AIメカッテク 第6期定時株主総会
日時:2022年9月28日(水) 10:00-11:00
場所:ザ・クレストホテル柏(柏駅徒歩2分)
出席株主数:約30人
お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり
企業概要
AIメカテック(6227)
HP:先進・革新技術で未来を創造する AIメカテック株式会社 (ai-mech.com)
①半導体製造装置の半導体関連事業、インクジェット装置のIJPソリューション事業、LCD装置のLCD事業を手掛ける。
②筆頭株主は、未公開株ファンドのポラリス・キャピタルで、165万株、29.4%を保有。
TIARA CG PRIVATE EQUITY FUNDが第2位の株主で、54万株、9.7%を保有。
③2016年7月に、日立製作所が液晶パネル等製造設備事業を新設分割により分社し、AIメカテックを設立。
④2021年7月に上場。
⑤売上の95%が中国、台湾、韓国を中心とした海外での売上。
株主総会での個人メモ
①上場後、初めての株主総会とのことで警戒してなのか、この規模の株主総会としては珍しく警備員が配置されていました。
②株主総会直前の9月26日に、未公開株ファンドのポラリス・キャピタルとTIARA CGが保有する計220万株(39.1%)について、2022年9月30日に1株1,800円でJUKIと東京応化工業へそれぞれ110万株(19.5%)売却予定とのIR発表がありました。
③同じく9月26日に、取締役の神戸秀典さんが取締役候補者から辞退するとのIRが発表されました。ポラリス・キャピタルから受け入れている取締役だったので、9月30日の株式売却予定に絡み辞退したものと思われます。
④取締役の神戸秀典さんは、残念ながら欠席でした。ポラリス・キャピタルが9月30日に株式売却予定であるとはいえ、取締役は辞任しておらず、また、株主総会は経営側から株主への前期の事業報告の場でもあることを考えると、欠席したのは無責任に見えました。
⑤事業報告の中で、AIメカテックの行う事業の概要について説明があったのは、会社を理解してもらおうという姿勢を感じ、良い対応だったと思います。
⑥LCD事業は、テレビ用大型パネル向けの設備投資が一巡したため減少傾向。今後の売上は、設備維持更新投資やメンテナンスなどのアフターサービスが中心となる見込み。
⑦IJPソリューション事業では、インクジェットや張り合わせ技術を活かした封止工程の装置で「性能・品質世界一」を目指している。
⑧2025年6月期の目標は、売上250億円、営業利益25億円との説明。売上の内訳は、半導体関連事業が100億円、IJPソリューション事業が100億円、LCD事業が50億円。
⑨売上の85%が中国と台湾向け。台湾有事の際には大きな影響を受けてしまいそうに思いました。
⑩従業員の平均年齢は47歳と高齢。2016年の分社設立から2021年の上場までの間は新規採用が少なかった。上場したことで優秀な人材が集まるようになったとの説明。
⑪質疑応答で、JUKIと東京応化工業との提携の経緯について質問がありました。株式の売却が9月30日の予定とのことで、慎重を期すためか社長の阿部猪佐雄さんは、事務局に確認してから回答していました。未公開株ファンドのポラリス・キャピタルとTIARA CGが、保有株式の売却先としてJUKIと東京応化工業を見つけてきたとの回答で、売却ありきで、その決められた売却先と提携を行うといった印象を受けました。
⑫議案の採決方法は拍手での採決でした。
出席者により保有している議決権数も違い、会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じました。
事前の議決権行使結果など、採決時に何かしらの数字を示したほうが納得感があるかもしれません。
⑬新任取締役の宮岡一夫さんの紹介があったのは良い対応だと思います。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点では株式を未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
JUKIと東京応化工業との業務提携が、未公開株ファンドの売却の都合に見えるのが気がかりです。また、計画通りLCD事業の落ち込みを他の事業でカバーできるのかも気になります。組織の高齢化が進んでいるので、新陳代謝もポイントになると思います。
日立製作所という大きな傘はもう無く、自力で経営していく自覚とチャレンジ精神を忘れずに、得意なIJPソリューション事業で勝負していって欲しいです。