日本精機の株主総会に出席しました【2023年6月28日】

株主総会
スポンサーリンク

日本精機 第78回定時株主総会

日時:2023年6月28日(水) 10:00-10:45

場所:日本精機本社(北長岡駅徒歩10分)

出席株主数:約40人

お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり

 

企業概要

日本精機(7287)

HP:日本精機株式会社|NIPPON SEIKI (nippon-seiki.co.jp)

①ヘッドアップディスプレイ(HUD)や二輪車用計器などを製造販売をおこなう「車載部品事業」(売上構成比75%)を中心に、OA・情報機器操作パネルや空調・住設機器コントローラーを製造販売をおこなう「民生部品事業」(売上構成比7%)、樹脂材料の加工販売をおこなう「樹脂コンパウンド事業」(売上構成比4%)、液晶表示素子・モジュールの製造販売をおこなう「ディスプレイ事業」(売上構成比0%)、新車・中古車の販売や車検・整備などのサービスをおこなう「自動車販売事業」(売上構成比8%)、ソフトウエアの開発販売や受託計算などをおこなう「その他」(売上構成比6%)を運営。

筆頭株主は本田技研工業(7267)で、375万株、6.2%を保有。
電子部品や車載情報機器の製造販売をおこなうアルプスアルパイン(6770)が、第2位の株主として、300万株、4.9%を保有。

主要顧客は、本田技研工業向けで売上高比23%。

 

株主総会での個人メモ

①株主総会の会場は、日本精機本社体育館での開催。会社の雰囲気が分かり、好感が持てる。

②取締役の島宗隆一さんは、所要のため欠席。理由は不明だが、会場から拍手が起こってたのは不思議に感じた。

③事業報告は、スライドと手作り感のあるナレーションでの対応。良い対応だと思う。

得意先別売上構成は、本田技研工業23%、GM9%、BMW7%、STELLANTIS7%、マツダ(7261)5%、ヤマハ発動機(7272)5%、三菱電機(6503)3%、スズキ(7269)2%、日産自動車(7201)2%、他37%。

車載部品事業は、半導体需給バランス回復による売上増。ディスプレイ事業は、事業清算に伴う費用計上。

⑥2024年3月期業績予想の為替(US$)は、125円。

株主配当還元方針の見直しを年内を目途に行い、新中期計画の中で開示していく。

⑧電子部品の供給ひっ迫に端を発し、顧客要請に基づき部品在庫の積み増し、部品サプライヤーからも長期契約を要請される中で、ここ2年で棚卸資産が2021年3月期に比べて約400億円増加→棚卸資産の縮減を早急に進める。

⑨現預金と借入金を両建てで保有しているため、B/Sが肥大化しており、B/Sの適正化を進め、資本効率性を向上させる。

HUDサプライヤーとして光学系技術、及び、精密加工技術を強化するため、パイオニアの事業(レーザー技術)譲り受け、共栄エンジニアリングの買収実施。

コクピット統合化を見据えて、アルプスアルパイン社と資本提携。2025年末の量産に向け、統合コックピット製品を共同開発中。

中期経営計画は、2025年3月期に、売上高2,700億円、営業利益135億円。

HUDは、BMW、メルセデスベンツ、マツダなど、既存顧客向け新機種立上。ポーランド新工場にてHUD量産開始。HUDの普及と売上拡大を狙い、「後付けコンバイナーHUD」商品性評価用試作を製作中、その後量産可否判断を行う。

⑭新商材WSD(Windshield Display)は、ウインドシールド下部の黒色部に表示を反射させ、従来メータよりも良好な視認性が特徴。HUDとの組み合わせにより、情報認知の時間短縮 ⇒ 安全性の向上や疲労の軽減に貢献。

⑮自己株式取得についての株主提案があったが、株主総会では、提案株主から説明無し。

⑯質疑応答は、株主からの全質問に対し、社長の佐藤浩一さんは即答せず、事務局と相談してから、佐藤浩一さんや担当役員から回答するスタイル。会社法や金融商品取引法に関わるような微妙な内容以外は、即答した方が印象が良かったように思う。

⑰質疑応答で、「市場がガソリン・ディーゼル車からEVとなった場合、エンジン部品を生産している企業などは大きな影響があると思うが、日本精機には何か影響があるのか?」との質問あり。「EV化による影響は無い。むしろ、プラスの影響がある。ソフトウェアが重要になってくるため、プラットフォーム化を進めたい。」との回答。

⑱質疑応答で、「現状、PBR0.3倍を割っている。中期経営計画で、PBR1倍を達成すると明言しているホンダ系の自動車部品会社がある。日本精機はどのような対応を考えているのか?」との質問あり。「検討結果について、新中期計画の中で開示する。」との回答。

⑲取締役候補11名中、70歳以上の取締役は斉木悦男さん(1950年生まれ、72歳)、鈴木北吉さん(1952年生まれ、71歳)の2名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑳監査等委員である取締役を除く取締役8名の報酬等の総額は19,700万円。期中に2名が入替った為、単純平均で取締役1人当たり3,283万円。

㉑議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したり、事前の議決権行使の具体的な数字を示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株価が安値圏で推移しており、配当利回りも良かったため、HUDの将来性に期待して、平均985円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、日本精機の本社内での開催でしたので、良い機会となりました。

株主総会では、EV化による負の影響が無いとの説明が印象に残りました。また、PBR1倍割れの状況が続いていますが、ホンダ系列の自動車部品会社がPBR1倍達成に向けた取り組みを相次いで表明しているので、日本精機についても新中期計画で何かしらの目標を表明するかもしれません。

短期的には、半導体などの部品不足解消による業績回復が見込まれそうで、また、HUDの普及による長期的な業績向上にも期待して、継続保有の予定とします。

 

株主総会会場の日本精機本社
PAGE TOP