大庄 第53回定時株主総会
日時:2024年11月27日(水) 10:00-11:05
場所:大崎ブライトコア(大崎駅徒歩5分)
出席株主数:約70名
お土産:無し
企業情報
大庄(9979)
HP:大庄グループ本部 大庄ホームページ (daisyo.co.jp)
①庄やや大庄水産などの料理飲食業をチェーン展開する「飲食事業」(売上構成比43%)、フランチャイズ店や一般取引先飲食店へ食材などの卸、グループ内や一般取引先飲食店へ食材の配送業務をおこなう「卸売・ロジスティクス事業」(売上構成比51%)、ビルテナントなどの不動産賃貸や管理をおこなう「不動産事業」(売上構成比3%)、FC加盟店やVC(ボランタリーチェーン)加盟店からロイヤリティ収入を得る「フランチャイズ事業」(売上構成比2%)、ミヤビパンの製造・販売などをおこなう「その他事業」(売上構成比1%)を運営。
②筆頭株主は、社長の平了壽さんが代表を務める宇宙で、596万株、28.4%を保有。
アサヒグループホールディングス(2502)の子会社のアサヒビールが、第2位の株主として、199万株、9.5%を保有。
サッポロホールディングス(2501)の子会社のサッポロビールが、第3位の株主として、100万株、4.7%を保有。
創業者で元社長の平辰さんが、第4位の株主として、62万株、2.9%を保有。
キリンホールディングス(2503)の子会社の麒麟麦酒が、第5位の株主として、62万株、2.9%を保有。
③株主優待(2月末、8月末)
100株:株主優待券3,000円
500株:株主優待券6,000円
1,000株:株主優待券12,000円
株式情報
時価総額:220億円(2024年11月26日時点)
売上高:505億円(2024年8月期実績)⇒515億円(2025年8月期予想)
株価:1,042円(2024年11月26日時点)
1株純資産:495円(2024年8月末時点)、PBR:2.10倍
1株当期純利益:51.1円(2025年8月期予想)、PER:20.3倍
1株配当:14円(2025年8月期予想)、配当性向:27%
配当利回り:1.3%、株主優待含む利回り:7.1%(100株保有時)
株主数:37,380名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①外食業界においては、人流の改善やインバウンド消費の拡大などにより需要は回復基調にあるものの、原材料価格・光熱費などの上昇や、物価高による節約志向の高まり、人手不足の影響などにより、引き続き厳しい経営環境が続いている。このような状況下において、「人類の健康と心の豊かさに奉仕する」という企業理念のもと、「日本の台所」の役割を果たすとともに、日本の食文化と居酒屋文化の発展に貢献するなどの基本方針にこだわり事業運営を行ってきた。また、企業価値の向上を目指し早急な業績の改善を図るため、強化業態を中心とした新規出店および業態変更の推進、「旬メニュー」の提供などのメニュー戦略およびデジタルマーケティングによる集客力強化、卸売・ロジスティクス事業の拡大、不動産事業・フランチャイズ事業などの収益力強化、研修制度の充実や賃上げの実施、DX(デジタル・トランスフォーメーション)による業務効率化推進などの施策に取り組んでいる。
②店舗展開においては、新規出店を7店舗、店舗改装を21店舗、店舗閉鎖を8店舗(うちVC(ボランタリーチェーン)への移行を1店舗)行った結果、当連結会計年度末における当社グループ店舗数は330店舗(直営243店舗、フランチャイズ37店舗、VC50店舗)となった。
③この結果、当期の連結売上高は、前年に比べ11.2%増加の50,586百万円となった。利益面については、営業利益は1,000百万円(前年は営業損失461百万円)、経常利益は1,157百万円(前年は経常損失486百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,333百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失769百万円)となった。
④当連結会計年度より、卸売と運送を一体化した総合物流サービスの展開を推進していくことを踏まえ、従来の「卸売事業」および「運送事業」を統合し「卸売・ロジスティクス事業」とする報告セグメントの区分変更をしている。
⑤飲食事業については、足許の飲食需要の回復や各種営業施策への取組みなどにより、売上高は前年に比べ4.3%増加の23,499百万円となった。
⑥卸売・ロジスティクス事業については、卸売含む総合物流サービスによる外部売上高が増加したことなどにより、売上高は前年に比べ19.9%増加の24,213百万円となった。
⑦不動産事業については、一部自社不動産物件の売却もあり、売上高は前年に比べほぼ横ばいの1,630百万円となった。
⑧フランチャイズ事業については、VC店舗の増加に伴い営業権利用料収入が増加したことなどにより、売上高は前年に比べ5.0%増加の914百万円となった。
⑨その他事業については、売上高は前年に比べ14.4%増加の327百万円となった。
