property technologies 臨時株主総会
日時:2023年5月30日(火) 11:00-11:15
場所:property technologies本社(西新宿五丁目駅徒歩3分)
出席株主数:約10人
お土産:無し、「KAITRY」のロゴ入りミネラルウォーターの配布あり
企業概要
property technologies(5527)
HP:【公式】株式会社property technologies | property technologies Inc. (pptc.co.jp)
①連結子会社のホームネットで中古区分マンションのリノベーション販売を仲介業者へおこなう「中古住宅再生」(売上構成比71%)と、連結子会社のファーストホームやサンコーホームで新築戸建住宅の請負建築をおこなう「戸建住宅」(売上構成比28%)でKAITRY事業を運営。
②筆頭株主は、社長の濱中雄大さんで、305万株、82.2%を保有。
③社長の濱中雄大さんが、過半数の議決権を保有しており、濱中雄大さんの意思一つで物事を決められるオーナー企業。
④2022年12月13日に東京証券取引所グロース市場に上場。
株主総会での個人メモ
①株主総会は、property technologiesの本社内にある会議室での開催。
②特に説明は無かったが、取締役もしくは監査役の2名がオンラインでの出席であった模様。
③質疑応答で、株主に対して起立しての発言を求めていたが、議長である社長の濱中雄大さんは着席したままの議事進行、回答対応をしていた取締役の松岡耕平さんも着席したままの回答対応をされており、経営から株主へ議案を諮る場としては違和感。会社として、株主に対して求めることは、取締役に対しても求めた方が良いと思う。
④KAITRY事業では、「リアル(実績データ・ノウハウ、ネットワーク)×テクノロジー(AI査定、仲介会社支援システム、ポータルサイト)」で多くの不動産情報を授受し、高い効率性で実取引に結び付ける。
KAITRY事業
1.「リアル(住まい)×テクノロジー」で顧客のライフサイクルやニーズにあった住まい・サービスを提供。
2.都市部の中古マンションに加え新築戸建住宅・中古戸建住宅も含み、各地域の住宅事情にあった住宅供給を事業領域と設定。
3.主力商品としてホームネットが中古区分所有マンションのリノベーション再販売を主要都市部で展開。新築戸建はファーストホーム、サンコーホームがそれぞれ山口県・秋田県で展開。
⑤リアル×テックで実現する「AI査定の活用と社内DXの推進」が営業提案のスピードと質を向上させ、業績を牽引。経験値に頼り過ぎない業務運営で幅広い人材を活用。仲介業者の査定依頼から価格提示まで約30分で対応。
⑥金利上昇が業績に与える影響について
【金融コストへの影響】
当社グループ有利子負債の借入条件は、業績拡大と財務内容の向上により、毎期良化している。現時点で市場に影響が出ている長期金利については、長期借入金の折り返し時には既存借入よりも好条件の提示を受けていることから、金融コストの上昇懸念は少ないものと考えている。また、ホームネットでは 2022年11月末時点で76行社の金融機関様との取引があるが、上場後には当社グループの信用度が上がったことにより、取引金融機関様から仕入資金に係る与信枠の増額や条件良化の話しを頂いており、本日現在条件悪化となった先はない。
【不動産市況や住宅ローンへの影響】
金利上昇は不動産を購入するお客様にとって利払い負担の増加により一定のマイナス影響があるものと捉えている。しかしながら、当社グループは扱う不動産の価格帯を絞っており、金利影響が限定的且つ影響の大きな高価格帯からの購入シフトも一部見込めるものと考えている。具体的には、当社グループが扱う中古マンションの平均販売単価(2022年11月期実績)は全国平均24百万円、東京都内平均29百万円、新築戸建は全社平均24百万円。中古マンションも新築戸建も30代後半から40代の一次取得者(実需)の方を主な対象とした商品展開をしており、35年の住宅ローンを組める方を想定している。現時点の住宅ローン金利は0.475%程度(変動金利)であるところ、金利上昇があったとしても、35年間の元利均等返済(賞与増額返済なし)では、賃貸住宅居住時の賃料と比較して、購買意思決定への影響は限定的であるものと考えている。
⑦資材、住宅設備の価格上昇と業績影響について
中古マンションのリノベーションは 2023年11月期で13年目を迎えており、お客様のニーズを十分踏まえたコストパフォーマンスの高い資材・住宅設備等の選択に力を注いでいる。また、環境負荷への配慮の観点から、2022年11月期より継続使用可能な部材について解体廃棄せずに再利用することを検討・導入し、2023年度はこの取り組みを進める方針。また、札幌から沖縄まで店舗展開しているが、資材等は極力纏めて発注して現場に提供する形を取っており、マンションと戸建も合わせた共同購買によりコスト低減に努めている。これらの取組みにより、2023年度は2022年度と比べてコスト上昇は軽微なものと見込んでいる。
⑧2023年1月に、国内最大手の住宅ローン専門金融機関「ARUHI」と業務提携契約を締結。
⑨2023年2月に、株式会社スマサポと業務提携で基本合意。スマサポが提供する不動産管理会社と入居者を繋ぐ入居者アプリ「totono」を利用する入居者に対して、AIなどのテクノロジーを活用し、当社グループが保有する不動産物件の中から最適な物件の情報提供を行うことや仲介手数料が抑えることができる一方で、不動産管理会社は退去時の新たな収益源の確保や退去後のリーシング活動の早期化が可能となるサービスを今春より開始することを目指す。将来的には、スマサポが保有する不動産管理会社向けソリューションサービスを導入する約900社・280万世帯(2022年12月末時点)と、当社が提供する日本最大級iBuyerプラットフォーム「KAITRY(カイトリー)」との連携を含めた幅広いサービス提供を検討していく。
⑩2023年3月に、「HOMENET Pro」 をモリモトが導入。
⑪質疑応答で、「定時株主総会から時間が経っていないが、今回、取締役も追加で選任する理由は?」との質問あり。「現取締役の仲山欽也さんが、今回の第1号議案で監査役に選任されると、取締役が1名減ってしまう。取締役の人数としては問題ないが、コーポレートガバナンスの維持向上をはかるため、追加選任をお願いしている。」との回答。
⑫質疑応答で、「第1四半期の決算が赤字。今期の業績予想に変更は無いとの説明だが心配。四半期ごとの業績の推移の傾向は例年通りなのか?」との質問あり。「年度によって異なるが、第2四半期と第4四半期、下期にかけて売上が集中する傾向がある。予算に対して3.5%未達も、第2四半期から第4四半期まで残っているので、現状、発表している業績予想の通り。」との回答。
⑬社外取締役を除く取締役6名の報酬等の総額は13,113万円。単純平均で取締役1人当たり2,185万円。
株主総会を終えて感じたこと
IPO直後で情報が少なく不安はありましたが、売上が伸びており成長企業として魅力を感じ、また、低PERでもあったため、平均2,194円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、property technologiesの本社内での開催でしたので、良い機会となりました。
不動産業界は、金利の動向に左右されると言われており、日銀総裁交代による日銀政策の変更や、インフレ対策により金利上昇となった場合、どうしても業績への影響が気になります。また、上昇する不動産価格が下落に転じる局面となった場合に、AI査定がどこまで機能するのかも気になります。
第1四半期の業績が赤字であったため、通期の業績予想に下方修正が無いか心配ではありますが、過度な期待はしないものの、成長企業として継続保有の予定とします。配当などの株主還元にも期待して追加投資も検討します。