福井銀行の株主総会に出席しました【2024年6月22日】

株主総会
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福井銀行 第204期定時株主総会

日時:2024年6月22日(土) 10:00-12:15

場所:福井銀行本店(福井城址大名町駅徒歩1分)

出席株主数:約120名

お土産:無し

 

企業情報

福井銀行(8362)

HP:福井銀行 (fukuibank.co.jp)

①福井県を主に、当行の本店、支店、出張所の98か店において、預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務、国債・投資信託・個人年金保険などの販売業務などをおこない、地域の金融パートナーとしてさまざまな商品・金融サービスの提供をおこなう総合金融サービス業を運営。

クスリのアオキが、第8位の株主として、46万株、1.9%を保有。
投資活動などをおこなうDSG1が、第9位の株主として、37万株、1.5%を保有。
計測センサーや電子制御機器の販売などを手掛ける轟産業が、第10位の株主として、34万株、1.4%を保有。

株主優待(3月末)
300株:優待品3,000円相当
1,000株:優待品5,000円相当

 

株式情報

時価総額:511億円(2024年6月21日時点)

経常利益:56.1億円(2024年3月期実績)⇒59.0億円(2025年3月期予想)

株価:2,117円(2024年6月21日時点)

1株純資産:5,859円(2024年3月末時点)、PBR:0.36倍

1株当期純利益:172円(2025年3月期予想)、PER:12.3倍

1株配当:50円(2025年3月期予想)、配当性向:29%

配当利回り:2.3%、株主優待含む利回り:2.8%(300株保有時)

株主数:10,652名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会は、福井銀行本店での開催。土曜日開催は良い対応だと思う。

②議長は、会長の林正博さんが務めていた。

福井県内経済においては、令和6年能登半島地震による影響が一時的にみられたものの、北陸新幹線の県内開業効果などもあり、持ち直している。個人消費は緩やかに回復しつつあり、特に観光地の来訪客数や温泉地の宿泊客数は前年を上回っている。企業の生産活動も緩やかに持ち直しつつある。今後は、海外景気の下振れや、物価上昇、金融資本市場の変動などの影響に注意する必要があるが、各種政策や北陸新幹線の県内開業による県内経済全体の活性化が期待される。

④以上のような状況のなかで、当連結会計年度の連結ベースでの業績は、損益状況については、経常収益は、グループ全体でお客さまの本業支援や資金繰り支援に継続して注力したことによる貸出金利息および役務収益の増加により、前年比5億26百万円増加して、554億23百万円となった。また、経常費用は、質の高いコンサルティングサービスの提供に向けた先行投資の実施のため物件費が増加したものの、国債等債券売却損が減少したことなどから、前年度比43億円減少して498億8百万円となった。この結果、経常利益は、前年比48億27百万円増加して、56億15百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年比19億14百万円増加して、37億17百万円となった。

⑤2025年3月期については、お客さまの真の経営課題に対してグループ機能を最大限活用し、スピーディーな支援を行うことで、貸出金利息および役務取引等利益の増加を計画している。合わせて、福井銀行と福邦銀行の統合に向けて、両行のシステムや業務を共通化するために、システム投資を中心とした物件費の増加を計画している。2025年3月期通期の業績については、経常利益59億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円を予想している。

⑥Fプロジェクト Vision 2032として、2030年3月期に、連結当期純利益80億円。2032年3月期に、連結当期純利益100億円がチャレンジゴール。

PBR改善、資本コストを意識した取組みを現在の中期経営計画に盛り込む。「長期ビジョン、中期経営計画を通したROE向上」として、2032年3月期にPBR0.5倍弱との図の掲載あり(2023年度中間期決算発表のP34)。
PBR1倍にほど遠い計画に大きな違和感。

⑧質疑応答では、第9位の大株主であるDSG1から事前質問が18問あり。

⑨質疑応答で、「地域価値循環モデルと企業価値向上の関係について、説明があいまい。具体的に説明して欲しい。」との質問あり。「地域価値向上が、人口増加・県民所得の増加につながり、企業価値向上となる。」との回答。

⑩質疑応答で、「PBR低迷の原因は?PBRの目標を示して欲しい。」との旨の質問あり。「ROEの低迷がPBRの低迷の原因と考えている。現状、PBR0.3倍程度。当期純利益の向上をはかりたい。目標は具体的には設けていない。」との説明。

⑪質疑応答で、「株主還元」について質問あり。「自己資本を減らす施策は検討しにくい。利益を積み上げて、安定配当を継続する。」との回答。

⑫質疑応答で、「福邦銀行との経営統合は、福邦銀行の救済に見えるが、経営統合のメリットは?」との質問あり。「シナジーがある。地元福井のため、両行の職員、株主のためにもなる。」との説明。

⑬質疑応答で、「福邦銀行との経営統合後の店舗戦略は?」との質問あり。「検討中。」との回答。

⑭質疑応答で、「東証からPBR1倍割れの企業に対して改善要請が出ている。PBR1倍は達成しなければならないと考えているのか?」との質問あり。「利益を上げる。ROEを高め、株価を高める。PBR1倍を目指す。」との説明。

⑮質疑応答で、「抽象的な回答が多く、具体的な回答が欲しい。開かれた株主総会にして欲しい。」との意見あり。

⑯取締役候補者9名中、70歳以上の候補者は南保勝さん(1953年生まれ、71歳)、田川博己さん(1948年生まれ、76歳)の2名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑰2023年3月期、取締役と執行役13名の報酬等の総額は26,500万円。2022年6月に退任した2名を3ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり2,304万円。

⑱議案の採決方法は挙手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の挙手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

業績が堅調で、PBRが1倍を大きく割れており、株主優待も魅力的なので、国内金利上昇の恩恵を期待して、平均1,801円で投資しました。

今回、実際に頭取や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、福井銀行本店での開催でしたので、良い機会となりました。株主が出席しやすい土曜日開催にも好感を持ちました。

質疑応答では、大株主のDSG1からの質問は頭取の長谷川英一さんが対応し、その他の株主からの質問は主に担当役員が対応されていました。DSG1を中心に多くの質問が出ていましたが、質問が出尽くすまで全ての質問に対応していた点は好印象でした。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、福井銀行は、1株当たり純資産5,859円に対し、株価が2,117円(2024年6月21日時点)、PBR0.36倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

株主が出席しやすい土曜日開催には好感を持ちましたが、質疑応答で、出席株主から「開かれた株主総会にして欲しい」との指摘があった通り、株主総会では閉鎖的な社風も感じました。一方で、今後の国内金利上昇による業績向上とPBR1倍割れの解消、地域経済への貢献を期待して、また、株主優待も楽しみにして、継続保有の予定とします。追加投資も検討します。

 

2024年6月3日に到着した福井銀行の株主優待の内容についてはこちら↓

福井銀行の株主優待が到着しました【2024年6月3日】 | ぽこタンの株主総会日記 (fp-agm.com)

 

株主総会会場の福井銀行本店
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