アバントグループ 第30期定時株主総会
日時:2026年9月25日(金) 10:00-11:25
場所:経団連会館(大手町駅直結)
出席株主数:約70名
お土産:GODIVAラングドシャクッキーアソートメント(8枚入)、東京国立近代美術館 所蔵作品展招待券1枚、ミネラルウォーターの配布あり
企業概要
アバントグループ(3836)
HP:株式会社アバントグループ
①連結経営支援および連結会計向け自社パッケージソフトであるDivaSystemの開発と保守を行うほか、これを利用した連結決算・単体決算のアウトソーシングを提供することで、企業の情報開示を通じた価値創造を支援する「連結決算開示事業」(売上構成比31%)、企業を取り巻くあらゆるデータを活用するためのデータプラットフォームからデータを分析・予測・可視化するAI・BIソリューションなどを、コンサルティング・システム開発を通じて提供し、企業のデジタルトランスフォーメーションやデータドリブン経営の推進を支援する「デジタルトランスフォーメーション推進事業」(売上構成比36%)、グループ経営、連結会計、事業管理を中心に、企業の「見えない価値」の可視化と最大化を目的とし、コンサルティングからシステムの企画、構築、導入、運用ならびに保守までをワンストップで支援する「経営管理ソリューション事業」(売上構成比31%)、情報・サービス事業などを行う「その他」(売上構成比2%)を運営。
②筆頭株主は、社長の森川徹治さんで、978万株、27.8%を保有。
第3位の株主は、監査等委員である取締役の野城剛さんで、186万株、5.3%を保有。
第4位の株主は、ERP(統合業務ソフト)で中小・中堅向け首位のオービック(4684)の子会社のオービックビジネスコンサルタント(4733)で、160万株、4.5%を保有。
株式情報
時価総額:431億円(2026年9月24日時点)
売上高:304億円(2026年6月期実績)⇒328億円(2027年6月期予想)
株価1,215円(2026年9月24日時点)
1株純資産:422円(2026年6月末時点)、PBR:2.87倍
1株当期純利益:100円(2027年6月期予想)、PER:12.1倍
1株配当:34円(2027年6月期予想)、配当性向:34%
配当利回り:2.7%
フリーキャッシュフロー:24.5億円(2026年6月期実績)
株主数:5,042名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①連結売上高に関しては、お客様である日本企業の間で中長期的なトレンドとなりつつある「データおよびデジタル技術を活用した企業経営・企業活動の高度化」を通じた競争力維持・強化のための投資ニーズは基本的な情報環境整備に伴い一定の落ち着きが見られるものの、引き続き堅調であり、連結決算開示事業、デジタルトランスフォーメーション推進事業を中心に売上成長を実現したことにより、30,481百万円(前年比8.0%増)と増収になった。利益に関しては、業容拡大に応じた人件費、採用費およびIT費用、オフィスの移転および増床に伴うオフィス費用、ソフトウエアビジネス強化を中心とした将来成長を実現するための投資性の費用などが増加したことに加え、一過性費用である受注損失引当金の計上があったものの、ソフトウエアビジネスの成長による利益率の向上および自社リソースを補うための外注加工費が減少したこともあり、営業利益は4,697百万円(前年比2.0%増)と増益になった。一方で、投資事業組合運用損、自己株式取得に伴う支払手数料の増加、前年同期に計上した株式売却益の反動の影響もあり、経常利益は4,573百万円(前年比0.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,985百万円(前年比13.1%減)となった。
②当社は当連結会計年度より、事業セグメントの区分方法を見直し、「連結決算開示事業」「デジタルトランスフォーメーション推進事業」「経営管理ソリューション事業」は1社1セグメントで構成し、その他の小規模法人については「その他」に区分するように変更している。これに伴い、各セグメントの前年同期の実績値を変更後のセグメント区分に組み替えて表記している。
③連結決算開示事業については、当連結会計年度より一部の保守サービスの取引が経営管理ソリューション事業から商流変更されたことに加え、アウトソーシングビジネスが引き続き増収に貢献したことにより、売上高は9,648百万円(前年比16.2%増)と増収になった。収益性の面においては、人員増加やオフィスの増床に伴う人件費およびオフィス費用の増加といったコスト増の要因はあるものの、採用費の減少に加え、生産性の向上およびソフトウエアビジネスにおけるクラウド移行の推進などの影響で利益率が向上したことにより、営業利益2,923百万円(前年比45.7%増)と売上増を大きく上回る増益率となった。
