ハイアス・アンド・カンパニーの株主総会に出席しました【2023年12月20日】

株主総会
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ハイアス・アンド・カンパニー 第20期定時株主総会

日時:2023年12月20日(水) 10:00-10:50

場所:ホテル雅叙園東京(目黒駅徒歩3分)

出席株主数:約10名

お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり

 

企業概要

ハイアス・アンド・カンパニー(6192)

HP:ハイアス・アンド・カンパニー株式会社 HyAS & Co. Inc.

①住関連産業(住宅・不動産・建設業界)に特化した経営コンサルティングをおこなう「コンサルティング事業」(売上構成比73%)を中心に、パッケージ化した商品を活用し一般消費者向けに住宅の建築・施工などをおこなう「建築施工事業」(売上構成比27%)を運営。

筆頭株主は、結婚や不動産領域のメディア運営をおこなうくふうカンパニー(4376)の子会社のくふう住まいで、1,949万株、51.9%を保有。
福岡県や山口県で注文住宅などを販売する安成工務店が、第3位の株主として、119万株、3.1%を保有。
愛知県で注文住宅などを販売する東新住建が、第6位の株主として、72万株、1.9%を保有。

③くふうカンパニーの連結子会社。

④2016年4月期に費用として計上すべきであった上場支援に係るコンサルタント報酬約880万円について、当該期に費用計上せず、2017年4月期にシステム開発の委託先を経由して支払ったため、当該期にソフトウェア資産として計上され、また、かかる実態と異なる名目での支払いの稟議について、複数の取締役および執行役員らが関与していたとの疑惑が2020年6月に判明し、社長の濵村聖一さんが2020年9月30日に辞任。
後任の社長の川瀬太志さんも、2020年10月1日付で、所定の手続きを経ることなく独断で代表取締役の職務権限を超える金額(2億4,000万円)の支払約定書に署名し、代表取締役としての忠実義務に違反したとのことで、2020年12月15日に辞任。
また、2020年7月21日に東京証券取引所市場第一部に上場市場を変更していたが、提出した新規上場申請および上場市場の変更申請に係る宣誓書において宣誓した事項について重大な違反を行ったおそれがあると判断され、2020年12月27日付で市場第一部からマザーズ市場への変更がおこなわれた。
利益相反のおそれがある親会社のくふうカンパニーとの関連当事者取引に関する審議が取締役会などで十分に行われておらず、また、関連当事者の範囲をまとめたリストが適切に更新されないという運用上の不備が生じていたとの指摘を受け、取締役の穐田誉輝さん、菅間淳さんが2022年1月31日に辞任。
ガバナンス上のトラブルが継続発生

 

株式情報

時価総額:34億円(2023年12月19日時点)

売上高:75億円(2023年9月期実績)⇒非公表(2024年9月期予想)

株価:91円(2023年12月19日時点)

1株純資産:72.0円(2023年9月末時点)、PBR:1.26倍

1株当期純利益:非公表(2024年9月期予想)、PER:非公表

1株配当:無配(2024年9月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:3,753名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①2023年11月14日開催の取締役会において、くふうカンパニーを株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換(効力発生日:2024年2月1日)を行うことを決議。なお、本株式交換は本株主総会の承認を前提としている。これにより、当社株式は2024年1月30日をもって上場廃止(最終売買日は2024年1月29日)になる予定であるため、2024年9月期の業績予想並びに配当予想の発表を控える。

②ハイアス・アンド・カンパニーは、ハイアスグループが営む住宅不動産業界において、個人用戸建て住居の新設住宅着工戸数の減少が続いている中で、今後さらに住宅不動産市況の悪化を想定し、安定的な成長を目指していくためには、ハイアス・アンド・カンパニーの自社メディア運営部門、システム部門および管理部門の増強や効率的な運用が必要であると考え、くふうカンパニーグループの経営資源を有効活用するための方策について、度々、くふうカンパニーに相談をしていた。
くふうカンパニーは、資本業務提携において企図している数々の施策の実行を加速化し、くふうカンパニーグループとして本資本業務提携のシナジーを享受するためには、くふうカンパニーグループによるハイアス・アンド・カンパニーの非公開化が有力な選択肢であると改めて認識するに至った。また、ハイアス・アンド・カンパニーの非公開化の手法としては、非公開化の目的を実現するとともに、くふう住まいを除くハイアス・アンド・カンパニーの株主に対して割り当てられる対価の流動性を確保すると共に、くふうカンパニーの保有を通じて、当該株主に対しくふうカンパニーグループによるハイアス・アンド・カンパニーの非公開化によるシナジーの利益を得る機会を提供するとの観点などを考慮し、くふう住まいを株式交換完全親会社とし、ハイアス・アンド・カンパニーを株式交換完全子会社とする株式交換を行い、くふう住まいを除くハイアス・アンド・カンパニーの株主には、その対価として、くふう住まいの株式ではなく、くふう住まいの完全親会社であるくふうカンパニー株式を割り当てる、いわゆる「三角株式交換」の方法によることが望ましいと判断し、くふうカンパニーは、ハイアス・アンド・カンパニーに対して、2023年9月中旬に、かかる非公開化について提案した。

