ファーマライズホールディングスの株主総会に出席しました【2024年1月29日】

株主総会
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ファーマライズホールディングス 臨時株主総会

日時:2024年1月29日(月) 10:00-10:20

場所:ファーマライズホールディングス本社(中野坂上駅徒歩0分)

出席株主数:約20名

お土産:無し

 

企業概要

ファーマライズホールディングス(2796)

HP:調剤薬局のファーマライズホールディングス株式会社 (pharmarise.com)

①医療機関の発行する処方せんに基づき一般患者に医薬品の調剤をおこなう調剤薬局の経営事業を手掛ける「調剤薬局事業」(売上構成比81%)を中心に、化粧品等販売事業やコンビニエンスストア並びにドラッグストアなどの運営事業をおこなう「物販事業」(売上構成比15%)、調剤薬局事業の周辺業務として紙カルテやレントゲンフィルムなどの保管・管理事業をおこなう「医学資料保管・管理事業」(売上構成比1%)、JR札幌駅内の「JRタワーオフィスプラザさっぽろ」で運営している医療モールに係る事業をおこなう「医療モール経営事業」(売上構成比1%)、製薬企業など向けのシステムインテグレーション事業や医療関連ITソリューション事業や人材派遣事業などをおこなう「その他」(売上構成比2%)を運営。

筆頭株主は会長の大野利美知さんの資産管理会社のビックフィールドで、大野利美知さん個人での保有分を含めると、331万株、28.2%を保有。
医薬品卸のスズケン(9987)が、第2位の株主として、234万株、20.0%を保有。
副会長の大野小夜子さんが、第3位の株主として、41万株、3.6%を保有。
医薬品卸の中北薬品が、第4位の株主として、39万株、3.4%を保有。
医薬品卸のバイタルネットが、第5位の株主として、39万株、3.4%を保有。
医薬品卸のほくやく・竹山ホールディングス(3055)の子会社のほくやくも、第5位の株主として、39万株、3.4%を保有。
ドラッグストア経営のヒグチ産業が、第10位の株主として、17万株、1.5%を保有。

株主優待(11月末、1年以上)
100株:優待品

 

株式情報

時価総額:82億円(2024年1月26日時点)

売上高:520億円(2023年5月期実績)⇒535億円(2024年5月期予想)

株価:681円(2024年1月26日時点)

1株純資産:707円(2023年8月末時点)、PBR:0.96倍

1株当期純利益:41.9円(2024年5月期予想)、PER:16.2倍

1株配当:20円(2024年5月期予想)、配当性向:47%

配当利回り:2.9%、株主優待利回り:6.6%(1年以上100株保有時、優待品を2,500円として計算)

株主数:12,574名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会会場は、ファーマライズホールディングスの本社会議室での開催。

2023年11月10日の取締役会において、スズケンとの間で資本業務提携に係る契約を締結することについて決議。本資本業務提携に伴い、スズケンと当社の株主であるAG2号投資事業有限責任組合の間で、AG2号投資事業有限責任組合の保有する当社普通株式の一部(1株758円で234万株)をスズケンに譲渡することを合意。2018年11月8日付で締結したアスパラントグループおよびAG2号投資事業有限責任組合との間の資本業務提携契約については、本株式譲渡に伴い解消。

③医療および医薬品産業、保険薬局の事業環境は、医療費抑制のための様々な施策が推進され、加えて規制緩和の推進、異業種の参入、デジタル化の進展など、想定を超えるスピードで大きく変化しているものと認識。スズケンと当社は、かねてより各々の事業を通じて良好な関係を構築していた背景もあり、事業環境の変化への対応について機会のある度に協議をしてきた。この度、当社の株式および無担保転換社債型新株予約権付社債を保有するAG2号投資事業有限責任組合において、早期に保有株式等を売却したい意向があり、スズケンとAG2号投資事業有限責任組合との間で本株式譲渡の合意に至った。

④当社は、フロンティアと2021年2月18日付けで業務提携契約を締結し、これまで相互の企業価値を向上させるべく協力してきた。しかしながら、調剤薬局事業を取り巻く環境の変化や今後の事業方針の変化等を踏まえ、両社で協議を重ねた結果、2023年12月31日をもって業務提携を円満に解消するにいたった。

