北川鉄工所の株主総会に出席しました【2023年6月23日】

株主総会
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北川鉄工所 第113回定時株主総会

日時:2023年6月23日(金) 10:00-10:50

場所:府中商工会議所会館(府中駅徒歩5分)

出席株主数:約40人

お土産:無し、ペットボトルのお茶の配布あり

 

企業概要

北川鉄工所(6317)

HP:株式会社 北川鉄工所 kitagawa キタガワ トップページ (kiw.co.jp)

①自動車部品や建設機械部品や農業機械部品の製造販売をおこなう金属素形材事業の「キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー(KMT)」(売上構成比43%)、コンクリートプラントやビル建築用クレーンや自走式立体駐車場などの製造販売をおこなう産業機械事業の「キタガワ サン テック カンパニー(KST)」(売上構成比39%)、旋盤用チャックや油圧回転シリンダやNC円テーブルなどの製造販売をおこなう工作機器事業の「キタガワ グローバル ハンド カンパニー(KGh)」(売上構成比16%)を運営。

社長の北川祐治さんが、第10位の株主として、13万株、1.4%を保有。

主要顧客は、農業機械や建機を製造販売するクボタ(6326)で、売上比16%。

 

株主総会での個人メモ

①株主総会冒頭で、社長の北川祐治さんから、業績悪化、および、スタンダード市場への変更に対するお詫びがあった。

②事業説明では、社長の北川祐治さん、取締役の北川宏さんから説明があり、悪い点も隠さず正直に状況を説明している様子が伺え、好印象。

③キタガワ マテリアル テクノロジーは、日本国内だけではなく、メキシコと今後閉鎖する予定があるタイの3拠点で生産。

④キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニーでは、「自動車業界の変質」に直面。自動車業界のお客さまへ自動車部品を直接納品しており、工作機器等々においても自動車業界は最も大きなマーケットなので、非常に大きな影響を受ける。自動車業界は安定した業界であることが特長だったが、コロナ禍以降の2年、3年の間に深刻なサプライチェーンの混乱があり、生産計画と実態においてありえないような変化が起こった。また、政治的なEV化生産台数の拡大も転換点となった。収益は大変厳しい状況。要因としては数量減にもかかわらず、材料費・電力料等々の価格高騰に対し、十分に価格転嫁することができなかったことが挙げられる。営業利益では、価格転嫁をおこなうものの、不十分な価格転嫁として約8億円の減益要因がある。また、前期はメキシコで減損を出しており、今期はその分の償却費が減り8億円を戻したが、為替の影響や新規受注品の立ち上げに社内的に大変苦労し、結果的には全体として19億円のマイナスとなった。

キタガワ サン テック カンパニーでは、生コンは国内全体で約1億立米から約7,400万立米まで下降してきており、業界は決して発展しているわけではない。しかし、生コンはエリアにおいて多忙なところとそうでないところがあるという特徴があるため、プラントのマーケットそのものは安定し、それなりに動いている状況。材料費の値上げが収益を悪化させ、営業利益は減少。特に立体駐車場、荷役機械関連設備にそのような傾向が見られる。要因の1つに、納期が非常に長いことが挙げられる。現在約1年の受注残高を抱えて工場はフル稼働状態だが、納入は1年後となっているので、価格設定時と最終納入時の価格差を製品に価格転嫁できず、収益性をさらに落としてしまっている。

⑥タイ(KTC)は、品目の整理、生産ラインを閉鎖する等の損益改善に努めてきたが、将来的に投資を回収する見込みが立たないと判断し、23年末での操業停止を決定。固定費の削減が進まなかったことと、固定費を賄える十分な仕事量が確保できなかったこと、加えて材料・経費の高騰に対して価格転嫁が出来なかったことが主たる要因。

