オプトラン 第27期定時株主総会
日時:2026年3月26日(木) 10:00-11:35(株主総会+工場見学)
場所:オプトラン本社(若葉駅から送迎バスで3分)
出席株主数:約10名
お土産:無し、ペットボトルのお茶の配布あり
企業概要
オプトラン(6235)
HP:株式会社オプトラン
①スマートフォンやタブレット等のタッチパネルや筐体、生体認証センサ、カメラモジュール、LED光源、車載カメラ、監視カメラなどに用いられる光学薄膜(スマートフォンやレンズなどの各種光学部品にコーティングを施し、コーティングの材料により異なる機能(反射防止、赤外線カットなど)を持たせる光学薄膜装置の製造・販売を手掛ける。
②筆頭株主は、浙江水晶光電科技股份有限公司で、650万株、16.3%を保有。
第3位の株主は、創業者で元社長の孫大雄さんで、248万株、6.2%を保有。
第6位の株主は、会長の林為平さんで、100万株、2.5%を保有。
第7位の株主は、井村俊哉さんで、83万株、2.1%を保有。
第9位の株主は、ノルウェー政府で、74万株、1.8%を保有。
第10位の株主は、社長の範賓さんで、70万株、1.7%を保有。
株式情報
時価総額:1,251億円(2026年3月25日時点)
売上高:338億円(2025年12月期実績)⇒382億円(2026年12月期予想)
株価:2,821円(2026年3月25日時点)
1株純資産:1,439円(2025年12月末時点)、PBR:1.96倍
1株当期純利益:140円(2026年12月期予想)、PER:20.15倍
1株配当:56円(2026年12月期予想)、配当性向:40%
配当利回り:1.9%
フリーキャッシュフロー:87.8億円(2025年12月期実績)
株主数:6,885名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①売上高は、光学領域の自動車向けディスプレイ・カメラ、光通信をはじめとした光学部品向け装置や、半導体光学の光電子向け装置が好調であったことにより、前年比で増収となった。営業利益は、利益率の高いALD装置販売の減少や棚卸資産評価損等計上により、前年比で減益となった。経常利益は、利息収入や補助金収入の計上があったものの、円高による為替差損の計上により、前年比で減益となった。その結果、売上高は33,861百万円(前年比4.5%増)、営業利益は3,334百万円(同49.2%減)、経常利益は3,202百万円(同60.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,959百万円(同53.4%減)となった。
②今後の見通しについては、米国の関税政策の変化による貿易摩擦や各国の政治情勢、地政学リスクの高まりもあり、先行きは不透明な状況にあるものの、世界経済は総じて底堅く推移するものと想定している。当社関連市場の最終製品の動向は、スマートフォンは、AIサーバー向け需要増によるメモリ不足や部材価格高騰により、出荷台数は前年比で減少が予測されるものの、AI搭載モデルや折りたたみ型モデルの普及、さらなるカメラ機能高度化といったハイエンドモデルを中心に需要拡大を見込んでいる。自動車は、自動運転技術の進展により、センシング機能の進化、表示機能のタッチパネル化による利便性向上、ヘッドアップディスプレイによる運転を妨げることなく、交通情報の視認性向上など、成膜需要は拡大が続くものと見込んでいる。光通信は、生成AI・データセンター関連市場が急拡大している。生成AI需要により、さらなる伝送速度の向上や消費電力低減が求められており、その解決策として半導体チップ間・データセンター間の光接続が不可欠。光電融合技術進展や膨大な生成AIデータ処理により、光通信関連市場は高成長が続くものと見込んでいる。これらの状況をふまえ、2026年12月期の連結業績見通しについては、売上高38,200百万円(前年比12.8%増)、営業利益6,200百万円(同85.9%増)、経常利益7,400百万円(同131.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,600百万円(同89.2%増)を見込んでいる。
