フルッタフルッタの株主総会に出席しました【2023年12月14日】

株主総会
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フルッタフルッタ 臨時株主総会

日時:2023年12月14日(木) 10:00-11:25

場所:市ヶ谷大郷ビル(市ヶ谷駅徒歩1分)

出席株主数:約10名

お土産:無し、アサイーエナジー or ミネラルウォーターの配布あり

 

企業概要

フルッタフルッタ(2586)

HP:アサイーのフルッタフルッタ オフィシャルサイト (frutafruta.com)

①ブラジル連邦共和国パラー州のトメアス総合農業協同組合の日本総代理店として、アサイーをはじめとするアマゾンフルーツ冷凍パルプを輸入し加工販売を手掛ける。

不動産仲介を手掛けるREVOLUTION(8894)が、第7位の株主として、27万株、0.8%を保有。

従業員数は、27名のみと少人数体制。

 

株式情報

時価総額:14億円(2023年12月13日時点)

売上高:8.0億円(2023年3月期実績)⇒10.0億円(2024年3月期予想)

株価:43円(2023年12月13日時点)

1株純資産:25.5円(2023年6月末時点)、PBR:1.68倍

1株当期純利益:▲8.4円(2024年3月期予想)、PER:赤字

1株配当:無配(2024年3月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:12,527名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①自社製品のアサイーエナジーの配布があったのは、PRにもなり、良い対応だと思う。

②従業員が27名のみの会社である一方、受付や会場スタッフ以外にも、事務局メンバーが7名も配置されており、やや違和感を感じた。

③取締役と監査役6名中、5名のみ出席。特に説明は無かったが、取締役のマイケル・ラーチさんが欠席されていた模様。欠席者や欠席理由など、株主総会開会直後に説明された方が良いと思う。

④食品など生活必需品においては、節約志向による個人消費の弱さが顕著に表れており、今後も引き続き厳しい情勢が続くものと感じている。

⑤5か年計画の3年目として、アサイー市場の再活性化による定番アイテムの採用増や復活、HPP技術を活用した台湾シリーズの展開により、売上および利益の補強を図ってきた。また、アグロフォレストリーを軸とした環境再生型のESG事業についても、国内外で本格化するサステナブルフード市場に向けて、業界を先駆けてCO₂削減量表示の取り組みを推進してきた。結果として円安市況においても前年比で増収増益となった。

⑥第2四半期においては、売上高305,501千円(前年比152.7%)、売上総利益104,015千円(前年比135.3%)、営業損失は前年より9,544千円減少し51,715千円となり、第1四半期に引き続き大幅に前年を上回る結果となった。前事業年度第3四半期から4四半期連続での増収増益となっており、直近1年を通して増収増益、黒字化へ流れを継続している。まずは月次黒字化を達成すべく、具体的にターゲットを定めて売上拡大、粗利率向上、費用削減の取り組みを進めている。また、当第2四半期累計においても、売上高576,186千円(前年比150.2%)、売上総利益192,580千円(前年比140.9%)、営業損失は前年より36,003千円減少し144,645千円となり、好調に推移している。

⑦売上高好調の主な要因は、第1四半期から引き続き、当社事業の中心でもあるアサイー関連商品が、飲料、冷凍ピューレ、原料含め全体的に好調に推移しており、売上・利益共に大きく貢献している。中でも、冷凍ピューレに関しては、輸入の遅れにより一部チャンスロスが発生。今後も続くと思われる需要増に対応すべく、製造・輸入・販売計画を見直していく。また、アサイーに関しては、当社製品へのCO₂削減マーク記載をスタートするなど露出を強化していく中で、サステナブルフードとしてCO₂削減量に関連した引き合いも増えてきており、当社事業の根幹であるアグロフォレストリーに対する関心が高まっていることがうかがえる。今後も主力商品であるアサイーの拡販、事業の根幹であるアグロフォレストリーのweb3プラットフォーム化という2つを軸に、コアビジネスの強化・拡大を図っていく。また、6月に発売した楊枝甘露・台湾フルーツティーの小型ボトルについては、長い間見送っていたCMによる露出強化を実施したことにより、発売直後から20件近い大手テレビや雑誌、WEBなどのメディアにも取り上げられており、日本食糧新聞社制定の第27回「業務用加工食品ヒット賞」を受賞した。コンビニエンスストアを中心に関東圏から全国主要都市へ販路を拡大していく中で、第2四半期の売上に貢献している。

