スター・マイカ・ホールディングスの株主総会に出席しました【2024年2月22日】

株主総会
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スター・マイカ・ホールディングス 第26回定時株主総会

日時:2024年2月22日(木) 10:00-11:35

場所:The Okura Tokyo オークラプレステージタワー(虎ノ門ヒルズ駅徒歩5分)

出席株主数:約20人

お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり

 

企業概要

スター・マイカ・ホールディングス(2975)

HP:スター・マイカ・ホールディングス株式会社 (starmica-holdings.co.jp)

①賃貸中の中古分譲マンション(ファンドなどを含む)に対して投資を行いポートフォリオとして賃貸運用しながらリノベーションなどにより不動産の価値を向上させて幅広い消費者層へ販売をおこなう「リノベマンション事業」(売上構成比98%)を中心に、投資リターン獲得を目的に不動産・事業会社・ファンドなど(リノベマンション事業の投資対象となる不動産およびファンドなどを除く)への投融資をおこなう「インベストメント事業」(売上構成比0%)、不動産の売買・賃貸仲介、賃貸・建物管理および金融・不動産分野におけるコンサルティングなどの「フィー(手数料)ビジネス」をおこなう「アドバイザリー事業」(売上構成比2%)を運営。

筆頭株主は、社長の水永政志さんで、1,170万株、35.0%を保有。
ノルウェー政府が、第9位の株主として、60万株、1.8%を保有。

 

株式情報

時価総額:180億円(2024年2月21日時点)

売上高:488億円(2023年11月期実績)⇒541億円(2024年11月期予想)

株価:531円(2024年2月21日時点)

1株純資産:693円(2023年11月末時点)、PBR:0.76倍

1株当期純利益:83.8円(2024年11月期予想)、PER:6.37倍

1株配当:21円(2024年11月期予想)、配当性向:25%

配当利回り:3.9%

株主数:5,712名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①事業報告は割愛され、ほぼ質疑応答に時間を費やしていた。

②当社グループの属するリノベーションマンション業界においては、公益財団法人東日本不動産流通機構によると、2023年11月度の首都圏中古マンションの成約件数は2,900件(前年比3.7%増)と6カ月連続、成約㎡単価は74.98万円(同7.6%増)と43カ月連続、成約価格は4,731万円(同7.1%増)と42カ月連続でそれぞれ前年同月を上回っている。なお、首都圏中古マンションの在庫件数は、2021年6月(33,641件)以降復調傾向にあり、2023年11月は46,993件と新型コロナウイルス感染症拡大前の水準(2020年2月(47,423件))に近づきつつある。

③当連結会計年度においては、不透明な市況においても堅実な成長を目指し、リノベマンション事業における営業エリア深耕や、子会社仲介機能拡充による、積極的な物件購入および安定的な販売物件供給に注力した。また、財務基盤の強化および人材の採用、育成にも注力し、経営基盤の強化に取り組んできた。この結果、当社グループ全体で売上高48,877,556千円(前年比1.4%増)、売上総利益8,422,044千円(同13.7%減)、営業利益4,846,206千円(同20.5%減)、経常利益3,921,299千円(同27.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,664,239千円(同28.2%減)と増収減益となった。

④リノベマンション事業は、物件購入を継続し保有物件数が増加したことから、賃貸売上は4,187,637千円(同4.8%増)となった。販売面においては、市場の成約価格が高い水準で推移する中、販売単価の上昇を意識した戦略を実行した結果、販売売上は43,967,328千円(同1.2%増)となったが、販売利益率は市場の後押しを強く受けた前年同期を下回り、13.2%(同2.6ポイント減)となった。この結果、売上高は48,154,966千円(同1.5%増)、営業利益は4,865,210千円(同18.7%減)となった。なお、当連結会計年度の売上原価に含まれる販売用不動産評価損は、211,242千円となった。翌連結会計年度については、オーナーチェンジ物件(賃借人が居住中である物件)を主軸とした購入戦略の深化や営業エリア深耕による安定した物件購入に加え、消費者の多様化するニーズに応えるべく、高品質な販売物件供給へ注力する計画。

今後の見通しについては、新築マンションの価格高騰や供給減少を受け、リノベーションマンションに対する底堅い需要は継続すると考えられる。また、物価上昇による家計負担の増加や、金融政策の見直しによる金利上昇などが予見される中、中古マンション市場や金融市場の動向を注視し、中長期の視点に立った戦略実行が重要となることが予想される。このような経営環境の中、当社グループは、新たに中期経営計画を策定し、“ヒト”も建物も高齢化しつつある社会において、リノベーションマンションの供給を通じて住宅循環システムの普及・定着に努めていく。

⑥中期的には、利益配分については、今後の成長投資を優先したうえで、年2回の中間配当および期末配当として安定的かつ増配にて実施していくとともに、PBR1倍割れなど割安と判断する場合に機動的に行う自己株式の取得と合わせて、総還元性向40%を目指す。