⑤2024年5月期第2四半期は、売上高26,948百万円(前年比4.7%増)、営業利益710百万円(前年比23.9%増)、経常利益701百万円(前年比23.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は273百万円(前年比276.6%増)となった。

⑥調剤薬局事業の業績は、M&Aや新規出店効果に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による受診抑制の緩和を主な要因とした処方せん枚数の回復、調剤技術料の算定増加などにより売上高は21,876百万円(前年比4.5%増)と増収、セグメント利益は831百万円(前年比11.6%増)と増益になった。同期間における調剤薬局店舗は12店舗増加、2店舗減少で、当社グループが運営する店舗数は310店舗となった。増加した店舗は、株式譲渡により取得した三協医療薬品の3店舗(東京都)およびミットの6店舗(福島県1店舗、新潟県5店舗)、新規開局の3店舗(茨城県、神奈川県、大阪府)。なお健康サポート薬局は当連結会計期間末時点で78店舗(前年度末比4店舗減)となり、地域連携薬局は121店舗(前年度末比4店舗増)となった。また、専門医療機関連携薬局については、2店舗の認定を取得した。

⑦物販事業の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響緩和による経済活動の回復を背景としたコンビニエンスストア部門・ドラッグストア部門の売上高伸長により、売上高は4,127百万円(前年比7.0%増)となった。セグメント損失は38百万円(前年はセグメント損失129百万円)となり、前年同期比で90百万円セグメント損失が縮小。同期間における調剤を併設しない本セグメントの当社グループが運営する店舗数は46店舗(調剤薬局を併設している11店舗を含めると57店舗)

⑧医学資料保管・管理事業の業績は、主に医療機関における経費削減の動きから紙カルテなどの保管年数の短縮化の影響を受け、売上高は301百万円(前年比8.0%減)、セグメント利益は21百万円(前年比45.2%減)となった。一方で紙カルテなどの保管・管理のニーズは継続的に発生していることから、それらの獲得と新たなサービス提供に向けた営業活動を展開。

⑨医療モール経営事業の業績は、売上高は252百万円(前年比0.0%減)、セグメント利益は減価償却費が減少したことで56百万円(前年比22.6%増)となり、安定的に推移。

⑩その他事業の業績は、人材派遣事業が好調だったことにより売上高は389百万円(前年比3.8%増)となった。一方、医薬品の卸売取引の減少、医療関連ITソリューション事業が減益となったことなどによりセグメント利益は2百万円(前年比90.4%減)となった。

⑪取締役と監査役候補者2名中、70歳以上の候補者は三浦誠さん(1953年生まれ、70歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑫質疑応答で、「本臨時株主総会の取締役と監査役候補者は、資本業務提携を発表したスズケンと事前協議によるものなのか?」との質問あり。「スズケンとの資本業務提携の協議以前に決まっていた内容なので、事前協議はおこなっていない。スズケンには臨時株主総会を開催することは事前に伝えていた。」との回答。

⑬質疑応答で、「第1号議案の取締役1名追加選任について、現状、何かしらの課題があっての増員だと思うが、候補者の相澤愛さんの弁護士としての専門は?」との質問あり。「これまで取締役の中に弁護士がいなく、必要性を感じていたところ、今回、社外取締役からの紹介があった。公共機関に関わってきた弁護士。」との説明。

⑭社外取締役を除く取締役6名の報酬等の総額は23,000万円。単純平均で取締役1人当たり3,833万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。

⑮議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、ファーマライズホールディングスの本社会議室での開催でしたので、良い機会となりました。

株主総会では、社長の秋山昌之さんの丁寧な質疑応答対応が印象的でした。

一方で、取締役12名中、5名が70歳以上と、取締役会の高齢化が進んでいるのが気になります。組織の若返りが課題の会社かもしれません。

今後、資本業務提携を結んだスズケンとのシナジーがどのように発揮されるのか気になります。スズケンの動向とともに継続注視します。

 

株主総会会場のファーマライズホールディングスの本社が入る住友中野坂上ビル