ネポンの株主総会に出席しました【2025年2月27日】

株主総会
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ネポン 臨時株主総会

日時:2025年2月27日(木) 10:00-10:10

場所:ネポン厚木事務所(本厚木駅から送迎バスあり)

出席株主数:数名

お土産:無し

 

企業概要

ネポン(7985)

HP:ネポン株式会社 NEPON Inc.

①施設園芸用温風暖房機(ハウスカオンキ)や施設園芸用ヒートポンプ(ネポングリーンパッケージ・誰でもヒーポン)などの農用機器、ビル・工場用温風暖房機(熱風炉)や業務用温水ボイラ(オートカン)などの汎用機器の製造販売を行う「熱機器事業」(売上構成比94%)を中心に、泡洗式簡易水洗便器(パールトイレ)や水洗式簡易水洗便器(プリティーナ)などの製造販売を行う「衛生機器事業」(売上構成比6%)、農産物販売や搬送機器サービスを行う「その他事業」(売上構成比0%)を運営。

②筆頭株主は、金属専門商社の佐藤商事(8065)で、12万株、12.5%を保有。
社長の福田晴久さんが、第3位の株主として、6万株、6.7%を保有。
ユニ・チャーム(8113)の関係会社のユニテックが、第7位の株主として、3万株、3.2%を保有。
情報システムの一貫サービスを手掛ける日興通信が、第9位の株主として、2万株、2.5%を保有。

 

株式情報

時価総額:15億円(2025年2月26日時点)

売上高:77.7億円(2024年3月期実績)⇒73.0億円(2025年3月期予想)

株価:1,560円(2025年2月26日時点)

1株純資産:2,530円(2024年9月末時点)、PBR:0.61倍

1株当期純利益:10.4円(2025年3月期予想)、PER:150倍

1株配当:10円(2025年3月期予想)、配当性向:96%

配当利回り:0.6%

株主数:714名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2025年3月期第3四半期は、熱機器事業は、農業用資材価格上昇などに起因する農業生産者の採算悪化に伴う設備投資意欲減退などにより、農用機器販売および農用施設工事受注がともに伸び悩み、前年に比べて売上高が減少した。その結果、総売上高は54億7千3百万円(前年比7.5%減)となった。損益面においては、円安進行による輸入製品仕入価格上昇や製品品質改善などの追加費用発生に伴う売上原価増加が当第3四半期連結累計期間においても継続した環境下で、販売費及び一般管理費の削減に注力してきたが、利益改善効果は限定的に留まった。また、来期以降の家賃や諸会費などの削減に向けて、本社移転の決定および会員権など各種資産処分を当第3四半期連結累計期間にて実施したことに伴う諸費用や処分損などを特別損失へ計上したことによる減益要因も生じた。以上の結果、売上総利益は前年比2億7千7百万円減少し、販売費及び一般管理費は前年比1億8千1百万円減少したものの、営業利益は8百万円(前年比91.9%減)、経常利益は3千6百万円(前年比62.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1千万円(前年比83.5%減)と、前年を下回る結果となった。

②主力としている熱機器事業は、農業用資材価格上昇などに起因する農業生産者の採算悪化に伴う設備投資意欲減退などにより、農用機器販売および農用施設工事受注がともに伸び悩み、熱機器事業の売上高は50億8千2百万円(前年比8.4%減)となった。

③衛生機器事業においては、簡易水洗便器の防災対策に伴う受注増加により、売上高は3億9千万円(前年比14.3%増)となった。

④2025年2月4日に、2025年3月期通期連結業績予想を下方修正。販売面に関しては、農業用資材価格上昇などに起因する農業生産者の採算悪化に伴う設備投資意欲減退が続き、主力とする施設園芸用温風暖房機の販売、施設園芸暖房工事の受注がともに減収要因となっている。仕入・費用面に関しては、円安進行による輸入製品仕入価格上昇や製品品質改善などの追加費用発生に伴う売上原価増加が当第3四半期連結累計期間においても継続したことが主たる減益要因となっている。また、来期以降の家賃、諸会費の削減に向けて、本社移転の決定および会員権などの処分を当第3四半期連結累計期間にて実施したことに伴い発生する諸費用や処分損などを特別損失へ計上した。現状の市場および為替水準などの環境下では、売上高および利益の大幅な改善は見込まれないと判断したため、通期業績予想を下方修正。

⑤ネポンの社名は、創業時の社名である熱ポンプ工業の「ネ(熱)」と「ポン(ポンプ)」を組み合わせたもの。

⑥2024年5月10日に中期経営計画を公表。2027年3月期に、売上高8,100百万円、営業利益270百万円、当期純利益180百万円。
社内構造改革などを経ても2023年3月期の営業利益388百万円まで届かない点が気になるところ。

⑦当社は、施設園芸による農産物の安定的かつ効率的な生産に資する温風暖房機、栽培管理システムなどの製造業者で、温風暖房機は施設園芸市場シェア70%を占めるなど、日本の施設園芸発展にハード面で大きく貢献してきた。一方、当社の主要取引先である施設園芸生産者を取り巻く環境には、使用する機器が排出する温室効果ガスの削減対応や、労働改善と品質向上を目指すスマート農業に必要な技術・機器の導入など、対処すべき課題が多く存在する。

⑧社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は8,413万円。2023年6月に退任した1名を3ヶ月分、同月に就任した2名を9ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり2,243万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。

 

株主総会での個人メモ

①株主総会はネポン厚木事務所での開催。

②取締役の柳田隆治さんは、所用のため欠席。

③質疑応答で、「本社の移転について、東京に残す機能はあるのか?」との質問あり。「東京都渋谷区から神奈川県厚木市へ完全移管となる。」との回答。

④質疑応答で、「本社移転の具体的な時期は?」との質問あり。「7月末から9月の夏頃を予定。引っ越し作業に約1ヵ月程度かかる見込み。」との説明。

⑤質疑応答で、「本社移転につき、東京都渋谷区から神奈川県厚木市へ異動となる従業員数は?」との質問あり。「従業員5名。」との回答。

⑥議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、ネポン厚木事務所での開催でしたので、工場の雰囲気も分かり良い機会となりました。事務所入口に製品の展示もありました。

質疑応答では、社長の福田晴久さんが丁寧に回答対応されていました。会場対応されていた社員の方々もとても親切な印象でした。また、株主総会終了後、取締役の方々が入口で見送りもされていました。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、ネポンは、1株当たり純資産2,530円に対し、株価が1,560円(2025年2月26日時点)、PBR0.61倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

社内構造改革などを経ても、中期経営計画の2027年3月期の目標(営業利益270百万)が、2023年3月期の営業利益388百万円に届かない点が気になりますが、ニッチ分野で大きなシェアのある企業なので、利益率の回復を期待して継続注視します。再投資も検討します。

 

株主総会会場のネポン厚木事務所
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