⑦メキシコ(KMEX)は、自動車分野が主な顧客であり、直近3ヵ年は生産調整と材料・経費の高騰に対して価格転嫁が出来なかったこと、2020年度からEV化後も残るデフを受注し、2022年度以降の量産に向けて新規受注品の立上げ費用が発生したことが主な赤字要因。また、2021年度は約2,800万ドル、日本円で32億円の減損を計上せざるを得なかったが、それだけ減損を計上しても今期は厳しく、実態はさらに深刻な状況

⑧設備投資の概要は、厳しい状況は続いているものの、引き続きKMTカンパニーに投資をしている。EV化が進む中、メキシコではトランスミッション系の部品からデフケースを中心としたEV商品に変更していくためのもので、事業を継続していくために必要だと判断。

⑨KGhカンパニーの今期の売上高・利益は2022年度とほぼ変わらず。KSTカンパニーについては、立体駐車場の減収や、クレーン事業についてもちょうど端境期に入り受注はするものの翌年の納入となるため、売上高は前期比減収を計画。価格転嫁については徐々に進んでいくため、利益は売上ほど減少しない。

⑩KGhカンパニーでは、インドに新工場を作るということで進めていく。これまでいろいろと準備をしながら進めていたが、今回はスモールスタートということで、インドの機械の性能や工作機械のサービスの状況などを確認しながら機械を入れて、生産を始め、インドのお客さまに納入していく。「グローバルサウスの台頭」があり、工作機械の業界でもマーケットはさらに拡大。中国については政治的なこともあり、マーケットの拡大が難しいため、今後はインドを中心に海外展開を考えている。

⑪KSTカンパニーは、今期、立体駐車場、荷役機械関連設備の減収により、売上高は減収を見込んでいる。ただし、受注ベースでは落ちておらず積み上がっているので、来年の売上に反映される認識。

⑫メキシコは生産が戻ってくるので、それに伴い収益の改善を進めていく。ただし、国内では材料・エネルギーの価格の転嫁は理解いただけるが、海外では日系企業でも認めていただけないことが多く、売上は戻るものの収益的にはマイナス。引き続きお客さまにお願いするとともに、生産性向上を含めて、改善を進めていく。

2024年3月期の連結業績予想は、2年ぶりに最終黒字となる見込み。株主還元について、2023年度は30円の配当を予定。最低額として30円と設定。

⑭2023年4月の東京証券取引所の規則改定で、上場維持基準抵触時の取り扱いが明確にされた。プライム市場に残りたいと思っているが、株主が当社の株式を保有・売買できる環境を失ってはいけない。株主を最優先で考え、今回、スタンダード市場への移行をやむを得ず、決議。

⑮質疑応答で、「エクセレントカンパニーとして取り上げられている企業としては、現状のPBR0.3倍は物足りない。PBR1倍達成について、見直しされる中期経営計画で言及して欲しい。」との要望あり。「業績好調な時でもPBR1倍には達していなかったので難しいが、長期経営計画 「PlusDecade2031」で掲げる内容で成長を目指し、プライム市場への再上場と共に、PBR1倍を達成したい。」との説明。

⑯社外取締役と監査等委員である取締役を除く取締役9名の報酬等の総額は11,200万円。2022年6月24日に退任した6名分を各3ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり2,488万円。

⑰議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したり、事前の議決権行使の具体的な数字を示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

長い歴史のある会社ですが、コロナ禍で業績が低迷し、株価もピーク時に比べ3分の1程度となっており、業績回復に期待して、平均1,244円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

株主総会では、社長の北川祐治さんから、温和な口調ながらも、悪い内容についてもしっかりと説明がありました。信頼感のある好きな経営者の一人です。

苦戦するキタガワ マテリアル テクノロジー カンパニーについて、「自動車業界の下請けとなってしまっているため、今後、自動車業界との関りを下げていく。」とのコメントが印象的でしたが、EV化の流れに伴うさらなる減損が今後も発生しそうで心配です。

過度な期待はしませんが、「トランスミッション系の部品からデフケースを中心としたEV商品への変更」が落ち着いた段階で、業績が回復することを期待して、継続保有の予定とします。

 

株主総会会場の府中商工会議所会館
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