東京一番フーズ 第25回定時株主総会
日時:2023年12月26日(火) 10:00-10:45
場所:小田急ホテルセンチュリーサザンタワー(新宿駅徒歩1分)
出席株主数:約20人
お土産:無し
企業概要
東京一番フーズ(3067)
HP:株式会社 東京一番フーズ|コーポレートサイト (tokyo-ichiban-foods.co.jp)
①「泳ぎとらふぐ料理専門店とらふぐ亭」「おいしい寿司と活魚料理魚の飯」「うまい寿司と魚料理魚王KUNI」などのブランドを直営およびフランチャイズにて展開する「飲食事業」(売上構成比91%)を中心に、自社養殖魚などの活魚・鮮魚を法人・個人向けに販売をおこなう「外販事業」(売上構成比9%)を運営。
②筆頭株主は、社長の坂本大地さんの資産管理会社のなにわで、坂本大地さんの個人の保有分を含め、410万株、45.7%を保有。
取締役の良川忠必さんが、第4位の株主として、9万株、1.0%を保有。
アサヒグループホールディングス(2502)の子会社のアサヒビールが、第6位の株主として、7万株、0.8%を保有。
③社長の坂本大地さんが過半数近くの議決権を保有しており、坂本大地さんの意思一つで物事を決められるオーナー企業。
④株主優待(3月末、9月末)
500株:株主様ご優待券1枚
1,500株:株主様ご優待券2枚
2,500株:株主様ご優待券3枚
3,500株:株主様ご優待券4枚
4,500株:株主様ご優待券5枚
※株主様ご優待券は、下記商品から1点選択
1枚:泳ぎとらふぐコース一人前、炭火焼ふぐ特別プラン(玄海)一人前(期間限定)、魚沼産コシヒカリ2kg
2枚:全国お取り寄せ「くつろぎ」セット(3〜4人前)
株式情報
時価総額:45億円(2023年12月25日時点)
売上高:72億円(2023年9月期実績)⇒77億円(2024年9月期予想)
株価:503円(2023年12月25日時点)
1株純資産:170円(2023年9月末時点)、PBR:2.95倍
1株当期純利益:18.3円(2024年9月期予想)、PER:27.4倍
1株配当:無配(2024年9月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配、株主優待利回り:5.6%(500株保有時、優待品を7,128円として計算)
株主数:4,664名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①株主総会の出席票は、議決権行使書の半券に、手書きで番号を記入して代用していた。
②株主総会開始前まで、自社PR映像を流していた。株主総会では、事業報告はほぼ割愛されていたていたが、会社として強調したいポイントだけでも説明された方が良いと思う。
③飲食事業を起点に、卸売事業、加工事業、養殖事業を垂直に展開する6次産業化を推進している。その目指すところは、SCM(サプライチェーンマネジメント)力のある垂直統合型の総合水産企業の展開。目的は、グループ飲食店舗のお客様、外販先(飲食業者、小売業者、卸売業者など)とダイレクトに情報共有することで、すべての事業においてお客様視点からの生産・物流等の業務の改善、イノベーションの推進による新たな価値の創造にある。
④飲食事業においては、水産物SCMによるトレースが確認できる安心・安全な食材の調達と職人の技を駆使した満足度の高い料理・サービスの提供をモットーとしている。また、ポテンシャルの高い海外市場に向けた水産物の事業展開を図るため米国ニューヨークに出店しているシーフードレストランにおいては、水産物6次産業化体制を基盤とするサスティナビリティが評価されることで業績は順調に推移。当第4四半期においては、国内の消費行動が活発化する中、人々の外食機会がさらに増加している。また、我が国への海外からの旅行者の増加傾向も活発化してきているので、対応策を強化している。しかし、同時に、労働力不足が深刻化する中、当社グループの目指すサービス水準を維持することに努めている。以上の結果、売上高は72億57百万円(前年比19.7%増)、営業利益1億39百万円(前年は営業損失3億67百万円)、経常利益1億81百万円(前年比33.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億9百万円(前年比10.0%減)となった。
⑤飲食事業は、「泳ぎとらふぐ料理専門店とらふぐ亭」においては、当第4四半期の売上高も前年同期を上回った。これは、海外からの旅行客需要増を店舗で獲得できたことと、家庭内の需要を獲得するための「ふぐパ」をアピールするSNS配信に力を入れたことで当期デリバリー売上高を前年対比で約2倍にできたことによる。「寿し常」においては、5月31日に成増店を閉店、7月30日にアトレ亀戸店を閉店したにも拘わらず、当第3四半期と同第4四半期の売上高は前年同期を上回った。これは急増するインバウンド需要を取り込むためメニューの多言語化はもとよりSNS配信の英語表記の工夫が功を奏したことと、店舗タイプ別のマーチャンダイジングの再検討にて客単価が上昇したことによる。NYにおいては、賃金と諸物価高騰によりレストランが淘汰されている中においても、「WOKUNI」の当第4四半期の売上高は予算を達成し増収となった。自社平戸養殖場から直送の本まぐろを使った「Tuna Auction」イベントが評価され、「Toast」のThe Restaurant Industry Outlook Report 2023 Ed.にて「全米15のサスティナビリティのレストランの一つ」に選ばれた。サスティナビリティ志向の情報拡散が新規顧客の増加に繋がっている。WOKUNI 1号店(「WOKUNI Lexington」店)のこうした成果を踏まえ、NYに「WOKUNI Broadway」店を2024年秋に開店することで北米におけるSCM戦略の出口を強化していく。以上の結果、売上高66億20百万円(前年比23.9%増)、セグメント利益68百万円(前年はセグメント損失4億64百万円)となった。
