東天紅 第70回定時株主総会
日時:2026年5月28日(木) 10:00-10:35
場所:東天紅上野店(湯島駅徒歩3分)
出席株主数:約40名
お土産:無し
企業概要
東天紅(8181)
HP:東天紅|TOH-TEN-KOH (totenko.co.jp)
①「東天紅」「LUCIS GARDEN」にて中国料理による飲食店、宴会場の経営などを行う「飲食業」(売上構成比96%)を中心に、不動産賃貸を行う「賃貸業」(売上構成比4%)を運営。
②筆頭株主は、社長の小泉和久さんが代表を務める小泉グループで、同じく小泉和久さんが代表を務める九州アフリカ・ライオン・サファリを含め、83万株、32.6%を保有。
株式情報
時価総額:25億円(2026年5月27日時点)
売上高:48.0億円(2026年2月期実績)⇒49.0億円(2027年2月期予想)
株価:983円(2026年5月27日時点)
1株純資産:2,876円(2026年2月末時点)、PBR:0.34倍
1株当期純利益:177円(2027年2月期予想)、PER:5.55倍
1株配当:15円(2027年2月期予想)、配当性向:8%
配当利回り:1.5%
フリーキャッシュフロー:4.77億円(2026年2月期実績)
株主数:3,967名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善により、緩やかな回復を続けている。一方で、米国の通商政策の動向、金融資本市場の変動、緊迫化する国際情勢や物価上昇による消費者心理の冷え込みなど、先行き不透明な状況が継続している。外食業界においても、インバウンド需要を背景に堅調な推移をみせているが、国産米をはじめとする原材料価格、物流費、人件費および水道光熱費など、各種コスト高騰の状況が続いている。
②このような環境が続く中ではあるが、引き続き、新規顧客の獲得を目指し、宴会、婚礼、グリル、外販の4部門において積極的な営業活動を展開し、安定した収益を創出し続けられる経営基盤の確立に向け取り組んできた。この取り組みの結果、当事業年度においては宴会部門・婚礼部門が上野店を中心に好調を維持し、増収・増益となった。宴会部門では、堅調な需要を確実に受注へつなげるため、WEBでの訴求強化ならびに法人向け営業に注力してきた。今後についても上野店を中心に予約受注は順調に推移している。引き続き、お客様のご要望を的確に捉え、積極的な情報発信を通じて新規宴会の獲得に努めていく。婚礼部門では、激化する市場において競争に打ち勝つため、体験価値・接客力・デジタル戦略などの強化を行い、価格競争から価値創造へとシフトした。今後も継続的に新規プランや演出の導入を通じて、付加価値の創出を目指していく。グリル部門では、WEBを中心にプランを訴求し、既存顧客に加えて新規顧客の獲得に努めてきた。コンセプトの再徹底と他社との差別化および顧客データの活用により、集客力の一層の強化を図っていく。さらに、将来的な増収に向けた店舗投資として既存3店舗の改装・改修を実施するなど各施設の継続的な見直しを行った。管理面では、更なる業務効率化を進め省人化・省力化に向け社内電子決裁システムの運用や新レジシステムの導入などを実施した。これからも企業価値の向上と競争力の強化を目指し、人材・設備・システムといった重要分野への戦略的な投資を積極的に進めていく。このような取り組みにより、売上高・営業利益・経常利益はいずれも前年を上回った。また当期純利益については、最近の業績動向と今後の見通しを踏まえて繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討し、当期末に計上した。結果として、当事業年度の売上高は、前年比2.1%増の48億752万円、営業利益は前年比5.1%増の5億1,523万円、経常利益は前年比2.6%増の4億7,406万円、当期純利益は前年比43.8%増の6億1,834万円となった。
③飲食業においては、売上高は前年比2.1%増の46億1,434万円、営業利益は前年比6.0%増の4億3,532万円となった。
④賃貸業においては、安定的に賃貸収入を確保している。売上高は前年比1.3%増の1億9,318万円、営業利益は前年比0.5%増の7,991万円となった。
