に取り組み、プレゼンスの拡大を図った。以上の結果、売上収益は、価格改定効果などはあったが、サイバー攻撃によるシステム障害の影響などにより、6,350億9千1百万円(前年比2.2%減)となった。

③欧州においては、主要国でのプレミアムビールやノンアルコール飲料のマーケティングを強化したことに加え、『Asahi Super Dry』と『Peroni Nastro Azzurro』のグローバル展開を加速し、周辺国や北米などの新市場での成長を推進した。また、容器などの資源循環への取り組みやデジタル技術を活用した業務高度化を継続し、持続的成長に向けた基盤を強化した。欧州の主要地域では、チェコにおいてコクとバランスを特徴とするラガービール『Kozel 12』の発売によりラインナップを拡充したほか、ポーランドの『Zubr』において強いブランド力や販売支援活動を背景に、小売業者から高い評価を獲得するなど、ブランド基盤の強化を進めた。また、イタリアでは『Peroni Nastro Azzurro』においてイタリアラグビー連盟とのパートナーシップを更新し、スポーツを通じたブランドの伝統とプレミアムな世界観を訴求したほか、英国では『Peroni Nastro Azzurro』のイタリアンプレミアムビールとしての価値を軸に、統一したブランドコンセプトにより広告表現から店頭・飲食店での体験施策までを一貫して展開するなど、ブランドの浸透と需要喚起を進めた。さらに、ノンアルコール飲料においては、チェコの「Birell」ブランドでは、フレーバー付き商品をアルコール度数0.0%へ全面的に切り替えたほか、ルーマニアでは「Cooler」ブランドにおいて、ビタミンやミネラルを配合した炭酸水カテゴリーに参入するなど、新たな飲用機会の創出に取り組んだ。欧州の周辺国や北米では、『Asahi Super Dry』において「City Football Group」のパートナーシップを活かしたマーケティング活動を強化した。また、『Peroni Nastro Azzurro 0.0%』において「Scuderia Ferrari」とのパートナーシップを活用した広告活動を推進するなど、新たな市場における成長機会の創出に取り組んだ。以上の結果、売上収益は、主要国における販売数量は減少したが、プレミアムビールなどが堅調に推移したことや為替変動の影響により、4,053億5百万円(前年比13.7%増)となった。事業利益は、販売数量が減少したが、収益構造改革の推進によりコストマネジメントを強化したことや為替変動の影響により、512億2百万円(前年比8.7%増)となった。なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年比0.0%の増収、事業利益は前年比6.1%の減益となった。

④アジアパシフィックにおいては、酒類ではビールやRTDの主力ブランドの優位性を高めることに加え、『Asahi Super Dry』を軸に各国への拡大展開を促進した。また、飲料では機能性飲料を中心とした成長領域における新たな価値提案を推進した。さらに、サプライチェーンの最適化やDXの加速などの取り組みを強化するとともに、酒類と飲料の強みを活かしたマルチビバレッジ戦略の推進を通じて、事業基盤を一層強化した。オセアニアの酒類事業では、消費者嗜好の多様化や健康志向の高まりを受け、成長を続けるコンテンポラリービール(苦味などを抑えた飲みやすいビール)において、「Great Northern」ブランドでは豪州の「National Rugby League」とのパートナーシップを活用したキャンペーンを強化した。また、2026年より全豪オープンテニストーナメントの公式ビールとなった『Asahi Super Dry』は、クラフトビール『Balter』とともに積極的なマーケティング活動を展開した。さらに、RTDにおいては、炭酸飲料ブランド「SOLO」のアルコール版である『Hard Rated Lemon Lime 6%』の販促強化により、マルチビバレッジ戦略の推進を図った。オセアニアの飲料事業では、「Schweppes」ブランドにおいて人気テレビシリーズとのコラボ商品を発売するなどファミリー層のニーズに対応したほか、エナジードリンク『SOLO Energy』において、フレーバーの多様化を進めるなど、マルチビバレッジの強みを活かした商品ポートフォリオを拡充した。また、ニュージーランド発のスペシャルティコーヒーロースター「Allpress」は、メルボルンとロンドンにコーヒー焙煎所を新設し、新たな成長機会の創出に取り組んだ。東南・南アジアの飲料事業では、マレーシアにおいて「WONDA」ブランドのPETボトル入りアイスコーヒーを発売したほか、「Goodday」ブランドではフィリピンで初となる炭酸入り乳酸菌飲料『Goodday Friz』を発売するなど、健康志向に対応した価値提案を行った。酒類事業では、シンガポールにおいて、『Asahi Super Dry』の終業後の飲用シーンを飲食店で訴求し、認知度向上とプレミアムな飲用機会の創出を図った。以上の結果、売上収益は、各国の主力ブランドが堅調に推移したことで、4,119億9千万円(前年比19.0%増)となった。事業利益は、物流費などは増加したが、各種コストの効率化を推進したことや為替変動の影響により、441億3千万円(前年比18.0%増)となった。なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年比0.7%の増収、事業利益は前年比0.2%の減益となった。

