バリオセキュア 臨時株主総会
日時:2022年11月30日(水) 10:00-10:20
場所:神田スクエア(新御茶ノ水駅徒歩3分)
出席株主数:約10人
お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり
企業概要
バリオセキュア(4494)
HP:バリオセキュア株式会社 トップページ (variosecure.net)
①中小企業向けにネットワークセキュリティ機器の設置/運用/保守やデータバックアップサービスを提供する月額課金制のマネージドセキュリティサービス、統合セキュリティ機器の販売やネットワーク機器の調達/構築をおこなうインテグレーションサービスを運営。
②筆頭株主はAI関連事業を手掛けるHEROZで、122万株、32.1%を保有。
③2022年9月27日に実施されたHEROZへの第三者割当増資により、HEROZの議決権が42.8%となり、HEROZの連結子会社となる。
④前身は2001年設立のアンビシス。商号をバリオセキュア・ネットワークス変え2006年に上場。2009年にアント・キャピタル・パートナーズによるTOBで上場廃止。2011年に1stホールディングスが全株取得。2016年にBAF5が全株取得後に合併し、2020年に再上場。
⑤従業員は73人と少人数。
株主総会での個人メモ
①監査役の仁科秀隆さんは、体調不良のため、残念ながら欠席でした。
②目的事項の説明は、スライドや映像での説明は無く、社長の稲見吉彦さんが手元の資料を読み上げる形式でした。稲見吉彦さんからは、真面目そうな雰囲気が伝わってきました。
③自己資本比率が62%と、一見、財務良好に見えますが、買収が繰り返された後に合併となったため、資産71.2億円のうち、のれんが50.5億円まで膨れ上がってしまっています。
日本会計基準では、のれんは発生後、20年以内の期間で毎期均等償却が必要ですが、バリオセキュアはIFRSを採用しているため、のれんの償却が発生しておらず、日本会計基準に比べて利益が多く見えています。また、業績悪化となった場合にのれんの減損処理も必要となれば、損失が一気に表面化する恐れがあり、さらに注意が必要です。
日本基準で他社と比較する場合には、のれんを日本会計基準の償却期間(一般的には5年~10年)で割った金額を販管費として計上して各数値を見直したほうがよいかもしれません。
④資産の約70%をのれんが占めており、のれんを除いた資産は20.6億円のみ。一方で、負債が27.0億円と多く、手元資金(流動資産12.5億円、現金及び現金同等物は2.4億円)も少ないのが気になります。第三者割当増資を行った理由かもしれません。
⑤社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は9,899万円。単純平均で取締役1人当たり1,979万円。
⑥議案の採決後に、選任された新任取締役の林隆弘さん、森博也さんの紹介があったのは良い対応だと思いました。林隆弘さんは、HEROZの代表取締役Co-CEOでもありますが、就任の挨拶からは人柄の良さが伝わってきました。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
優良会社に見えますが、どうしても資産の中の多額ののれんが気になります。IFRSを採用しているので、のれんの償却が無く、日本会計基準と比べると利益も多く見えてしまっているので、PBRやPERを見る際には注意が必要です。また、業績悪化時には、のれんも減損処理を迫られる可能性があり要注意です。
一方で、財務良好なHEROZの連結子会社となったことが安心材料になるかもしれません。HEROZのAI技術がどう活きるのか、今後の動向に期待して注視します。