地域新聞社 臨時株主総会
日時:2024年11月26日(火) 13:00-13:20
場所:クロス・ウェーブ船橋(京成船橋駅徒歩7分)
出席株主数:約10名
お土産:無し
企業情報
地域新聞社(2164)
HP:【公式】地域新聞社 |千葉・茨城のチラシ・ポスティングならフリーペーパー「ちいき新聞」
①千葉県(主に千葉県北西部地域を中心として)、茨城県(主に茨城県南西部を中心として)にて、広告関連事業(新聞等発行事業、折込チラシ配布事業および販売促進総合支援事業)およびその他の事業を手掛ける。
②筆頭株主は、社長の細谷佳津年さんの資産管理会社のエンジェル・トーチで、細谷佳津年さん個人での保有分も含めると、62万株、23.3%を保有。
コールセンター事業などを手掛けるライフイン24groupが、第3位の株主として、22万株、8.2%を保有。
地域密着型無料情報誌の広告枠販売を手掛ける中広(2139)が、第4位の株主として、11万株、4.2%を保有。
大王製紙(3880)の子会社のダイオーミウラが、第6位の株主として、5万株、1.9%を保有。
③株主優待
3月末、9月末
100株:「ちいきの逸品」の販売商品20%OFF
株式情報
時価総額:13億円(2024年11月25日時点)
売上高:29.7億円(2024年8月期実績)⇒32.0億円(2025年8月期予想)
株価:354円(2024年11月25日時点)
1株純資産:113円(2024年8月末時点)、PBR:3.13倍
1株当期純利益:非公表(2025年8月期予想)、PER:非公表
1株配当:無配(2025年8月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配
株主数:1,763名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2024年6月3日に「今後の戦略に関する基本方針」を発表し、当社が保有する170万世帯への配布網、2,500人の配布スタッフ、年間8,000社の取引企業などのアセットを活用した他社との事業アライアンスによる新サービスの創出といったシーパワー・ストラテジーへの転換を掲げ、社内体制の構築とアライアンス候補企業との間でのアセット活用方法を策定する取り組みに注力した。
②広告関連事業においては、イベント集客による広告需要の増加を背景に引き続き回復傾向が続いている。新聞等発行事業のうち「ちいき新聞」の発行事業においては、2024年8月末現在で、2県40エリアで40版を発行、週間の発行部数は約173万部となった。中大口クライアント獲得に営業リソースを集中し顧客単価の向上を図る施策は結果として表れており、修理業、買取業、保険業、セミナー告知といったセグメントの需要が高まった。その他にも、富裕層向け情報誌「AFFLUENT(アフルエント)」、子育て支援情報誌「ままここっと」、求人情報紙「Happiness」など、「ちいき新聞」以外の媒体も発行し利益創出に努めている。「Happiness」は求人需要の高まりを受け引き続き好調に推移しており、2024年8月9日に発表した、ツナググループ・ホールディングスと業務提携をすることにより紙とWEB両面での質の高い提案ができるようになった。キャリア教育副教材「発見たんけん」においては、配布対象の小中学校を拡大するとともに、各学校での企業との交流授業を企画することで教材の利用を促進し、掲載企業の継続率向上を図っている。
③折込チラシ配布事業においては、それぞれの地域にカスタマイズされた独自の地図情報システム(GIS)を活用することにより、広告主の顧客ターゲットが明確となり効率的かつ広告効果の最大化を図るサービスを実現している。主に不動産業、冠婚葬祭業、宅配業、リユース業などの業種が折込チラシ配布事業の売上を牽引した。今後の施策として、2024年9月より折込価格の改定を行い、コスト上昇への対策と収益力強化を図る。
④販売促進総合支援事業においては、「ちば市政だより」の配布業務受託を中心とした行政自治体の刊行物制作・配布の受託増加に加え、ショッピングセンターにおけるイベント企画・運営についても実績を元に取引が拡大している。
⑤その他事業については、WEB事業の方向性を見直し、メインコンテンツであるコミュニティサイト「チイコミ!」をプラットフォームとして保持しながらユーザー情報やインフラ機能などの自社アセットを活用して他社サービスとのアライアンスによる新サービスをプラットフォーム上に充実させていくことを目指す。
⑥資本政策の一環として新株予約権を発行しており、係る費用として営業外費用の新株予約権発行費を14,722千円として計上している。以上の結果、当事業年度における売上高は2,977,195千円(前期比101.7%)、経常利益は16,988千円(前期は47,664千円の経常損失)、当期純利益は3,476千円(前期は51,328千円の当期純損失)となった。