⑤その他については、売上収益は172億2千4百万円(前年比38.8%増)、事業利益は30億5千2百万円(前年比34.5%増)となった。

⑥負債および資本合計(資産合計)は62,759億円。親会社の所有者に帰属する持分合計は31,888億円。一方で、のれんおよび無形資産は37,563億円。
⇒アサヒグループホールディングスはIFRSを採用しているが、のれんおよび無形資産の一部などには償却が発生しないので、日本会計基準を採用している企業と比べる際には、利益や純資産への影響を考慮する必要あり。また、万が一、業績が悪化したときのまとまった減損損失も心配。資産に占めるのれんおよび無形資産の比率が高く、特に親会社の所有者に帰属する持分合計以上となっており、のれんおよび無形資産の状況には継続注視が必要。

⑦2025年9月29日に発生したサイバー攻撃により、日本における受注・出荷などのシステムが停止し、商品供給が制約を受けたことから、2025年12月期第4四半期は大幅な減収・減益となった。なお、本システム障害の影響は日本で管理しているシステムに限られており、欧州およびアジアパシフィックの業績への影響は無い。経営責任を明確化するとして、社長の勝木敦志さんと担当役員3名の計4名について、月額報酬の20%を3ヵ月間返納とする。

⑧2025年9月29日に発生したサイバー攻撃によるシステム障害および情報漏えい(2026年2月に復旧)について、決算短信や決算説明会資料において具体的な影響額について説明無し。
⇒日経新聞などの報道では、アサヒグループホールディングスの記者会見を受け、2025年12月期の決算で約400億円弱の営業減益要因になったと報道されている。決算短信などにおいて具体的な影響額の説明が無いのは株主代表訴訟などの様々なリスク管理を検討した結果だと思うが、株主に対する説明姿勢としては印象があまり良くない。

⑨2026年3月24日開催の第102回定時株主総会で、報告事項「第102期(2025年1月1日から2025年12月31日まで)事業報告、連結計算書類及び計算書類の内容並びに会計監査人及び監査委員会の連結計算書類監査結果報告の件」を株主の皆さまに報告する予定であったが、サイバー攻撃によるシステム障害が発生した影響で決算手続きに遅延が生じていることで、「第102回定時株主総会招集ご通知」に添付すべき、第102期の「事業報告」「連結計算書類」「計算書類」「会計監査人の監査報告」および「監査委員会の監査報告」を提供することができず、本定時株主総会で本報告事項の報告を行うことができない状況となったため、目的事項を本報告事項とする本臨時株主総会を2026年9月9日に開催。

⑩本臨時株主総会の元となる定時株主総会での取締役候補者13名中、70歳以上の候補者は大八木成男さん(1947年生まれ、78歳)、佐々江賢一郎さん(1951年生まれ、74歳)、大橋徹二さん(1954年生まれ、72歳)、松永真理さん(1954年生まれ、71歳)、宮川明子さん(1955年生まれ、70歳)の5名。
⇒役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑪社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は56,900万円。単純平均で取締役1人当たり11,380万円。報酬等の総額が1億円以上である取締役として、社長の勝木敦志さんが25,300万円との記載あり。
⇒2025年9月29日に発生したサイバー攻撃によるシステム障害および情報漏えい(2026年2月に復旧)については、被害者的な側面が強いものの、社長の勝木敦志さんと担当役員3名の計4名について、経営責任を明確化するとして月額報酬の20%を3ヵ月間返納とのことだが、貧弱な財務状況や、約400億円弱の営業減益要因になったとの内容を踏まえると、2024年12月期(取締役5名で104,300万円)に比べると大幅に削減されているものの、なお高額な役員報酬に違和感あり。