買取再販同業他社が競争の激しい空室購入物件を中心としているのに対し、当社は模倣困難性の高いオーナーチェンジ物件の購入を中心に据えており、再現性高く利益を生み出すことが可能。空室利益率7.6%に対し、オーナーチェンジ利益率18.0%。

2020年11月期に対し、約20%のコスト上昇、約10日の商品化日数伸長が発生。コスト上昇の要因は、物価上昇、資材価格などの高騰に伴う建築費・人件費の上昇。商品化日数伸長の要因は、職人などの人材確保難による工期伸長、建材・住宅設備の納期遅延(現在はほぼ正常化)。

日本の住宅ローン利用者は大層が変動金利(短期金利連動)を選択。現状日本の金融市場において、短期金利上昇のコンセンサスは得られておらず、住宅ローン金利(変動)の上昇懸念も小さいものと思慮。当社物件の購入者層は変動金利利用または現金購入がほとんどであり、同業他社や地方の戸建再販業者のターゲットと比べ、世帯年収も高い。仮に金利上昇が起こったとしても、ローンが払えなくなる世帯ではない。新婚のお客様が多いとの説明もあり。

コスト構造から新築マンションの高止まりは続くと予想するため、中古マンションだけが価格下落することは想定しづらい。一方で、ボラティリティの高い超都心の高額物件は購入クライテリアから外すなど、一定のリスクヘッジをしながら購入を進めていく。仮に下落基調に突入する場合は、都市部と地方部で二極化が進むと予想し、都市部シェアを高めていく。

日本の人口は減少していくが、都市部の減少はかなり緩やか。当社の主要展開エリア(東京23区、横浜市、さいたま市、大阪市、神戸市、札幌市、仙台市、名古屋市、福岡市)における世帯数は、横ばいで推移する見込み。

⑫首都圏における中古マンション成約数は、中古戸建成約数の2.6倍。

⑬FY24-26中期経営計画は、営業利益率10.0%。PBR1倍以上。

⑭質疑応答で、複数の株主から、低迷する株価について苦言あり。「当社の株式を保有する機関投資家のファンドマネージャーの退任による解約売りの影響もあった模様。PBR1倍達成のため、自己株取得を含め、総還元性向40%とする。」との説明。

⑮質疑応答で、複数の株主から、「個人投資家向けのIR説明会や決算説明動画の公開など、IR強化」の要望あり。「手薄になっていた認識はあるので、IR説明会は前向きにおこなう。コストはかかるが決算説明の動画配信も検討している。」との回答。

⑯質疑応答で、「機関投資家からはどのような質問が出ていたのか?」との質問あり。「「株価が安いうえに、含み益が250億円もあることを考慮するともっと割安感がある。何か問題を抱えているのか?」と聞かれる。認知度の問題で、その他の不動産業と同じようにリスクが高いと見られている。」との説明。

⑰質疑応答で、複数の株主から、「中期経営計画で売上高や営業利益や販売戸数などの数値目標が無い理由」など、中期経営計画について質問あり。「不透明な不動産市況や、オーナーチェンジ物件への注力もあり数値を出さなかった。成長期と成熟期を繰り返しながら会社が大きくなるのが理想だが、現状は成熟期。一旦、固めてから成長を目指す。」との説明。

⑱質疑応答で、「海外からの顧客数の動向」について質問あり。「法律の問題もあり、多くはない。」との回答。

⑲質疑応答で、「事業報告が割愛されていたが、業績予想未達の要因や中期経営計画など、しっかりと説明すべき。」との意見あり。「コロナの時期より今回の方式に変更した。来年以降、対応を改善したい。」との回答。

⑳質疑応答で、「決算内容について、社外取締役からどう見えるのか意見を聞きたい」との要望あり。社外取締役の小滝一彦さんから、「1年前は、追い風の中で良い決算だった。今後の不動産市況が不透明な中、攻めも守りもよくやっており、ベストな経営をおこなっている。」との説明あり。

㉑監査等委員である取締役を除く取締役1名の報酬等の総額は12,719万円。

㉒議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

業績が堅調な一方で、社内取締役が社長の水永政志さん1名のみ、役員報酬も1億円以上と目に留まり、効率を極めたような経営体制に興味を持ち、平均652円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。不動産業界によく見られる体育会系とは異なる落ち着いた社風を感じました。

質疑応答では、多くの株主から質問があり、厳しい質問や意見もありましたが、社長の水永政志さんの終始冷静な対応が印象的でした。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、スター・マイカ・ホールディングスは、1株当たり純資産693円に対し、株価が531円(2024年2月21日時点)、PBR0.76倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

オーナーチェンジ物件が強みであることや、不動産業界では珍しく、土日が休みとの人事戦略にも興味を持ちました。今期はIR対応の強化をおこなうとのことで、中期経営計画にも掲げているPBR1倍の達成も期待して、継続保有の予定とします。追加投資も検討します。

 

株主総会会場のThe Okura Tokyo オークラプレステージタワー
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