ムラキ 臨時株主総会
日時:2023年11月6日(月) 10:00-10:30
場所:LINK FOREST(多摩センター駅徒歩8分)
出席株主数:約30名
お土産:無し
企業概要
ムラキ(7477)
HP:ムラキ株式会社 | ムラキは「人が好き、車が好き」 「ヒューマンカーライフの創造を通じ社会に貢献」することをお約束します。 (muraki.co.jp)
①自動車補修部品、自動車ケミカル、サービスステーション備品、販売促進物ギフト、自動車内小物などの販売を手掛ける。
②筆頭株主は、不動産賃貸業を手掛ける芙蓉土地建物で、25万株、17.6%を保有。
コンサルティングなどを手掛けるドリーム・ワークが、第3位の株主として、18万株、12.6%を保有。
創業家の村木ミチさんが、第4位の株主として、11万株、7.9%を保有。
コンピュータソフトの開発などを手掛けるマネジメント・サーベイが、第5位の株主として、10万株、7.1%を保有。
補修用自動車フィルターを製造販売するエイケン工業(7265)が、第9位の株主として、4万株、3.2%を保有。
③主要な顧客は、石油元売りのENEOSホールディングス(5020)の連結子会社のENEOSトレーディンで、売上高の12%を占める。
株式情報
時価総額:27億円(2023年11月2日時点)
売上高:73億円(2023年3月期実績)⇒73億円(2024年3月期予想)
株価:1,895円(2023年11月2日時点)
1株純資産:1,796円(2023年6月末時点)、PBR:1.03倍
1株当期純利益:84.5円(2024年3月期予想)、PER:22.4倍
1株配当:20円(2024年3月期予想)、配当性向:23.6%
配当利回り:1.0%
株主数:542名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①株主総会会場の役員席に、名前が記載された名札が無く、気になった。会社の顔となる取締役の方々なので、名札があったほうが親切だと思う。
②マネジメント・サーベイ(代表取締役 石塚和美さん)より、臨時株主総会の招集請求に関する書面を受領。内容は、取締役の永井清美さん、および、関冨直彦さんの解任、取締役4名選任。議案の主な提案理由は下記。
1.社長の永井清美さんは、16年間にわたり取締役を務めており、関冨直彦さんも14年間にわたり取締役を務めているが、収益力向上に向けた施策を実行せず、経営方針にある新規事業に取り組んだ形跡がない。
2.決算説明会を一度も開催せず、決算補足資料や事業計画の開示もしていない。
3.取締役3名の年間報酬合計が6,300万円であるのに対し、社員平均給与は400万円弱、株主配当金は2,800万円のみ、役員優遇との指摘。
③マネジメント・サーベイの株主提案に対するムラキ側の取締役会の意見は下記。
1.永井清美さんおよび関冨直彦さんは、取締役に就任して以来、赤字体質であった当社を立て直し、8期連続で黒字を達成した。その後、2017年3月期に赤字を計上したものの、2018年3月期より再び6期連続で黒字を達成し、コロナ禍においても、迅速な経営判断により業績を維持した。今期についても、7期連続の黒字に向けて順調に業績が推移している状況である。
2.新規事業については、既存事業とのバランスを図りながら、事業提携、M&Aを含め様々な角度から挑戦している。M&Aについては、2016年にミツワ商会を子会社化しているが、その他業績に影響を与えるような実績は現時点において、株主の皆様にお知らせできる状況には至っていないため、今後も重要課題の一つとして検討を進めている。
3.永井清美さんは、1984年4月に当社に入社してから、当社の営業部門に長く従事しており、現場に精通した豊富な経験と専門的知識を有している。特に、営業に対する豊富な知識、取引先との強固な信頼関係を有しているなどの点で、当社になくてはならない人材である。
4.関冨直彦さんは、1993年9月に当社に入社してから、同じく営業部門に長く従事しており、現場に精通した豊富な経験と専門的知識を有している。特に、当社が2017年に実施した構造改革において、手腕を発揮し業績改善の仕組みづくりに貢献し、その後も継続して業務の効率化に取り組み、業績改善に貢献している。