 

株主総会での個人メモ

①建物に入る前、建物に入った後、受付の3度にわたり議決権行使書の確認があった。
⇒他社では見かけない異例の対応であり、苦言を呈する株主も見受けられた。

②会場入り口で、自社製品の「十六茶」 or 「富士山」のバナジウム天然水の配布があった。

③株主総会冒頭において、社長の勝木敦志さんから、「外国人の取締役が行う質疑応答については、通訳による日本語での内容を正式な回答とする。」との旨の説明あり。

④質疑応答で、「サイバーセキュリティ強化」について質問あり。「組織、ガバナンスなど、各面から再発防止策を進める。システム障害は2026年6月までに復旧済み。システムやネットワーク全体を見直す。万が一、サイバー攻撃が発生した場合、速やかに回復できるようにする。」との旨の回答。

⑤質疑応答で、「国内事業の回復戦略」について質問あり。「事業基盤の立て直しに注力した。2026年12月期第1四半期には影響が残っていたが、第2四半期に回復した。その先の成長を見据えた取り組みを進めていく。」との旨の説明。

⑥質疑応答で、「株主還元」について質問あり。「累進配当でDOE4%以上を目指す。自己株式の取得も進める。財務方針のガイドラインに変更は無い。」との旨の回答。
⇒IFRSを採用しており、かつ、親会社の所有者に帰属する持分合計は31,888億円の状況で、のれんおよび無形資産が37,563億円計上されており、財務状況が貧弱に見えるため、株主還元としては、配当や自社株買いは抑えつつ、株主優待で株価を維持し、成長投資に資金を向けた方が現実的な対応のように思う。

⑦質疑応答で、「以前の株主総会で、サイバーセキュリティ攻撃では個人情報が流出しないようにとの説明があったが、今回、漏洩してしまった。AIを活用した対策を進めて欲しい。」との意見あり。

⑧質疑応答で、「サイバーセキュリティ問題で多くの関係者に迷惑をかけているが、信頼回復のため、社会活動も進めたらどうか?人権、北朝鮮の拉致問題の啓発など。」との意見あり。「北朝鮮の拉致問題については、心を痛めている。できることは協力していきたい。」との説明。

⑨質疑応答で、「同業他社との差別化は何?」との質問あり。「アサヒスーパードライ、ペローニの強力なグローバルブランドを持っている。また、ビールと飲料の両方を持っている。ノンアルコール、低アルコール、大人向け飲料はこれから伸びる。他社にない強み。」との回答。

⑩質疑応答で、「海外売上比率が多い中、円高が進んでいるが、業績への影響は?」との質問あり。「海外比率は、売上ベースで5割、事業利益ベースで6割。今後の予測は難しい。期中平均レートを使用しているが、現時点、業績予想を見直す予定は無い。」との説明。

⑪質疑応答で、「アルコール飲料以外への挑戦は?」との質問あり。「健康志向が進んでいることは理解している。国内のアルコール人口は、毎日飲む人が2,000万人、たまに飲む人が2,000万人、全く飲まない人が5,000万人。全く飲まない5,000万人に対して、絶好の機会がある。ノンアルコール、低アルコール、大人向け飲料を強化していく。また、酵母、乳酸菌など、いろいろ進めている。」との回答。

⑫質疑応答で、「今回のサイバーセキュリティ攻撃における問題点や対策、アドバイスなど、広く他社などと共有すべきでは?」との意見あり。「専門家による調査で課題が判明した。どんなに万全な対策を取っていても脆弱性が出てくる。AIが侵入経路を見つける。原因を公表してしまうと、新たな被害が出てしまう可能性がある。経営、ガバナンスの問題として対応する。」との旨の説明。

