エフ・コードの株主総会に出席しました【2023年11月1日】

株主総会
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エフ・コード 臨時株主総会

日時:2023年11月1日(水) 10:00-10:10

場所:TKP市ヶ谷ビル(市ヶ谷駅徒歩2分)

出席株主数:約10名

お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり

 

企業概要

エフ・コード(9211)

HP:株式会社エフ・コード (f-code.co.jp)

①CX(CustomerExperienc)向上SaaS(SoftwareasaService)の提供とともに、CX領域のデータ基盤を軸とするプロフェッショナルによるDX(DigitalTransformation)推進の伴走型支援やデジタルマーケティング全般の支援を組み合わせ、企業のDX推進支援をワンストップで提供

筆頭株主は、社長の工藤勉さんで、255万株、48.7%を保有。
転職サイトなどを手掛けるマイナビが、第5位の株主として、20万株、3.8%を保有。
クライアントの内製化支援をおこなうリヴァンプが、第6位の株主として、19万株、3.6%を保有。
取締役の荒井裕希さんも、第9位の株主として、9万株、1.8%を保有。

③社長の工藤勉さんが、過半数近くの議決権を保有しており、工藤勉さんの意思一つで物事を決められるオーナー企業

使用人数は、39名と少人数体制。

 

株式情報

時価総額:61億円(2023年10月30日時点)

売上高:10.7億円(2022年12月期実績)⇒19.7億円(2023年12月期予想)

株価:1,160円(2023年10月30日時点)

1株純資産:534円(2023年6月末時点)、PBR:2.1倍

1株当期純利益:51.2円(2023年12月期予想)、PER:22.3倍

1株配当:無配(2023年12月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:2,271名

会計基準:日本会計基準(2023年12月期第3四半期より連結財務諸表IFRSを適用予定)

 

株主総会での個人メモ

CX向上SaaSの提供
当社は、顧客企業のWebサイトにおけるCXを向上することにより、ロイヤルカスタマー化および継続的な購買活動を促進するSaaSを提供。

CX:一般的に「顧客体験」と訳されるが、顧客がよいと感じられる体験、つまり「顧客が体験して得られる価値」までも含めて定義。

SaaS:ソフトウェアを利用者(顧客)側に導入するのではなく、提供者(サーバー)側で稼働しているソフトウェアを、インターネットなどのネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用するもの。

 

DX推進の伴走型支援および広範なデジタルマーケティングサービスの提供
当社は、CX向上SaaSの提供のほか、CXデータを活用することによって、顧客企業の属する市場調査や同業他社の戦略分析と戦略設計、また、戦略実行段階を担う人材育成など、DX推進のプロセス全体に影響を及ぼす戦略設計・組織設計を伴走型で支援し、それらが整理された段階では、顧客企業と生活者とのデジタルを通したコミュニケーション構築の支援や、その後の成約率向上支援などを行っている。

DX:新しいデジタル技術を活用し、企業におけるこれまでの組織やシステム、ビジネスモデルなどを、より付加価値の高いものへと変貌させ、利益や生産性の向上を図ること。

 

③2023年12⽉期第2四半期実績は、DX市場拡⼤、CX改善ニーズの⾼まりを受け、既存事業の成⻑およびM&Aの業績貢献に加え、IFRS組み替えを反映し、前年同期⽐で売上収益+73.6%/ 営業利益+48.5%の増加。

④2023年3⽉20⽇にRadix(旧商号:SAKIYOMI)が運営する「SAKIYOMI」事業を新設分割して設⽴するSAKIYOMI (新設会社)の全株式の取得を公表、2023年5⽉12⽇に取得価額806百万円で⼦会社化。InstagramマーケティングSaaS「SAKIYOMI」の概要は、未経験者でもプロの運⽤を実現するInstagram分析ツール。重要変数にフォーカスしたダッシュボードにより「本質的な分析」が可能。

⑤2023年7⽉31⽇に「デジタルマーケティング」事業を提供するCRAFTの株式の⼀部取得を公表、2023年8⽉15⽇に取得価額1,483百万円で連結⼦会社化。CRAFTの事業の特徴は、伸⻑するダイレクトマーケティング/D2Cを主要領域・顧客とし、クリエイティブやLPO(ランディングページ最適化)を強みとして、データオリエンテッドな改善活動を実施。

