アルコニックスの株主総会にライブ参加しました【2025年6月18日】

株主総会
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アルコニックス 第44回定時株主総会

日時:2025年6月18日(水) 10:00-11:05

場所:The Okura Tokyo オークラプレステージタワー(神谷町駅徒歩6分)で開催、オンラインでのライブ参加

 

企業概要

アルコニックス(3036)

HP:商社機能と製造業を融合する非鉄金属の総合企業 | アルコニックス株式会社 (alconix.com)

①需要が拡大するスマートフォン、タブレット端末、電気自動車ならびにハイブリッド車や、IT関連機器などに使用される電子部品、化合物半導体、結晶材料、またこれら材料の生産に不可欠なレアメタル(チタン、タングステン、モリブデン、レアアースなど)の取扱いを行う「商社流通 電子機能材」(売上構成比17%)、歴史のある安定成長ビジネスとして多くの優良な取引先・商権を持つ「製品」と、世界的な地球温暖化防止、省エネルギーで脚光をあびる非鉄金属のリサイクル原料、再生原料を手掛ける「原料」を主要な事業とする「商社流通 アルミ銅」(売上構成比42%)、銅、ニッケルめっき材料および関連化学品、非破壊検査装置、マーキング装置および関連消耗品、金型用肉盛溶接棒、溶射施工、カシュー樹脂(ブレーキ摩擦材など)およびカシュー応用製品ならびに電波吸収体、一般産業用ならびに自動車用小型モーター向けカーボンブラシの製造を手掛ける「製造 装置材料」(売上構成比23%)、アルミ、チタンなど軽合金の通信機器用精密機構部品、半導体用表面実装機(チップマウンター)、および自動車、産業機械関連製造装置用精密研削加工部品、自動車向け精密プレス金型およびプレス部品、空調機器および自動車部品などの金属加工部品、精密コネクタ金属端子部品のプレス部品、リチウムイオン電池およびHDD用部品のプレス加工、切削加工部品の製造を手掛ける「製造 金属加工」(売上構成比18%)を運営。

②電子部品向けなど自動装着装置トップのFUJI(6134)が、第3位の株主として、94万株、3.1%を保有。
神戸製鋼所(5406)が、第6位の株主として、50万株、1.6%を保有。

3月末(1年以上)
100株:優待カタログギフト2,000円相当
500株:優待カタログギフト2,500円相当
1,000株:優待カタログギフト3,000円相当

長期保有(3年以上)
100株:優待カタログギフト2,000円相当を2点へグレードアップ
500株:優待カタログギフト2,500円相当を2点へグレードアップ
1,000株:優待カタログギフト3,000円相当を2点へグレードアップ

 

※2026年3月末より、下記内容へ変更。

3月末(1年以上)
300株:優待カタログギフト4,000円相当
500株:優待カタログギフト8,000円相当
1,000株:優待カタログギフト16,000円相当

長期保有(3年以上)
1,000株:優待カタログギフト20,000円相当へグレードアップ

 

株式情報

時価総額:556億円(2025年6月17日時点)

売上高:1,970億円(2025年3月期実績)⇒2,150億円(2026年3月期予想)

株価:1,792円(2025年6月17日時点)

1株純資産:2,327円(2025年3月末時点)、PBR:0.77倍

1株当期純利益:179円(2026年3月期予想)、PER:10.0倍

1株配当:84円(2026年3月期予想)、配当性向:46%

配当利回り:4.6%、株主優待含む利回り:5.8%(3年以上1,000株保有時)

株主数:53,068名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①当連結会計年度における世界規模の経済情勢では、不動産業界の低迷に端を発した中国国内経済の停滞、中国当局によるレアメタル・レアアースの輸出規制、年間を通じてほぼ四半期毎に円安局面と円高局面を交互に繰り返す為替相場の不安定な動向などが当社グループの経営に影響を及ぼす要因となった。

