トーヨーアサノの株主総会に出席しました【2024年5月28日】

株主総会
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トーヨーアサノ 第81回定時株主総会

日時:2024年5月28日(火) 10:00-10:30

場所:沼津リバーサイドホテル(沼津駅徒歩7分)

出席株主数:約20名

お土産:ヨックモック シガール(20本入り)、ペットボトルのお茶の配布あり。

 

企業情報

トーヨーアサノ(5271)

HP:株式会社トーヨーアサノ (toyoasano.co.jp)

①コンクリート二次製品(パイル・建材)の製造・販売および工事請負などをおこなう「基礎事業」(売上構成比99%)を中心に、不動産の賃貸業をおこなう「不動産賃貸事業」(売上構成比1%)を運営。

筆頭株主は、鉄工業を営む東洋鉄工で、36万株、28.3%を保有。
太平洋セメント(5233)が、第2位の株主として、17万株、13.2%を保有。
鋼材焼き入れ大手の高周波熱錬(5976)が、第5位の株主として、4万株、3.1%を保有。
樹脂・工業薬品などの化学品商社の三京化成が、第6位の株主として、2万株、2.0%を保有。

株主優待(2月末)
300株:5,000円相当の商品または体験を1つ
1,000株:5,000円相当の商品または体験を2つ

 

株式情報

時価総額:29億円(2024年5月27日時点)

売上高:150億円(2024年2月期実績)⇒165億円(2025年2月期予想)

株価:2,079円(2024年5月27日時点)

1株純資産:3,033円(2024年2月末時点)、PBR:0.68倍

1株当期純利益:262円(2025年2月期予想)、PER:7.93倍

1株配当:75円(2025年2月期予想)、配当性向:28%

配当利回り:3.6%、株主優待含む利回り:4.4%(300株保有時)

株主数:1,116名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①事業報告は、社長の植松泰右さんが、手元の資料を読み上げるのみの対応。

コンクリートパイルの全国需要については、全国的に前年度をおよそ2割下回り、当社の主力商圏の関東地区でも前年度をおよそ1割下回るなど、非常に厳しい需要環境にあった。また、土曜閉所の工事現場が増加したことによる稼働日の減少もコンクリートパイルの出荷には大きな影響を与えた。このような状況のもと、第7次中期経営計画「TAFCO・RR計画」において、収益改善を目的としたReform戦略にのっとり、収益改善策の徹底的な積み重ねの結果、基礎事業の利益率が大幅に改善している。また、不動産賃貸事業については、安定した業績で推移している。

※Reform戦略:コスト削減・コスト管理・物件別の利益管理といった基本的な施策を、外部環境の変化に合わせて機動的に組み合わせて実行していくための枠組み。

 

③以上の結果、当連結会計年度の売上高は15,067百万円(前年比17.5%減)、営業利益は922百万円(前年比303.6%増)、経常利益は911百万円(前年比341.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は603百万円(前年は191百万円の損失)となった。
コンクリートセグメント事業において、連結子会社であった日本セグメント工業の全株式の売却により、19億円の売上減要因。

基礎事業の主力事業のコンクリートパイル部門の全国需要については、前年度を約2割下回って推移した。当社の主力商圏である関東および静岡についても、関東は前年度を約1割、静岡は若干下回った。業績については、収益改善を目的としたReform戦略にのっとり、収益改善策の徹底的な積み重ねの結果、売上高は14,859百万円(前年比7.9%減)、営業利益は1,427百万円(前年比117.5%増)となった。

2025年2月期は、建設市場については、2024年度は横ばい圏内の推移になるものと想定している。原材料コストの高騰、人手不足、稼働日の減少などが、供給サイドにおける大きな外的ショックになっているものと思われる。当面はこのような外的ショックを、市場メカニズムを通じて調整していく過渡期の状況が続くものと想定している。コンクリートパイルの全国需要量は、2023年度において前年度をおよそ2割下回り非常に厳しい需要環境にある。建設業界における外的ショックの影響なども踏まえると、2024年度も当面は厳しい環境が続くものと想定している。原価については、2021年度および2022年度に急激な上昇が生じた。2023年度は原価高騰にピークアウトが見られた。しかし、2024年度については、長時間労働規制、人手不足などを背景とした運賃、原材料価格などの上昇により、原価は再び上昇する可能性が高いと想定している。通期見通しについては、売上高16,500百万円、営業利益610百万円、経常利益560百万円、親会社株主に帰属する当期純利益340百万円を見込んでいる。

⑥技術開発については、計画に沿って順調に進展している。2024年1月に新工法「Hyper-ストレートNT工法」を発表。同工法は、当社の主力工法であるHyper-ストレート工法を全面改良した新工法。

⑦設備投資の事例としては、2024年2月に新本社(静岡県沼津市)を着工した。また、同年4月に東京工場の新事務所棟が竣工した。職場環境を改善すると同時に、コーポレートブランドの強化などを通じて、採用強化や生産性改善などにつなげていく。

