サイフューズの株主総会に出席しました【2025年8月14日】

株主総会
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サイフューズ 臨時株主総会

日時:2025年8月14日(木) 10:00-10:20

場所:住友不動産東京三田ガーデンタワー(三田駅徒歩4分)

出席株主数:約20名

お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり

 

企業概要

サイフューズ(4892)

HP:株式会社サイフューズ

①細胞のみから作製した立体的な組織・臓器を新しい「3D細胞製品」を、再生医療・創薬分野をはじめとする先端医療の現場へお届けする再生医療ベンチャーとして、再生医療等製品の開発・製造・販売を運営。

②社長の秋枝静香さんが、第2位の株主として、46万株、5.6%を保有。取締役の三條真弘さんが、第3位の株主として、34万株、4.1%を保有。糖尿病マネジメントなどの各種ヘルスケア機器・サービスの開発・製造・販売を手掛けるPHCが、第8位の株主として、18万株、2.2%を保有。総合デベロッパーの福岡地所が、第9位の株主として、18万株、2.2%を保有。

③従業員数は、21名のみと少人数体制。

 

株式情報

時価総額:56億円(2025年8月13日時点)

売上高:0.5億円(2024年12月期実績)⇒3.0億円(2025年12月期予想)

株価:670円(2025年8月13日時点)

1株純資産:284円(2025年3月末時点)、PBR:2.35倍

1株当期純利益:△139円(2025年12月期予想)、PER:赤字

1株配当:無配(2025年12月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:6,285名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2025年12月期第1四半期は、国内動向においては「新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画」が発表されて以降、スタートアップ企業への支援がより一層推進傾向にあり、特に再生医療・遺伝子治療などのバイオ分野は国益に直結する科学技術・イノベーション分野として、重点投資分野に指定されており、新たな再生医療等製品の上市と本分野の市場拡大および今後の経済成長が期待されている。

②このような環境下において、当社では、独自の基盤技術を用いた革新的な再生医療等製品や3D細胞製品の創出を通じて、新たな再生医療・細胞医療の実用化・産業化に貢献するべく、研究・技術開発を中核とする事業活動を推進してきた。また、細胞製品開発と並行して、デバイス販売や共同研究活動などにより、次世代製品候補の探索や当社の基盤技術を国内外に普及させる事業活動にも取り組んできた。具体的には、1.再生医療領域において、再生医療等製品の実用化へ向けたパイプライン開発および3D細胞製品の各種受託、2.創薬支援領域において、製薬企業・非臨床試験受託企業などの創薬活動を支援する3D細胞製品の開発・販売、3.デバイス領域において、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタなどの三次元細胞積層システム機器の開発・販売などを多面的に展開している。

③このような状況のもと、当第1四半期累計期間における経営成績は、売上高は、3D細胞製品に関する各種受託および関連消耗品の販売などにより24,213千円(前年比125.3%増)、販売費及び一般管理費254,064千円(前年比7.6%増)、営業損失240,333千円(前年は229,949千円の営業損失)となった。また、研究開発に係る補助金受領などによる営業外収益83,465千円(前年比653.2%増)および営業外費用5,486千円(前年比13.7%増)を計上したことから、経常損失162,355千円(前年は223,692千円の経常損失)、四半期純損失は162,991千円(前年は224,277千円の純損失)となった。

④当社では、成長市場である再生医療分野において、主要な再生医療パイプライン(末梢神経再生、骨軟骨再生、血管再生などの革新的な再生医療等製品)について、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)などの公的機関の支援のもと、再生医療等製品の承認取得・実用化を目指し、各大学・研究機関および連携企業などの共同開発パートナーとともに臨床開発および研究開発を進めている。これまでに、当社のバイオ3Dプリンタを用いた再生医療等製品に係る臨床開発において、世界で初めて実際の患者さまへ、患者さまご自身より採取した細胞から製造した三次元神経導管を移植することに成功し、治療効果を上げるなど、産学官一体で取り組む新たな再生医療等製品の製品開発が順調に進展している。

末梢神経再生については、京都大学医学部附属病院において実施した「末梢神経損傷を対象とした三次元神経導管移植による安全性と有効性を検討する医師主導治験」が完了したことを受け、国立大学法人京都大学および当社のパートナー企業である太陽ホールディングスならびに太陽ファルマテックとともに、企業治験開始に向けた準備を進めている。また、同種細胞を用いた再生医療等製品の研究開発についても順調に進展しており、AMED事業「末梢神経損傷に対する同種臍帯由来間葉系細胞を用いた三次元神経導管移植治療法の開発」において、開発パートナーである国立大学法人京都大学および国立大学法人東京大学とともに非臨床試験等を実施し、神経再生が確認されたという研究成果が米国の国際学術誌「PLOS One」に掲載された。早期の治験開始に向け、治験製品の製造体制整備を進めている。

