コーユーレンティア 第54回定時株主総会
日時:2024年3月28日(木) 10:00-10:40
場所:芝パークホテル(御成門駅徒歩3分)
出席株主数:約10人
お土産:無し、ペットボトルのお茶の配布あり
企業概要
コーユーレンティア(7081)
①建設現場事務所・イベント・一般法人向けFF&Eのレンタル・太陽光発電システムなどのレンタルおよびオフィス移転サービスや不動産仲介業務をおこなう「レンタル関連事業」(売上構成比54%)を中心に、マンションギャラリー用の家具レンタル・マンションギャラリーの設計・建築および内装工事・マンション入居者向け内装変更工事およびオプション販売・外国人向けマンションリノベーション工事をおこなう「スペースデザイン事業」(売上構成比14%)、主に官公庁向けにオフィス家具の販売をおこなう「物販事業」(売上構成比11%)、ICT機器のレンタル・販売および保守点検サービスやICT環境整備工事などをおこなう「ICT事業」(売上構成比21%)を運営。
ICT:Information and Communication Technology、情報通信技術
②筆頭株主は、社長の梅木孝治さんの資産管理会社のワイドフレンズで、梅木孝治さんの個人での保有分も含めると、393万株、72.6%を保有。
③株主優待(12月末)
300株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部3,000ポイント
400株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部5,000ポイント
500株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部7,000ポイント
600株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部10,000ポイント
700株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部30,000ポイント
長期保有(1年以上)
300株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部3,300ポイントへグレードアップ
400株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部5,500ポイントへグレードアップ
500株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部7,700ポイントへグレードアップ
600株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部11,000ポイントへグレードアップ
700株:コーユーレンティア・プレミアム優待倶楽部33,000ポイントへグレードアップ
株式情報
時価総額:114億円(2024年3月27日時点)
売上高:309億円(2023年12月期実績)⇒310億円(2024年12月期予想)
株価:2,097円(2024年3月27日時点)
1株純資産:1,770円(2023年12月末時点)、PBR:1.18倍
1株当期純利益:301円(2024年12月期予想)、PER:6.96倍
1株配当:60円(2024年12月期予想)、配当性向:19%
配当利回り:2.8%、株主優待含む利回り:5.1%(1年以上700株保有時、1ポイント1円として計算)
株主数:2,506名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①当社グループを取り巻く事業環境は、主力のレンタル関連事業において、都心再開発案件および地方圏における大型設備投資案件が堅調な建設現場向け市場や、行動制限緩和によるイベント開催件数の回復を背景としたイベント向け市場が業績を牽引し、全体を通じて安定的に推移した。 売上高は30,960百万円(前期比18.2%増)、営業利益は2,443百万円(前期比0.5%増)、経常利益は2,478百万円(前期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,604百万円(前期比28.4%増)となった。売上高総利益率は前期比で3.4ポイント減少し40.5%となった。また、売上高販管費比率は、前期比で2.0ポイント減少し、32.6%となった。これは主に、レンタル関連事業における建設現場向け市場が業績を牽引したことによるもの。スペースデザイン事業、物販事業も各市場が概ね好調で増収増益となった。一方で、ICT事業は原価上昇の影響などにより増収減益となった。
②当連結会計年度より、「レンタル関連事業」に含まれていた「ICT事業」を独立した報告セグメントに区分している。これは、2023年度を最終年度とする中期経営計画の重点施策の1つである「成長領域の明確化」において、ICTサービスに経営資源を投入してきたことや、当連結会計年度より、ICTサービスを独立したセグメントとする経営管理体制を整備したことに伴うもの。
③レンタル関連事業においては、建設現場向け市場において、東京を中心とした大規模再開発案件や地方圏での大型設備投資案件が堅調に推移した。建設資材や人件費の高騰によりコスト上昇傾向は継続しているものの、豊富な出件数と案件の大型化により、年間を通じて業績が高水準で推移した。イベント向け市場においては、国家的イベントや国際スポーツ大会、大規模施設の開業式典など、大型案件が集中したほか、レギュラー案件となる音楽フェスの開催やPRイベントの復調により、コロナ前を上回る実績を残すことができた。オフィス市場においては、コロナ対策関連の需要が収束する一方、新たなBPO案件に対する積極的な営業活動が受注成果に繋がったほか、各企業における株主総会や社内研修、展示会などの出件数が回復してきたことで、業績は計画通りに推移した。この結果、売上高は18,361百万円(前期比10.9%増)となった。また、セグメント利益は1,777百万円(前期比2.4%減)となった。
④スペースデザイン事業においては、首都圏分譲マンション市場における2023年の供給戸数が26,886戸と前年と比較して9.1%減少(不動産経済研究所調べ)したものの、マンションギャラリーの設計・施工業務において高単価のシアタールーム設置件数が伸長したことや、インテリアオプション販売を手掛けるライフデザイン業務における高付加価値商品の拡充が売上高・利益の拡大に繋がった。また、ファニチャーレンタル業務(マンションギャラリー内のFF&E提供サービス)についても、新カタログ商品の提案強化や顧客関係性の深化が業績に寄与したほか、新規事業であるオフィスリノベーションも堅調に推移した。この結果、売上高は4,983百万円(前期比14.9%増)となった。また、セグメント利益は179百万円(前期比27.3%増)となった。