⑧当社が参画し、東京工場に発電設備を建設した「スマートエネルギー事業」が「コージェネ大賞2023優秀賞」を受賞。脱炭素については、着実に効果の見込める投資を引き続き積み上げていく。

⑨製造、施工などに関する設備投資については、計画どおりに進展している。デジタル関連の投資については、基幹システム、付帯システムなどの全面刷新を進めており、2024年度後半から稼働する計画。業務システムの刷新を通じて、より詳細な利益管理、生産性の向上などを目指していく。

⑩人的資本については、人的資本戦略として「人事政策に関する基本方針(TAFCO・HR戦略)」を策定。2024年度以降は、TAFCO・HR戦略に基づき、人事制度、研修制度などの改良をおこなっていく。また、2023年12月には、当社で初めてとなる理工系の外国人人材が入社した。

⑪利益配当の考え方については、これまでどおり配当に関する安定性および継続性を重視していく。配当性向は、業績の振れをならして見たときに、長期的に30%以上となることを目標としていく。

⑫内部留保および自己資本比率については、ROE、株主資本コストなどを考慮し、当面は自己資本比率30%を目標とする。なお、当社の株主資本コストおよび加重平均資本コストは、それぞれ5.8%および2.4%と推計している。

2024年2月16日に、名古屋証券取引所メイン市場へ重複上場。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、企業価値の向上、ガバナンスの強化を継続的に図るとともに、IR活動の拡充を通じてより広く当社の事業や成長に向けた取り組みを認知いただけるように取り組んでいる。名古屋証券取引所メイン市場への上場申請は、より多くの皆さまに向けて当社の認知度向上を図ること、接点を増やす機会を設け継続的な対話機会の拡充を図ることを主な目的としている。当社は、引き続きIR活動の充実を図り、当社事業への理解を深めて頂くことを通して企業価値を高めることに邁進していく。

⑭株主価値向上を柱として、「当社の株式を保有して良かった」と感じていただけるように、引き続き全力を傾けていく。

⑮社長の植松泰右さんは、44歳(1979年生まれ)と若い社長。

⑯質疑応答で、「重複上場している企業で、コスト削減のため名証の上場を廃止する企業が出ている中、あえて重複上場するのは、東証から改善要請のあったPBR1倍への対応に見える。PBR1倍についてどう考えているのか?」との質問あり。「PBR1倍達成が重要であるとの認識はある。利益を上げて株価を引き上げることが重要。」との説明。

⑰質疑応答で、「建設業の2024年問題として、業界として4月1日から対応が求められていると思うが、影響はもう出ているのか、状況が知りたい。」との質問あり。「2023年から既に土曜閉所の工事現場が増加したことによる稼働日の減少の影響が出ている。今後も影響が出てくると思っているが、業界として初めてのことなので、想定はしているが不確実性がある。」との回答。

⑱質疑応答で、「2024年2月に着工した新本社(静岡県沼津市)について、見学会の予定は?」との質問あり。「予定は無いが、脱炭素をコンセプトとしており、WEBなどでPRしたい。」との説明。

⑲監査等委員である取締役を除く取締役6名の報酬等の総額は12,108万円。単純平均で取締役1人当たり2,018万円。なお、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。

⑳議案内容の説明後に、各議案について、事前の議決権行使結果と会場受付時に提出した議決権行使書の集計により、各議案とも承認されたとの説明があり、株主総会中の採決は無し。

 

株主総会を終えて感じたこと

業績が向上している一方で、PBRが1倍を割れ、株主優待も魅力的なため、平均1,687円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

質疑応答では、社長の植松泰右さんが、丁寧に回答対応をされていました。議案の採決も合理的な対応をおこなっており、IRにも積極的で、利益率改善にもしっかりと着手されている印象を受けました。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、トーヨーアサノは、1株当たり純資産3,033円に対し、株価が2,079円(2024年5月27日時点)、PBR0.68倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

IR社長メッセージとして、「株主価値向上を柱として、「当社の株式を保有して良かった」と感じていただけるように、引き続き全力を傾けてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。」との記載もあり、好印象を受けました。

なお、2024年度後半に基幹システムの全面刷新予定とのことですが、江崎グリコにおいては基幹システム切替で大きなトラブルがあったので、慎重に進めて欲しいです。

業績に凹凸があり、建設業界の2024年問題の影響もありそうなので過度な期待はしませんが、利益率の向上とPBR1倍達成を期待し、継続保有の予定とします。追加投資も検討します。

 

2024年4月19日に到着したトーヨーアサノの株主優待の内容についてはこちら↓

トーヨーアサノの株主優待が到着しました【2024年4月19日】 | ぽこタンの株主総会日記 (fp-agm.com)

 

株主総会会場の沼津リバーサイドホテル
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