⑥2023年8⽉7⽇にTEORYが提供する「デジタルマーケティング」 事業を新設分割して設⽴予定である新会社(JITT)の全株式の取得を公表、2023年8⽉21⽇に取得価額266百万円で⼦会社化。JITTの事業の特徴は、SaaS/デジタルマーケティング領域でSMBを主要領域・顧客とし、圧倒的な⽀援スピード/数多くの⽀援実績/ノウハウを強みとして、ワンストップのマーケティング⽀援を実施。

⑦2023年7⽉18⽇にマイクロウェーブが提供する「デジタルマーケティング」事業を新設分割して設⽴予定である新会社(マイクロウェーブクリエイティブ)の全株式を取得を公表、2023年8⽉31⽇に取得価額721百万円で⼦会社化。マイクロウェーブクリエイティブの事業の特徴は、⾼い⽀援品質と圧倒的な実績/ブランドを強みとして、⼤企業を含む様々な規模・業種のクライアント様に対して、UXデザイン・データ活⽤などのマーケティング⽀援を実施。

2023年12⽉期第3四半期決算より従来の⽇本基準に替えてIFRSを任意適⽤を開始予定。

2023年8月14日に、2023年12月期通期業績予想を上方修正。既存事業が好調に推移したこと、2023年5月12日にRadix(旧商号:SAKIYOMI)が運営する「SAKIYOMI」事業を新設分割して設立するSAKIYOMIの全株式の取得および子会社化が完了し、その業績貢献を考慮したこと、また業績予想をIFRSで開示することが理由。なお、今後、「デジタルマーケティング」事業を提供するCRAFTの一部株式の取得(2023年8月15日に連結子会社化予定)、TEORYが提供する「デジタルマーケティング」 事業を新設分割して設立予定である新会社(JITT)の全株式の取得(2023年8月21日に連結子会社化)、マイクロウェーブが提供する「デジタルマーケティング」事業を新設分割して設立予定である新会社(マイクロウェーブクリエイティブ)の全株式の取得(2023年8月31日に連結子会社化予定)を予定しており、2023年12月期の連結決算業績に与える影響については現在精査中であり、判明次第速やかにお知らせする。

2023年1月6日に、新株式発行及び株式売出しを公表。引受人の買取引受けによる売出しでは、社長の工藤勉さん、取締役の荒井祐希さんが30,300株、取締役の平井隆仁さん、山崎晋一さん、執行役員の衣笠慎吾さんが18,300株を売却。

⑪社長の工藤勉さんは、40歳(1983年生まれ)と若い社長。

⑫質疑応答で、「減額する資本金と資本準備金の使途」について質問あり。「税負担の軽減や配当対応などの柔軟性を確保することが目的で、特に使い道は決めていない。株主から見ると影響が無い変更。」との回答。

⑬質疑応答で、「頻繁に借入を行っている理由」について質問あり。「借入の目的は、運転資金とM&Aなどの資金確保。各金融機関と関係を構築し、低い利率での借り入れを行っている。ファンズを利用しているので頻繁に見えている。」との回答。

⑭社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は4,455万円。単純平均で取締役1人当たり1,113万円。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

株主総会では、社長の工藤勉さんのハキハキとした議事進行と、自分の言葉でスラスラと回答する様子に好感を持ちました。

一方で、2023年12月期第3四半期より、IFRSを採用予定とのことですが、M&Aの多い会社なので、償却の発生しないのれんの今後の推移がどうしても気になります。日本会計基準を採用している企業と比べる際には、利益への影響を考慮する必要があり、また、万が一、業績が悪化したときのまとまった減損損失も心配です。立て続けにM&AをおこなっているこのタイミングでのIFRSへの切替なので、IFRSを採用することにより、見栄えの良い決算数字を出したいとの強い意図を感じました。

また、2023年2月に、社長の工藤勉さん、取締役の荒井裕希さん、平井隆仁さん、山崎晋一さん、執行役員の衣笠慎吾さんが保有株式を売却しています。株式を売却した経営陣からは、会社の価値よりも株価(引受価額)2,060円の方が高いと見ているようにも思え、この点も気になりました。

買収した企業を戦力として育て、かつ、シナジー効果を発揮させるためには、企業風土の定着やシステム統合なども含めて難しいプロセスがあるので、立て続けのM&Aについて、受け入れ態勢が取れているのかやや心配しています。

買収した企業をグループの一員としてしっかりとフォローをしてシナジー効果を発揮させ、エフ・コードとしての企業価値の向上を期待しています。SaaS系の成長企業として再投資も検討します。

 

株主総会会場近くから眺める外堀風景
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