日本精蝋の株主総会に出席しました【2023年10月18日】

株主総会
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日本精蝋 臨時株主総会

日時:2023年10月18日(水) 10:00-10:35

場所:京橋創生館(京橋駅徒歩1分)

出席株主数:約20名

お土産:無し

 

企業概要

日本精蝋(5010)

HP:日本精蝋株式会社 (seiro.co.jp)

①ワックスの専業メーカーとして、石油ワックス、各種ワックスおよび重油の製造・加工・販売を手掛ける。

筆頭株主は、総合商社の伊藤忠商事(8001)で、192万株、9.7%を保有。
石油製品などの製造販売を手掛ける安藤パケラミーが、第4位の株主として、85万株、4.3%を保有。
物流事業を手掛ける山九(9065)が、第5位の株主として、80万株、4.0%を保有。

 

株式情報

時価総額:30億円(2023年10月18日時点)

売上高:384億円(2022年12月期実績)⇒221億円(2023年12月期予想)

株価:138円(2023年10月18日時点)

1株純資産:202円(2023年6月末時点)、PBR:0.68倍

1株当期純利益:▲71.4円(2023年12月期予想)、PER:赤字

1株配当:無配(2023年12月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:4,211名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会は、日本精蝋本社のある京橋創生館内で開催。株主総会開始まで、製品製造工程の動画説明があり、参考になった。

②株主総会冒頭に、社長の今野卓也さんから、(業績悪化と資金調達について?)心配をかけているとのことでお詫びがあった。

③株主総会会場の役員席にある名札に、名前の記載が無く気になった。会社の顔となる取締役の方々なので、名前の記載があったほうが親切だと思う。

④第1号議案の第三者割当による新株予約権の発行について、社長の今野卓也さんから業績の状況や、本スキームの内容について、時間を割いて丁寧な説明があった。

⑤販売売面では第1四半期連結会計期間に生じた原料供給障害とは別の主要原料供給元の長期供給障害が発生し販売抑制を余儀なくされたことに加え、回復を見込んでいた内外ワックス需要の低迷が続た。

第1四半期、第2四半期に相次いで発生した主要原料供給元の供給障害は、第3四半期半ばに復旧する予定で第4四半期のワックス生産能力は平時並みに戻る見込みであるものの、第2四半期から徐々に回復すると見込んでいた国内外ワックス需要についていまだ回復の兆しが見えないため、第3四半期及び第4四半期の売上高見込みを当初計画比で大幅に修正。またこれにより、第3四半期及び第4四半期の営業利益も当初計画比で大幅未達が見込まれることとなった。その結果、8月14日に、2023年12月期業績予想を下方修正。

⑦ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第参号投資事業有限責任組合との間で、劣後特約付金銭消費貸借契約及び新株予約権引受契約を締結し、総額3,000百万円を資本性劣後ローンにより借り入れるとともに、第三者割当の方法により、新株予約権を発行することなどを決議。資本性劣後ローンの適用利率(繰延利息)は、2026年10月23日まで年率12.0%、2026年10月24日以降年率10.0%。加えて、連結ベースのEBITDAに応じて、年率0%~3.0%の現金利息が適用。
本資本性劣後ローンの弁済期限の到来時に本資本性劣後ローンの借入金の弁済が完了していない場合に、割当予定先において本資本性劣後ローンの保全を図る目的で、割当予定先に対して、第三者割当の方法により、新株予約権を発行する。行使価額106円。本新株予約権の発行に際して金銭の払込みはない。また、本新株予約権の行使における出資財産は、割当予定先が当社に対して有する本資本性劣後ローンに係る元本債権および利息債権であり、金銭の支払はない。

⑧本株主総会にて、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズから取締役1名(関端進さん)を受け入れる予定。

⑨ジャパン・インダストリアル・ソリューションズは、日本政策投資銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行により設立された企業再生ファンド。

⑩当社は、本中期経営計画に掲げた国際市況変動や経済動向の影響を受けにくい体質への転換を図る構造改革に向けてスタートを切り、構造改革の施策である原材料の組合せ変更、輸出販売における競争力の無い 汎用品の販売減、重油販売減については取組みを開始したものの、2023年1月から3月までの世界経済を概観すると、欧米では物価高騰と金融引締めの影響で幅広い分野で実需が落ち込み企業業績悪化と金融不安が露呈したほか、中国ではゼロコロナ政策解除後の経済回復が期待通りに伸びず、政策金利を切り下げる追加の金融緩和に踏み切り、途上国は通貨安と利上げによる過剰債務問題が浮上するなど、世界規模で実体経済の悪化が顕在化し、信用収縮と景気後退懸念が強まった。また、我が国経済に目を向けると、4月に日銀総裁が交代したものの、金融政策に大きな変更はなく、新総裁からは、質的量的緩和を継続する旨の発言がなされている。その結果、米国金利との金利差は縮まることなく、円ドル為替レートは円安の水準を維持しており、こうした金利差が今後拡大し、円ドル為替レートの円安圧力が強まることも十分想定され。 このように、当社を取り巻く経営環境は依然として厳しく、緩和の見通しどころか尚一層の逆風に晒される現実的な可能性に直面している。

