サイトリ細胞研究所の株主総会に出席しました【2023年10月13日】

株主総会
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サイトリ細胞研究所 臨時株主総会

日時:2023年10月13日(金) 10:00-10:10

場所:航空会館 (内幸町駅徒歩1分)

出席株主数:数名

お土産:無し

 

企業概要

サイトリ細胞研究所(3750)

HP:株式会社サイトリ細胞研究所 | 株式会社サイトリ細胞研究所 (cytori.co.jp)

①医療機器のセルーション遠心分離器やセルセラピーキットを国内の医療機関や大学病院などへ販売をおこなう「メディカル事業」(売上構成比11%)、ホテル金沢などを運営するホテル部門と不動産の保有や賃貸管理など運営する不動産部門を手掛ける「リアルアセット事業」(売上構成比89%)を運営。

筆頭株主は、取締役候補の東明浩さんが代表を務めるアクア戦略投資事業有限責任組合で、ACAの保有分を含めると、440万株、49.3%を保有。
ACAのマネージング・パートナーでサイトリ細胞研究所の取締役の堀江聡寧さんも、第6位の株主として、24万株、2.7%を保有。

株主優待
3月末

100株:クオカード5,000円分

※2023年8月28日に株主優待制度を導入することを発表し、9月12日に新設する株主優待の内容を発表。

※2024年3月末のみ上場20周年特別記念優待として、クオカード500円分を追加。

 

使用人数は、6名(連結64名)と少人数体制。

 

株式情報

時価総額:103億円(2023年10月12日時点)

売上高:21億円(2023年3月期実績)⇒17億円(2024年3月期予想)

株価:1,161円(2023年10月12日時点)

1株純資産:273円(2023年3月末時点)、PBR:4.5倍

1株当期純利益:▲3.4円(2024年3月期予想)、PER:赤字

1株配当:無配(2024年3月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配、株主優待含む利回り:4.3%(100株保有時、上場20周年特別記念優待は含まず)

株主数:1,533名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会会場の役員席にある名札に、名前の記載が無く気になった。会社を代表する取締役の方々なので、名前の記載があったほうが親切だと思う。

②本臨時総会をもって、前社長で取締役の堀江聡寧さん、監査等委員である取締役の松山昌司さん、坂田靖志さんの3名が辞任。アクア戦略投資事業有限責任組合の代表かつACA GROUP代表の東明浩さんが、本臨時総会の取締役候補。

不動産事業から完全撤退方針。メディカル事業にフォーカスした事業運営にシフト。完全撤退後、メディカル事業に特化した新たな中期経営計画を策定予定。2022年5月に公表した中期経営計画では、保有不動産は3年以内に売却予定としていたが、1.5年前倒しでの完全撤退を目指す。

④2024年3月期に、メディカル事業で売上高10億円超、営業損益黒字化を目指す。細胞治療サービスを開始し、新たな収益源を構築する。セルーション セルセラピーキット SUI(男性腹圧性尿失禁治療のための医療機器として国内製造販売承認を取得済み)の保険収載の実現を目指す。アライアンス先を構築し、共同での臨床開発体制を整備する。

⑤2024年3月期第1四半期実績は、連結売上高は472百万円(前年比13.1%減)、営業損失は137百万円(前年営業損失162百万円)、経常損失は169百万円(前年経常損失186百万円)となった。親会社株主に帰属する純損失は161百万円(前年純損失287百万円)となった。

メディカル事業では、アライアンス先の選定及び細胞治療サービスの提供開始が当初想定より遅れていること等により、売上高は26百万円(前年36百万円)となり、営業損益は、営業損失157百万円(前年営業損失46百万円)となった。

リアルアセット事業では、ホテル金沢において新型コロナウイルス感染症の影響により低迷していた宴会の売上が回復したものの、サテライト名古屋の競輪収益が当初想定に届かなかったことなどにより、売上高は446百万円(前年比12.0%減)となった。営業損益については、運営するホテルの雇用の維持を図りつつ経費圧縮に努めたことにより、営業利益61百万円(前年営業損失78百万円)となった。

⑧原発性直腸癌における腹腔鏡下手術および一時的人工肛門造設術を施行する患者を対象に、癒着防止吸収性バリア「Cyt-006」の有効性及び安全性を検証する臨床試験を開始。「Cyt-006」は、欧米および日本を除くアジア各国で20年以上に渡って使用実績のある既存製品と同一組成のポリ乳酸からできているフィルム状の製品。腹腔内の手術において、臓器や組織の間に「Cyt-006」を設置することで、その後の癒着が予防できる。さらに、「Cyt-006」の原材料のポリ乳酸は数多くの医用材料として用いられている。生体吸収性物質であるため、外科的摘出の処置は必要はない。なお、「Cyt-006」は、米国食品医薬品局(FDA)にて2021年1月7日に市販前届出510(k)認可を得て、米国内での販売が開始されている。

細胞治療の流れ:
自己の皮下脂肪組織から、特許技術のプラットフォームであるセルーションシステムを用いて、脂肪組織由来再生(幹)細胞 ADRCs(Adipose Derived Regenerative Cells)を抽出。抽出したADRCsを培養することなく、その日のうちに患者様へ投与。

ADRCsの特徴:
特許技術のプラットフォームであるセルーションシステムを用いて、脂肪組織由来再生(幹)細胞ADRCsを抽出することが可能。培養を必要とせず、その日のうちに患者に投与。セルーションシステムは、国内で厚生労働省の認可を受けた医療機器。本治療は、患者のADRCsを、体内に戻すことで様々な治療効果を期待するもの。ADRCsは、障害部位を探し当てて自発的にその部位に集積するホーミングとよばれる能力を持っていると考えられている。そのためADRCsを経血管的に投与、乃至は患部に直接投与することにより、損傷ないしは機能低下を来した組織にADRCsが集積してその修復や再生を促し症状の改善が期待される。ADRCsの作用は、血管新生、炎症の調整、線維化の減少・組織修復といった作用があると考えられている。

2023年8月28日に株主優待新設予定と発表。9月12日に内容決定。中長期的に保有していただける株主様の増加を図ることを目的とし、年間5%程度の株主優待利回りとなるように設定。

⑫監査等委員である取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は2,300万円。単純平均で取締役1人当たり575万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

自己資本比率が16.4%と財務面が弱く、3期連続最終赤字で今期も赤字の見込みであり、かつ、無配が続く中で、自社製品やサービスではなく高利回りのクオカードの株主優待の新設には違和感を感じました。「中長期的に保有していただける株主様の増加を図ることを目的」としているので、短期間での株主優待の改悪や廃止は考えていないようですが、継続性が心配です。

アクア戦略投資事業有限責任組合の代表でACA GROUP代表の東明浩さんが、このタイミングで取締役に選任された真因が気になります。一方で、株主総会は欠席されていたので、あまり力点を置いているようには見えず、また、今回の株主優待の新設からも、筆頭株主のアクア戦略投資事業有限責任組合の売却時期が近づいているようにも感じます。

さらに、同じタイミングで監査等委員である取締役が2名辞任された真因も気になります。

今後、筆頭株主のアクア戦略投資事業有限責任組合が株式を売却した後に、新設された株主優待制度が廃止や改悪がされないか心配ですが、不動産事業から完全撤退し、メディカル事業にフォーカスした事業運営にシフトするとのことで、今後のさらなる医療への貢献を期待しています。

 

株主総会会場の航空会館
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