Sharing Innovations 臨時株主総会
日時:2026年10月26日(月) 13:00-13:35
場所:Sharing Innovations本社(恵比寿駅徒歩5分)
出席株主数:数名
お土産:無し
企業概要
Sharing Innovations(4178)
HP:株式会社 Sharing Innovations | 企業経営を支えるDXパートナー
①システム開発・アプリ開発を行うシステムソリューション、クラウドサービスの導入支援を行うクラウドインテグレーションなどを行う「デジタルトランスフォーメーション事業」(売上構成比91%)を中心に、占いを主要カテゴリーとしたネイティブアプリの企画・開発・運営を中心に行い、AppleInc.の運営する「AppStore」およびGoogleInc.の運営する「Googleplay」などの配信プラットフォームおよびアプリ以外のブラウザを通じて、スマートフォンユーザーに提供する「プラットフォーム事業」(売上構成比9%)を運営。
②筆頭株主は、企業向けデジタルマーケとDXなどを手掛けるOrchestra Holdings(6533)で、267万株、71.5%を保有。
株式情報
時価総額:38.2億円(2026年10月23日時点)
売上高:44.5億円(2025年12月期実績)⇒45.0億円(2026年12月期予想)
株価:1,009円(2026年10月23日時点)
1株純資産:440円(2026年6月末時点)、PBR:2.29倍
1株当期純利益:10.6円(2026年12月期予想)、PER:95.1倍
1株配当:無配(2026年12月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配
フリーキャッシュフロー:0.72億円(2025年12月期実績)
株主数:1,404名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2026年12月期第2四半期は、デジタルトランスフォーメーション事業においては人材確保とIT技術の教育により、開発体制強化に努めてきたが、前連結会計年度において、当社グループを取り巻く外部環境の変化を受け、Salesforce領域、SES領域の収益が減益となり、データ・AI、ITコンサルティングといった新規事業領域が伸長するも、当初の計画を下回った。これを受けて、当社では、「安定的な人材確保」「中間マネジメント層の醸成」「ソリューションのポートフォリオ化」(短期)、「中期的なビジネスモデルの検討」「トレンド技術領域への適応」(中期)を重点課題と捉えている。当社は、当連結会計年度を「リカバリ期」と位置づけ、これらの課題に対する投資を実行し、ビジネスモデル、収益性、事業ポートフォリオの面で改善を図っていく。当中間連結会計期間においては、計画を前倒しして進捗している。以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高1,949,547千円(前年比15.7%減)、営業利益82,703千円(前年比206.9%増)、経常利益83,199千円(前年比445.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益41,273千円(前年の純損失は5,464千円)となった。
②デジタルトランスフォーメーション事業においては、事業開始からM&Aを推進し、同時にIT人材の採用を行うことで開発体制の拡充を進めてきた。IT利活用の多様化・高度化に伴い拡大するIT需要を取り込み、各種Webシステム開発、スマホアプリ開発、クラウドインテグレーションなどの案件を受注している。 以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は1,754,891千円(前年比17.6%減)、セグメント利益(営業利益)は216,442千円(前年比32.8%増)となった。
③プラットフォーム事業においては、「チャットで話せる占いアプリ-ウラーラ」を主力としたスマートフォン向けアプリの企画・開発・運営などに取り組んでいる。以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は209,355千円(前年比5.5%増)、セグメント利益(営業利益)は34,264千円(前年比33.0%増)となった。
