オリジナル設計の株主総会に出席しました【2023年7月7日】

株主総会
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オリジナル設計 臨時株主総会

日時:2023年7月7日(金) 10:00-11:25

場所:オリジナル設計本社(代々木八幡駅徒歩3分)

出席株主数:約20名

お土産:無し

 

企業概要

オリジナル設計(4642)

HP:OEC – オリジナル設計株式会社 (oec-solution.co.jp)

①上下水道に関する調査・計画・実施設計・施工管理などをおこなう「建設コンサルタント部門」(売上構成比92%)を主に、都市施設情報管理やソフト開発などをおこなう「情報処理部門」(売上構成比8%)を運営。

筆頭株主は、創業者の菅脩さんおよび菅伸彦さん並びに菅一族の資産管理会社の東京スペックスで、202万株、33.9%を保有。
光通信(9435)の子会社のUH Partners2が、第2位の株主で、光通信、光通信の子会社のエスアイエルとUH Partners3の保有分を含めると、123万株、20.7%を保有。

主な顧客は、日本下水道事業団向けで売上高比26%。

 

株主総会での個人メモ

①株主総会は、オリジナル設計本社での開催。

②株主総会では、前方の役員席に、解任議案の当事者である常勤監査役の小暮進さんの席もあり、出席もされていた。社長の菅伸彦さんから議案の説明があった後、小暮進さんから、監査役としての反対陳述があった。質疑応答の後にも、小暮進さんが意見を述べる場が用意されており、小暮進さんから、恐らく本株主総会で解任が決議されることであろうとのことで、遺言と称して、オリジナル設計の問題点を述べていた。

主な議案は、監査役の小暮進さんの解任。詳細は下記。

オリジナル設計が主張する解任理由(IR資料から抜粋)

・社内調査の結果、監査役としての品位を損なう、職務の範囲を超えた発言・強圧的な振る舞いが確認され、監査役としての職務を逸脱する行為であると認識。
・監査役会議事録に、監査役会開催時には存在しない書類を確認したとの虚偽の記載を行った。
監査役会における監査役報酬の協議(小暮進さんの報酬を、前任者の900万円から1,440万円へ増額する案)の場において、同意の前提となる条件(代表取締役への説明と理解を得る)を社外監査役2名から提示していたのにも拘らず、それを履行せず確定したことは、社外監査役及び他の役員との信頼関係を損ねるものであり、監査役としての適格性を欠いていると思われる。
・以上のことから、会社との信頼関係が崩れたことや、他の全役員との当社の経営に関する考え方の乖離が極めて大きいことから、株主の利益を損なわないためにも監査役の解任を上程。

 

常勤監査役の小暮進さんの反論(IR資料から抜粋)

会社法では、監査役報酬を監査役協議で決定することを定めている。代表取締役社長による報酬決定権を排除する仕組みになっている。
株主総会(3月28日)の数日前に、経営者側報酬意見とし、梶川専務取締役から前任の常勤監査役の報酬75万円/月(900万円/年)より低い課長クラス以下の65万円/月(780万円/年)を提示されたため、会社法に従い報酬を決めることを伝えた。今回の問題のきっかけはここにある。
・3月28日の監査役会で、監査役報酬金額を決定。岡田社外監査役、宮原社外監査役の2名からは、条件付き承認との意見は無かった。
・社長報告として、3月30日に、監査役報酬配分協議書を渡し、終日待つも連絡が無く、無事受領されたと理解したが、3月31日に、社長と梶川専務に呼ばれ、報酬説明内容を答えたが、考え方に相違があると感じた。
・解任理由(案)について、4月25日に口頭での説明があり、5月1日に文章で提示があったが、4月25日の説明は、パワハラ・優越的な態度・監査役会の議事録の件であったが、5月1日の説明では、監査役報酬の協議の同意の前提となる条件の不履行へと変わった。
・「監査役としての品位・信頼を損なう言動」については、問題があれば、常勤監査役としての打診・選任・同意は無い。5月10日に、内部統制評価で内部通報事例が無いことを確認済み。
・「事実と異なる監査役会議事録作成の件」については、3月28日と3月31日に、前監査役提供ファイル使用時の確認漏れで、5月9日に修正を行った。

