石塚硝子 第90回定時株主総会
日時:2026年6月18日(木) 10:00-11:45
場所:アデリア総合体育文化センター(岩倉駅徒歩15分)
出席株主数:約30名
お土産:無し
企業概要
石塚硝子(5204)
HP:「モノづくり」「ヒトづくり」「ユメづくり」総合容器メーカー 石塚硝子株式会社 (ishizuka.co.jp)
①洋雑酒びん、清涼飲料水びん、清酒びん、食料・調味料びんなどの製造販売を行う「ガラスびん関連事業」(売上構成比17%)、紙容器および紙容器に係る充填機械の販売とメンテナンスを行う「紙容器関連事業」(売上構成比14%)、PETボトル用プリフォーム、プラスチック容器の製造販売を行う「プラスチック容器関連事業」(売上構成比26%)、ガラス製および陶磁器製食器などの製造販売を行う「ハウスウェア関連事業」(売上構成比20%)、抗菌剤、加熱調理用器具のトッププレートの製造販売を行う「産業マテリアル関連事業」(売上構成比7%)、パウチ飲料受託充填を行う「その他事業」(売上構成比16%)を運営。
②第2位の株主は、BBH CO FOR ARCUS JAPAN VALUE FUNDで、18万株、4.4%を保有。
第5位の株主は、半導体やFPD用製造・検査装置などを販売する東朋テクノロジーで、13万株、3.1%を保有。
第9位の株主は、ガス・水道メーターを販売する愛知時計電機で、9万株、2.3%を保有。
第10位の株主は、元社長の石塚芳三さんで、8万株、2.1%を保有。
③株主優待(3月末)
100株:クオカード1,000円分
長期保有(3年以上)
100株:5,000円相当の当社グループ製品 or 3,000円相当の選べるギフトを追加
株式情報
時価総額:120億円(2026年6月17日時点)
売上高:595億円(2026年3月期実績)⇒620億円(2027年3月期予想)
株価:2,854円(2026年6月17日時点)
1株純資産:9,058円(2026年3月末時点)、PBR:0.31倍
1株当期純利益:515円(2027年3月期予想)、PER:5.54倍
1株配当:72円(2027年3月期予想)、配当性向:13%
配当利回り:2.5%、株主優待含む利回り:3.5%(3年以上100株保有時の株主優待品を3,000円として計算)
フリーキャッシュフロー:38.9億円(2026年3月期実績)
株主数:8,668名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①当社グループは、「モノづくり」を通じて体質を強化し、多少の荒波が生じても難なく乗り越えられる経営基盤を確立するため、長期的な視点で会社の方向を示す「ISHIZUKA GROUP 2030」を2022年4月に公表した。これまでの事業環境の変化を踏まえ、2025年4月に見直しを行い、それに基づく2027年度を最終年度とする3か年の中期経営計画「新たな領域への挑戦」を策定している。この中期経営計画では、①2027年度までに連結営業利益5,000百万円の達成、②中堅・若手人財の躍動と視座高き人財の充実、③2027年度Co2排出量Scope1+Scope230%削減(2020年度対比)、④ペーパーレス化の推進・アナログ作業からの脱却(ラクの追求)を重点ポイントとしている。また、更なる企業価値向上のため、ROE目標の前倒しとともに財務健全性指標ならびに株主還元方針についても見直しを行うとともに、中期経営計画期間における経営目標の見直しと事業グループの特性に合わせた事業ポートフォリオ戦略の方向性を整理した。これに伴い、当連結会計年度より報告セグメントの見直しを行っている。
②2026年3月期の業績については、売上高はプラスチック容器関連事業の新工場の出荷が寄与していること、およびその他事業のパウチ飲料充填事業が新たに加わり、売上高は59,510百万円(前期比6.3%増)となった。増収効果に加えて、ガラスびん生産設備更新での生産性向上などのコスト低減施策や販売価格の見直しなどにより、営業利益4,160百万円(前期比8.1%増)、経常利益3,882百万円(前期比4.5%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は税金費用が増加したことにより、2,618百万円(前期比15.2%減)となった。
