エイチワンの株主総会に出席しました【2023年8月2日】

株主総会
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エイチワン 第17期定時株主総会(継続会)

日時:2023年8月2日(水) 14:30-15:00

場所:パレスホテル大宮(大宮駅徒歩5分)

出席株主数:約20人

お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり

 

企業概要

エイチワン(5989)

HP:株式会社エイチワン (h1-co.jp)

①「日本」(売上構成比57%)、「北米」(売上構成比28%)、「中国」(売上構成比10%)、「アジア・大洋州」(売上構成比4%)のセグメントで、フロントバルクヘッドやフロントサイドフレームやリアフレームなどの自動車フレームの製造・販売を運営。

筆頭株主は、本田技研工業(7267)で、605万株、21.3%を保有。

主要顧客は、本田技研工業で売上高比87%。

株主優待(3月末)
300株:クオカード1,000円分

長期保有(3年以上)
300株:クオカード2,000円分

長期保有(5年以上)
300株:クオカード3,000円分

 

株主総会での個人メモ

①北米連結子会社において、期末日直前にて、決算・会計業務に携わるマネージャーおよび担当職員の退職、交代要員との引継ぎによる実務の遅れが発生。この影響により決算関連手続きに遅れが発生したため、2023年6月28日開催の第17期定時株主総会にて、事業報告、連結計算書類、会計監査人の監査報告、監査役会の監査報告を提供できず、継続会の開催となった。継続会の冒頭に、社長の金田敦さんからお詫びがあった。

②取締役や監査役選任の議案については、6月28日に開催した株主総会中に決議されたが、継続会での対応とした事業報告の内容を株主に確認してもらったうえで、継続会にて採決をした方が妥当だったと思う。

③第7次中期経営計画は、2026年3月期に、売上収益額3,000億円、税引前利益額150億円。

EVの占める割合は、現在の約10%から2030年には約半数を占めると想定。

⑤生産台数に関連する環境認識は、需要面としては、「供給不足が続いていたため需要は続く見通し」との認識。供給面としては、「半導体供給不足は解消基調」との認識。よって、在庫水準回復まで生産台数の回復は続く見通し。

今期は、前期と前々期に計上した減損損失の反動や生産台数の増加により損益改善が見込まれ、2期ぶりの最終黒字を予定。

⑦2026年3月期に、本田技研工業向け売上高を現在の87%から80%へ引き下げる計画。

⑧2026年3月期に、EV向け売上比率を現在の4%から10%へ引き上げる計画。

⑨質疑応答で、「東証から改善要請のあるPBR1倍へのロードマップは?」との質問あり。「第7次中期経営計画の実行によって、PBR1倍へ近づけたい。」との回答。

⑩質疑応答で、「その他の費用として90億円の損失を計上しているが内容は?」との質問あり。「北米連結子会社における減損損失で、生産減の影響や労務費の高騰により原価が上がっているため計上した。」との説明。
エイチワンはIFRSを適用しているので、金融関連以外の特別損失は、営業利益段階で計上されている。有価証券報告書に、以下の記載あり。

「連結財政状態計算書に計上されている有形固定資産82,851百万円(前連結会計年度末89,866百万円)及び無形資産1,099百万円(前連結会計年度末1,133百万円)のうち、北米セグメントにおける有形固定資産及び無形資産14,369百万円(前連結会計年度末22,229百万円)の一部について、収益性の低下などの減損の兆候が認められたため、当連結会計年度における連結損益計算書の「その他の費用」に8,481百万円(前連結会計年度4,068百万円)を減損損失として計上。アメリカ・アラバマ州においては回収可能価額を処分コスト控除後の公正価値により測定し、公正価値はマーケットアプローチ等複数の評価技法に基づき算定しており、ヒエラルキーレベル3に区分。また、アメリカ・オハイオ州及びカナダ・オンタリオ州においては回収可能価額を使用価値により測定し、使用価値は、主力得意先の5年間の将来生産計画及び利益率の見積りを基礎とした将来キャッシュ・フロー及び5年間を超える期間について将来の不確実性を考慮した成長率に基づき算定した将来キャッシュ・フローと、一定の割引率に基づき算定。使用価値の見積りにおける主要な仮定は、車種ごとの自動車部品の販売見込数量及び販売単価、利益率、5年間を超える期間における成長率、耐用年数終了時の資産処分に伴う正味キャッシュ・フローの基礎となる有形固定資産の鑑定評価額、並びに割引率。」

 

⑪社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は9,600万円。2022年6月に退任した1名分を3ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり2,953万円と推測。

⑫議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したり、事前の議決権行使の具体的な数字を示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

自動車向け半導体不足による業績悪化で株価が安値圏で推移していましたが、自動車生産台数の回復を期待して平均641円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

決算関連手続きに遅れが発生したため、2023年6月28日開催の第17期定時株主総会にて、事業報告、連結計算書類、会計監査人の監査報告、監査役会の監査報告を提供できず、継続会の開催となりました。北米連結子会社において、期末日直前にて、決算・会計業務に携わるマネージャーおよび担当職員の退職があったとのことで、推測ですが、重要な時期に複数名の同時退職が発生していることを考えると、組織として何かしらの問題を抱えていたように見えます。制度に基づき2年連続の多額の減損の計上を進めなければならない経理担当と、減損を避けたい上位職との認識のズレや調整ストレスが、同時退職の原因だったのかもとも思いました。

在庫水準回復まで生産台数の回復は続く見通しとの説明もあり、今期の黒字回復の確度は高そうに感じました。質疑応答でも指摘がありましたが、エイチワンは、1株当たり純資産2,469円に対し、株価が837円(2023年8月1日時点)、PBR0.34倍と低迷しているので、PBR1倍達成も期待して、継続保有の予定とします。

 

株主総会会場のパレスホテル大宮
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