鳥取銀行 第162期定時株主総会
日時:2026年6月26日(金) 10:00-10:50
場所:鳥取銀行本店(鳥取駅徒歩3分)
出席株主数:約40名
お土産:無し
企業概要
鳥取銀行(8383)
①鳥取県の第一地方銀行。鳥取県を主に、預金業務、貸出業務、商品有価証券売買業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務等をおこない、地域に密着した営業活動を行う銀行業を運営。クレジットカード業務、リース業務、ベンチャーキャピタル業務なども手掛ける。
②第7位の株主は、パチンコ店を運営する三洋商事で、11万株、1.2%を保有。
第8位の株主は、総合クレジット事業などを手掛けるエヌケーシーで、10万株、1.1%を保有。
第9位の株主は、不動産賃貸業などを手掛ける三信で、10万株、1.1%を保有。
③株主優待(3月末)
100株:クオカード500円
500株:3,000円相当の特産品
2,000株:6,000円相当の特産品
株式情報
時価総額:147億円(2026年6月25日時点)
経常利益:22.4億円(2026年3月期実績)⇒23.0億円(2027年3月期予想)
株価:1,537円(2026年6月25日時点)
1株純資産:5,430円(2026年3月末時点)、PBR:0.28倍
1株当期純利益:170円(2027年3月期予想)、PER:9.04倍
1株配当:50円(2027年3月期予想)、配当性向:29%
配当利回り:3.2%、株主優待含む利回り:3.6%(500株保有時)
総資産:1.13兆円(2026年3月末時点)
株主数:12,872名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2026年3月期は、経常収益は、資金運用収益や役務取引等収益が増加したことなどにより、前期比26億67百万円増加の189億91百万円となった。経常費用は、資金調達費用が増加したことなどにより、同23億25百万円増加の167億48百万円となった結果、経常利益は、同3億42百万円増加の22億43百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同2億70百万円増加の15億83百万円となった。当期純利益は、4年連続の増収増益。
②預金は、前年比255億円増の10,455億円。貸出金は、前年比350億円増の9,172億円。預貸率は87.7%。その他有価証券の評価損益は△12億円。金融再生法開示債権は106億円。貸倒引当金は43億円。自己資本比率(国内基準)は8.89%。総資金利鞘は0.06%。
③2027年3月期の連結業績予想は、経常利益2,300百万円(前年比2.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,600百万円(前年比1.0%増)。
④2025年のデータでは、鳥取県内のメインバンクシェアは、山陰合同銀行(8381)が48.7%、鳥取銀行が25.4%。
⑤監査等委員である取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は9,500万円。2025年6月に就任した1名を9ヶ月分として試算すると、単純平均で取締役1人当たり2,533万円。
株主総会での個人メモ
①株主総会は、鳥取銀行本店内の会議室での開催。盆栽が印象的。
②株主総会における質疑応答は、議案に関する内容についてのみと制限されていた。一方で、議案以外の質問については、株主総会後に質疑応答を対応するとの説明があった。
⇒株主総会中に、議案以外の事業報告などの内容について質問できず、他社の株主総会では見かけない議事進行であった。なお、株主総会においては、質問は出なかった。
③議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
④株主総会終了後、10:30より議案以外の質問について質疑応答開始。
⑤質疑応答で、「事業報告にサイバーセキュリティー対応について記載が無かった。」との意見あり。「決算に関係が無かったので、スライドに入れなかった。システム全般において、チェック、監視体制について費用をかけて対応している。」との説明。
⑥質疑応答で、「増収増益の時こそ、しっかりと経営に取り組んで欲しい。」との意見あり。
⑦質疑応答で、「AIをどのように使うのか説明が無かった。」との意見あり。「AIは既に使用している。資料の作成、分析に使用している。お客様との取引についても、先々、AIを使用するケースが出てくると思う。AIを使用し、収益性を高めていく。」との回答。
⑧質疑応答で、「業績が向上している中、50円の安定配当が続いているので、結果として配当性向が落ちている。安定配当を行っている同規模の富山銀行(8365)でさえ増配を決めた。今期は増配を期待したい。」との意見あり。「株主優待導入以降、株主数が増えている。配当は株価にも影響してくると思う。重要な課題だと考えている。」との説明。
⑨質疑応答で、「東京証券取引所からPBR1倍割れの改善要請が出ている。決算説明資料ではPBRの改善状況について説明もあるが、現状、PBR0.2倍と低迷している。当行としてPBR1倍を達成しなければならないと考えているのか?」との質問あり。「PBR1倍を目指すつもりはある。ROEの改善をしていく。」との旨の回答。