③ガラスびん関連事業は、ガラスびんは、諸資材価格および物流費用などの上昇に対する販売価格改定の取り組みを進めたが、物価高による買い控えなどの影響により出荷量は減少し、売上高は11,252百万円(前期比1.8%減)となった。
④紙容器関連事業は、紙容器は、国内外原紙の調達コスト、諸資材および物流費の上昇に対する販売価格改定の取り組みとともに、拡販活動に加えて新規販路の開拓もあり、売上高は9,206百万円(前期比7.4%増)となった。
⑤プラスチック容器関連事業は、PETボトル用プリフォームは、一部ユーザーからの受注が大きく落ち込んだが、前期から新たに稼働を開始した新工場からの出荷が寄与したことにより、売上高は15,858百万円(前期比8.3%増)となった。
⑥ハウスウェア関連事業は、ガラス食器は、一般市場向けの販売が落ち込んだが、企業向けの景品受注とアルコールメーカー向け業務用品の販売が伸長し増収となった。陶磁器は、海外のエアライン向けの受注は堅調に推移したが、国内および海外のホテル向けの受注が減少し、セグメント全体の売上高は13,246百万円(前期比0.2%減)となった。
⑦産業マテリアル関連事業は、抗菌剤は、原材料価格の上昇に対する販売価格是正を進めたが、出荷量などの減少により減収となった。調理器具向けガラストッププレートは、販売製品の品種構成の変化により減収となり、セグメント全体の売上高は4,660百万円(前期比8.4%減)となった。
⑧その他事業は、パウチ飲料充填事業の売上高が新たに加わり、セグメント全体の売上高は5,285百万円(前期比77.6%増)となった。
⑨2027年3月期のわが国経済は、国際情勢の不安定な状態が続いており、主要国通貨に対する円下落や物価高騰、物流への影響など依然として景気の先行きは不透明な状況が見込まれる。とりわけ、中東情勢の地政学リスクの高まりにより様々なコストの上昇や生産資材の調達への影響など、サプライチェーン全体におけるリスクが顕在化しつつある。このような環境下において、2027年3月期の業績予想に必要な合理的な条件の設定は困難な状況にあるが、一定の前提条件(原油価格の上昇に伴うエネルギーコスト影響について、一定の仮定に基づき業績予想に織り込んでいる。地政学リスクに伴う生産資材の調達や顧客動向変化の影響は、業績予想に織り込んでいない。)に基づき、売上高62,000百万円(前期比4.2%増)、営業利益3,500百万円(前期比15.9%減)、経常利益3,200百万円(前期比17.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,150百万円(前期比17.9%減)を予想している。
⑩2026年1月30日公表の2027年度中期経営計画「新たな領域への挑戦」アップデートに関するお知らせにおいて、事業グループの特性に合わせた事業ポートフォリオ戦略の方向性を整理した。これに伴い、報告セグメントについて、従来の「ガラスびん関連事業」「ハウスウェア関連事業」「紙容器関連事業」「プラスチック容器関連事業」「産業器材関連事業」から、「包装容器関連事業」「ハウスウェア関連事業」「産業マテリアル関連事業」に変更している。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載している。
⑪大規模な投資案件が24年度で一旦落ち着いたことから、有利子負債の圧縮を進めた。自己資本比率40%を目途に有利子負債を圧縮。金利のある時代に対応したB/Sの改善。
⑫2026年1月30日開催の取締役会において、2025年4月24日公表の「2027年度中期経営計画「新たな領域への挑戦」」について、経営目標の一部を変更することを決議。更なる企業価値向上のためには、ROE8%の早期達成および継続的に8%以上を実現できる経営基盤を整えることが適当であると判断し、2027年度のROE目標設定および財務健全性や株主還元方針の見直しを実施する。「2027年度までにROE8%以上」「自己資本比率40%程度」「段階的な増配、機動的な自己株取得」を追加・変更。
⑬従来実施の名証IRエキスポ出展に加え、2026年度からは東証IRフェアへの出展、個人投資家向け説明会の実施を検討している。
⑭保有資産(株式など)について、保有の合理性についての検証を適宜行い、事業への寄与度を踏まえた対処(縮減など)を継続していく。