④デジタルトランスフォーメーション推進事業については、顧客ニーズの高度化に伴い一定の落ち着きが見られ、加えて、一部の案件のキャンセルが発生したものの、経営や事業推進に関わる意思決定にデータを活用するニーズは引き続き堅調であり、売上高は11,022百万円(前年比6.8%増)と増収になった。自社リソースを補うための外注費は減少したが、売上成長を支えるための人員増に伴う人件費の増加、オフィスの移転に伴う一時費用やオフィス費用などのコスト増に加え、前述の一部の案件のキャンセルによって収益性が悪化した影響もあり、営業利益は1,717百万円(前年比0.1%増)とほぼ横ばいとなった。
⑤経営管理ソリューション事業については、ソフトウエアビジネスの売上は増加しているものの、当連結会計年度より一部の保守サービスの取引が連結決算開示事業に商流変更された影響もあり、売上高9,685百万円(前年比1.7%増)の微増となった。上記要因によって売上成長が限定的となったことに加え、将来成長のための人員確保に伴う人件費増およびソフトウエアビジネス強化のための研究開発費、マーケティング費用、外注費の増加、一過性費用である受注損失引当金の計上などの影響もあり、営業利益は1,129百万円(前年同期比36.3%減)と減益になった。
⑥連結従業員数は当連結会計年度末で1,883名となり、前連結会計年度末から176名増加。
⑦当社グループでは、法人税などの支払や役職員への業績連動賞与の支給などによって連結会計年度初期の営業活動によるキャッシュ・フローは低水準となり、中期以降に徐々に増加し、通期で見るとプラスとなるのが通例となっている。連結決算開示事業および経営管理ソリューション事業における保守料やアウトソーシングビジネスの支払手数料については、役務の提供前に年間分が前払いされることから、元より運転資金がほとんど必要のないビジネスモデルとなっています。反面、デジタルトランスフォーメーション推進事業は外注費などの支払いが先行するため、売上が伸びるに従って増加運転資金需要が発生することになるが、グループ全体の余剰資金を持株会社へ集中することにより、グループ間での円滑な資金融通を可能としているほか、グループ全体としては、現金総保有高に加え、取引各行と総額35億円のコミットメントラインを設定しているところから、現状資金繰りに懸念はなく、むしろ今後は余剰資金を戦略的な投資に利用していく意向。
⑧当社では2023年8月に新中期経営計画として、2028年6月期までの5ヶ年計画(5年後の達成目標)を発表した。その4年目となる2027年6月期は、ソフトウエアビジネスの強化を中心として、アバントグループのマテリアリティ(「企業価値の向上に役立つソフトウエア会社になる」)を実現するための施策を引き続き推進していく。マテリアリティ実現に必要となる成長投資は、グループ事業会社を中心に今後も継続的かつ機動的に実施していくことに加え、新製品開発のためのR&D費用、戦略を実行する経営人材の採用が持株会社でも発生することを見込んでいる。物価上昇の継続や金融資本市場の変動、中東・ウクライナ情勢などの地政学リスクの高まりを背景とする景気後退懸念といった不安定要因は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性はあるものの、データを活用した経営やグループ・ガバナンスの強化を志向する企業の増加など、当社グループの事業へのニーズについては、むしろ今後も中長期的に高まっていくものと捉えている。これらの結果として、2027年6月期は売上高32,800百万円および営業利益5,000百万円の達成を予想している。配当については従来の方針に則り、純資産配当率について、全上場企業の平均を常に上回ることを意識しながら引き上げて行く一方で、安定配当(原則、1株当たりの配当金が前期の水準を下回らないこと)を心掛けていく。次期の配当については、上記方針自体の変更はなく、新中期経営計画期間内に達成目標として掲げている純資産配当率8%の達成を志向して1株当たり34円を予想としている。
⑨監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役2名の報酬等の総額は8,800万円。単純平均で取締役1人当たり4,400万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人給与は含まず。
⇒使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社からの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすくなると思う。
株主総会での個人メモ
①質疑応答で、「企業理念、ミッション、ビジョン、社会貢献などについて高く評価している。」との旨の意見あり。
②質疑応答で、「北朝鮮の拉致問題について、コーポレートサイトなどで触れて欲しい。」との意見あり。「問題があることは認識している。事業の発展に集中していく。」との旨の回答。
