フォーサイド 臨時株主総会
日時:2024年12月24日(火) 13:00-13:20
場所:江東区文化センター・ホール(東陽町駅徒歩5分)
出席株主数:約20名
お土産:無し
企業概要
フォーサイド(2330)
HP:株式会社フォーサイド
①クレーンゲーム機などのプライズゲーム用景品の企画・製作・販売をおこなう「プライズ事業」(売上構成比55%)、家賃保証業務および物件管理業などをおこなう「不動産関連事業」(売上構成比35%)、電子書籍配信サイト「モビぶっく」の運営をおこなう「コンテンツ事業」(売上構成比2%)、各地の大型商業施設の催事場にて著名なコンテンツの展示販売などをおこなう「イベント事業」(売上構成比4%)、出版事業をおこなう「マスターライツ事業」(売上構成比4%)を運営。
②筆頭株主は、社長の大島正人さんで、513万株、13.6%を保有。
③株主優待
12月末
100株:電子書籍販売「モビぶっく」500ポイント
500株:電子書籍販売「モビぶっく」1,000ポイント
1,000株:電子書籍販売「モビぶっく」2,000ポイント
2,000株:電子書籍販売「モビぶっく」3,000ポイント
3,000株:電子書籍販売「モビぶっく」4,000ポイント
4,000株:電子書籍販売「モビぶっく」5,000ポイント
5,000株:電子書籍販売「モビぶっく」10,000ポイント
④従業員数は、4名(連結90名)のみと少人数体制。
株式情報
時価総額:76億円(2024年12月23日時点)
売上高:48.1億円(2023年12月期実績)⇒50.7億円(2024年12月期予想)
株価:175円(2024年12月23日時点)
1株純資産:52.4円(2023年9月末時点)、PBR:3.33倍
1株当期純利益:1.11円(2024年12月期予想)、PER:157倍
1株配当:未定(2024年12月期予想)、配当性向:未定
配当利回り:未定、株主優待利回り:2.8%(100株保有時)
株主数:24,325名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2024年12月期第3四半期は、当社グループの事業領域であるプライズ事業を含むアミューズメント市場においては、外国人観光客の増加や技術の進化などに伴い、アミューズメント施設の集客も好転しているが、引き続き人件費の高騰や電気料金の度重なる値上げによるコストの増加など、厳しい事業環境が続いている。住宅市場においては、2024年9月の新設住宅着工戸数が前年比0.6%の減少となり、前年比で5ヶ月連続の減少となった。また、新設住宅着工床面積においても、前年比で2.3%の減少となり、前年比で5ヶ月連続の減少となっており、引き続き注視が必要。このような経済状況の中、主力事業であるプライズ事業・不動産関連事業を中心に事業収益の拡大を図ってきた。また、当第3四半期連結累計期間において、AI関連ならびに物流関連における新たな事業を開始するなど、新たな市場に対して挑戦し、当社グループの収益性・付加価値の向上に努めてきた。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は3,659,955千円(前年比2.5%増)、営業利益は5,944千円(前年比89.5%減)、経常利益は7,650千円(前年比84.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は25,663千円(前年は純利益48,798千円)となった。
②プライズ事業は、キャラクターグッズや雑貨系商材を中心に受注件数が堅調に推移した。また、円安進行にともなう外国人観光客の需要増加なども要因となり、売上高は前年を上回った。一方で、円安進行により輸送費や原材料費が高騰する中、より一層のコスト低減にも努めて、セグメント利益は増加した。以上の結果、売上高は2,110,190千円(前年比4.9%増)、セグメント利益は175,516千円(前年比8.1%増)となった。
③不動産関連事業は、顧客(不動産会社・賃貸人・賃借人)に寄り添った丁寧な対応に努めてきた。営業面においては、家賃債務保証事業における保証料収入に係る新規獲得は、営業強化・拡大によって前年を大きく上回る結果となった。しかし、同事業の売上収益の計上においては、初回保証料・更新(年間)保証料は保証期間にわたって期間按分計上としており、新規獲得に伴う代理店委託手数料は、支出確定時に全額を費用処理としていることから、新規獲得件数が増加したことに伴い大幅な費用発生となったことに加えて、費用面においては、滞納者増加などに伴う求償債権回収に係る原価および貸倒引当金繰入額が増加している。以上の結果、売上高は1,226,500千円(前年比2.4%増)、セグメント損失は19,669千円(前年はセグメント利益55,650千円)となった。
④コンテンツ事業は、電子書籍配信サイト「モビぶっく」において費用対効果の高いプロモーション施策を継続することで、新規顧客の獲得に努めてきた。また、既存ユーザーに対しては、取扱い作品数の拡充やサイトのユーザビリティの向上を図ることで、顧客継続率を高めるための施策を行い、売上高は前年を上回ったものの、一方で、引き続き広告宣伝費などの抑制に努めてきたが、セグメント損失は増加した。以上の結果、売上高は60,615千円(前年比4.2%増)、セグメント損失は13,026千円(前年はセグメント損失11,350千円)となった。
⑤イベント事業は、前年同期において開催された「PSYCHOVISION hide MUSEUM Since 2000」などの大型イベント開催がなかったことが大きく影響し、売上高は前年を大きく下回り、セグメント損失は増加した。以上の結果、売上高は74,042千円(前年比53.6%減)、セグメント損失は26,996千円(前年はセグメント損失3,705千円)となった。