⑬質疑応答で、「昨年、指名委員会等設置会社へ移行し、ガバナンスが強化されたと言っていたが、今回のサイバーセキュリティ攻撃を受けての反省は?」との質問あり。「監督と執行の機能を分離した。AIの脅威を感じると共に、対策にAIの活用を検討している。ガバナンスの一環として、サイバーセキュリティ問題について、管理監督していく事が大切。」との旨の回答。

⑭質疑応答で、「経営責任を明確化するとして月額報酬の20%を3ヵ月間返納とのことだが、大した金額ではないのでは?身を削る対応が必要なのでは?」との意見あり会場から一部で拍手が起きていた。「再発防止をするのが最大の責任。前年から約6割、8,000万円の役員報酬の減額をしている。」との旨の説明。

⑮質疑応答で、「事業利益と営業利益の違いは?」との質問あり。「IFRSでは、日本会計基準の営業利益に相当するものが事業利益。IFRSは、日本会計基準で通常20年で償却されるのれんの償却が無い点が一番の大きな違い。IFRSの営業利益には、日本会計基準の特別利益や特別損失が含まれるため、指標として事業利益を使用している。IFRSはM&Aがやりやすい。」との回答。

⑯質疑応答で、「情報の外部持ち出しなどの対策は?」との質問あり。「規定を作って対応している。ルールの徹底、Eラーニングによる研修、情報セキュリティ責任者による啓もう活動などを行っている。」との説明。

⑰質疑応答で、「取締役にサイバーセキュリティの専門家がいない。今回、問題も発生したので、専門家を取締役に迎えたらどうか?」との意見あり。「取締役の中に、サイバーセキュリティの専門家が常時、必要では無い。サイバーセキュリティ問題について監督するスキルが必要。情報セキュリティ委員会に専門家を入れて対応している。」との回答。

⑱質疑応答で、「今回のサイバーセキュリティ攻撃について、犯人の目星はついたのか?損害賠償請求は?」との質問あり。「キリンと呼ばれるランサムウェア集団による犯行。アタッカーとは接触していない。賠償請求を行うには至っていない。」との説明。

⑲質疑応答で、「株価が低迷している。配当性向40%では株価が上がらない。DOE4%を引き上げたらどうか?」との意見あり。「2025年12月期は配当性向64%、今期は43%なので、比較的配当性向は高いと思う。世界的に、ビール・酒類に資金が向かっていない。同業他社も株価は軟調。アルコール離れが進んでいる。自己株式取得とM&Aにより、株主還元が鈍るのではと見られているが、自己株式取得は進めていきたい。」との旨の回答。

⑳質疑応答で、「サイバーセキュリティ問題が発生するまでの1年間で、監査等委員会でサイバーセキュリティについて議論されたことはあったのか?今回、サイバーセキュリティ問題を見過ごした監査役会の責任は?」との質問あり。「取締役会などでIT部門から報告を受け、確認や監査をしていた。サイバーセキュリティ問題は専門性が高く、経営への影響が高いことから、検証を実施して、ヒヤリングや資料確認をしてきた。」との説明。

㉑質疑応答で、「役員報酬の減額が甘い。」との意見あり。「年収ベースで相当減額した。」との回答。

㉒質疑応答で、「サイバーセキュリティ攻撃で、物流が止まり、生産も停止した。生産を止めることなく対応することはできなかったのか?」との質問あり。「2025年9月29日にサイバー攻撃によるシステム障害が発生したが、10月2日には出荷を開始した。1週間程度で生産も再開した。」との説明。

㉓質疑応答で、「本株主総会に1時間ほど遅れて参加したため、受付には株主が誰もいなかったが、会場入り口で、「混雑削減のため」との理由で議決権行使書の確認を求められた。また、会場内の案内の矢印も正しい方向ではなかった。」との会場運営に関する苦言あり。「株主ではない人の侵入を防ぐため、今回の運営方法とした。」との旨の回答。
⇒受付前に議決権行使書を2度も確認する運営は見たことが無く、違和感あり。サイバーセキュリティ問題が発生し、株主総会でも株主以外の侵入にやけに神経質になっている様子が伺えた。