⑧売上原価においては、前年度から引き続き取り組んでいる、国内在庫の優先的使用による原価上昇の食い止め、前年10月に実施した価格改定により、一定の売上総利益率は確保できているものの、アサイー需要増によるブラジルからの輸入量増加、楊枝甘露・台湾フルーツティー小型ボトルなどの台湾からの輸入量増加により、円安の影響を受けており、売上高の伸長率と比べると、売上総利益の伸長率は鈍化する結果となった。販売費及び一般管理費については、売上増加に伴い物流コストの増加25,542千円となっているが、物流コストの上昇が続く中で、売上伸長率内に抑えることができている。また、新商品の露出強化に伴う販売促進費・広告宣伝費の増加31,566千円があったが、通信費の見直しによるコストダウンや、業務委託費用が35,657千円減少したことなどで、前年より19,941千円増加(前期比106.2%)となった。

⑨リテール事業部門は、スーパーマーケットを中心とした小売店については、引き続きフルッタアサイーシリーズや、冷凍ピューレ、一部企業様向けのプライベートブランドなど、アサイー関連商材が全体的に好調に推移し、売上高、売上総利益に大きく貢献した。中でも、フルッタアサイーシリーズにおいては、製品へCO₂削減マークを記載したことが要因となって定番採用に繋がった事例なども出てきており、第3四半期以降の採用店舗増が期待できる。また、コンビニエンスストアにおいては、6月より楊枝甘露・台湾フルーツティー小型ボトルを関東のファミリーマート一部店舗にて先行発売を開始し、その後、北海道、東北、関西へとエリア拡大している。第3四半期以降は、コンビニエンスストアに留まらず、リテールチャネル全体での拡売を図っていく。また、大手会員制倉庫店においても、前年から販売している楊枝甘露の大型ボトルが、引き続き堅調な推移となっている。この結果、リテール事業部門全体の売上高は305,406千円(前年比203.6%)となった。

⑩業務用事業部門は、外食向け原料販売では、冷凍ピューレやアサイーグロッソアイスなどの、主にアサイーボウルやスムージーのベースとして活用されている商品が、大手カフェチェーンやレストランチェーン、個店向けの業務用通販サイトBIZWEBにおける出荷が増えたことにより、売上・利益に大きく貢献した。また、以前より研究していた、アサイーの代替肉をはじめとした植物性タンパク質訴求食品における血液代替原料となり得る価値の訴求についても、大手小売業での商品化が決定し、第3四半期以降での売上・利益に貢献するものと考えている。現在、アサイー以外のアマゾンフルーツに関しても機能性分析をスタートしており、新たな価値訴求を武器に展開していく。今まで主にリテールチャネルを中心に販売していた楊枝甘露については、夏場を中心に大手カフェチェーンや居酒屋チェーンなどのメニューに原料として採用されたことにより、売上・利益に貢献した。今後は、さらなる拡売に向けたメニュー開発により販路拡大を図っていくと共に、リテール販売での成功事例を業務用販売に繋げていく戦略を継続していく。メーカー向け原料販売については、大手コンビニエンスストア向けの原料が引き続き堅調に推移しており、売上を押し上げている。また、健康食品向け原料についても、アサイーを中心に新規案件が増えてきており、アサイー5倍濃縮エキスや、フリーズドライパウダーなどが好調に推移している。また、楊枝甘露についても外食同様に、アイスやデザートなどのメーカー向け原料としての採用に向けた戦略を立てていく。メーカー向け原料販売は、売上だけでなく利益面での貢献度も高いため、第3四半期以降もさらなる拡大に努めていく。この結果、業務用事業部門の売上高は190,085千円(前年比117.3%)となった。

⑪ダイレクトマーケティング(DM)事業部門は、ECチャネルにおいては、前年度からの計画を見直しつつ、プラットフォームへの取り組み強化を図り、広告投資やSNS強化を行ってきた結果、売上の拡大に寄与した。しかしながら、プラットフォームを拡大したことにより、一部自社ECなどへ自社競合が発生する結果となった。今後は、販売チャネルごとの役割を明確にし、自社ECにおいてはチャネル特性に合った新商品の開発や、CO₂削減量可視化の取り組みの強化など、価格に左右されにくい当社独自の価値提供により、EC市場全体での拡売・収益確保に取り組んでいく。この結果、ダイレクトマーケティング事業部門全体の売上高は75,630千円(前年比116.1%)となった。

