川崎地質の株主総会に出席しました【2024年2月27日】

株主総会
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川崎地質 第73期定時株主総会

日時:2024年2月27日(火) 10:00-11:00

場所:三田NNビル(三田駅直結)

出席株主数:約20人

お土産:無し

 

企業概要

川崎地質(4673)

HP:川崎地質株式会社 (kge.co.jp)

①建設工事に関連する地質調査、土質調査を中心に環境・防災・海洋調査業務などをおこない、これらに関連する測量、建設計画、設計などの業務および工事をおこなう。また、微化石分析と文化財調査、大谷石採石場跡地の地下水を利用し環境保全を図りつつ熱供給も手掛ける。

前社長の内藤正さんが、第8位の株主として、2万株、2.5%を保有。

主要な顧客は国土交通省で、売上高比20%を占める。

 

株式情報

時価総額:27億円(2024年2月26日時点)

売上高:92億円(2023年11月期実績)⇒93億円(2024年11月期予想)

株価2,566円(2024年2月26日時点)

1株純資産:4,837円(2023年11月末時点)、PBR:0.53倍

1株当期純利益:309円(2024年11月期予想)、PER:8.30倍

1株配当:50円(2024年11月期予想)、配当性向:16%

配当利回り:1.9%

株主数:946名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会では、社長の栃本泰浩さんが議長を務める旨の宣言をした際、監査報告の終了時、事業報告の途中など、不自然なタイミングで出席株主より一斉に拍手があり、違和感を感じた。

②事業報告は、映像やスライドなどは使用せず、社長の栃本泰浩さんが手元の資料を読み上げるのみの対応。

③建設コンサルタントおよび地質調査業界においては、国土強靭化のための5カ年加速化対策後もこれらを継続的・安定的に推進する「改正国土強靭化基本法」が2023年6月14日に成立した。また再生可能エネルギーを担う洋上風力発電事業および防衛施設増強のための整備事業なども精力的に行われており、国内公共事業を取り巻く環境はおおむね順調に推移するものと予想される。

④当社グループは予防保全や地質リスク検討に係る保有技術力を活かし、国土強靭化推進業務をはじめとする自然災害・防災関連等の業務、道路・下水道維持管理をはじめとするインフラメンテナンス業務、洋上風力発電等の再生可能エネルギー事業、海洋資源開発、防衛力整備事業などに、全社員協力一致のもと取り組んだ。その結果、受注高は、上期低調に推移したが、下期は好調に推移し96億15百万円となった。 売上高は92億27百万円、営業利益1億15百万円、経常利益1億90百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億57百万円となった。

⑤今後の当社を取り巻く経営環境は、2025年度まで続く国土強靱化5か年加速化対策に関連する河川整備・道路整備や老朽化インフラの維持管理に係る業務、防衛施設の強靭化に係る業務、再生可能エネルギー、海洋資源開発の需要が期待されるが、引き続き厳しい受注競争が予測される。こうした状況のもと、当社は長年現場で培ってきた現場を診る力を活用し、当社の強みである地質・地盤調査と深く関わる分野での解析・検討・設計を伴う業務を増やす方針とし、調査会社の強みを活かした業務展開を図っていく。 同時に地質調査技術の維持・伝承を促進し、全社協力連携体制の増強、多様な働き方の導入・促進、効率化の更なる推進などの施策を展開して、収益性を重視した経営基盤強化に努めていく。 次期(第74期)の業績見通しは、売上高93億円、営業利益3億90百万円、経常利益4億60百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億70百万円を予想している。

⑥第71期以降、得意分野に係る解析・設計などの全体に占める割合は売上高で18~20%、粗利益で22~24%を維持している。コンサル業務の原価率は業務全体に比べて平均的に5~7%低く、同じ売上でも利益貢献度は高くなる。引き続き、コンサル業務の対応力強化に取り組む。

⑦質疑応答で、「業績予想の修正要因となった「大口案件でのトラブルによる調査の中断」の内容」について質問あり。「海上ボーリング調査時に、ボーリング機材が上がらないトラブルが発生した。海上調査はリスクが大きいが利益も多く、チャレンジしていきたい。」との回答。

⑧質疑応答で、個人大株主を含む複数の株主から、「現状、PBRが0.5倍程度。東証から改善要請のあるPBR1倍への対応についてどう考えているのか?」「株価を上げようという意識を感じない。」「PBR対策をしっかりとして欲しい」「株主資本コストについての取締役会での検討内容は?」など、東証から改善要請のあるPBR1倍割れ問題について、質問や意見あり。「業界の認知度が低い。認知度向上のため、HPでの発信やPR活動をおこなっている。個人投資家説明会も実施した。取締役会ではWACC(Weighted Average Cost of Capital、加重平均資本コスト)について協議している。」との説明。

⑨質疑応答で、個人大株主から、「株式の流動性が低い。配当が低く魅力が無い。上場している意味は?」「株主から見ても社員から見ても夢のある、夢を共有する会社になってもらいたい。経営計画を見直して欲しい。」との意見あり。

⑩取締役と監査等委員である取締役候補者(補欠を含む)9名中、70歳以上の候補者は小代順治さん(1949年生まれ、74歳)、蓮沼辰夫さん(1952年生まれ、71歳)の2名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑪監査等委員である取締役を除く取締役8名の報酬等の総額は3,597万円。2023年2月に2名退任し、2名新任があったことを考慮すると、単純平均で取締役1人当たり599万円。

⑫議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

地質調査の専業大手で、国土強靭化の恩恵を受けること、さらに、株価の割安感を感じ、PBR1倍への株価上昇も期待して、平均2,408円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

株主総会では、総会屋対策?なのか、不自然なタイミングで出席株主より一斉に拍手があり、違和感を感じました。

質疑応答では、対応する社長の栃本泰浩さんの様子から、真面目な人柄が垣間見えました。また、株主総会終了時の「健全経営に努めていく」とのコメントも印象に残りました。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、川崎地質は、1株当たり純資産3,652円に対し、株価が4,837円(2024年2月26日時点)、PBR0.53倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

個人大株主からも厳しい意見がありましたが、業績が堅実である一方で、株価がPBR0.53倍と低迷しており、配当性向も16%と低いので、増配の可能性はあるかもしれません。

国土強靭化の恩恵を受けての成長と、PBR1倍の達成も期待しています。継続保有の予定とします。

 

株主総会会場の三田NNビル
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