FHTホールディングス 臨時株主総会
日時:2023年10月30日(月) 11:00-11:55
場所:芝公園フロントタワー(芝公園駅徒歩2分)
出席株主数:約10名
お土産:無し、ペットボトルのお茶の配布あり
企業概要
FHTホールディングス(3777)
HP:株式会社FHTホールディングス (fht-hd.com)
①リユース事業やWebアプリケーションの開発および安定運用を実現するためのソフトウェアであるZend製品やWebシステムに欠かすことのできないデータベース製品を中心にソリューションおよびサポートを提供する「IT関連事業」(売上構成比13%)、マンション・オフィスビルなどの管理・清掃業務および立体駐車場据付工事・保守メンテナンス業務をおこなう「環境事業」(売上構成比53%)、太陽光発電事業において発電所のセカンダリー案件の取得および売却並びに売電事業などをおこなう「資源エネルギー事業」(売上構成比34%)を運営。
②筆頭株主は、リバイブ投資事業組合で、9,005万株、38.3%を保有。
③使用人数は、8名(連結27名)と少人数体制。
株式情報
時価総額:127億円(2023年10月27日時点)
売上高:7.5億円(2022年12月期実績)⇒未定(2023年12月期予想)
株価:45円(2023年10月27日時点)
1株純資産:10.9円(2023年6月末時点)、PBR:4.12倍
1株当期純利益:未定(2023年12月期予想)、PER:未定
1株配当:無配(2023年12月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配
株主数:11,569名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①株主総会招集通知には、株主総会会場について、「芝公園フロントタワー2階」との記載があったが、2階に行くも受付が無く、受付を探していたところ、3階で受付を見つけた。会議室名は合っていたので、階数の誤記載があった模様。誤記載があった際には、招集通知の訂正をして欲しい。
②2023年12月期第2四半期実績は、資源エネルギー事業では、既存発電所の売電収入や当第2四半期累計期間において本格的に稼働し始めた電力小売事業の売電収入に加え、第1四半期累計期間において受注のあったソルガム種子の引き渡しも完了し、売上高382,020千円(前年比1,254.9%増)、セグメント利益193,268千円(前年はセグメント利益20,369千円)となった。
③環境事業では、不動産事業における販売用不動産の案件が減少したものの、定期保守メンテナンスに加え、リニューアル・修繕工事が増加、ビルメンテナンス事業において管理案件が増加したことなどにより、売上高164,002千円(前年比34.3%減)、セグメント利益15,542千円(前年はセグメント利益6,515千円)となった。
④IT関連事業では、リユース事業においてiPhoneやゲーム機の買取および販売が好調であったことなどにより、売上高5,789,356千円(前年比11,428.2%増)、セグメント利益54,438千円(前年はセグメント利益9,011千円)となった。
⑤2023年12月期の連結業績予想については、既存事業、新規事業について、計画の実現可能性も含め不透明な状況であるため、業績予想の合理的な算定が困難であることから、本臨時総会時点でも未定。
⑥資源エネルギー事業において、太陽光発電所譲渡による売上および利益が当社グループの業績に与える影響は大きく、現在保有している太陽光発電所の譲渡計画が不透明な状況が長引けば業績に影響を及ぼす可能性がある。
⑦電力小売事業においては、電力の仕入価格変動により、調達コストが業績に影響を及ぼす可能性がある。
⑧資源エネルギー事業においては、ソルガム種の開発、生産、販売拡大により売上および利益の拡大を目指している。
⑨環境事業において、資源高騰よる原材料・資材不足および人材不足等により、受託業務の停止や作業工期の延期・遅延が発生する恐れがある。環境事業においては、ビルメンテナンス管理業務の見直し、立体駐車場据付工事およびメンテナンス事業の受注規模、受注地域の拡大などにより、売上及び利益の拡大を目指している。
⑩IT関連事業において、円安によるZend製品やデータベース製品の価格変動により既存顧客離れが発生し、業績に影響を及ぼす可能性がある。また、リユース事業において、製品の流通量の増減により買取・販売価格が変動し、業績に影響を与える恐れがある。IT関連事業においては、既存事業であるソフトのソリューションおよびサポート業務を強化し新規顧客獲得等により、リユース事業においては買取製品を見極め販売拡大などにより、売上及び利益の拡大を目指す。
⑪社長の森欣也さんは、不動産販売などを手掛けるアジアゲートホールディングス(1783)の前社長。
⑫質疑応答で、「上場時から株価が大幅に下落している。従業員も8名のみ。今回、取締役を2名追加して役員報酬を増やすよりも、配当をおこなったり、他にやるべきことがあるのではないか?」との質問あり。「今回追加となる2名は子会社の代表であり、人員数には変更が無いことをご理解いただきたい。」との説明。
同出席株主より、「第3号議案の取締役2名専任の件」について、追加選任不要との修正動議あり。議案の採決時に、原案が可決され、本修正動議は否決された。
⑬質疑応答で、複数の株主から「連結業績予想を開示して欲しい。」との要望あり。「既存事業、新規事業について、計画の実現可能性も含め不透明な状況であるため、業績予想の合理的な算定が困難。東証からの指導もあり、非開示としている。」との回答。
期末まで残り約2ヵ月、現時点での連結業績予想非開示の姿勢には違和感を感じる。
⑭質疑応答で、「中国事業の投資失敗の責任は?」との質問あり。議長からの指名は無かったが、取締役の車陸昭さんから、「投資に失敗はつきもの。投資をしないと会社の成長は無い。」との回答。責任を追及する株主と押し問答となり、車陸昭さんが冷静さを失う場面が続き、株主に対して、手に持つペンの先を向けながら語気を強めて言い合う姿が気になった。ほかにも、言い争いの際に、議長ではなく車陸昭さんから、「ひとつの議案につき質問は1名1問。」との発言もあったが、議長からはそのような事前説明は無く、気になった。
一連の冷静さを失う回答姿勢に対して、別の株主から苦言があり、車陸昭さんが謝罪されていた。
⑮質疑応答で、「上場企業としての会社の体をなしていないように見える。会社の現状について、社外取締役から意見を聞きたい。」との意見あり。議長からの指名はなかったが、社外取締役の福田健さんと近藤哲也さんからそれぞれ回答があった。特に、近藤哲也さんからの、「会社を建て直している段階で、建て直すのに精一杯。数字を作れる状態ではない。やっと方向性を出せるようになった。」との回答が印象的。
⑯社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は4,290万円。単純平均で取締役1人当たり1,430万円。使用人分給与は含まず。
⑰議案の採決方法は拍手での採決。出席株主からも指摘があったが、議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
まず、株主総会招集通知に記載されているフロア(2F)に行くも、受付も会場も無く、人もいなく、別の階(3F)で株主総会が開催されていたのには驚きました。
株主総会では、社長の森欣也さんが議長を務めていましたが、声が小さく、元気も無い様子がとても気になりました。事務局と相談して回答する場面も多く、また、議長が指名していない取締役が回答したりと、議事進行を上手くおこなえていない印象を受けました。
2023年12月期の連結業績予想については、合理的に算定可能となった時点で速やかに公表とのことですが、本臨時総会時点でも未公表であり、残り約2ヵ月で期末を迎えることになり、会社の管理能力に違和感を感じるとともに、今期の業績も赤字での着地ではないかと心配になります。
連結でも使用人数が27名のみの状況で、多くの事業を行うのには無理があるように思うので、事業の選択と集中など、会社の立て直しに注力して欲しいと思います。