②当社グループとして関与の深い業界、市場においては、米国を中心とするAI関連の旺盛な需要により、半導体世界販売が2024年4月から2025年2月まで全て前年同月比増となるなど好調を維持する一方で、日本メーカーの国内外乗用車生産台数は、海外市場での販売不振の影響で2024年4月から2025年2月までの実績で前期比5.4%の減少となり、アルミ圧延品国内出荷量と伸銅品国内生産量は、2024年4月から2025年2月までの合計においてほぼ前年並みの実績となった。非鉄金属相場は、アルミと銅が連結会計年度期間中の変動はあったものの期間平均価格で前年度を上回ったのに対し、ニッケルは2024年5月をピークに価格が低迷し、期間平均価格で前年度を下回った。このような環境のもと、売上高は、アルミ・銅原料、半導体製造装置関連金属加工品、メッキ材料などの取引が寄与して電子機能材事業、アルミ銅事業、装置材料事業、金属加工事業の4セグメント全てで前期比増となった。同期間におけるセグメント利益も売上増に寄与した取引に加えてカーボンブラシの収益率改善などもあり、電子機能材事業、アルミ銅事業、装置材料事業、金属加工事業の4セグメント全てで前期比増となった。当連結会計年度における主な経営成績は、売上高197,004百万円(前期比12.6%)、営業利益6,919百万円(前期比26.6%)、経常利益7,528百万円(前期比38.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益4,805百万円(前期比200.7%)。

③商社流通・電子機能材事業は、セグメント売上高は、海外における電池関連取引や合金鉄・レアメタル価格の上昇などが寄与して前期比増となった。セグメント利益は、半導体関連取引、電池関連取引、レアメタルスクラップ取引などが寄与して前期比増となった。

④商社流通・アルミ銅事業は、セグメント売上高は、アルミおよび銅の地金・スクラップ取引が寄与して前期比増となった。セグメント利益は、売上増に寄与した原料取引に加えアルミおよび銅の製品取引も寄与して前期比増となった。

⑤製造・装置材料事業は、セグメント売上高は、北米市場のメッキ材料、カーボンブラシ、非破壊検査用材料などが寄与して前期比増となった。セグメント利益は、メッキ材料とカーボンブラシの収益率改善が寄与して前期比増となった。

⑥製造・金属加工事業は、セグメント売上高は、半導体製造装置関連金属加工品、二次電池用部品などが寄与して前期比増となった。セグメント利益は、銅プレス加工品の収益率改善も追加要因となり前期比増となった。

⑦当社グループを取り巻く今後の事業環境については、米国政府の関税政策をトリガーとした世界経済・市場の不確実性の急激な高まりや米中貿易対立激化の影響を受ける事が見込まれるが、現時点で影響を予測する事は極めて困難な状況。当社グループとして関与が深い業界、市場である自動車や半導体、二次電池を中心とする次世代エネルギーについても、実需はまだら模様である事に加え、特に自動車は米国の関税発動の影響が一定程度顕在化する事が見込まれる。このような環境において、電子機能材事業、アルミ銅事業、装置材料事業は、実需の強い業界に注力しコスト転嫁や在庫圧縮を進め非鉄金属市況変動への耐性を高め、かつ、内需にシフトする顧客の取込みを進める事で、負の影響を打ち返し、増収増益を見込んでいる。金属加工事業は、AI関連半導体や新興国向けスマホ、NEV(新エネルギー車)向け二次電池といった実需が強い市場での事業維持拡大により増収増益を見込んでいる。当社グループは「長期経営計画2030」に基づき、既存事業の収益力強化を図りつつ、成長のための新規投資、グループ間のシナジー追求、M&A投資を推進するとともに、低採算事業の変革なども実行し、持続的な事業成長を目指していく。来期の連結業績予想数値は、売上高215,000百万円(前期比9.1%)、営業利益8,800百万円(前期比27.2%)、経常利益8,200百万円(前期比8.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益5,400百万円(前期比12.4%)。

⑧中期経営計画2024(見直し後)は、2027年3月期に、経常利益110億円以上。2025年5月15日に公表した長期経営計画2030は、2031年3月期に、経常利益150億円以上。

⑨株主総会招集通知が6月6日(金)に届いた。
⇒会社法で、株主総会招集通知は株主総会の2週間前までに発送が必要と決まっており、6月3日(火)には発送が必要だが、他社に比べて届くタイミングが遅く、何かしらの理由で株主総会招集通知に記載のある6月3日(火)に発送ができていなかった可能性を感じた。

⑩社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は25,200万円。2024年6月に退任した1名を3ヶ月分として試算すると、単純平均で取締役1人当たり5,929万円。

 

株主総会での個人メモ

①質疑応答で、「質問は1名につき1問までと制限しているが、株主総会は意見交換の場でもあるので、2問質問させて欲しい。」との苦言が呈されていた。

②質疑応答で、「PBR1倍割れに対する施策や考えは?」との質問あり。「株価には満足していない。重要課題と認識している。収益力の向上が何よりも必要。成長投資が必要。IRを充実し、成長戦略を説明していく。」との回答。