 

上水道管路のの年間更新率は全国平均で0.67%と低い。水道管路は法定耐用年数が40年であるが、高度成長期に大量に整備された管路施設の更新が進まないため、管路の老朽化はますます上昇すると見込まれ、安全な水を安定的に給水するために経年管路の更新が重要な課題となっている。

⑤下水道分野については、下水道による汚水処理人口普及率が80.6%にとどまり、未だに約930万人が汚水処理施設を利用できない状況にあり、普及促進の加速が求められている。

⑥高度成長期に急速に整備した上下水道施設は毎年大量に耐用年数を迎え、安心・安全で文化的生活を送るために不可欠なこれらのインフラ資産を維持、更新していくことが求められている。

⑦当社の事業と関わりの深い下水道予算を含む「社会資本総合整備」の配分総額は、国費1兆3,813億円で、この内訳は防災・安全交付金8,009億円、社会資本総合整備交付金が5,803億円となっている。交付金の実施個所は自治体の裁量に委ねられているため、下水道事業に限った配分は明らかではない。他方、予算規模の大きい全国の政令指定都市と東京都区部の下水道事業費の合計額は約6,202億円、前年度比で1.4%増となっている。

⑧当社の事業と関わりの深い国土交通省の令和5年度の省全体の公共事業関係費予算の概要によると、地方公共団体の下水道事業などに充てられる「防災・安全交付金」8,313億円(前年度比1.02倍)、「社会資本総合整備交付金」5,492億円(前年度比0.94倍)の予算が執行される見込み。一方、下水道関係費は、下水道による浸水対策強化にかかる経費などにより、前年度比1.41倍の773億円の増額となっている。令和4年度は、地方公共団体の上下水道事業関連予算は概ね予算通りに執行されている。令和5年度についても、同様な傾向が続くものと期待している。

⑨社外取締役を除く取締役7名の報酬等の総額は8,577万円。2022年3月に2名退任し1名就任、1名分について3ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり1,372万円と推測。

⑩議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したり、事前の議決権行使の具体的な数字を示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

特に今回、オリジナル設計の本社内での開催でしたので、良い機会となりました。

株主総会は、あまり見かけない会社側提案での常勤監査役の解任が議案となっていましたが、多くの質疑応答があった中で、その様子を見ていると、社長の菅伸彦さんからはどの質問に対しても丁寧な回答があり、解任された常勤監査役の小暮進さんからは、遺言と称し、オリジナル設計の問題点(改善提案)の指摘もあり、共に、悪意は感じられませんでした

推測ですが、小暮進さんの年齢(1953年生まれ、69歳)や、常勤監査役に対する経営者側報酬意見(780万円/年)から考えると、会社としては、功労者の小暮進さんの花道として常勤監査役の役職を名誉職として用意したつもりであったが、その意図や、会社としての全体像(株主視点を含めたパワーバランス)や、期待される役割について、コミュニケーション不足があり伝わらず、今回の問題に発展してしまったように見受けられました。

小暮進さんが、「問題のきっかけは全てここにある」と強調して述べていた報酬の件については、会社法では、監査役の報酬は、独立性を保つために株主総会で総額を決めて、個別の報酬は監査役会で決めることとなっているので、小暮進さんの対応は問題が無いように見えます。一方で、筆頭株主は、菅家の資産管理会社の東京スペックスで、202万株、33.9%をも保有しており、役員人事案や株主総会での役員選任・解任には、大株主であり社長の菅伸彦さんの意見がほぼ反映される状況を考えると、菅伸彦さんへの配慮不足を感じました。

今回の株主総会では、会社側が上程する議案が全て可決されましたが、小暮進さんの指摘する問題点について、会社を良くするために取り入れられる点は取り入れて、コーポレートガバナンスとコンプライアンスの強化に繋げて欲しいです。上下水道という大事なインフラに関わる企業なので、安定した経営を期待しています。再投資も検討します。

 

株主総会会場のオリジナル設計本社が入るONEST元代々木スクエア
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