SANKO MARKETING FOODS 第46期定時株主総会
日時:2022年9月29日(木) 11:00-12:50
場所:ホテルラングウッド(日暮里駅徒歩2分)
出席株主数:約40人
お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり
企業概要
SANKO MARKETING FOODS(2762)
HP:株式会社SANKO MARKETING FOODS|公式サイト (sankofoods.com)
①「金の蔵」や「アカマル屋」などの居酒屋、「焼肉万里」の焼肉屋などを運営。水産事業を育成中。
②筆頭株主は、会長の平林隆広さんで、平林隆広さんの資産管理会社の神田コンサルティング保有分を含め688万株、36.6%を保有。
創業者で元社長の平林実さんが第3位の株主で、143万株、7.6%を保有。
③2022年9月22日のIRによると会長の平林隆広さんは、間接保有分を含め56.1%の株式を保有。会長の意思一つで物事を決められるオーナー企業。
④2021年10月1日に、商号を「三光マーケティングフーズ」から「SANKO MARKETING FOODS」へ変更。
⑤東京チカラめしに続き、金の蔵も大量閉店。
⑥株主優待(6月末、12月末)
0.5年以上1.5年未満
100株:「東京チカラめし」応援カレー2食分、30%OFF割引券1枚
200株:「東京チカラめし」応援カレー2食分、30%OFF割引券2枚
500株:「東京チカラめし」応援カレー3食分、30%OFF割引券3枚
1.5年以上3年未満
100株:「東京チカラめし」応援カレー2食分、30%OFF割引券2枚
200株:「東京チカラめし」応援カレー3食分、30%OFF割引券3枚
500株:「東京チカラめし」応援カレー4食分、30%OFF割引券4枚
3年以上
100株:「東京チカラめし」応援カレー3食分、30%OFF割引券3枚
200株:「東京チカラめし」応援カレー4食分、30%OFF割引券4枚
500株:「東京チカラめし」応援カレー5食分、30%OFF割引券5枚
株主総会での個人メモ
①事業報告では、分かりやすい映像説明に加え、社長の長澤成博さんが時間をかけて現在の取り組み、および、2023年6月期の見通しについて説明をしていました。丁寧な説明で好感を持ちました。
②首都圏ターミナル立地の主力の金の蔵を大量閉店し、生き残りをかけて水産事業に取り組み、2020年12月に沼津我入道漁業協同組合と業務提携、2021年11月にマグロに強い浜松仲卸の海商を買収、2022年7月にしらす・いくら・たらこ・鮭・鱒・干物・うなぎなどに強い豊洲大卸の綜合食品を買収。サプライチェーンが強化され、郊外立地に「アカマル屋」の出店拡大を計画している。
③雇用を守るため官公庁食堂を受託、除菌・清掃・空調事業、有名シェフ弁当販売の中食、東京チカラめしの海外ライセンス事業、「ひとま」のEC事業も展開。
④雇用調整助成金や時短営業等に対する協力金があっても最終赤字。「金の蔵」の大量閉店による売上減をどう埋めるのかが課題。「アカマル屋」が30店規模となれば経営が安定する見込みとの説明。
⑤居酒屋事業では、出店拡大につれ店舗で提供する料理の品質を一定に保つため、店内調理が不要な加工食品中心のメニューとなった。結果、ブランドの陳腐化が進んでしまったとの説明。今後は、店内での調理に力を入れていく方針。
⑥2023年6月期の売上見通し99億円のうち、60億円が水産セグメント。足元はコロナの影響で、7月&8月の居酒屋の売上は他社共に厳しいとの説明がありました。
⑦買収した海商は直近売上高30億円、綜合食品は32億円規模。コロナの影響が無くなれば売上増が見込まれるとの説明。綜合食品は120億円規模の売上を上げた実績もあり。
⑧質疑応答では、質問が出尽くすまで社長の長澤成博さんが対応していました。回答も誠実に対応されていて良い対応だったと思います。
⑨質疑応答では、新任取締役候補の田中研次さんのコメントが聞きたいとの要望が出ていました。田中研次さんから食の専門家としてしっかりとしたお話がありました。多くの株主から拍手が起きていました。
⑩2022年2月14日に会長の平林隆広さんから提出された大量保有報告書の変更報告書にオプション付与の記載がありました。平林隆広さんが役職員29名に対して付与するもので、2023年6月期連結売上高80億円、2024年6月期115億円、2025年6月期115億円を超過し、これらのいずれの決算期においても当期純利益を1円以上計上した場合に、最大約47万株を1株210円で取得可との内容。業績回復につながる可能性もあり、面白い対応だと思います。条件がクリアされ黒字化することを願っています。
⑪株主総会終了後、新任取締役の田中研次さん、新任補欠監査役の内田芳樹さんの紹介があったのは良い対応だと思います。
株主総会を終えて感じたこと
もともとは、「月の雫」や「東方見聞録」などの料理と雰囲気が魅力的な居酒屋を運営する優良企業でしたが、「金の蔵」を中心とした格安居酒屋路線に走ってしまい、さらには「東京チカラめし」の大失敗で業績が低迷していました。コロナ禍で債務超過寸前にも見えますが、復活を期待して平均233円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
社長の長澤成博さんが説明していた通り、「金の蔵」などの格安居酒屋の失敗の原因は、加工食品を中心とした他店と差別化の無いチープな料理にあったと思います。また、「東京チカラめし」の失敗の原因は、店舗急拡大による人材教育の不足、不衛生な店舗運営、原価低減のため中国産のお米を使用して品質低下を招いたことが原因だったと思います。
今回、SANKO MARKETING FOODSが打ち出した水産事業への取り組みは、まだまだ荒削りに見えるものの希望の光を感じます。水産事業が他社との差別化となり、そこから仕入れた食材を店内で調理して、「アカマル屋」でしか食べることができない魚や料理を提供することにより店舗の魅力を高め、結果、お客様の大きな支持が得られると思います。
「東京チカラめし」や「金の蔵」での失敗を活かし同じ過ちを繰り返すことの無いよう、また、新鮮な魚を提供する「アカマル屋」と社長の長澤成博さんのリーダーシップに期待して継続保有の予定とします。過度な期待はしないものの追加投資も検討します。