⑤物販事業においては、郵政関連市場での事業機器の更改需要の取り込みに加え、官公庁市場における省庁再編および庁舎移転などを契機としたオフィス什器・備品の販売やサーキュラ―エコノミーサービス(不用品の廃棄を削減し、環境負荷を低減する移転サポート)が売上・利益拡大に寄与したほか、民間企業向けのオフィス移転サービスが受注に結びつき、増収増益となった。この結果、売上高は3,702百万円(前期比64.3%増)となった。また、セグメント利益は72百万円(前年は9百万円の損失)となった。
⑥ICT事業においては、2022年4月に連結子会社のコーユーイノテックスがジービーエス、ジービーエスシステムズ、および、カインドビジネスの全株式を取得し、ジービーエスグループの顧客基盤を活かして、ICT関連ワンストップサービス(ICT機器レンタル・ネットワーク工事・保守サービスなど)をグループ内外に向け拡大した。中でも、国家的イベントや国際スポーツ大会におけるICT機器の工事関連業務や、外部企業との戦略的アライアンスを通じたソリューションサービスが売上拡大に寄与した。一方、ICT人財の確保・育成やグループ外売上の拡大、新規市場である中小企業向けのICT機器販売強化が利益獲得を図る上での重点課題となっている。この結果、売上高は3,912百万円(前期比29.0%増)となった。また、セグメント利益は413百万円(前期比13.1%減)となった。
⑦主力であるレンタル関連市場に関しては、建設現場向け市場における大型再開発案件の本格稼働や、生産設備の国内回帰などによる設備投資案件が引き続き業績に寄与する見通しであるものの、人手不足の深刻化および資材高騰による採算悪化や工事の延期も懸念される。イベント向け市場においては、社会活動の正常化に伴い、レギュラー案件となる音楽フェスおよび企業のPRイベントなどの安定した開催に加え、2025年度以降に予定されている世界的イベントおよび国際スポーツ大会に向けた受注活動に注力することで、安定した業績確保に努めていく。オフィス市場においては、新たなBPO案件に対する積極的な営業活動を継続するとともに、一般法人に向けたオフィスリノベーションに係る課題解決提案や、都心再開発に伴う企業移転を契機とした新たなレンタル需要の創出に注力していく。あわせて、成長領域と位置付けるICT事業を中心に、新規事業の創出に取り組んでいく。また、当社グループでは、オフィス・工場などの移転業務の全てをワンストップで提供するオフィスソリューションサービスや、レンタルとして提供していた商品を独自のメンテナンス技術で再生し、リユース品として販売するサービスを展開している。これらの取り組みを通じ、新たな付加価値の創造を推進することで真の循環型社会の形成に貢献していく。このような環境の中、2024年12月期の通期連結業績の見通しについては、売上高31,000百万円、営業利益2,600百万円、経常利益2,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,650百万円を見込んでいる。
⑨2024年度の税制改正にある中堅企業の税制優遇措置にアプローチすることにより、当期純利益は若干上振れとなる見込み。
⑩自己資本比率は目標の50%を超えた。これ以上内部留保を貯めてということではなく、50%以上を保ちつつ、投資や株主還元にバランスよく取り組んでいく。
⑪作成中の新中期経営計画(Next Evolution 26)は、2026年12月期に、売上高329億円、営業利益30億円。
⑫質疑応答で、「レンタル関連事業とICT事業のイベント市場について、受注からイベント開催までのリードタイム」について質問あり。「クライアントから広告代理店に発注された後、座組がおこなわれ、受注となる。国家的イベントであれば約1年、音楽フェスなどであれば約2ヶ月程度。コロナ後はオンライン開催が増え、ICTのみの対応であれば、リードタイムはほぼかからなくなった。」との説明。
⑬質疑応答で、「物流関連の2024年問題に関して、物流費増の影響はすでに出ているのか?」との質問あり。取締役の長田朋久さんから、「トラックは自社保有していない。物流は、協力業者に委託して対応している。毎年、価格契約があるが、2024年分にいきなり高騰することはないと見ている。」との回答。
質疑応答では、議長の梅木孝治さんが株主に対し、起立しての発言を求めていた。一方で、取締役の長田朋久さんは着席したまま回答対応されており、経営から株主への事業報告の場としては違和感。会社として、株主に対して求めることは、取締役に対しても求めたほうが良いと思う。
⑭質疑応答で、「ICTのレンタル商品は、その他のレンタル商品に比べて陳腐化が早いイメージがあるがどうなのか?」との質問あり。「陳腐化が激しく、メンテナンスにお金と時間がかかる。自社保有とリースを使い分け、現収益を確保している。」との説明。
⑮質疑応答で、「株式の出来高が少ない。IR対応を積極的におこなった方が良いのでは?」との意見あり。「個人投資家向けIR出展も検討する。」との回答。
⑯社外取締役と子会社から報酬を支給されている取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は10,727万円。単純平均で取締役1人当たり3,575万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
株主総会を終えて感じたこと
業績が堅調である一方で、PERが10倍以下で推移し、株主優待も魅力的なので、平均1,570円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
質疑応答では、回答姿勢に気になる点があったものの、社長の梅木孝治さん、取締役の長田朋久さんから丁寧な回答対応がありました。
質疑応答でも意見が出ていましたが、IR対応の強化により、個人投資家から注目されるような会社となり、PER10倍程度への株価水準の見直しがあることを期待しています。
業績が堅調で、株主優待を含めた利回りも高いので、株主優待も楽しみに、継続保有の予定とします。
2024年2月2日に到着したコーユーレンティアの株主優待の内容についてはこちら↓