⑥外販事業は、養殖部門においては、「平戸本まぐろ極海一番」の養殖生産は順調に推移しているが、新型コロナウイルス発生時期のまぐろ稚魚池入れ尾数が少なかったことが原因で、当第4四半期の本まぐろの売上高、利益額ともに前年同期を下回った。平戸養殖場では、SDGs14の「海の豊かさを守る」の当社ゴールを目指す活動を継続している。この活動の一環として前期に続き当第4四半期も「近大の人工種苗マグロ」を導入した。また、海水温の上昇、病気発生などの養殖環境変化を鑑み、サスティナブルなとらふぐ養殖への転換として大分県にて当6月にスタートした陸上養殖生産も順調に推移している。卸売部門においては、北米への輸出事業開始に向けて、当社と同じサスティナビリティ志向の生産者との取り組みを開始している。こうした水産物をNYの自社店舗「WOKUNI」にて「おすすめメニュー」として販売し高評価をいただいているので、さらに製品化・マーケティング活動を推進していく。以上の結果、売上高6億36百万円(前年比11.4%減)、セグメント利益59百万円(前年比31.1%減)となった。
⑦「適合計画書」を公表して以降、引き続き利益水準の向上に注力し、漸次、利益の拡大を通じて、プライム市場の上場維持基準の適合に向け取り組んできた。しかし流通株式時価総額の拡大や平均売買代金の増大には、利益水準の向上に注力する必要がある一方、株価動向による影響も避けられない。株価は、当社の業績だけでなくグローバルな社会経済情勢、市況環境、市場動向などさまざまな要素に影響を受けることから、もし経過措置期間終了時において、当社株式が所期の価額を下回り上場維持基準を充たさない場合には、当社株式は上場廃止となり、株主にとって大きなリスクであると認識している。当社では、社内における協議・検討を通じ、株主・投資家が安心して当社株式を保有し、また売買できる環境を確保することが当社の重要な責務であると考え、スタンダード市場を選択することとした。
⑧質疑応答で、「玉川高島屋でカフェ(TRIANGLE CAFE)を運営するFun&Co.を持分法適用会社としたが、シナジーは無さそう。投資した理由は?」との質問あり。「ケーキやパフェなどについて知見が無いので、学びを得たい。活気のある店舗で若手社員の育成にもなる。これから活かす。」との回答。
⑨質疑応答で、「平戸養殖場での養殖や販売状況」について質問あり。「海水温の上昇で魚が育ちにくくなりつつある。陸上養殖がうまくいけば原価を抑えられる。」との説明。
⑩質疑応答で、「売上が20%増えた一方で、従業員が10%減っている。従業員の状況は?」との質問あり。「現人員が適正人数。コロナ禍でも人員を削減せず対応してきたが、職人の転職があり人員減となっている。今後の業績拡大に向けて人員確保は必要。飲食業界の中では待遇が良いので、しっかりとPRして新卒社員などを確保していきたい。」との回答。
⑪質疑応答で、「忙しい12月のクリスマス前後に株主総会をおこなう理由は?」との質問あり。「決算期の関係で悩ましいが、忘年会と年末年始の繁忙期の狭間で、クリスマス前後が一番良い。」との説明。
売上のピークが冬季にある会社なので、例えば決算期を3月にし、株主総会の時期を夏季に変更しても良いと思う。また、その方が下期に向けて業績が上がることになり、会社としてのモチベーションにも好影響があるように感じる。
⑫質疑応答で、「株主優待は、寿し常でも利用できるようにして欲しい。」との意見あり。「もう少し検討したい。」との回答。
⑬質疑応答は、株主がスタンドマイクまで移動して質問するスタイル。社長の坂本大地さんや、担当取締役が起立して回答している中で、取締役の岩成和子さんのみ、着席したまま回答されていたのが気になった。
⑭取締役と監査役候補者8名中、70歳以上の候補者は岩成和子さん(1949年生まれ、74歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑮社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は6,181万円。2022年12月に社外取締役から社内取締役へ変更となった1名分を9ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり1,301万円。
株主総会を終えて感じたこと
捌きたてのふぐ身がピクピクと動く「とらふぐ亭」の泳ぎてっちりや、「寿し常」の美味しいお寿司が好きなので、株主優待も楽しみに、平均541円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
昨年までの株主総会とは様子が異なり、社長の坂本大地さんが、自分の言葉で丁寧に回答されており、特に、「この冬からが東京一番フーズのコロナ明け」との言葉が印象的でした。
養殖への海水温上昇の影響が気になりますが、コロナ明けの需要の戻りに加えて、円安によるインバウンド需要を上手くとらえた業績向上を期待しています。株主優待も楽しみに、継続保有の予定とします。
2023年12月11日に到着した東京一番フーズの隠れ株主優待の内容についてはこちら↓
東京一番フーズの隠れ株主優待が到着しました【2023年12月11日】 | ぽこタンの株主総会日記 (fp-agm.com)