③受注高(実質)は25年12期4Qが前四半期比27%増(前年比72%増)の133億円と社内計画と比較して37億円過達。26年12期1Qの出足はAIスマートフォン(スマホ関連)や光通信関連が順調なことから、100億円を超えると想定。4Qの内訳は半導体光学融合・電子デバイス(半導体・電子関連)が前四半期比6%減と減速したが、スマホ関連が同25%増、EV/コネクテッドカー(自動車関連)が同48%増、光学部品が半導体製造装置や光通信関連の増加により同52%増と拡大。通期は前年比43%増の412億円と過去3番目の高水準まで回復。事業領域別にはスマホ関連が同65%増の141億円(構成比34%)、光学部品が同45%増の120億円(同29%)、自動車関連が同27%増の75億円(同18%)、半導体・電子が同71%増の48億円(同12%)と分散化した。
④25年12期は売上高が計画を上回ったが、利益面は未達。営業利益は一時的な費用増加(棚卸資産減損、貸倒引当金など)13億円の影響で、同49%減の33億円。経常利益は安徽繋楓新能源科技(繁楓)の上場申請に伴う非持分法適用会社化(出資比率:従来25.9%→今回19.6%)による影響▲10億円、浙江晶馳光電科技(晶馳光電、出資比率49%)の開発負担増の影響▲5.5億円で同61%減の32億円。親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益として繋楓の株式売却益10億円を計上し、同53%減の30億円。売上高総利益率(粗利益率)は収益性の良いALD装置の減収で前年比▲11.0%の33.8%と低下したが、一時的な影響を除外すると37.6%と概ね計画線。4Qは30.4%と3Qの38.5%から低下したが、一時費用を考慮すると43.2%と試算される。
⑤26年12期連結業績は為替148円/㌦、25年12期受注高の売上計上や一時費用の一巡を前提として、前年比13%増の382億円、営業利益が同86%増の62億円、経常利益が同131%増の74億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同89%増の56億円の計画。装置のリードタイムは新型装置比率の上昇もあり、受注から検収までの期間が9カ月を必要。この結果、事業領域別売上高構成比は25年12期の受注高構成比に近づくと見ている。粗利益率は25年12期の一時的な影響を除外する37.6%を上回ることを想定している。営業外収支は持分法損益が25年12期の▲1.3億円から26年12期には成膜製品事業の軌道化による持分法適用会社の黒字転換や業務提携企業の業績拡大が貢献すると予想されるため、前年比約13億円の改善を予想。
⑥当社は1999年8月に光学薄膜成膜装置企業として創業し、四半期を経過している。2026年からは第2次創業として、成膜製品事業の軌道化で光学薄膜成膜企業に業容を拡大し、更にシリコンフォトニクス事業の立ち上げで光学融合企業に進化させる計画。当社は通信関連のDWDM(高密度波長分割多重)用光部品向けの蒸着装置を祖業として、スマホ、自動車や光通信関連の蒸着装置やスパッタ装置など光学薄膜成膜装置事業を拡大させて来た。装置技術の応用分野として、水晶光電と共同で晶馳光電を主軸にスマホ関連の製品事業を軌道化させる計画。晶馳光電は今後3年間の設備投資216億円を計画し、26年12期売上高150億円を目指し、当期純利益を黒字転換させる予定。当社および晶馳光電の合計となるグループ売上高は26年12期532億円を想定。
⑦世界のスマートフォン(スマホ)販売台数は25年が前年比3.0%増の12億2,700万台と増加したが、26年が同8.7%減の11億2,000万台に減少すると予想。DRAMやNANDなど半導体メモリ価格の急上昇で、スマホ企業は廉価版を2割程度減産する企業が多いと見られる。一方、高付加価値版はフォルダブル化や、AIカメラなどAI新機能の強化で差異化を進めると判断される。当社のスマホ関連事業の受注高は25年12期が前年比65%増の141億円と回復し、26年12期も前年と同程度を計画。スマホ市場は販売台数が成熟化する一方、AI機能の発達により高付加価値化の要求が強まっている。当社は浙江水晶光電科技(水晶光電)と共同で出資する浙江晶馳光電科技(晶馳光電)において、光学薄膜成膜製造装置を活用した成膜製品事業を開始している。