③質疑応答で、「競合他社のSTRAVISに追われている。DIVAの優位性は?」との旨の質問あり。「内にシステム開発を取り込んでいる。お客様の事業プロセスが分かり、改善点が分かるのが強み。他社との優劣は単純には比較できない。」との旨の説明。
④質疑応答で、「AIの活用競争について」質問あり。「AIのインパクトは随所に沸き起こっている。商品開発、業務の改善などに活用している。」との旨の回答。
⑤質疑応答で、「大株主であり取締役の野城剛さんが取締役から退任する理由は?退任後も会社に残るのか?」との旨の質問あり。「持続可能な会社を作っていくサクセッション(後継者育成)の一環として勇退いただくこととなった。65歳の年齢を一つの節目にしたいとの話があった。今後は、事業会社の非常勤の社外取締役となる。公認会計士でもあり、事業会社で知見を活かしてもらう。」との旨の説明。
⑥質疑応答で、「中期経営計画「BE GLOBAL 2028」について、計画達成のハードルが高いと思う。コミットメントは維持されるのか?それとも下方修正を考えているのか?」との旨の質問あり。「非常に厳しいのは事実。様々な立て直しをしていく中で考えている。こういう風にありたいというところから計画を立てた。結果を見ると、ストレッチのある計画だったと思う。会社は2028年で終わるわけではないので、今後、精度を上げていきたい。」との旨の回答。
⑦質疑応答で、「労働集約型の事業ではなく、ソフトウェアの会社との理解で合っているのか?売上が伸びるスピードが遅いと思う。」との質問あり。「目指しているのは労働集約型ではなく、ソフトウェアの会社。人数を抱えており、転換に時間がかかっている。人の数を増やさずに発展していこうと考えている。」との旨の説明。
⑧質疑応答で、「スライドの説明資料にあったEBITDA50億円とは?」との質問あり。「現時点のEBITDAが50億円規模。100億くらいまで行くために分解して示したのが中期経営計画「BE GLOBAL 2028」。ざっくりとこんな図が頭にあると理解して欲しい。」との回答。
⑨質疑応答で、「社長の森川徹治さんは、以前、カヤック(3904)の社外取締役を務めていたが、その経緯は?逆に、カヤックから社外取締役を迎えるようなことも考えているのか?」との旨の質問あり。「ガバナンスの強化について興味を持っていた中で、カヤックの柳澤大輔さんから相談があった。当社では、社外取締役候補者を探す際に、指名委員会の判断でお願いしている。」との旨の説明。
⑩質疑応答で、「AI技術を活用した低価格・高付加価値のベンチャー企業が参入してきたらどう対応するのか?」との質問あり。「新規参入は続々と押し寄せている。参入障壁は、業務の複雑性を競争優位と考えて、舵を切っている。」との旨の回答。
⑪質疑応答で、「8月5日の決算説明動画では、AIはプラスに寄与する可能性が高いとの言及があった。具体的には?」との質問あり。「ソフトウェアを持っている会社を買うというのが今までの戦略。AIにより、買うよりも作ったほうが安いとの判断になった。ソフトウェア工場の建設に注力している。」との説明。
⑫質疑応答で、「営業利益率が悪化している。理由は?」との質問あり。「一番大きいのが人件費。単価が上がった後に人件費が上っている。」との回答。
⑬質疑応答で、「中期経営計画「BE GLOBAL 2028」に対して今期と来期の投資額が減少している理由は?買収から自社開発への切替が理由なのか?」との質問あり。「投資枠200億円に対して、残り160億円を維持しているが、内訳を変えている。内部投資を優先で、M&Aも検討している。当面は内部投資を中心に進める。枠としては減額を考えていない。」との説明。
⑭質疑応答で、「取締役候補者を見ると、社外取締役が2名だが、後進育成のため、社内から取締役に引き上げる方が良いのではないか?後進育成状況が心配。」との意見あり。「グループ経営なので分かり難いが、取締役会はモニタリング。経営者の育成ができるガバナンスを作ることが優先。後継者育成、経営者育成は、他社に比べて比較的に進んでいると思う。」との旨の回答。
⑮議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
質疑応答では、社長の森川徹治さんを中心に丁寧に回答対応されていました。
事業報告では、「AIをどう活かしていくかが課題」「AIは社会に与えるインパクトが大きすぎる」「AIで無くならない業務に貢献していく、特化していく」「経営管理ソリューション事業は、連結決算開示事業のように展開していきたいが苦戦している」などの社長の森川徹治さんのコメントが特に印象に残りました。
2026年6月期業績予想未達と、中期経営計画「BE GLOBAL 2028」の計画達成懸念から株価は軟調ですが、緩やかながらも業績は拡大しており、利益率も高い優良企業だと思います。
一方で、質疑応答でも言及があった通り、AIの発展により、セキュリティー面の対応も最重要になってくるものと思います。サイバー攻撃を受けた際に、情報流出によりお客様の信用を損なうようなことが発生しないように、十分な注意と対策をして経営を進めて欲しいです。成長企業として再投資も検討します。