⑫海外事業部門は、主力のカカオ豆については、第2四半期から今シーズン収穫分の出荷がスタートしており、昨年同等の物量までは確保できているが、例年に比べ収穫のタイミングが遅くなったため、該当四半期としては厳しい結果となった。収穫遅延の背景には、最近メディアでもたびたび取り上げられている、地球温暖化の影響がアマゾン地域でも指摘されている。これらの現象は、改めてアグロフォレストリーの必要性の認知が高まるトリガーになるものと考えている。当社のカカオビジネスはCO₂削減量の観点からも大きな役割を担っているため、引き続きCAMTAと協力しながら増産に向けて取り組んでいく。近年、次世代型食料供給産業に注目が集まる中で、近い将来、アグロフォレストリーが国際機関の目指す「温暖化ガス削減」や「ネイチャーポジティブ」の数少ない成功事例となり得ることを鑑み、アグロフォレストリーを中心としたサステナブルマッチングプラットフォーム化に向けた取り組みを進めている。当社にしかできないソリューションを提供することで、売上拡大を図っていく。この結果、海外事業部門の売上高は5,062千円(前年比78.5%)となった。

⑬今後の利益体質への変革を目指した、売上や収益性の改善のための施策の効果には一定程度の時間を要し、今後の経済環境にも左右されることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。

⑭EVO FUNDに、2023年12月15日を割当日として第11回~13回新株予約権(5,472万株)、第15回新株予約権(1,870万株)を割当。社長の長澤誠さんに、第14回新株予約権(1,870万株)を割当。権利行使期間は、2023年12月18日から2030年12月17日まで。
第11回~13回新株予約権の行使価額は、修正日に先立つ3連続価格算定日の終値平均の90%に修正。第11回新株予約権の下限行使価額は36.5円。第12回~13回新株予約権の下限行使価額は、行使請求が初めて行われる直前取引日の終値の50%に修正。EVO FUNDが必ず新株予約権の全てを行使する原則コミット・イシュー。
第14回~15回新株予約権の行使価額は、直前取引日終値と同額に修正。下限行使価額は36.5円、ただし、2025年12月18日に直前取引日の終値の50%に修正。
本新株予約権が全て行使された場合に交付される9,212万株は、2023年9月30日現在の発行済株式総数3,370万株に対し、希薄化率273%に相当。
株価を下支えするような配当や株主優待(休止中)も無いので、第11回新株予約権行使時については、下限行使価額を意識し、40.5円程度まで株価が下落する可能性あり。第12回~15回新株予約権は、下限行使価額が修正されるため、さらなる株価下落の可能性もあり注意が必要。

⑮2023年11月13日に、新規事業を公表。アグロフォレストリーを「ネイチャーポジティブ」と「CO₂削減」を両立させるソリューションと位置づけ、事業を通じて課題解決に向け貢献していく。その一環として、アグロフォレストリーで栽培された作物をはじめとした、サステナブル商材に特化して取引するサステナブルマッチングプラットフォームの開発を行う予定。プラットフォーム内では、現状当社が取り扱っている約40品の商材だけでなく、プロモーションを行い他社にもプラットフォームで出店していただくことで、サステナブルに関連する他社の商材も取り揃えることを想定しており、最終的には「サステナブルに関連するものはここに来れば揃う」と認識されるサステナブルマッチングプラットフォームとしていくことを目指している。サステナブルマッチングラットフォームでは、ブロックチェーンを利用し、ブロックチェーンのメリットであるトレーサビリティ(追跡可能性)を活かし、原料調達(生産者)からサプライヤー(製造)、エンドユーザー(消費者)までのサプライチェーン情報の記録を可能とする予定。サステナブルマッチングプラットフォームは企業および個人の両者が利用することを予定しており、アグロフォレストリーからの原料供給であることを証明し、CO₂削減量を明示することより、サステナブルマッチングプラットフォームで取引を行う企業・個人の環境貢献への取り組みを客観的に明らかにすることを目指す。これに加え、ブロックチェーンの情報の不可逆性(非改ざん性)によって、食の安全性の担保に繋がるとも考えている。事業開始日は、2025年10月を予定。

⑯アサイーの機能性研究状況は、造血機能研究では、臨床試験デザインを見直し、原因物質の特定へ。抗炎症研究(トロント大学)では、2022年12⽉に結果発表予定も未だ発表なし、長期目線で働きかけを継続。プラントベースフード研究では、代替⾁品質改善を目的とした有効成分に関する特許出願、2022年8⽉一般食材への応用による発展可能性。