④2026年8月25日に、「Orchestra HoldingsとSharing Innovationsは、本日付の両社の取締役会決議により、Orchestra Holdingsを株式交換完全親会社とし、Sharing Innovationsを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決定し、本日、Orchestra HoldingsとSharing Innovationsとの間で株式交換契約を締結した。」と公表。本株式交換は、Orchestra Holdingsにおいては、会社法の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の決議による承認を受けずに、また、Sharing Innovationsにおいては、2026年10月26日開催予定の臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、2026年11月30日を効力発生日として行われる予定。なお、本株式交換の効力発生日に先立ち、Sharing Innovationsの普通株式は、東京証券取引所グロース市場において、2026年11月26日に上場廃止(最終売買日は2026年11月25日)となる予定。Sharing Innovations株式1株に対して、Orchestra Holdings株式0.478株を割当交付。
⑤Orchestra Holdingsは、システム開発およびソフトウェアテストなどのDX事業を展開するとともに、M&Aの積極的な活用を通じて事業領域の拡大を進めてきた。近年は、生成AIの急速な普及、顧客ニーズの高度化およびIT人材の獲得競争の激化など、DX事業を取り巻く環境が大きく変化しており、こうした変化に迅速に対応するため、グループ内の経営資源をより一体的かつ効率的に活用する必要があると考えている。Orchestra Holdingsは、DX事業を取り巻く事業環境が大きく変化する中、グループ全体の企業価値を持続的に向上させるためには、従来以上に迅速かつ機動的な意思決定を行うとともに、グループ内の経営資源を一体的かつ効率的に活用することが必要であると認識し、Sharing Innovationsとの連携のあり方について検討を重ねてきた。その過程において、両社の経営陣を中心に、事業戦略、組織体制、人材・技術、顧客基盤等の観点から、今後の成長に向けた施策及び資本関係のあり方について協議・検討を行った。その結果、Sharing Innovationsの上場を維持した現状の資本関係の下では、両社の少数株主への配慮から、経営資源の相互活用や両社間の取引、投資判断等について一定の制約が生じ得る一方、完全子会社化することで、両社の利害を一致させ、意思決定の迅速化を図ることが可能になると判断した。これにより、開発・営業リソースの相互活用による大規模・高度案件への対応力の強化、人材・技術ノウハウの共有による開発品質及び生産性の向上、顧客基盤の相互活用によるクロスセルおよび新規案件の創出などのシナジーをより早期かつ確実に実現できることから、Sharing Innovationsを完全子会社化することが、両社およびOrchestra Holdingsグループ全体の企業価値向上に資する最適な選択であるとの判断に至った。
⑥Sharing Innovationsは、昨今の上場子会社を取り巻く状況として、東京証券取引所の「親子上
場等に関する投資者の目線」(2025年2月4日)、「親子上場等に関する事例集」(2025年12月26日)などの公表資料や実際の上場子会社数の推移を確認する中で、Orchestra HoldingsによるSharing
Innovationsの完全子会社化が、Sharing Innovationsの資本政策の一つの選択肢であると考えていた
ところ、2026年6月29日に、Orchestra HoldingsからSharing Innovationsの完全子会社化に係る初期的意向表明書を受領し、完全子会社化のより具体的な影響の検討を開始するに至った。Sharing
Innovations は、2017年6月に、デジタルアイデンティティ(現:Orchestra Holdings)の完全子会社となり、その後 2021年に、その信頼性・知名度の向上と人材獲得・育成に必要な資金の調達を企図し、株式を上場した。Sharing Innovationsは、2019年に新規事業として、Salesforce製品の導入支援を行うクラウドインテグレーション事業を立上げ、新卒で採用したエンジニアを案件にアサインすることで急成長した。しかし、2022年頃から中小企業向けのSalesforce製品のニーズが一巡し、エンジニアの稼働率が落ち込む中、2024 年以降の新卒採用を見送ったことで、生え抜きの人員数が減少傾向となった。加えて、高い市場成長の見込めるデータ利活用・AI、IT コンサルの領域を立ち上げたものの、会社全体のけん引役となるほどの成長には至らず、会社全体の売上、利益が縮小し、投資余力が減少してきている。一方で、直近のSharing Innovationsを取り巻く環境として、人材確保の競争の激化や生成AIの活用の急速な進展があり、短期収支に囚われることのない投資の必要性が増している。さらに、Sharing Innovationsにおいては、上場維持コストとして、現在、年間4,000万円から5,000万円程度を要している。なお、親会社であるOrchestra Holdingsとの間では、現状でも事業上の連携はあるものの、上場子会社のガバナンスの公平性や透明性について、様々な対応が求められ、またSharing Innovationsの少数株主の利益を考慮した検討が必要になるため、Orchestra Holdingsグループの各社と取引を行う場合には、Sharing Innovations での取締役会での決議を前提としており、Orchestra Holdingsグループとして、迅速な連携が取れていない面があった。これらの経営課題に対処するため、Sharing Innovationsとしても、Orchestra Holdingsの完全子会社となることが望ましいと判断するに至った。