⑦今後の事業計画については、当社アセットを活用したアライアンスの推進、「チイコミ!」のバージョンアップ(WEB版港町構築プロジェクト)、アドバイザリーボードを入れてのAI研究開発を行っていくことで「フリーペーパーを発行する会社」というイメージから脱却し、利益率の改善と売上規模の拡大を図る。コア事業である新聞等発行事業および折込チラシ配布事業については、中広と同社が展開しているハッピーメディア『地域みっちゃく生活情報誌』のボランタリー・チェーン方式による加盟契約を締結した。これにより全国規模の販促提案がしやすくなり、当社が重要視している中大口クライアントとの取引数向上につながるものと考えている。「ちいき新聞」以外の媒体については、小学生・中学生向けキャリア教育副教材「発見たんけん」の発行エリアをさらに増やし、売上の拡大を図っていく。また、求人媒体「Happiness」においては、発行頻度・1発行あたりのページ数を増やして売上の最大化を目指すとともに、ツナググループ・ホールディングスとの連携を深め、紙とWEB両面での求人ニーズを引き出していく。また、求人イベントや人材紹介サービスの販売を強化し、最も成長率の高いヒューマンリソース事業のさらなる売上拡大を図っていく。販売促進総合支援事業については、行政機関からの需要の高まりとこれまでの実績を生かし、入札案件を増加させ行政機関との関係強化に努めていく。以上の取り組みにより2025年8月期の業績については、売上高3,201,475千円、営業利益73,094千円、経常利益31,694千円、当期純利益22,040千円を計画している。
⑧ノンコミットメント型ライツ・オファリングとして発行した第7回新株予約権の権利行使期間の満了日が2024年9月11日であり、本新株予約権の行使比率が当初の予想を大きく超えることになり株主構成に少なからぬ変動があったことを考慮し、当社の今後の経営体制の在り方について直近の株主の意向を適正に反映していただけるように、議決権を行使することができる株主の基準日を2024年10月15日として本臨時株主総会を開催し、取締役5名選任の件と補欠監査役1名選任の件を諮る。
株主総会招集通知とは別に、議決権行使のお願いの手紙が届いており、その中で、「想定を大きく上回る新株予約権の行使があり、事業規模拡大に向けてより幅広い可能性を検討できる財務状況となった。第7回新株予約権の行使結果が全体の約7割を占め、株主構成が大きく異なった。」との説明あり。
⑨ノンコミットメント型ライツ・オファリングとして発行した第7回新株予約権は、行使比率50%で仮定し資金調達予定金額3.4億円としていたが、行使比率結果は73%となり4.4億円を調達。
⑩取締役と補欠監査役の候補者6名中、70歳以上の候補者は田中康郎さん(1946年生まれ、78歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑪社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は4,947万円。2024年2月に退任した1名を5ヶ月分、同月に着任した1名を7ヶ月分とし、社外取締役を除く取締役4名のうち1名を無報酬として試算すると、単純平均で取締役1人当たり2,473万円。
株主総会での個人メモ
①本臨時株主総会が13:00開始、定時株主総会が15:30開始とのことで、同じ日に臨時株主総会と定時株主総会が組まれるイレギュラーな株主総会。
②質疑応答で、「本臨時株主総会の開催理由が株主構成の変更とのことだが、第7回新株予約権の権利行使期間満了日が9月11日、一方で、本臨時株主総会の基準日は10月15日。なぜ基準日を1ヶ月後としたのか?」との質問あり。社長の細谷佳津年さんが事務局と相談のうえ、「株主名簿を閉めた後の事務的な手続きのため。株式の出来高を見ても権利行使期間満了日後、基準日までにそれほど株主は変わっていないと思う。」との旨の説明。
③質疑応答で、第4位の株主の中広から、「シーパワー・ストラテジーへの転換とのことだが、事業のアセットであるランドパワーについて、疎かにせず注力して欲しい。」との旨の意見あり。「他のフリーペーパー会社が競合となってしまう懸念があったのでM&Aを行っていた。VCに加盟し、千葉以外の顧客の獲得を進めたい。ランドパワーで培ったものをシーパワーで活用する。」との旨の回答。
④質疑応答で、「ノンコミットメント型ライツ・オファリングとして発行した第7回新株予約権が上手くいった理由は?」との質問あり。「2024年6月28日に開催した臨時株主総会の第3号議案で第7回新株予約権について上程し、第4号議案として「今後の戦略に関する基本方針」を上程した。通常、「今後の戦略に関する基本方針」を株主総会の議案にすることは無いと思うが、本計画について多くの株主に賛成をいただき可決した。本手続きを経たことで目標を上回る資金を得ることができたのだと思う。」との説明。
⑤質疑応答で、「第7回新株予約権で目標を上回る資金を得ることができたが、使途はどうする予定なのか?」との質問あり。「超過分については、M&Aやアライアンスに使っていく予定。短い期間で成果を得たい。新任の執行役員を担当に充てる予定。」との回答。
⑥議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
本臨時株主総会が13:00開始、定時株主総会が15:30開始とのことで、同じ日に臨時株主総会と定時株主総会が組まれるイレギュラーな株主総会でしたが、質疑応答では、第4位の株主の中広からも質問があり、参考になりました。
2024年8月期は黒字回復しましたが、シーパワー・ストラテジーへの転換を行うとのことで、今後の業績の推移を継続注視します。再投資も検討します。