⑰議案の説明後、社長の長澤誠さんより、「近況と今後の計画」について、時間を割いて説明あり。良い対応だと思う。

⑱月次の売上状況は、前年比150%と好調。アサイー関連商品は、4月から11月までの昨年対比で、成城石井向けが139%、カルディ向けが205%、オーケー向けが168%、タリーズコーヒー向けが115%、コナズ珈琲向けが205%。

⑲アジアで、アサイーを楽しめる店舗の展開を予定。ワンオペで営業できる小型店舗。スムージーやアサイーボウルを提供。

⑳質疑応答で、「増資について、シナジー効果が見込める食品メーカーではなく、ファンドとしている理由」について質問あり。「EVO FUNDには助けてもらった実績がある。食品メーカーによる増資だと、その食品メーカーの色が付いてしまう。フェアな状態でいたい。」との説明。

㉑質疑応答で、「海外展開よりも、まずは国内で売上高100億円を目指したらどうか?」との質問あり。「経験から、国内では一本足打法で大きな売り上げを取るのは難しい。」との回答。

㉒質疑応答で、「前回2回分(第9回、第10回新株予約権)のワラントが行使されずに終了しており、その場限りの対応で、今回のワラント対応になっているように見える。誠意が無いように感じる。」との意見あり。「行使されなかった実質的な原因は株価が下限価格を下回っていたことだが、18億円の調達予定に対し、16億円調達できたので、ほぼ目的を達成できた。前回の増資は、債務超過で苦しみ、企業存続がかかった対応であったが、今回の増資は、成長投資のためであり、目的が違う。」との説明。

㉓社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は3,900万円。2022年6月に退任した1名を3ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり1,200万円。

㉔議案の採決方法は、「臨時株主総会の第1号議案(定款一部変更)」と「普通株主様による種類株主総会の議案(定款一部変更)」をまとめて一括で採決。議案に反対する出席株主は挙手をし、事務局メンバーが挙手をしている株主の議決権数を確認し、その後、挙手をしていない株主の棄権の有無を確認し、集計する方法。10分ほどで賛否が判明し、それぞれ、賛成68.7%、68.2%で可決された。定款の変更は特別決議事項のため、2/3以上(66.7%)の賛成が必要となるが、恐らく、事前行使結果では賛否が確定せず、微妙な状況であったものと推測。
その他の議案については、拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

特別決議が必要となる事項
M&Aに関する事項(事業譲渡・合併)、解散、定款の変更、減資、役員等の損害賠償責任を一部免除、株主に大きな影響を及ぼす事項(金銭以外の財産で株主に配当をする場合、特定の株主から自己株式を取得する場合やその条件の決定、累積投票で選任された取締役または監査役を解任する場合)など。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

株主総会では、社長の長澤誠さんの、丁寧な説明とハキハキとしっかりとした口調が印象的でした。

一方で、単月赤字が続いている状況で、売上が好調と強調されている様子に違和感を感じました。出席株主より、中長期計画について、夢物語ではないかとの指摘もありました。中長期計画では、2026年3月期に売上高30億円、最終年度の2031年3月期に売上高100億円と読み取れる成長グラフを示しているものの、具体的な数値として示していない点が気になります。

第11回~13回新株予約権については、EVO FUNDが必ず新株予約権の全てを行使する原則コミット・イシューですが、コミット消滅事由(終値が下限行使価額の110%以下となった場合など)が20回を超えて発生した場合、EVO FUNDのコミットは消滅とのこと。

実態は別として、会社存続の危機を脱した後の成長投資段階と強調されていましたので、EVO FUNDの新株予約権行使が進みそうもない場合には、行使を進めるための株価対策として、休止している株主優待を再開する可能性はありそうです。

また、特別決議事項の「臨時株主総会の第1号議案(定款一部変更)」と「普通株主様による種類株主総会の議案(定款一部変更)」は、今回、賛成数がギリギリでの可決でしたので、今後も、特別決議事項が必要な議案については、否決されるリスクがあるかもしれません。

2012年のアサイーブームの大ヒット以降、2016年3月期から業績の低迷(赤字)が続いていますが、高価格に相応しいアサイーのスーパーフードとしての具体的な魅力(機能、効能)が消費者に伝わっていないようにも思え、他のフルーツとの差別化が課題に思います。スーパーフードとしての魅力をしっかりと消費者にPRして売上増加をはかり、まずは赤字からの脱却を期待しています。

スーパーフードの定義
栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。

 

株主総会会場の市ヶ谷大郷ビル

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