本株式交換比率は、ハイアス・アンド・カンパニー株式1株に対して、くふうカンパニー株式0.31株を割当交付。ただし、くふう住まいが保有するハイアス・アンド・カンパニー株式については、本株式交換による株式の割当てはおこなわない。

④住宅不動産業界においては、個人用戸建て住居の新設住宅着工戸数が前年比マイナスとなり、単月推移においても22か月連続で前年比マイナスとなった。

⑤主力の高性能デザイナーズ住宅「R+house」事業の強化、加盟店の安定した収益基盤の確立を目指し事業活動を継続しておこなった。販売費及び一般管理費については、当社のオフィス(本社事務所)の一部解約により大幅な削減に繋がった。以上の結果、売上高は7,512百万円(前期比8.6%減)、営業利益は555百万円(前期比10.0%減)、経常利益は539百万円(前期比9.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は331百万円(前期比125.9%増)となった。

⑥コンサルティング事業は、主力の「R+house」事業における新規受注が前期比で伸び悩んだが、引続き、加盟店企業の支援活動の推進をおこなった。その結果、売上高は5,571百万円(前期比2.3%減)、営業利益は528百万円(前期比10.7%減)となった。

⑦建築施工事業は、利益率の改善が進んだものの、一部建物の引渡しが翌期にずれ込んだことから、売上高は2,059百万円(前期比22.8%減)、営業利益は39百万円(前期比101.4%増)となった。

住宅業界は大手のシェアが低い業界。戸建の約7割は中小の工務店によって建てられている。住宅着工数は緩やかに縮小傾向。

⑨監査等委員である取締役を除く、取締役候補者4名のうち、新野将司さん、藤田圭介さん、石渡進介さんの3名が親会社のくふうカンパニー出身。社長の新野将司さんは、48歳(1975年生まれ)と若い社長。

⑩質疑応答で、「元取締役を相手方とする損害賠償請求の訴訟について、損害賠償請求する対象者の拡大や、裁判状況の情報開示」などについて同一株主から度重なる質問あり。「損害賠償請求する対象者に変更は無い。損害賠償請求については、最終判決が確定していないので、業績や財務諸表には計上していない。」との回答。

⑪質疑応答で、「事業環境をどう見ているのか」との質問あり。「建築資材や土地価格の高騰により、住宅ローンが通らないケースが増えてきている。今後も、国内においては人口減少や世帯数減少の影響がある。」との説明。

⑫取締役と監査等委員である取締役候補者7名中、70歳以上の候補者は生駒成さん(1953年生まれ、70歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑬社外取締役を除く取締役2名の報酬等の総額は6,075万円。単純平均で取締役1人当たり3,037万円。

⑭第1号議案(株式交換契約承認)について、反対株主に対して株式買取請求の案内があるとのことで、採決後に、反対する株主の確認をおこなっていた。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

東京証券取引所から、親子上場に厳しい目が向けられている中、ハイアス・アンド・カンパニーの動向も注視していましたが、今回、株式交換により、くふうカンパニーの完全子会社になる予定となりました。

また、住宅不動産業界については、個人用戸建て住居の新設住宅着工戸数が前年比マイナスとなり、単月推移においても22か月連続で前年比マイナスとなり厳しい状況とのこと。国内の人口減による影響などで、当面、住宅不動産市況は厳しい状況が続きそうな印象を受けました。

不祥事が続いた会社ですが、くふうカンパニーとの株式交換による完全子会社化によって、ガバナンスの強化がはかられ、シナジー効果が発揮されることを期待しています。今まで得たハイアス・アンド・カンパニーについての知見は、くふうカンパニーへ投資を検討する際の参考にします。

 

株主総会会場のホテル雅叙園東京