③質疑応答で、「トランプ政権復活による経営への影響は?」との質問あり。「米国向けの売上は13%強。直接輸出はあまり無く、直接的な影響ではなく、間接的な影響を受ける。自動車産業などから間接的にボディーブローのように影響が出てくると思う。」との説明。

④質疑応答で、「人的資本の強化について、具体的な施策は?」との質問あり。「女性、外国人、中途など、属性にとらわれない採用を行っている。女性管理職は6.8%から26年度に10%へ、長期的には16%へ引き上げる。待遇・賃上げは、先行して対応している。昨年は初任給を16%上げ30.5万円とした。今年は4.8%引き上げ32万円とした。」との回答。

⑤質疑応答で、「100株保有の株主から見ると株主優待が改悪された。300株以上買って欲しいと正直に書いたほうがよかった。」との意見あり。「以前、株主数が2,000人程度で上場維持基準に抵触しそうであった。株主優待導入により、株主数が5万人に増えた。あまり株主優待に費用がかかると見直しするようにとの意見が出てくる。株式をより多く、より長く保有して欲しい。」との説明。

⑥質疑応答で、「緊迫する中東情勢への対応は?」との質問あり。「退避勧告が出てきたので、状況を見て対応したい。中東に事業所は無い。物の値段が上がることにより事業への影響が出る。オイルの値段を注視している。」との回答。

⑦質疑応答、「取締役候補者の菊間千乃さんは、他社の取締役や監査役を5社も兼任している。社外取締役で株式を保有している人と保有していない人との違いは?」との質問あり。「株式の保有は個人の自由裁量としている。」との説明。

⑧質疑応答で、「株主優待は継続して欲しい。」との意見あり。

⑨質疑応答で、「双日(2768)から独立した会社なので取締役に双日出身者が多い。現在の双日との関係は?」との質問あり。「人的交流はポロポロとあるが、支配関係という点では無い。双日出身というよりも、日商岩井出身という意識が強い。独立(スピンオフ)から時間が経っており、双日色は薄れている。」との回答。

⑩質疑応答で、「ROE12%の目標について、経常利益120億円で達成できるのか?どの事業を期待しているのか?」との質問あり。「達成できる。東証から資本コストを上回るようにとの要請が出ている。期待しているのは海外への投資。」との旨の説明。

⑪質疑応答で、「中国のレアアースの輸出制限の影響は?」との質問あり。「短期的な影響は限定的。長期的には分からない。中国以外でのレアアースの精製産業が進んでいない。」との回答。

⑫質疑応答で、「管理職の中で、女性で最も高い役職は?」との質問あり。「課長職が無い会社。現状、女性の部長はいない。長期的には部長レベルが出てくると思っている。サプライヤーで女性が増えており、コミュニケーション力の高い女性同士の対応で情報収集力が上っている。人事や総務部門では、細かな点にも気付いてもらえる。外部から無理をして女性の部長レベルを採用するようなことはしていない。採用は女性比率を5割で対応している。出産などのイベントで出世が遅れるようなことが無いように総合商社レベルの対応をしている。」との説明。

⑬質疑応答で、「グループ会社が60社程度と多いが、人的方針やガバナンスの対応は?」との質問あり。「グループ会社に対しては女性比率の指示は出していないが、他の製造業よりは多い。グループ会社の社長会を年に1回、総務部長会、人事部長会などで問題点を共有している。」との回答。

⑭質疑応答で、「安全衛生管理の状況は?」との質問あり。「総務部長会で講義やレクチャー、問題点の共有をはかっている。少子高齢化を見据えて、省人化を進めるように指示を出している。」との説明。

⑮議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

業績が堅調で、株主優待も魅力的なので、平均1,298円で投資しました。

今回、オンラインでのライブ参加でしたが、実際に社長や取締役の振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたこと大きなメリットでした。

質疑応答では、質問を1人1問に制限していた点について株主から苦言を呈されていましたが、質問のあった内容に対しては、社長の手代木洋さんが丁寧に回答対応されていました。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、アルコニックスは、1株当たり純資産2,327円に対し、株価1,792円(2025年6月17日時点)、PBR0.77倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

業績の向上により、PBR1倍への株価向上を期待しています。株主優待も楽しみに、継続保有の予定とします。

 

2024年6月6日に到着したアルコニックスの株主優待の内容についてはこちら↓

アルコニックスの株主優待が到着しました【2024年6月6日】 | ぽこタンの株主総会日記

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