⑮2026年5月8日開催の取締役会において、ガラスびん生産設備の更新を行うことを決議。包装容器関連事業の一つとしてガラスびんを生産しているが、溶解炉が寿命を迎える為、設備の更新が必要となった。設備の更新により、燃費の改善とともにロボット活用や工程合理化を進め、生産性の向上を図る。総投資額(予定)は約1,500百万円。稼働予定は2027年8月。
⑯取締役、監査役、補欠監査役候補者9名中、70歳以上の候補者は石原浩さん(1956年生まれ、70歳)の1名。
⇒役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑰社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は8,200万円。単純平均で取締役1人当たり2,050万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人給与は含まず。
⇒使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社からの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすくなると思う。
株主総会での個人メモ
①株主総会会場は、石塚硝子のガラス食器ブランドのアデリアを冠したアデリア総合体育文化センターでの開催。
②質疑応答で、「買収防衛策を導入しているが、他社では減少傾向であり、経営陣の保身と思われ、株主価値を損なう。一方で、第2位の株主のとしてBBHが買い増しを続けている。エンゲージメントを行うファンドなので、今後、買収防衛策について廃止の提案をされると思うが、提案される前に自ら廃止したほうが良いのではないか?」との旨の質問あり。「経営陣の保身のためではない。企業価値を理解してくれる人が正しく株式を購入してくれるのであれば問題無い。そうでない場合、既存株主に対し、代替案を提示する時間を稼げる。」との旨の回答。
③質疑応答で、「株式を上場している以上、会社として株主を選べないのではないか?上場廃止したほうが良いのでは?」との意見あり。
④質疑応答で、株主資本が200億円程度ある。一方で、時価総額が120億円。株主が回収できない状況。28年間、PBR1倍を下回っている。対処すべき課題として触れられていないのは何故?社外取締役の小栗悟さんに回答頂きたい。」との質問あり。「1月30日に中期経営計画のアップデートを公開した。その中で、ROE8%、自己資本比率40%を目指すとしている。増配もしていく。PBR1倍を下回っているのは認識している。利益をどれだけ上げられるかが株価に影響している。これらの施策が市場に評価してもらえるようにIRも強化するよう助言している。」との旨の説明。
⑤質疑応答で、「PBR1倍はスタート。PBR1倍割れは異常な状況だと思う。経営陣にPBR1倍へ不退転で取り組む姿勢が見えない。」との意見あり。「1月30日にアップデートした中期経営計画を着実に実行していきたい。」との回答。
⑥質疑応答で、「ネガティブでマニアックな質問が多い。経営陣がやる気になるような雰囲気を作ったほうが良い。」との旨の意見あり。
⑦質疑応答で、「ハードコート剤の進捗状況が分からない。商品化できるのか?引き合いはあるのか?」との質問あり。「自動車、通信、半導体分野で採用してもらえるように活動している。一進一退の状況。」との説明。
⑧質疑応答で、「人を育てるとは、具体的にはどういうことなのか?研究開発分野の大学との協業などを指しているのか?」との質問あり。「今後、団塊世代が退職していく。若い世代にいろいろとチャレンジさせていくという意味。」との回答。
⑨質疑応答で、「国内金利が上昇しているが、対応は?」との質問あり。「特に対応は考えていない。当面の資金は長期で借入をしている。その後の対応はコスト意識を持って判断していく。」との説明。
⑩質疑応答で、「買収したパウチ飲料充填事業は、利益は出ていないが今後の成長のキーパーツに見える。すでに出ているシナジー、今後期待しているシナジーがあれば教えて欲しい。」との質問あり。「売上は想定通りだが、利益が出ていない。石塚硝子の技術を用いて解決できないかと考えている。中東の件で資材の融通をしたり、お客様の変化への対応が期待できる。」との回答。