骨軟骨再生については、AMED橋渡し研究プログラム「バイオ3Dプリンター技術を用いた膝関節特発性骨壊死に対する骨軟骨再生治療」において、開発パートナーである慶應義塾大学病院および藤田医科大学病院とともに治験製品の製造体制を整備し、早期の治験開始に向け開発を進めた。また、経済産業省「令和4年度第二次補正予算『再生・細胞医療・遺伝子治療の社会実装に向けた環境整備事業』」により基盤整備を進めた神奈川県川崎市殿町および東京都大田区羽田エリアにおいて、藤田医科大学および慶應義塾大学病院、慶應義塾大学再生医療リサーチセンターとともに骨軟骨再生の社会実装に向けて継続して基盤整備に取り組んでいる。

血管再生については、国立大学法人佐賀大学とともに臨床試験を継続し開発を進めた。今後も、開発パートナーおよび医療機関ならびにパートナー企業と協働し、細胞製神経導管をはじめとする革新的な再生医療等製品としての製造販売承認取得ならびに社会実装を目指し、新たな治療法の選択肢を増やすべく、引き続き開発を進めていく。

パートナー企業との連携に関しては、細胞製品の製造に関する包括的パートナーシップ契約を締結している太陽ホールディングスおよびその子会社である太陽ファルマテックとともに、将来の再生医療等製品の実用化を見据えた、製造販売体制構築に向けて準備を進めた。その他にも、ZACROSとともに、細胞の大量培養に関する共同技術開発を、岩谷産業とともに、3D細胞製品の凍結保存に関する共同開発を進めるなど、当社が開発を進める再生医療等製品および3D細胞製品の実用化に向けたパートナー企業との共同開発の進展により、将来的な産業応用も視野に入れた産学官エコシステムでの取り組みも加速している。また、PHCホールディングスおよびその子会社であるPHCとは、第24回日本再生医療学会総会(2025年3月開催)において学術セミナーを共催するとともに、再生医療等製品の商業生産へ向けた共同開発の開発成果として、3D細胞製品の商業化へ向けた新生産技術についての成果発表およびプレスリリースを行った。さらに、バイオ3Dプリンタのマーケティングをはじめ、様々な関係機関や企業などとのコラボレーションの機会探索の拡大、日立グローバルライフソリューションズ、MetaTech(AP)Inc.およびTaiwan Hitachi Asia Pacific Co., Ltd.との台湾地域での協業展開へ向けた交渉など、今後の商業化およびグローバル展開へ向けた協業も進捗している。

創薬支援領域では、独自の基盤技術により、スキャフォールドを使用せずヒト細胞のみから成る「ヒト3Dミニ肝臓」をはじめとした、臓器が有する機能を体外で再現する3D細胞製品「機能性細胞デバイス」(Functional Cellular Device:FCD)の製品開発を進めている。当第1四半期累計期間においては、FCDシリーズの第一弾製品として販売を開始している「ヒト3Dミニ肝臓」について、MPS実用化推進協議会第2回学術シンポジウム(2025年1月開催)の企業展示ブースに出展するなど、マーケティングおよび販路拡大に向けた活動を行った。また、本製品に関する特許権を日米両国において取得したことで、日本国内に加えて米国での海外展開も視野に入れた製品開発に着手した。本製品は、製薬企業や非臨床試験受託企業などから、創薬研究のニーズに応える高いユーザービリティに対する評価をいただくとともに、将来的には、サステナビリティの観点からも動物実験代替法としての活用可能性などの大きな社会的意義を有している。また、「ヒト3Dミニ肝臓」に続くFCD製品のラインナップ拡充に関しても、APPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)(2025年3月開催)において、今後の新製品開発につながる研究成果について発表および企業展示ブースでの紹介などを行うなど、マーケティング活動などを継続実施している。