⑪2023年2月28日に、中期経営計画(23-27)を公表。従来の事業モデルから市況に左右されるワックス汎用製品の輸出とこの副生重油の大量生産・大量販売モデルを縮小し、国内における付加価値の高い製品の製造・販売を中心に据えた安定した収益構造に改め、同時に短・中期的な固定費削減により財務基盤再建を図る。大量の汎用製品と重油を連産する「蒸留原料」の使用は2025年末迄に止め、石油ワックス製造はワックス収率の高いスラックワックスを原料とする「溶剤脱油工程」にシフトする。2027年12月期に、売上高288億円、営業利益20億円、当期利益15億円。

⑫2022年度の損失の原因は下記。

原料価格の高騰により収益性が低下したこと
蒸留工程を安定稼働させる目的で、従来スポット購入をしていた蒸留原料を、軽油価格に連動する価格条件で2021年12月に2年間の長期契約で調達した。しかし、ウクライナ侵攻後のロシアによる欧州向け軽油禁輸を契機に、原油価格の上昇以上に軽油価格が高騰し、原油と軽油の価格差が契約当時(2021年12月)のUS$10/bbl台から年央には一時US$50/bbl以上にまで拡大、その後価格差は若干縮小したものの下期も概ねUS$40/bbl前後と歴史的に異例の高水準で推移。その結果、軽油価格に連動する原料購入価格が高止まり推移したことにより、原油価格に連動する製品、とりわけワックス精製過程で副生される重油販売における損失が拡大し下期業績が大幅に悪化した。

国内ワックス販売の価格改定が追い付かなかったこと
原料価格の高騰に対応すべく、上期より国内ワックス製品の価格改定を実施してきたが、それ以上に原料価格の高騰が進み且つ継続したため、結果として価格改定効果は不十分なものとなった。

下期において輸出ワックス販売が急速に減少したこと
輸出ワックスに関しては、上期は欧米需要が堅調であったことに加え競合他社の一部供給トラブルによる需給タイト化により、原油価格高騰分を価格転嫁することができた。ところが下期に入り、競合他社の供給再開と原油価格の修正局面が重なり海外顧客が先安感から買い控え状態となったことに加え、欧米の景気悪化による需要減が顕著となり、輸出ワックス販売に急激なブレーキがかかった。結果、下期の販売量は計画25,300トンに対し実績18,700トンと6,600トンの大幅減少となり、収益悪化の大きな要因となった。

期末において棚卸資産評価損が拡大したこと
軽油価格に連動する原料購入価格の高止まりや輸出販売数量の大幅減少は、原料、ワックス半製品および製品の在庫単価の上昇や在庫数量を増加させることとなり、これら在庫に係る期末の棚卸資産評価損を拡大させた。

 

⑬質疑応答で、「資本性劣後ローンによる借り入れとした理由」について質問あり。「30億円をスピード感をもって調達でき、かつ、株式の希薄化を避けるスキームとして採用した。時間的猶予(本資本性劣後ローンの満期日の2028年10月24日が到来するまで、本新株予約権を行使することができない)があり、業績向上によりいつでも返済できる契約となっている。」との回答。

⑭社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は5,600万円。2022年3月に退任した2名分をそれぞれ3ヶ月として考慮すると、単純平均で取締役1人当たり2,240万円。
2023年2月28日に、業績悪化を理由に、社長の今野卓也さんは3ヶ月間30%、取締役の安藤司さんは3ヶ月間20%を自主返上することを公表。

⑮議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代にいつまでも会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

株主総会では、社長の今野卓也さんから、今回の資金調達について丁寧な説明があり、しっかりとした人柄が伺えました。また、株主総会開始前の製品製造工程の動画説明も、会社を理解するうえで参考になりました。

2020年に多額のデリバティブ損失を計上、2022年には、従来スポット購入をしていた蒸留原料を、軽油価格に連動する価格条件で2021年12月に2年間の長期契約で調達し、裏目に出て多額の損失を計上したりと、リスクヘッジの対応が弱い印象の会社です。

今回、日本政策投資銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行により設立された企業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズから取締役1名(関端進さん)を受け入れたので、このあたりの改善も期待しています。

「本資本性劣後ローンの満期日において、本資本性劣後ローンの元本債権が一切期限前弁済されておらず、かつ、本資本性劣後ローンの貸付実行日から満期日までの各利息計算期間のいずれにおいても最大利率の現金利息が生じつつも、現金利息が各利息計算期間の利息支払日に一切支払がなされず満額の支払が満期日まで繰り延べられた場合において想定される本資本性劣後ローン債権総額について、これらが出資されて、本新株予約権の全部について権利行使され普通株式が発行されたと仮定すると、これにより生じる最大希薄化は、271%となる」とのことなので、株式の希薄化が進んでしまうのか、それとも返済が進むのか、今後の動向が気になり継続注視します。

 

株主総会会場の日本精蝋本社の入る京橋創生館
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