⑧世界最大の自動車販売台数市場である中国において、新エネルギー車が脱酸素社会の実現に向けて台数構成比が上昇している。内巻といわれる価格競争が激化しているが、解決策としてADASセンサーなど高性能センサーの標準搭載による高付加価値化が進展している。ADASセンサーはCMOSセンサーが自動車1台に複数個搭載するのに対して、LiDARは1-2個/台のため、普及率の指標になると見られる。自動運転技術は現在、L2~L2+が一般的だが、L3対応の量産機種が25年12月に認可されたことで、26年から徐々に普及が進むと判断される。当社の自動車関連事業の受注高は25年12期が前年比27%増の75億円であったが、26年12期も自動運転技術の進化やセンサー搭載率の上昇により、前年と同水準を想定している。
⑨米国のハイパースケーラー(大手クラウド・サービス・プロバイダーなど)の設備投資合計は25年が前年比2.3倍の3,762億㌦と急増し、26年も同56%増の5,871億㌦と拡大すると予想されている。当社の光通信事業受注高は25年12期が同3.6倍の36億円、26年12期が同4割増の50億円を計画。光通信事業は蒸着装置、スパッタ装置などが主力であり、主要顧客は光デバイスメーカーやフォトニクス企業向けが多い。用途はAIデータセンター用CWDM向け光デバイス製造において使用されているが、最近ではDWDM向けの引き合いが増加している。光デバイス製造において、CWDMとDWDMの技術的差異は波長幅が微細なことから、DWDMが圧倒的に難しい点にある。
⑩当社はARスマートグラス市場の開拓を前提としてMicro-OLEDの専業メーカーであるSeeYA Technology(SeeYa、視涯科技)に出資している。同社は2025年6月26日に上海証券取引所の科学技術革新委員会(科創板、STAR Market)に上場申請書を提出し、上海証券取引所では上場申請を同6月28日に受理し、同12月24日に上場承認をした。今後のスケジュールは、26年3~4月内に科創板に上場する可能性がある。当社はSeeYAに3.89%出資し、関係会社株式として20.2億円(25年12期末)を貸借対照表に計上。SeeYAはARスマートグラス最大手などにMicro-OLEDを提供している。このほか、安徽繋楓新能源科技(25年12期末の出資比率19.6%)は上場申請を検討している。
⑪スマホ産業は販売台数が成熟化する一方、AI機能の発達により高付加価値化の要求が強まっている。当社は浙江水晶光電科技(水晶光電)と共同で出資する浙江晶馳光電科技(晶馳光電)において、光学薄膜成膜製造装置を活用した製品事業を開始している。晶馳光電の出資比率は水晶光電が51%、当社が49%。晶馳光電は25年12期が先行開発投資が響き、当期純利益が赤字であったが、26年12期は売上高150億円、当期純利益が黒字転換と軌道化する計画。
⑫当社の自動車関連事業の受注高は25年12期が前年比27%増の75億円であったが、26年12期も自動運転技術の進化やセンサー搭載率の上昇により、前年と同水準を想定している。自動車関連の25年12期受注高の内訳を見ると、車載カメラが76%、HUD(ヘッドアップディスプレイ)が15%、車載ディスプレイが9%を占有。自動車用センサーメーカーはロボタクシーやヒューマノイド・ロボットの実用化に向けて開発を進めている。
⑬光インターコネクト需要はNPO(Near-Packaged Optics)、CPO(Co-Packaged Optics)、光I/O(Optical I/O)と進化する。当社は光デバイスメーカーやフォトニクス企業向けに光学薄膜成膜製造装置を提供しているが、お客様のニーズに対応して光学薄膜成膜製造装置を活用する製品分野を軌道化させる一方、シリコンフォトニクス事業を早急に立ち上げ、光電融合企業にシフトする計画。
⑭新中期経営目標を策定。28年12期に、売上高660億円、親会社株主に帰属する当期純利益88億円。30年12期に、売上高840億円、親会社株主に帰属する当期純利益120億円。
⑮2026年2月24日に、「2026年2月20日開催の監査役会において、監査公認会計士等の異動(有限責任大有監査法人⇒Mooreみらい監査法人)を行うことについて決議するとともに、本日開催の取締役会において、当該議案を2026年3月26日開催予定の第27期定時株主総会に「会計監査人選任の件」として付議することを決議した。」と公表。当社の今後の更なる海外展開、事業規模の拡大を見据え、海外事業に対しても十分対応できる監査公認会計士等を選任する事が必要と判断した。