⑦社長の堤貴寛さんは、48歳(1977年生まれ)と若い社長。
⑧社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は4,061万円。単純平均で取締役1人当たり1,353万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人給与は含まず。
⇒使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社からの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすくなると思う。
株主総会での個人メモ
①株主総会会場は、Sharing Innovations本社会議室。会議室の壁紙は他社ではあまり見かけない楽譜であった。また、今回の株式交換で完全親会社となるOrchestra Holdingsの本社も同じフロアにあった。
②質疑応答で、「2021年上場時の公開価格に対し、現株価は3分の1程度。期待されて上場したが、結果として期待に応えられなかったように見える。上場していた5年間の総括を伺いたい。」との質問あり。事務局から社長の堤貴寛さんにメモが渡され、指名された取締役の西田祐さんから、「当初は上手くいっていたが、環境の変化があり、上手くいかなくなった。Salesforce製品の導入支援を、新卒で採用したエンジニアをアサインすることで急成長した。人材確保の競争の激化や生成AIの活用の急速な進展があり、環境が厳しくなった。Orchestra Holdingsの完全子会社となり、短期的な視点にとらわれることなく投資ができるようになる。」との旨の回答。
③質疑応答で、「三菱UFJとの提携について、何か成果は出たのか?」との質問あり。事務局から社長の堤貴寛さんにメモが渡され、指名された取締役の西田祐さんから、「Salesforce上のアプリの導入、お客様の紹介で提携している。他の金融機関にも提供できるアプリだが、横の展開はできていない。紹介いただいたお客様にSalesforceの導入はあるが限定的。」との旨の説明。
④質疑応答で、「今回、業績が向上してきた段階での株式交換で上場廃止となる。これからだと思っていたのでがっかりしている。」との旨の意見あり。「Orchestra Holdingsの一員として、企業価値の向上をはかっていく。」との旨の回答。
⑤質疑応答で、「Sharing Innovationsの将来性は?」との質問あり。「Salesforceを導入した他のパートナーとの横の連携は引き続き順調であり、事業の成長性にマイナスは無いと思っている。」との旨の説明。
⑥議案の採決方法は拍手での採決。議案に反対の株主は、係員に入場票番号と名前を申し出るようにとの説明があった。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、Sharing Innovations本社会議室での開催でしたので、良い機会となりました。
質疑応答でも指摘がありましたが、2021年3月24日に公開価格2,850円、初値4,650円で上場した後、Salesforce製品のニーズが一巡し、株価は下落を続け、2026年6月には最安値の476円となりました。今回の株式交換で、プレミアムが乗るもののそれでも現株価は1,009円(2026年10月23日時点)に甘んじています。
なお、Orchestra Holdingsにおいては、上場時に所有するSharing Innovations株式の一部売出しにより、2021年12月期の個別決算において、2,372百万円の子会社株式売却益を特別利益として計上していました。
結果的に、Orchestra Holdingsは、Sharing Innovationsの株式を2021年に高値(公開価格2,850円)で売り、今回、安値で買い戻す形になりそうなので、法的には問題は無いと思いますが、少数株主の立場から見ると違和感が残るかもしれません。
上場後、わずか5年での上場廃止に違和感があり、また、上場廃止は寂しいですが、Sharing Innovationsについての知見は、今後、Orchestra Holdingsへ投資を検討する際の参考にします。


