シャノンの株主総会に出席しました【2025年4月21日】

株主総会
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シャノン 臨時株主総会

日時:2025年4月21日(月) 10:00-11:05

場所:シャノン本社(浜松町駅徒歩2分)

出席株主数:約10名

お土産:無し、ミネラルウォーターやペットボトルのお茶の配布あり

 

企業概要

シャノン(3976)

HP:シャノン|デジタルとアナログを組み合わせるデジアナマーケティングならシャノン

①主にBtoB企業に対して、「SHANON MARKETING PLATFORM」のクラウドでの提供を軸に顧客企業のマーケティング業務の効率化・自動化などの支援、同サービス利用顧客企業のマーケティング戦略の立案・支援、メール・Webサイトなどのマーケティングコンテンツの作成、効果分析、運用代行などのコンサルティングサービスを提供する「サブスクリプション事業」(売上構成比76%)を中心に、多くの出展企業を集めた大規模なイベントや展示会、企業によるプライベートショーにおいて、「SHANON MARKETING PLATFORM」を使った申込受付管理やバーコード・QRコード来場者認証、アフターフォローのメール運用などをワンストップで効率的に実現するクラウドサービスの提供に加えて、iPadでのアンケート、イベント用モバイルアプリなど、各種デジタルデバイスを活用したイベント・展示会などの開催・運営支援を行う「イベントクラウド事業」(売上構成比15%)、新しい市場の創造を目指し、メタバースイベントプラットフォーム「ZIKU」を提供する「メタバース事業」(売上構成比1%)、DSP広告サービスである「SHANON Cloud」の提供やWEBマーケティングに関するコンサルティングや広告運用代行サービスの提供を行う「広告事業」(売上構成比8%)を運営。

②筆頭株主は、創業者で元社長の中村健一郎さんで、66万株、20.8%を保有。
代表取締役の永島毅一郎さんが、第3位の株主として、31万株、9.9%を保有。
クラウドソリューション事業などを手掛けるサンブリッジコーポレーションが、第7位の株主で、村山典子さん個人での保有分も含めると、5万株、1.6%を保有。

※イノベーションによる公開買付けの結果、2025年1月24日にイノベーションの議決権所有割合が56.7%となり、筆頭株主となる。

 

株式情報

時価総額:22億円(2025年4月18日時点)

売上高:32.0億円(2024年10月期実績)⇒非開示(2025年10月期予想)

株価:378円(2025年4月18日時点)

1株純資産:▲18.3円(2024年10月末時点)、PBR:債務超過

1株当期純利益:非開示(2025年10月期予想)、PER:非開示

1株配当:無配(2025年10月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:2,869名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①クラウドサービス市場においては、クラウドサービスを利用している企業の割合は引き続き上昇傾向にある。令和5年8月末におけるクラウドサービス利用企業の割合は77.7%(前年72.2%)に拡大している。また、資本金規模別のクラウドサービス利用状況においても、資本金規模を問わずその利用率は拡大傾向が続いている。このように成長を続けるクラウドサービス市場の中で、当社が属するマーケティングオートメーション(SaaS)分野も例外ではなく、今後も6.0%(2023~2028年度の年平均成長率)の市場成長率が見込まれている。また、当社が提供する他のサービス(CMSやCX/マーケティングスイート分野)も含めると今後10.1%(2023~2028年度の年平均成長率)の市場成長率が見込まれている。なお、当社は他にもSFAサービスなどの提供も行っており、各市場自体の成長やソリューションの拡大に伴うTAMの拡大による今後の当社事業の成長余力は高いものと認識している。一方で、コロナ禍で影響を受けていた当社のマーケティング活動やイベントクラウド事業においては、コロナ禍を脱し、社会活動を取り戻しつつある中で、コロナ禍で培ったウェビナーを活用した自社マーケティング活動を継続しつつも、リアル展示会への出展や、リアルイベント開催への回帰の動きが鮮明となってきている。

※SFA:Sales Force Automationの略で、商談管理ツールを意味する。
※TAM:Total Addressable Marketの略で、獲得できる可能性のある全体の市場規模を意味する。

 

②2025年10月期第1四半期は、売上高については、マーケティングクラウド事業におけるストック型売上(サブスクリプション)およびイベントクラウド事業が概ね順調に推移した。また、費用面については、近年、中期的な成長加速を実現するために積極的な採用を行ってきたことで人件費を中心に増加傾向が続いたが、前期からの採用抑制や人事異動による人員の有効活用などにより前年比で減少しており、結果、営業損益は改善傾向にある。一方で、イノベーション(3970)による株式公開買付けの対応などに伴う一過性のコストを営業外費用および特別損失として計上した。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は670,046千円(前年比6.3%増)、営業損失は50,548千円(前年は営業損失134,040千円)、経常損失は97,655千円(前年は経常損失135,896千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は159,430千円(前年は純損失136,416千円)となった。