⑯社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は60,700万円。単純平均で取締役1人当たり20,233万円。ただし、使用人兼取締役の使用人分給与は含まず。2024年12月期においては、連結報酬等の総額が1億円以上である者として、林為平さんが27,900万円、範 賓さんが28,300万円との記載あり。
⇒使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。
株主総会での個人メモ
①株主総会会場は、オプトラン本社内の会議室。
②質疑応答で、「決算短信における今期の配当性向が62%とあるが、間違っているのでは?」との質問あり。「39.9%が正しい。訂正した。」との回答。
⇒配当性向のみの誤記載に違和感。当初、今期の業績見通しにおいて、1株当たり当期純利益を90.32円としていたところ、何かしらの理由で業績見通しを上乗せし、配当性向のみ更新が漏れた可能性あり。昨年の2024年12月期決算短信に記載されていた同欄の数値とも異なるので、単純な過去資料からの更新漏れでもなさそう。
③質疑応答で、「日中関係悪化による今期の業績予想への影響を教えて欲しい。」との質問あり。「約8割が中国での売り上げ。日中関係が悪化した場合、部材の調達が厳しくなる。それなりの影響が出てくる。可能な限りサプライチェーンの断絶を避ける。」との説明。
④質疑応答で、「中国への輸出リスクについて想定していることは?」との質問あり。「重要な位置付け。リスクはある。顕在化した時に部材調達にリスクが出る。中国以外からの部材の入手を進める。」との回答。
⑤質疑応答で、「エネルギーコスト上昇の影響と対策は?」との質問あり。「注視している。部材調達でコストの上昇が見込まれるが、経費などのコスト削減、利益率の改善を進める。」との説明。
⑥質疑応答で、「晶馳光電の技術の強みは?」との旨の質問あり。「光学フィルタが拡大しており、一定の評価を受けている。当初、世界の3社の1社であり、技術レベルの向上をはかる。」との旨の回答。
⑦質疑応答で、「第2次創業として、光電融合企業を目指すとあるが、今後の光電融合のM&Aの方針は?」との旨の質問あり。「光電融合に限らず、事業提携やM&Aを積極的に行う。」との旨の説明。
⑧質疑応答で、「過去3年間、年間約30億円の設備投資を行ってきた。今後3年間の設備投資額が31億円の計画となっており、年間約10億円。少ない設備投資で売上計画を達成できるのか?」との質問あり。「過去3年間は、将来の事業拡大に備えるため、建物の増強を行ってきた。生産能力が2倍になった。地政学の変動、部品におけるベトナムへの投資、インドにも進出する。米国から日本で生産して欲しいとの依頼もあり、鶴ヶ島においても投資を検討する。M&Aも検討していく。」との旨の回答。
⑨質疑応答で、「IRの開示資料のレベルが高い。株価にも良い影響が出ていると思う。」との意見あり。
⑩質疑応答で、「光電融合企業にシフトしていく中で、中長期的に成長していく会社だと思っている。社長の範賓さん、会長の林為平さんから、10年後のオプトランの姿についてイメージを伺いたい。」との質問あり。社長の範賓さんから、「1999年の創業後、当初のメンバーが定年を迎えている。経営の若返り、社外取締役を過半としてガバナンスの強化を進めていく。光分野でトップシェアを取っているが、光学薄膜成膜企業から光電融合企業へ転換していく。設備事業(光学薄膜成膜装置事業)とデバイス事業(半導体光学融合・電子デバイス領域)の2本足を考えている。」との旨の説明。会長の林為平さんから、「生成AI、データセンター分野などで、株主の期待に応えていきたい。」との説明あり。
⑪議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
⑫10:40に株主総会が終了し、その後、工場(オプトラン、ナノリソティックス)見学。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、オプトラン本社内の会議室での開催で、工場見学もあり、良い機会となりました。
社長の範賓さんが議長を務められていましたが、流暢な日本語では無いものの、丁寧に議事進行をされていました。なお、質疑応答は、経営企画担当の執行役員の石野雅彦さんがほぼ回答対応されていました。
中国での売上が約8割とのことで、日中関係の悪化の影響が気になりますが、光電融合企業へのシフトによる業績拡大を期待しています。
業績に波はあるものの、成長企業として再投資も検討します。