⑩デバイス領域では、再生医療領域・創薬支援領域と併せてデバイス領域においても、独自の基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタに代表される自動化装置や関連周辺機器および専用消耗品類の開発・製造・販売などの事業活動を進めている。また、本事業活動を通じてバイオ3Dプリンタを介した基盤技術の普及促進を図ることで、再生・細胞医療領域における新たなシーズ探索や様々な製品開発に寄与する有力な技術としてのポジション確立を目指している。その他、再生医療等製品の製造工程の機械化・自動化などの生産技術開発、3D細胞製品の実用化に必要となる技術応用および新技術開発にも取り組んでいる。当第1四半期累計期間においては、再生医療領域の生産技術支援として、末梢神経再生や骨軟骨再生などの主要パイプラインにおける治験開始に向けた製造環境整備を進めた。また、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(全国中小企業団体中央会/中小企業庁/経済産業省)の支援のもと開発を進めてきた『バイオ3Dプリンタ用資材製造・保守レポート管理システムの構築』に関して、周辺機器類を含めたデバイス製品の生産性・品質向上に取り組んだ。今後は本事業を通じて得られた開発の成果を礎とし、将来の商業生産を見据えた実用化を目指していく。加えて、業務提携パートナーである日本精工との間では、前年度に共同リリースを行った、3D細胞製品の製造工程の自動化へ向けた新技術開発を実施している。今後も引き続き、業務提携パートナー企業とともに新技術開発を進展させ、当社が開発を進める各種3D細胞製品の生産技術・設備としての応用展開を視野に入れ、製品製造工程に係る様々な技術開発を継続し、将来の商業生産体制の構築に向けた準備を進めていく。

⑪第三者割当による第22回新株予約権(行使価額修正条項付)、第23回新株予約権(行使価額修正条項付)および第24回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行を2025年5月30日の当社取締役会決議により決定。発行新株予約権数は、第22回新株予約権13,000個(130万株)、第23回新株予約権2,500個(25万株)、第24回新株予約権2,500個(25万株)。第22回新株予約権に係る下限行使価額は471円。第23回新株予約権および第24回新株予約権に係る下限行使価額は当初1,413円。ただし、当社取締役会の決議によって、当社の株価および出来高の推移、当該事象が当社の事業に及ぼす影響の程度、ならびに資金調達の必要性の軽重等を総合的に勘案し、発行決議日前取引日の終値の100%に相当する金額から発行決議日前取引日の終値の50%に相当する金額の範囲内で合理的な事由に相応する限度まで、第23回新株予約権および第24回新株予約権に係る下限行使価額の修正を行うことができる。新株予約権の行使価額は、第22回新株予約権の各行使請求の効力発生日の直前取引日の終値の92%に相当する金額に修正される。但し、修正後の金額が下限行使価額を下回ることとなる場合には、下限行使価額を修正後の行使価額とする。割当先は、第22回新株予約権および第23回新株予約権はSBI証券、第24回新株予約権は岡三証券。権利行使期間は、2025年6月17日~2026年6月16日まで。
2025年7月末時点の未行使数は、第22回新株予約権7,249個(約72万株)、第23回新株予約権2,500個(25万株)、第24回新株予約権2,500個(25万株)。

⑫社長の秋枝静香さんは、48歳(1976年生まれ)と若い社長。

⑬社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は10,668万円。単純平均で取締役1人当たり3,556万円。使用人兼取締役の使用人分給与は含まず。
⇒使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。

 

株主総会での個人メモ

①取締役の鈴木邦彦さんは、オンラインでの出席。

②株主総会の冒頭で、全取締役と監査役の紹介があった。

③質疑応答で、「今回、仮監査役に水口祐介さんが選任され、そのまま水口祐介さんが監査役の候補者となっている。仮監査役の選任を経ずに、直接、速やかに臨時株主総会を召集する対応はできなかったのか?」との旨の質問あり。「所定の手続きを経て監査役選任の対応とした。」との旨の説明。 

④質疑応答で、「他社では不測の事態に備えて補欠監査役を選任しているケースもある。補欠監査役についての考えは?」との質問あり。「今後、検討していきたい。」との回答。

⑤議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

今回、他社ではあまり見かけないお盆休み中の株主総会の開催でしたが、監査役に就任された水口祐介さんからの丁寧な挨拶が印象に残りました。

国内においては、少子高齢化が進み、社会保険制度の構造的な問題から薬価が抑えられ、厳しい事業環境が続くように思えます。また、赤字が続き、第三者割当増資(行使価額修正条項付)も進んでいる期待先行型の再生医療ベンチャーなので、個人投資家にとって投資判断の難しい会社です。

とはいえ、再生医療への貢献を期待して、主要な再生医療パイプライン(末梢神経再生、骨軟骨再生、血管再生などの革新的な再生医療等製品)の状況について、継続注視します。

 

サイフューズの本社が入る住友不動産東京三田サウスタワーと株主総会会場の住友不動産東京三田ガーデンタワー
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