前連結会計年度に不採算の広告事業の一部売却(連結子会社株式の譲渡)、追加機能開発の停止および人員削減などによるメタバース事業の縮小を決定し、収益性重視の経営へシフトしている。今後は、主力事業であるサブスクリプション事業に経営リソースを集中させ、早期の黒字経営への回帰、財務体質改善を経営上の最優先課題としている。これらの課題に取り組むにあたり、各事業の位置づけを明確にするべく再検討を行った結果、広告事業およびメタバース事業については、主力事業であるサブスクリプション事業を支える付随サービスとして性質が強くなったことを踏まえて、「サブスクリプション事業」に含めることにするとともに、その名称を「マーケティングクラウド事業」に名称を変更した。 その結果、従来「サブスクリプション事業」「イベントクラウド事業」「メタバース事業」「広告事業」の4区分としていたが、当第1四半期連結累計期間より、「マーケティングクラウド」と「イベントクラウド事業」の2区分に変更している。

④マーケティングクラウド事業は、「SHANON MARKETING PLATFORM」を中心とする年間利用契約に関するストック型売上(サブスクリプション)とそれに付随する初期導入やコンサルティングサービスなどのフロー型売上(プロフェッショナル)に加え、デジタル広告運用に関する売上、およびメタバースプラットフォームに関する売上から構成されている。 当連結会計年度における売上高については、最重点方針として取り組んでいるストック型売上が順調に推移した。一方、フロー型売上については、主に広告事業の一部売却などにより前年比で減少している。この結果、当第1四半期連結累計期間におけるストック型売上は426,866千円(前年比9.6%増)、フロー型売上は85,383千円(前年比49.2%減)、マーケティングクラウド事業全体の売上高は512,250千円(前年比8.1%減)、営業損失は5,211千円(前年は営業損失34,738千円)となった。また、当第1四半期連結会計期間末における契約アカウント数は、563アカウント(前期末比1.4%増)となった。

⑤イベントクラウド事業は、前期後半からリアルイベント開催への回帰の傾向が鮮明となり、当社のイベントクラウド事業を取り巻く市場環境は改善傾向にある。当第1四半期連結累計期間においては、大型イベントの会期が多く、また、通期予算達成に向けた受注動向も順調に推移した。この結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は157,795千円(前年比116.6%増)、営業利益は41,797千円(前年は営業損失20,345千円)となった。

2025年10月期の連結業績予想については、前連結会計年度末において債務超過になっていたことに鑑み、事業再編などを検討中であり、現時点で業績予想を行うことが困難であるため業績予想の開示を一時的に見送っている。合理的に予測可能となった時点で公表する。

イノベーションによる当社株式などに対する公開買付け(買付け価格:1株650円)の結果、2025年1月24日にイノベーションの議決権所有割合が56.7%となり、筆頭株主となる。

⑧イノベーションは、本公開買付け成立後、当社株式の上場を維持し、また、現状の当社の上場会社としての自主的な経営を尊重しつつ、両者の連携を深め、企業価値の向上に関する具体的な取り組みに向け、今後当社と協議・検討を行うことを予定している。

⑨2025年1月27日に、「2023年2月24日開催の取締役会決議に基づき発行された第25回新株予約権および2023年12月22日開催の取締役会決議に基づき発行された第27回新株予約権の全部を買入れ、その後直ちに全部を消却し、また2023年2月24日開催の取締役会決議に基づき発行された第2回無担保転換社債型新株予約権付社債の全部を繰上償還実施した」と公表。

⑩2025年1月30日に代表取締役に就任した永島毅一郎さんが2025年4月21日に退任し、イノベーションの取締役会長CFOの山﨑浩史さんが代表取締役CEOに就任予定。

⑪親会社であるイノベーションの決算期を踏まえて、グループ全体での会計監査業務の効率化を図るため決算期(事業年度の末日)を変更することとした。変更後の決算期は、毎年12月31日。決算期変更の経過期間となる第25期は、2024年11月1日から2025年12月31日までの14か月決算となる予定。

⑫取締役と監査等委員である取締役候補の5名中、70歳以上の候補者は松原由高さん(1951年生まれ、73歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑬社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は3,078万円。2024年1月に退任した3名をそれぞれ3ヶ月分として試算すると、単純平均で取締役1人当たり1,758万円。

 

株主総会での個人メモ

①入場票には「発言の際には入場票番号と名前を申し出ください」との記載があったが、「プライバシー保護のため、発言の際には名前は言わず、入場票番号のみを伝えるように」との説明があった。