⑩今後の見通しについては、経済活動の正常化に伴い、国内の消費活動は堅調に推移するものと思われる。一方で、国際情勢の悪化、不安定な為替変動に加え、原材料価格の高騰、人件費などのコスト増加など引き続き厳しい経営環境は続くことが予想される。具体的に対処すべき課題として、飲食事業においては構築してきた業態ポートフォリオを踏まえた業態変更や店舗改装により売上高・収益力向上を図るとともに、厳選した食材を使用した各メニューの充実、デジタルマーケティングなどによる集客力強化を図っていく。また、卸売・ロジスティクス事業の拡大と収益力強化、その他各セグメント(不動産事業・フランチャイズ事業など)の安定的収益の確保、DXの推進などによる業務効率化、健康経営の推進などによる労働環境の改善や研修などによる人材育成などに取り組むことにより、事業全体の収益力と効率性の向上と、財務の健全化を目指し、企業価値の向上を図りたいと考えている。以上の結果、2025年8月期の通期連結業績予想については、売上高51,520百万円、営業利益1,424百万円、経常利益1,324百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,074百万円を見込んでいる。
⑪株価対策として安定的な株主還元(配当・株主優待)を継続。
⑫取締役と監査役候補者4名中、70歳以上の候補者は青柳英一さん(1954年生まれ、70歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑬社外取締役を除く取締役7名の報酬等の総額は15,200万円。単純平均で取締役1人当たり2,171万円。
株主総会での個人メモ
①社長の平了壽さんは出席されていたものの、喉の手術で声帯を切除されたとのことで、議長は副社長の野間信護さんが務められていた。平了壽さんのその他の体調は問題無いとの説明あり。
②質疑応答で、「「しゃぶしゃぶドレミ」を閉店した理由」について質問あり。「若年層向けに開業したお店であったが、1店舗のみなので開発費や販促費が重かった。野菜や豚肉の価格も数割上がった。もう少し店舗を増やせればよかった。」との回答。
③質疑応答で、「得た利益について、何に投資する予定なのか?」との質問あり。「利益は、償却前で約20億円が今の実力。そのうち半分の10億円を投資に充てたい。飲食事業の店舗への投資として約9億円。店舗の設備メンテナンスだけでも月2,000万円ほどかかっている。その他、配当に3億円、有利子負債の返済に7億円を充てる予定。今期と来期はこの方針。」との説明あり。
④質疑応答で、「従業員の平均年収が47.0歳で400万円となっており、低いように思う。利益を従業員にも還元したほうが良いのでは?」との意見あり。「コロナ禍後、平均給与の賃上げにも努めてきた。人材投資を進めたい。」との回答。
⑤質疑応答で、「メニュー価格について、店舗で職人が対応しているのに価格が安すぎる印象。値上げをしたほうが良い。営業利益が低すぎる。」との意見あり。「値上げについては、高価格路線と大衆路線に分け、大衆路線の価格は現状維持し、メリハリをつけて対応していく。卸売・ロジスティクス事業があるので利益率を押し下げているが、現状の営業利益率2%から、中期で5%を目指す。」との説明。
⑥質疑応答で、「「定食のまる大」の今後のビジョン」について質問あり。「売上と客数共に年々増えている。投資回収に見合う業態だと考えている。まだ小規模だが着実に磨いていきたい。食事業態は増やしていきたい。」との回答。
⑦質疑応答で、「コロナ、インフルエンザなどが流行しており、従業員のマスクの着用、消毒用のアルコールの置き場所を店舗入口へ改善して欲しい。」との意見あり。「コロナについては分類の変更があり、行政の指針に沿いマスクの着用有無は本人の意思としている。」との説明あり。
⑧質疑応答で、「卸売・ロジスティクス事業の外部売上の比率」について質問あり。「卸売・ロジスティクス事業全体の売上は316億円。その内、外部売上は242億円。差額が内部取引。」との回答。
⑨質疑応答で、「今年、夏場に米の供給不足があり、新米価格は1.5倍に高騰している。価格高騰に対する対応は?」との質問あり。「国産ブレンド米を一括購入し努力をしているが、米価格の高騰に対する具体的な対応は検討段階。」との説明。
⑩議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株価が底値圏で推移していた一方で、コロナ禍で外食産業が厳しい中、増資もせずに頑張っていて、また、株主優待も魅力的なので、平均1,047円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
社長の平了壽さんのお話や意見を伺えなかったのは残念でしたが、質疑応答では、副社長の野間信護さんを中心に丁寧に対応されていました。
また、株主総会開始前に流れていた「第5回大庄グループ全国調理甲子園大会」は良い取り組みに思え、興味を持って拝見しました。
2024年8月期は、4年ぶりに黒字回復となり安心しましたが、今期もインフレによる食材価格の高騰などの影響が気になります。インバウンド需要の取り込みなどにより業績の安定・向上を期待し、株主優待も楽しみに継続保有の予定とします。追加投資も検討します。
2024年5月22日に到着した大庄の株主優待の内容についてはこちら↓
大庄の株主優待が到着しました【2024年5月22日】 | ぽこタンの株主総会日記