⑤今後の見通しについては、国内では原油価格や物価の上昇、人件費の高騰、人手不足など様々な問題が山積しており、依然として予測不能な状況が続いている。また外食業界に目を向けると、各業種・業態でロボット化、オートメーション化が進み、生成AIによる変革が既にみられている。このような環境に対応するため、営業面ではWEBでの訴求とセールス活動を一層強化し、更なる新規のお客様獲得を目指し、宴会部門・婚礼部門・グリル部門を中心に営業活動に邁進していく。今後はAI活用により持続的な成長と競争力の強化につなげていく。また、当社の重要な商品の一つである「快適な設備・雰囲気」をお客様に提供するため、今後とも、上野店をはじめ既存店舗の改装・改修に注力していく。管理面では、高効率な店舗運営を目指し、更なるシステム化の推進および効率化を図っていく。さらに、人手不足への対策として、当社の魅力を打ち出す採用戦略をより一層強化するとともに、離職防止や職場環境の改善の一環として、調理部門での一部機械化を実施し、作業軽減につなげていく。今後も引き続き、商品やサービスの付加価値向上を保ちながら増収・増益を図り、事業の継続性を確固たるものとしいく。2027年2月期の業績予想は、売上高4,900百万円(1.9%増)、営業利益525百万円(1.9%増)、経常利益485百万円(2.3%増)、当期純利益455百万円(△26.4%)。
⑥取締役、監査役、補欠監査役候補者4名中、70歳以上の候補者は北村吉男さん(1954年生まれ、72歳)、德尾野信成さん(1954年生まれ、72歳)、澤口祐治さん(1945年生まれ、80歳)の3名。
⇒役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑦社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は5,658万円。単純平均で取締役1人当たり1,414万円。
株主総会での個人メモ
①株主総会は、東天紅本社(東天紅上野店)での開催。
②株主総会会場は、広い会場にもかかわらず、最前列は空席無く出席者で埋め尽くされていた。
⇒他社の株主総会ではあまり見かけない光景で、総会屋対策がなされているように見えた。
③監査役の渡邉宣昭さんは、病気療養中のため欠席。
④株主総会の冒頭、社長の小泉和久さんが挨拶をした際、議長を務める旨の宣言をされた際など、不自然に大きな拍手が起きていた。
⇒他社の株主総会ではあまり見かけない光景で、総会屋対策がなされているように見えた。
⑤事業報告では、PLやBSなどの説明は割愛され、監査報告も割愛されていた。社長の小泉和久さんから、手元の資料を読み上げる形で、対処すべき課題や今期の業績見通しについて説明があった。
⑥質疑応答で、「飲食業なのに、取締役に調理担当の取締役がいないのは何故?」との質問あり。「調理担当の執行役員はいる。取締役にするのか今後、検討する。」との旨の回答。
⑦質疑応答で、「おせち料理を購入したが、4万円の価格に対し、見栄えや味が見劣りしていた。取締役の源川暢子さんからおせち料理の評価を伺いたい。」との質問あり。源川暢子さんとは別の担当取締役から、「おせち料理については、アンケートを取り、いろいろな意見を伺っている。一部に厳しい意見もあったが、多くは高い評価をいただいていた。」との説明。
⑧質疑応答で、「売上高のトップラインがなかなか変わらない。一方で、企業規模に対して、保有不動産が多過ぎる。低PBRの原因ではないか?賃貸等不動産は、簿価34億円に対し、時価が28億円と掲載されている。どこに物件があって、誰に貸しているのか説明して欲しい。」との質問あり。「東天紅上野店は、もともと隣の敷地で営業していたが、耐震などを考慮して現在の場所に移設した。その経緯で隣のBrillia Tower上野池之端を多く保有している。その他にも7つほど物件を保有している。コロナ時のような不測の事態の備えとしたい。」との旨の回答。
⑨質疑応答で、「不動産価格が高騰している中、該賃貸等不動産は、簿価34億円に対し、時価が28億円と掲載されている。高値で購入してしまった理由は?また、東天紅上野店の裏にある小泉グループのビルに東天紅の総務部などが入居している。該賃貸等不動産において関係はあるのか?」との質問あり。「当時、出来上がった物件を購入した。時価は下がっているが、将来賃料で回収できる。東天紅上野店の裏にある小泉グループのビルは、東天紅とは関係が無い。」との説明。