⑩質疑応答で、「決算短信に記載のある今期の業績予想について、前提としている政策金利を教えて欲しい。」との旨の質問あり。「先週、日銀による利上げがあったが、もう少し早いタイミングで利上げがあるだろうとの前提で業績予想を作成した。想定よりも少し遅かった。」との説明。
⇒日銀の利上げは、6月の前であれば4月に実施される可能性があったが、一方で、決算短信は5月15日に開示しており、回答内容に違和感あり。今期の業績予想は、4月に利上げがある前提で作成したが、4月に利上げが無かったものの、近々利上げはあるだろうとの見込みと、保守的に作成していたことにより、そのまま修正せずに業績予想を開示したのではないかと推測。
⑪質疑応答で、「鳥取市長は鳥取駅前の再開発を公約としている。鳥取銀行は具体的にどのように関わるのか?」との質問あり。「鳥取銀行は鳥取市の指定金融機関。鳥取市から意見も求められている。地域活性化パートナーを立ち上げた。遅くなって時期を逸してしまわないように対応していきたい。」との回答。
株主総会を終えて感じたこと
日銀の政策金利の見直し(利上げ)による業績向上を期待し、また、PBRが1倍を割れており、株主優待も魅力的なので、平均1,508円で投資しました。
今回、実際に頭取や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、鳥取銀行本店内の会議室での開催でしたので、良い機会となりました。
議長は頭取の入江到さんが務められていましたが、株主総会における質疑応答は、議案に関する内容についてのみと制限されており、一方で、議案以外の質問については、株主総会後に質疑応答を対応するとの説明がありました。株主総会中に、議案以外の事業報告などの内容について質問できず、他社の株主総会では見かけない議事進行となっており、違和感を感じました。
2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、鳥取銀行は、1株当たり純資産5,430円に対し、株価1,537円(2026年6月25日時点)、PBR0.28倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。
鳥取銀行は、鳥取県の第一地方銀行ではあるものの、2025年のデータでは、鳥取県内では鳥取銀行のメインバンクシェア25.4%よりも、山陰合同銀行(8381)の方が48.7%と高く、また総資産などの規模の視点から見ても、今後も厳しい戦いが予想されます。
地銀再編時代に、どのような生き残り策を考えていくのか、山陰合同銀行(8381)やちゅうぎんフィナンシャルグループ(5832)などとの経営統合の可能性も視野に入れ注視します。仮に、地銀再編の手段を取らない場合、他の地銀にも増して知恵と工夫が必要な状況に見えます。
余談ですが、以下、2026年6月16日に決定した政策金利の利上げ(0.75%⇒1.00%)に関する、政府と日銀の対応についての個人的な考察(妄想)です。
5月22日に日銀総裁の植田さんと首相の高市さんが会談した際、高市さんは植田さんに対し利上げに難色を示した。
一方で、植田さんはインフレ動向を踏まえ利上げを実施する意向であった。仮に、高市さんの意向通りに6月15日~16日の金融政策決定会合で利上げ見送りの議長案を提出した場合には、採決で議長案が否決され、利上げが決定される可能性が高い状況であった。
板挟みとなった植田さんは、高市さんの顔をできる限り立てる(植田さんからの利上げの議案の提出を避けた)ため、さらには植田さん自身のプライドを保つ(自身の信念に合わないインフレ状況を無視した「利上げペースを遅らせる利上げ見送りの議案」を提出し否決されるのを避けた)ため、6月9日~6月23日に入院し、議案の提出を避け、採決にも参加しなかった。
結果、高市さんの顔をある程度立てつつ、植田さんのプライドも保ちつつ、今回の利上げを勝ち取った。
以前、副総裁の内田さんが入院時でもリモートで金融政策決定会合に出席し、議案の採決に参加していたことから、今回の植田さんの対応に違和感を感じ、上記の可能性を考えました。
なお、日銀法では、金融政策の具体的な運営手法については日銀の自主性が尊重され、政府による不当な介入は制限されています。一方で、日銀の金融調節が経済政策の一環であることを踏まえ、政府の基本方針と整合的なものとなるよう、政府と常に連絡を密にし意思疎通を図る義務があります。
中立金利が1.1%~2.5%と推測される中、政策金利1.00%は中立金利の下限に達しておらず、「円安・インフレ・低金利を望む政府」と「物価の安定を目的とする日銀」の今後の動向(戦い)が気になります。
高市政権の日銀の利上げに対する否定的な姿勢が報道されており、このまま順調に中立金利まで政策金利の利上げが進むのか不透明ですが、インフレの動向、中立金利の推移やターミナルレートを注視しつつ、追加投資も検討します。
2025年6月30日に到着した鳥取銀行の株主優待の内容についてはこちら↓
鳥取銀行の株主優待が到着しました【2025年6月30日】 | ぽこタンの株主総会日記