⑪質疑応答で、「時価総額120億円。IRフェアへ参加するとのことだが、個人投資家にどのようなPRをするつもりなのか?」との質問あり。「今やっていることを愚直に説明する。200年の歴史のある会社。今までIRでできていなかったので、まずは取り組むところがスタート。石塚硝子のファン株主を増やしたい。」との説明。
⑫質疑応答で、「アップデートされた中期経営計画では、有利子負債の圧縮が一番にかかれている。通常であれば、成長投資や設備の維持、株主還元の方が優先順位が高いと思う。営業キャッシュフローが上振れした場合、資金の活用先として、どこを優先するつもりなのか?」との質問あり。「収益の安定化と財務の健全性を図りたい。有利子負債の削減を優先する。」との回答。
⑬質疑応答で、「長期金利が2.6%へ上昇している。株主資本コストが上昇しつつあるので、ROEの目標は8%ではなく10%くらいにすべきでは?取締役の畔柳博史さんに回答いただきたい。」との質問あり。「ROE8%目標は過去の物との報道もあるが、株主資本コストが8%を超えているとは考えていない。目標の変更については議論していく。」との説明。
⑭質疑応答で、「ネガティブな質問が多い。議長権限で質問を打ち切ったらどうか?」との意見あり。「いろいろな意見の株主がいるので、真摯に回答していきたい。時間の許す限り対応する。」との回答。
⑮質疑応答で、「地域密着、地域貢献に振り切って欲しい。岩倉市では一強の企業。地域の雇用強化など、何か考えはあるのか?」との旨の質問あり。「中学校では部活動ができなくなっているので、ジュニアアスリートで貢献したり、工場でバーゲンセールを行ったりしている。」との説明。
⑯質疑応答で、「BtoCでもある会社なので、ファン株主を増やすのは良いことだと思う。配当方針にDOEを採用するなど、株価に直結するような施策をして欲しい。PBR1倍を目指して欲しい。」との意見あり。
⑰質疑応答で、「株主総会招集通知が味気ない。パッと見て、この会社の株主になって良かったなと思えるくらいに改善して欲しい。」との意見あり。
⑱質疑応答で、「従業員持株会の保有株式数が増えていない。従業員が株式を保有したいと思えるような魅力のある会社にして欲しい。」との旨の意見あり。「従業員持株会では、インセンティブを付与しているがなかなか増えない。愛知県の県民性として、預金が好きなこともあると思う。従業員を対象としたストックオプションは考えていない。」との回答。
⑲質疑応答で、「PBR1倍割れを改善していく不退転の覚悟はあるのか?」との質問あり。「取締役全員が認識している。改善に取り組んでいく。PBR関連の質問については繰り返されているので、PBR以外の質問をして欲しい。」との説明。
⑳出席株主より、「PBR関連の質疑を打ち切る議長の議事の進め方」について動議あり。なお、「議案の採決において、拍手での採決ではなく、個別に反対票をカウントし、臨時報告書で公開するのであれば動議は取り下げる。」との動議の補足説明もあり。「議案の賛否について、株主総会終了後に個別に受付に申し出れば、賛否に反映させる。臨時報告書で公開する。」との回答。動議は取り下げられた。
㉑議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
業績が堅調な一方で、PBRが1倍を、PERも10倍を大きく下回り、また、株主優待も魅力的なので、平均3,014円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、石塚硝子は、1株当たり純資産9,058円に対し、株価が2,854円(2026年6月17日時点)、PBR0.31倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。
質疑応答では、PBR1倍割れの改善に関する質問が多く出ていましたが、1月30日に公開した中期経営計画のアップデート版を対応していくとの説明を繰り返しされていたのが印象的でした。
特にイラン情勢の業績への影響が気になりますが、その他事業のパウチ飲料充填事業の今後の進展や、個人投資家を意識したIRの強化の進捗について、継続注視します。追加投資も検討します。
2026年6月3日に到着した石塚硝子の株主優待の内容についてはこちら↓
石塚硝子の株主優待と隠れ株主優待が到着しました【2026年6月3日】 | ぽこタンの株主総会日記