⑥マスターライツ事業は、女子小中学生向け雑誌「Cuugal」のイメージモデルを務めるかんちゃん、および望蘭ちゃんに加え、大人気クリエイターのしなこさんを起用することにより、更なるブランド認知度向上を図ってきた。また、「Popteen」においては、2024年8月に「Popteenばちかわフェス2024」を開催し、多くの読者に来場いただけた。さらに、前連結会計年度にWEBマガジンへとリニューアルを行い、引き続き制作コストの削減に努めてきたが、利益を確保するまでには至らなかった。以上の結果、売上高は136,643千円(前年比4.3%減)、セグメント損失は3,045千円(前年同期はセグメント損失10,151千円)となった。
⑦AI関連事業については、2024年2月16日に子会社であるAI Tech Solutionsを設立したことに伴い、第1四半期連結会計期間より開始しており、当該子会社がAIを活用した事業効率化ツールの開発、AI開発支援向けGPUサーバーの販売代理を行っている。当第3四半期連結累計期間においては、顧客との間で事業効率化ツール開発の受注に係る契約締結があり、現在開発を進めている。当該開発に係る売上および原価は、本ツールの顧客への引渡しが完了した時点で認識する予定。一方で、GPUサーバーの販売代理による手数料収入を計上した。以上の結果、売上高は22,200千円、セグメント利益は16,002千円となった。
⑧物流関連事業については、2024年8月1日にエムを完全子会社化したことに伴い、当第3四半期連結会計期間より事業を開始しており、当該子会社が一般貨物自動車運送事業ならびに貨物利用運送事業を行っている。当第3四半期連結累期間においては、貨物利用運送事業の業績が好調に推移しており、また、一般貨物自動車運送事業についても、新たな顧客の獲得に伴い、売上が順調に推移している。 以上の結果、売上高は29,763千円、セグメント利益は16,204千円となった。
⑨2024年10月1日開催の取締役会において、賃貸物件における賃貸家賃保証業務などの事業を営む連結子会社(特定子会社)である日本賃貸住宅保証機構の株式の全部を、元取締役で、日本賃貸住宅保証機構の代表取締役である吉田生喜さんが代表社員を務める、みらい再生支援機構合同会社へ譲渡することを決議。また、同日付で株式譲渡契約を締結し、保有する日本賃貸住宅保証機構の全ての株式(2,627株)を196,400千円で売却。株式譲渡に伴って認識する売却益約66,980千円を、当連結会計年度の連結損益計算書上、関係会社株式売却益として計上する見込み。本件譲渡に伴い、日本賃貸住宅保証機構は当社の連結対象から除外される。
⑩2024年7月22日に、EVO FUNDを割当先として第11回新株予約権(行使価額修正条項付)を60,000個(6,000,000株)発行。下限行使価格は114.5円。当社グループの新たな収益の柱となる運送事業およびデータセンター事業の設備投資資金ならびに運営資金、運送業務DX化システム開発費用、さらに今後のM&A資金を確保することが目的。
2024年10月11日をもって当該新株予約権の権利行使が全て完了。
⑪2024年12月16日に、自己株式971,800株を199,987,600円(1株205円)で取得。
第11回新株予約権(行使価額修正条項付)により、2024年10月11日にかけて資金調達を行ったが、第11回新株予約権(行使価額修正条項付)による平均行使価額よりも、直後に実施した今回の自己株式取得の価額(205円)の方が高いように見え、今回の自己株式取得の実施には違和感。
⑫監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は4,400万円。2023年3月に就任した2名をそれぞれ9ヶ月分と仮定して計算すると、単純平均で取締役1人当たり1,760万円。取締役6名中、無報酬の取締役3名は含まず。また、使用人兼務役員の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。
株主総会での個人メモ
①株主会場は、前方の5列が封鎖されていた。株主と距離を取り、対話を避けているようにも見え、株主との対話の姿勢として違和感。
②質疑応答で、「2024年7月18日に公表した「生成AIを活用した退院サマリーシステム」について、どういう内容なのか?状況は?」との質問あり。「連結子会社のAI Tech Solutionsが開発を進めている。開発完了していないので、詳細については公表できない。開発が完了したらIRを公表する。」との回答。
③質疑応答で、「資本金額を減少する目的は?」との質問あり。「税制メリットを享受するため。資本金が1億円を超えない限り、増資がやりやすくなり、自社株買いもやりやすくなる。」との説明。
④質疑応答で、「財務が厳しく、第11回新株予約権(行使価額修正条項付)により、M&Aを目的として資金調達を行なった。一方で、12月に自社株買いを実施している。第11回新株予約権(行使価額修正条項付)により調達した資金が残っていたのか?」との質問あり。「第11回新株予約権(行使価額修正条項付)により調達した資金は、M&Aに使用する。12月に実施した自社株買いは自己資金で対応した。」との回答。
⑤議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
質疑応答では、全ての質問に対して担当の取締役が回答されていましたが、大株主でもある社長の大島正人さんのご意見を伺えなかったのはとても残念でした。
また、質疑応答で質問があった通り、第11回新株予約権(行使価額修正条項付)により、2024年10月11日にかけて資金調達を行いましたが、第11回新株予約権(行使価額修正条項付)による平均行使価額よりも、直後に実施した今回の自己株式取得の価額(205円)の方が高いように見え、今回の自己株式取得の実施には違和感を感じました。
従業員数4名(連結90名)に対し、事業分野が多岐に渡りすぎている印象もあります。事業の選択と集中を進めたほうが良いかもしれません。
株主総会では違和感を多々感じましたが、過度な期待はしませんが、未知数の新事業のAI関連事業について、興味を持って今後の動向を注視します。
2023年11月24日に出席したフォーサイドの株主総会の内容についてはこちら↓
フォーサイドの株主総会に出席しました【2023年11月24日】 | ぽこタンの株主総会日記