④株主総会では、マネジメント・サーベイから株主提案内容について説明があり、取締役候補者の芳野剛史さんから経営方針の説明もあり。その後、社長の永井清美さんから、株主提案に対する反対意見の説明があった。
⑤2024年3月期第1四半期は、当社グループのカーケア関連商品の販売先であるサービスステーション(SS)業界においては、燃料価格の高止まりに加え、物価高により生活費への負担が増加していることからユーザーの節約志向は継続し、燃料以外であるカーケア関連商品への購買意欲は厳しい状況で推移した。
⑥当社グループのSSにおけるカーケア関連商品の売上については、主力商品であるワイパーブレードは前年から引き続き不振が続いている。その他の主力商品については一部前年をやや下回ったものの、売上高は前年を上回った。SS販促物であるノベルティ関連商品は大手得意先のイベント廃止などがあったものの、新たな得意先への提案が好調に推移したことにより前年を上回った。洗車関連商品は引き続き高付加価値洗車を中心に順調に推移。
⑦質疑応答で、マネジメント・サーベイに対して、「株主提案後に株式の売却を進めている理由」について質問あり。マネジメント・サーベイから、「マネジメント・サーベイとしては株式の売却を行ったが、共同保有者への売却なので、変更は無い。」との説明。
⑧社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は7,281万円。単純平均で取締役1人当たり2,427万円。
⑨議案の採決方法は拍手での採決。特に今回は、大株主が提案する株主提案で会社側が反対に回る採決であり、議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代にいつまでも会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
今回の臨時株主総会を招集したマネジメント・サーベイの保有株式数と株価の推移は下記の通り。
2023年1月12日(大量保有報告書より)
29.8万株、20.3%保有。株価1,347円。
2023年3月31日(IR資料、変更報告書より)
10.2万株(質権設定契約は10万株)、7.2%保有。株価1,400円。
2023年8月7日(変更報告書より)
30万株(質権設定契約は18万株)、21.1%保有。株価1,541円。
2023年8月16日
マネジメント・サーベイが臨時株主総会の招集請求。株価1,848円。
2023年9月13日
臨時株主総会基準日(9月15日)の権利落ち日。株価2,350円。
2023年9月30日(IR資料より)
23万株、16.2%保有。株価3,400円。
2023年10月3日(変更報告書)
8.8万株(10月2日に質権設定契約13万株が実行)、6.0%保有。株価3,250円。
2023年11月2日
臨時株主総会日の前取引日。株価1,895円。
2023年11月6日
臨時株主総会開催。株価1,828円。
マネジメント・サーベイは、株式の売却は共同保有者(ON&ON、中西祐介さん)への売却と説明をされていました。大量保有報告書(変更報告書)では、2023年8月7日時点では、マネジメント・サーベイ単体で30万株の保有となっていましたが、2023年10月3日時点では、共同保有者(マネジメント・サーベイ、ON&ON、中西祐介さん)合計でも16.8万株へ保有割合が減っており、違和感を感じました。
一方で、マネジメント・サーベイの保有株式のうち、質権設定契約13万株が2023年10月2日に実行され、同日に、First Gate Capitalの深山信次さんが13万株取得の大量保有報告書を提出されました。深山信次さんは、その後、2023年10月26日に、6.5万株を売却されています。
マネジメント・サーベイの説明からすると、大量保有報告書に特に記載はありませんでしたが、深山信次さんも共同保有者との意味なのかもしれないと思いましたが、実態が気になるところです。
今回、マネジメント・サーベイの株主提案は全て否決されましたが、まだ株主総会検査役が選任されるような状況にもなっていないので、もし共同保有割合が崩れていないのであれば、これから大きな動きがあるようにも感じます。今後の推移を継続注視します。