⑩質疑応答で、「飲食業はインバウンド需要の恩恵を受けている。東天紅におけるお客様のインバウンド比率はどの程度なのか?また、中国との関係悪化により、中国人旅行者が減少しているが、影響はあるのか?」との質問あり。「インバウンドのお客様の比率は数%。当社は、中華料理ではなく、中国料理。中国人旅行者の減少の影響は無い。」との回答。
⑪質疑応答で、「会社四季報の前号に、スキマバイトのタイミーを利用しているとの記載があった。高級店なので、品質が保たれるのか心配。どのような業務を対応してもらっているのか?」との質問あり。「派遣やスキマバイトなど、働き方が多様化している。当社では、スキマバイトは、主に調理補助やバックヤードで活躍してもらっている。お客様サービスに触れるのは稀だが、そのような場合にはしっかりと教育している。」との説明。
⑫質疑応答で、「東京証券取引所からPBR1倍への改善要請が出ている。一方で、東天紅においては、「資本コストや株価を意識した経営」についての開示が無い。中期経営計画も開示されていない。配当性向も低い。会社として、PBR1倍を達成するつもりはあるのか?」との質問あり。「企業価値向上は課題。保有不動産が低PBRの要因でもあるが、今後、保有不動産を有効活用していく。人材、店舗、システム、省力化、効率化への投資を進める。業績を向上した結果、PBRもついてくると思う。」との回答。
⑬質疑応答で、「人材不足への対応を教えて欲しい。大卒の新卒採用実績を初任給と共に教えて欲しい。「HPの更新や就職サイトの活用を行っている。今期は20名採用しており、そのうち、大卒は数名。業界の平均以上の初任給としている。」との説明。
⑭議案の採決は、社長の小泉和久さんから「本議案はいかがでしょうか?」との発声があり、拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
株主総会では、多くの従業員株主?が配置されていた模様で、広い会場にもかかわらず、最前列には空席無く出席者で埋め尽くされていました。都度、不自然に大きな拍手、「異議無し」の大きな掛け声もあり、気になりました。
また、社長の小泉和久さんの議事進行も、怒鳴るような大きな声で対応されていたのが印象的でした。質疑応答においても、早急に終わらせたかったようで、対応に余裕の無さが垣間見えました。今となっては他社ではあまり見かけないこのような総会屋対策は、2000年にあった俗に言う東天紅事件が影響しているのかもしれません。
東天紅事件:
2000年前後に中華レストラン「東天紅」(東証上場)の株式をめぐって、虚偽のTOB(株式公開買付)発表や大量保有報告書の不提出などが行われ、株価を不正につり上げたとして、関係者が証券取引法違反(風説の流布・大量保有報告書虚偽記載)で逮捕・起訴された事件。仕手筋に株式を20.36%まで保有され、株価は、現在の基準で2000年2月に最高値18,000円まで高騰。
なお、質疑応答では、ほぼ全ての質問の対して、担当の取締役が回答されていましたが、大株主でもある社長の小泉和久さんの意見が伺いたかったので残念でした。
また、BtoCの会社でもあり、せっかくの機会なので出席株主に対してもう少し上手に自社店舗やサービスをPRをされたほうが良いかもしれません。総会屋対策に力を入れるあまり、株主も店舗を利用するお客様であるという視点に欠けていたように感じました。
2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、東天紅は、1株当たり純資産2,876円に対し、株価981円(2026年5月27日時点)、PBR0.34倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。
成長性に乏しいものの、前期同様に今期も堅実な業績が予想されています。業績の推移と共に、今後、IR姿勢に改善の兆しが見られないか、継続注視します。再投資も検討します。
2023年5月29日に到着した東天紅の株主優待と隠れ株主優待の内容についてはこちら↓
東天紅の株主優待と隠れ株主優待が到着しました【2023年5月29日】 | ぽこタンの株主総会日記