㉔質疑応答で、「同業他社に比べて、緑茶事業が弱い。自販機事業の見直しについても教えて欲しい。」との質問あり。「緑茶は、颯を出したが上手くいかなかった。十六茶の拡販を進めている。自販機事業については、オペレーションはダイドードリンコに任せている。社員も移っている。」との説明。

㉕質疑応答で、「原材料となる水の確保の戦略は?」との質問あり。「水は重要なマテリアル。使用量、質、サステナビリティなどを考慮して対応している。」との旨の回答。

㉖質疑応答で、「ラグビーワールドカップなどで、以前は工場直送の生ビールの販売があったが、缶ビールのみの販売となっつぃまった。工場直送の生ビールの販売を再開して欲しい。」との意見あり。「確認が必要なので答えられないが、オーストラリアで行われるラグビーワールドカップでは、スーパードライスポンサーとして、マーケティングを強化し、準備を進めている。」との旨の説明。

㉗質疑応答で、「取締役の人数が13人と多すぎる。取締役の多い会社は、意思決定が遅く、業績の悪い会社が目立つ。取締役の人数を絞ったらどうか?」との意見あり。「取締役は、独立社外取締役を主としている。色々な意見があると思うが、最適な体制だと思っている。」との回答。

㉘出席株主から、「質問したい株主が未だいるのに、質問を打ち切った。株主総会続行の動議を提出する。」とのことで動議あり。拍手での採決の結果、動議は否決された。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

質疑応答では、株主総会開始後、2時間経過後に質問を打ち切ったものの、時間をかけて多くの質問について回答されていました。また、社長の勝木敦志さんの議事進行も歯切れよく、テンポの良い対応に思いました。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたたが、アサヒグループホールディングスは、1株当たり純資産2,180円に対し、株価が1,633円(2026年9月8日時点)、PBR0.74倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

一方で、負債および資本合計(資産合計)は62,759億円、親会社の所有者に帰属する持分合計は31,888億円の状況で、のれんおよび無形資産が37,563億円計上されており、貧弱な財務状況に見えます。

アサヒグループホールディングスはIFRSを採用していますが、のれんおよび無形資産の一部などには償却が発生しないので、日本会計基準を採用している企業と比べる際には、利益や純資産への影響を考慮する必要があります。また、万が一、業績が悪化したときのまとまった減損損失も心配です。資産に占めるのれんおよび無形資産の比率が高く、特に親会社の所有者に帰属する持分合計以上となっており、のれんおよび無形資産の状況には継続注視が必要です。

2025年9月29日に発生したサイバー攻撃によるシステム障害および情報漏えい(2026年2月に復旧)について、被害者的な側面が強いものの、社長の勝木敦志さんと担当役員3名の計4名について、経営責任を明確化するとして月額報酬の20%を3ヵ月間返納したとのことですが、質疑応答では責任としては減額が甘いとの旨で複数の株主から苦言が呈されていました。

貧弱な財務状況や、約400億円弱の営業減益要因になったとの内容を踏まえると、2024年12月期(取締役5名総額104,300万円)に比べると役員報酬は大幅に削減されているものの、なお高額な役員報酬(取締役5名総額56,900万円、その内、社長の勝木敦志さんが25,300万円)に違和感を感じます。そもそもの役員報酬の設定金額に問題があるのかもしれません。

また、取締役13名中に70歳以上の取締役が5名を占め、取締役会の高齢化が進んでいる点も気になります。

株主総会では違和感を多々感じましたが、目先、ポジティブ?な話題として2026年10月にビール系飲料の酒税統一が控えているものの、世界的に健康志向によるアルコール離れが進んでいるとのことで、今後、長期的な視点でスムーズに主軸事業をアルコール飲料からアップデートしていけるのか、業績の推移と共に、継続、注視します。

 

2026年9月2日に到着したアサヒグループホールディングスの隠れ株主優待の内容についてはこちら↓

アサヒグループホールディングスの隠れ株主優待が到着しました【2026年9月2日】 | ぽこタンの株主総会日記&株主優待記録

 

隅田川沿いにあるアサヒグループホールディングス本社(墨田区)、とうきょうスカイツリー
トップへ戻る