大泉製作所 臨時株主総会
日時:2023年4月25日(火) 11:00-11:15
場所:ニッショーホール(新橋駅徒歩1分)
出席株主数:約10人
お土産:無し
企業概要
大泉製作所(6618)
①エンジン吸気用温度センサや二次電池用温度センサなどの「自動車部品事業」(売上構成比52%)、エアコン室内機用温度センサなどの「空調・カスタム部品事業」(売上構成比38%)、温度センサ感知部用電子部品などの「エレメント製品事業」(売上構成比8%)などの事業を運営。
②筆頭株主は、半導体ウエハや半導体設備向け部品などの製造をおこなうフェローテックホールディングス(6890)で、472万株、51.0%を保有。
③フェローテックホールディングスが、過半数の議決権を保有しており、フェローテックホールディングスの意思一つで物事を決められるフェローテックホールディングスの連結子会社。
④フェローテックホールディングスが2022年6月13日~7月25日まで実施した公開買付けにより、フェローテックホールディングスの議決権が34.6% ⇒ 51.0%となり、フェローテックホールディングスの連結子会社となった。
⑤デンソー(6902)が主要顧客、売上比率23%。
株主総会での個人メモ
①取締役の大石純一郎さんは、業務の都合で音声のみの出席。
②本株主総会の新任取締役候補の内藤雄一さんが、4月25日に社長就任予定。日野自動車出身。
③半導体を始めとした原材料不足による車両生産の回復遅延から、受注減少による操業度の低下等の影響により、2023年3月期の業績について、売上・利益ともに下方修正。
④空調・カスタム部品事業では、空調関係においては、ASEAN向け・北米向けを中心に個人消費者向け販売が増加したことや、欧州における環境保全を目的としたヒートポンプ需要が増加したことで増収(前年同期比14.1%増)。また、カスタム関係では、工作機市場の好調が持続したことにより増収(前年同期比11.1%増)。この結果、事業全体では前年同期比13.5%増となった。
⑤温度センサーの基本要素のサーミスタとは、温度変化によって電気の流れにくさ(抵抗)が変化する半導体に属する電子部品。温度が高くなると抵抗が小さくなって電気が流れやすくなり、低くなると流れにくくなる。これを読み取ることによって温度を計測することができる。サーミスタは他方式の温度センサーと比較して温度変化に対する感度が高く、小型で安価、そして大量生産が可能なことから身の回りにある様々な製品に使われている。
⑥サーミスタ素子は、日本国内で生産。温度センサ製品は、グローバルで生産(日本、中国、タイ)。
⑦カーエアコンエバポレータ用温度センサは、推定シェア37%。エンジンクーラント用温度センサは、推定シェア23%。
⑧電動車の市場拡大✕1台あたりの使用数増で、サーミスタセンサ需要増加。温暖化や世界的な猛暑により、空調機の世界市場規模は増加の見込み。エアコンの省エネ化・インバーター化に伴い、温度センサの需要も増加。
⑨中期事業計画は、2024年3月期に売上高140億円、営業利益率8%が目標。
⑩エレメント事業は、光通信の数量拡大も価格競争により売上横ばい。
⑪質疑応答で、「間近に迫る6月の定時株主総会を待たずに、この時期に臨時総会を開いてまで取締役を追加選任して社長を変更する理由は?」との質問あり。社長の佐分淑樹さんから、「親会社のフェローテックホールディングスの意向。企業価値向上に向け、一刻も早く体制変更を進めたい。」との回答。
⑫社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は5,494万円。2022年6月に1名が増減無く入れ替わったため、単純平均で取締役1人当たり1,373万円と推測。
⑬株主総会終了後に、新任取締役として選任された、新社長予定の内藤雄一さんから、「自動車業界は変革の時期を迎えている。フェローテックホールディングスとのシナジーで、攻めの大泉製作所としたい。」との挨拶あり。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
新任取締役として選任された、新社長予定の内藤雄一さんの「攻めの大泉製作所」を目指すとのコメントが印象に残りました。
親会社となったフェローテックホールディングスとのシナジーで、自動車業界のEV化の流れに上手く乗り、業績の向上を期待しています。