光陽社の株主総会に出席しました【2025年3月4日】

株主総会
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光陽社 臨時株主総会

日時:2025年3月4日(火) 10:00-10:10

場所:全国家電会館(湯島駅徒歩5分)

出席株主数:約10名

お土産:無し

 

企業概要

光陽社(7946)

HP:ホーム | 株式会社光陽社 -東京、大阪、名古屋にある印刷会社-

①企画・デザイン・DTP・製版・印刷・デジタルコンテンツ制作・ディスプレイ・ オンデマンドPOP・ノベルティ制作・WcLock事業(ビジネスサポート)などの印刷関連事業を運営。

筆頭株主は、元会長の犬養俊輔さんが理事長を務める学校法人日吉台学園で、20万株、29.3%を保有。
社長の犬養岬太さんが、第2位の株主として、14万株、21.2%を保有。

カレンダーなどを手掛ける新日本カレンダーが、第3位の株主として、5万株、7.3%を保有。
取締役の八木浩志さんが、第7位の株主として、1万株、1.6%を保有。
元社長の片山英彦さんが、第9位の株主として、1万株、1.5%を保有。
取締役の杉山貴一郎さんが、第10位の株主として、1万株、1.4%を保有。

 

株式情報

時価総額:14億円(2025年3月3日時点)

売上高:44.9億円(2024年3月期実績)⇒46.0億円(2025年3月期予想)

株価:1,480円(2025年3月2日時点)

1株純資産:2,893円(2024年12月末時点)、PBR:0.51倍

1株当期純利益:73.3円(2025年3月期予想)、PER:20.1倍

1株配当:22円(2025年3月期予想)、配当性向:30%

配当利回り:1.4%

株主数:606名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2025年3月期第3四半期は、印刷業界においては、原材料価格の高騰や人手不足の影響、急速に進む印刷物のデジタル化や広告の減少などで、引き続き厳しい経営環境となった。このような状況の中、カーボンオフセット(カーボンニュートラルプリント、カーボンゼロプリント)関連およびサステナビリティ事業の販路の拡大に努め、引き続き、営業力・提案力の強化を図り、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力するとともに、生産効率の向上、更なる内製化の推進により、売上の拡大、収益性の改善に取り組んできた。この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は34億64百万円(前年比3.2%増収)となった。その内訳は、製品制作売上高5億65百万円(前年比6.6%増収)、印刷売上高28億76百万円(前年比2.7%増収)、商品売上高22百万円(前年比10.4%減収)となった。 損益面については、営業利益44百万円(前年比27.4%減益)、経常利益84百万円(前年比6.9%減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益48百万円(前年比60.6%減益)となった。

2024年11月8日に通期連結業績予想を上方修正。売上高に変更は無いが、内製化率の向上などによる変動費率の改善もあり、各段階利益が上回ることとなった。期末配当予想についても上方修正。

③筆頭株主である学校法人日吉台学園から当社株式について売却の打診を受けた。学校法人日吉台学園が所有する当社株式200,000株のうち150,000株を対象として、相対取引による自己株式の取得を行うことを決定。1株あたりの取得価額は、1,300円または本株主総会前日の最終の価格のうち低い方の金額。株式の取得価額の総額260百万円(上限)。なお、本株主総会前日の最終の価格が1,150円以下であることを解除事由としている。株式を取得することができる期間は、2025年3月5日から2025年3月26日。2025年3月4日開催の本株主総会に付議。

④2024年3月末日時点、東証スタンダード市場の上場維持基準について、株主数、流通株式時価総額および流通株式比率の項目が不適合。個人株主の増加、株式の流動性を高め企業価値を向上させるために、他市場への重複上場を一つの選択肢として検討する。

⑤社長の犬養岬太さんは、43歳(1981年生まれ)と若い社長。

⑥社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は4,700万円。2023年6月に退任した1名を3ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり1,446万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。

 

株主総会での個人メモ

①取締役と監査役の7名のうち、株主総会会場で出席されていたのは社長の犬養岬太さんの1名のみ。取締役の杉山貴一郎さんは、所用のため欠席。社長の犬養岬太さん、取締役の杉山貴一郎さんを除く、取締役と監査役の5名は、関西事業所からオンラインでの出席。

②質疑応答で、「今回、自己株式を除くと発行済株式数の約30%もの自社株買いとなる。学校法人日吉台学園からの打診とのことだが、光陽社としては何かメリットはあるのか?」との質問あり。「1株あたりの純資産、利益、資本効率が向上する。市場にとってインパクトが大きい。」との回答。

③質疑応答で、「2021年に市場環境の悪化や上場維持コストの削減などを目的にMBOを目指していた。最近のIRを見ると、東証スタンダード市場への上場維持を目指しつつ、他市場への重複上場を検討しているとしている。2021年当時と現在で、市場環境や社長の犬養岬太さんの考えに変化があったのか?」との旨の質問あり。「MBOについては決まっていることは無い。2021年当時はコロナで大きな打撃を受けた。コロナが明け、市場環境が改善され、業績が立ち直った。上場維持を続けたい。」との説明。

④議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

質疑応答では、社長の犬養岬太さんが丁寧に回答対応をされていました。

2024年3月末日時点、東証スタンダード市場の上場維持基準について、株主数、流通株式時価総額および流通株式比率の項目が不適合ですが、今回の発行済株式数の約30%もの自社株買いは目を引きます。

2024年5月24日に自己株式40万株を消却し、消却後の発行済株式総数は100万株となっていますが、そのうち約32万株は自己株式であり、今回の15万株の自社株買いで自己株式が約47万株(発行済み株式数の47%)まで増えます。

何かしらの利益率改善策や株主優待の新設などで株主数と流通時価総額の改善を図る可能性を感じる一方で、東証上場維持を諦めて名証などへの上場移動する場合には、流動性ディスカウントにより株価に影響があるようにも思います。

また、2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、光陽社は、1株当たり純資産2,893円に対し、株価が1,480円(2025年3月3日時点)、PBR0.51倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

まずは例年であれば2025年5月に公表される中期経営計画を確認し、膨らんだ自己株式への対応を注視します。

 

株主総会会場の全国家電会館
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