②株主総会終了後に継続して、今回、取締役に就任された山﨑浩史さんと大江翔さんの新経営陣による、抱負や質疑応答の時間が設けられていた。

③質疑応答で、「2025年1月末に永島毅一郎さんが代表取締役に就任したばかりであるのに、今回、山﨑浩史さんが代表取締役CEOに就任される。永島毅一郎さんの代表取締役就任は、当初からリリーフ的な短期間であることを想定した対応であったのか?」との質問あり。「1月の時点では短期間の就任であることは想定していなかった。今後の成長を考えると、聖域のない改革が必要。経営陣の刷新を行う事となった。代表取締役退任後も社内には残る。」との説明。

③質疑応答で、「会社の業績が厳しい状況で、取締役が3名から2名へ減員するのにもかかわらず、4号議案の取締役の報酬額が据え置かれる理由は?」との質問あり。「上限の金額なので、実際の報酬額とは違う。決定した報酬金額については、公開されるので内容を確認して意見して欲しい。」との回答。質問者から、「上限を減らさない理由の回答になっていない。」との再質問あり。「取締役の人数に変更がある可能性もあるので、弾力性を持たせている。」との説明。

④質疑応答で、「取締役候補の山﨑浩史さん、大江翔さんについて、他社との兼任はあるのか?監査等委員である取締役候補については兼任情報の記載があるが、取締役候補については記載が無いので確認したい。」との質問あり。「山﨑浩史さんについては、イノベーションの取締役を兼任する。大江翔さんについては兼任は無い。」との回答。質問者から、「監査等委員である取締役候補と同様にしっかりと開示して欲しい。」との意見あり。

⑤質疑応答で、「ガバナンスの強化が目的で監査等委員会設置会社へ移行するとのことだが、親会社の取締役の山﨑浩史さんが、代表取締役CEOに就任されるのであれば、東証から指摘もあるように、逆にガバナンスの弱体化となってしまうのではないか?」との意見あり。

⑥質疑応答で、「代表取締役CEOに就任される山﨑浩史さんについて、イノベーションの取締役との兼務とのことだが、どの程度、シャノンの業務を行うのか?」との質問あり。「定期的に出社し、イノベーションからシャノンへウェイトを移してもらえると思っている。」との説明。

⑦株主総会終了後に、取締役に選任された代表取締役CEOに就任予定の山﨑浩史さんから、抱負も含め、株主総会時の質疑応答について補足説明があった。主な内容について下記抜粋。

「コンパクトで意思決定の早い組織体制を目指す。」「自身のシャノンからの役員報酬は無報酬としたうえで、監査等委員である取締役を含む取締役全体の月額報酬は200万円以内とする。」「今後、取締役を増員した場合に備え、役員報酬の上限は維持する。」「イノベーションの会長は兼任するがCFOからは外れる。シャノンに軸足を移し、イノベーションを非常勤とする。」「イノベーションの力をフルに使用し、業績回復を進めたい。」「できれば2年以内に業績回復を達成し、後任にバトンタッチをしたい。その後、イノベーションに戻る。」「成長性が無くなりつつある業界。イノベーションとシャノンでシェアを取りたい。外資ベンダーと対決するとコストで負けるので、アジアで勝負したい。」「最短で成長企業に戻す。今期、黒字化を目指し、来期には配当を実施したい。」

 

⑧質疑応答で、「取締役に、業務の中心となる担当役員を残しておいた方が対外的に良かったのではないか?業務のリーダーをはっきりさせておいたほうが良いと思う。」との質問あり。「先週から常勤として出社し、社員と面談などをしている。6月以降に体制を作る。経営と執行を分けた組織とする。世代交代が必要。執行役の若返りを目指す。」との旨の回答。

⑨質疑応答で、「イノベーションからシャノンへ人材を投入しないのか?」との質問あり。「イノベーションからシャノンへ人材を投入するほどの人員は抱えていない。」との旨の説明。

⑩大江翔さんから、「ウィズ・パートナーズは退職した。シャノンをしっかりと立て直したい。」との旨の抱負あり。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に代表取締役や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、シャノン本社での開催でしたので、良い機会となりました。

議長は、退任予定の代表取締役の永島毅一郎さんが淡々と務められていました。

株主総会終了後に、代表取締役CEOに就任予定の山﨑浩史さんからお話を伺うことができ、とても参考になりました。山﨑浩史さんの説明も丁寧で分かりやすい対応で、熱意も感じ好印象でした。「イノベーションが投資をしているので株価の向上は重要。ただ、株価を意識し過ぎると、株価向上のためだけの余計なことをやってしまう事にもなる。業績の向上に注力したい。」との旨のコメントが印象的でした。

TOBにより財務的に優良なイノベーションが親会社となり、安心感を得たと共に、経営陣刷新により、会社が大きく変わる過渡期に見えます。新経営陣の手腕により、成長性を伴う黒字基調に持っていけるのか、業績の推移を継続注視すると共に、親会社のイノベーションへ投資する際の参考にもします。

 

株主総会会場のシャノン本社の入るJEI浜松町ビル
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