構造計画研究所の株主総会に出席しました【2024年3月18日】

株主総会
スポンサーリンク

構造計画研究所 臨時株主総会

日時:2024年3月18日(月) 16:00-16:30

場所:構造計画研究所本所新館(新中野駅徒歩0分)

出席株主数:約30名

お土産:加賀屋せんべい、能登焼き栗まんじゅう

 

企業概要

構造計画研究所(4748)

HP:構造計画研究所 ― Innovating for a Wise Future (kke.co.jp)

①高層建築設計・大規模建築物の構造解析をおこなう構造設計・構造解析コンサルティングや地震動評価・風況解析・災害リスク評価をおこなう環境評価・防災コンサルティングなどを手掛ける「エンジニアリングコンサルティング」(売上構成比65%)、CAE・熱流体解析・粒子法・粉体解析・営業支援ソリューションなどの製造業関連や建築構造物解析・地盤解析などの建築・土木関連を手掛ける「プロダクツサービス」(売上構成比35%)を運営。

筆頭株主は、石油製品・LPG燃料販売などを手掛ける南悠商社で、49万株、8.9%を保有。
会長の服部正太さんが、第2位の株主で、服部正太さんが代表を務める構研コンサルタントの保有分も含めると、52万株、9.5%を保有。

 

株式情報

時価総額:219億円(2024年3月18日時点)

売上高:165億円(2023年6月期実績)⇒180億円(2024年6月期予想)

株価:3,985円(2024年3月18日時点)

1株純資産:1,631円(2023年12月末時点)、PBR:2.44倍

1株当期純利益:316円(2024年6月期予想)、PER:12.6倍

1株配当:140円(2024年6月期予想)、配当性向:44%

配当利回り:3.5%

株主数:5,801名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会は、構造計画研究所本所新館内の会議室で開催。

②議長は、会長の服部正太さんが務められていた。質疑応答では、決議事項以外の質問時間も設けられており、投資家との積極的な対話姿勢を感じた。

③取締役全員にミネラルウォーターが提供されていたが、株主側には提供が無く、経営から株主へ議案を諮る場としては違和感。会社として、株主ではなく役員の方向を見ているように思えたが、株主総会後にお土産が用意されており、株主を大切にしている様子も伺えた。

④株主総会のお土産は、2019年に構造計画研究所が社内フォーラムを開催した加賀屋旅館のお菓子(加賀屋せんべい20枚入り(1,300円)、能登焼き栗まんじゅう15個入り(1,300円))。能登半島地震があり、支援の想いも込めているとの手紙が添えられていた。良い対応だと思う。

⑤2024年6月期第2四半期は、前事業年度から繰り越された受注残高に加え、プロダクツサービスの成長が牽引するかたちで、売上高は前年を上回る結果となった。エンジニアリングコンサルティングも着実に遂行しており、通期の業績予想に対して当第2四半期累計期間の売上高が占める割合は39.3%と、前年と同水準で進捗している(前年:39.9%)。なお、当社では、多くの顧客が決算期を迎える3月末から6月末にかけて、成果品の引渡しが集中することから、第2四半期累計期間に占める売上高および利益の割合は低い水準となる傾向がある。 また、当第2四半期累計期間においては、昨年度実施した若年層の待遇改善に続き、一定等級以上の所員の基本給の引き上げの実施を行ったことに加えて、所員数も増加しており(当第2四半期末所員数631名、前年同四半期末606名)、人件費は増加している。また、営業活動の活性化や、既存事業の再成長のための投資活動など、計画的に活動を増加させている。受注高も売上高も着実に積み上げているが、上半期ではこれらの投資費用の増加を吸収するに至らなかった。 継続して受注案件を着実に遂行するとともに、更なる受注獲得に務め、通期計画の達成を目指す。 受注残高に関しては、前年を上回る90億33百万円 (前年は82億78百万円)を確保している。

⑥エンジニアリングコンサルティングは、構造設計や耐震診断などの引き合いが多い中、順調に受注を伸ばし着実に遂行しているが、一方で全体工事の遅れにより、当社の売上の計上時期が下半期に延期されるなどの影響を受けている。これに伴い原価回収基準の適用となる案件が増加し全体の利益率は低下しているが、売上計上が完了した案件の利益率については、前年と同水準を維持している。売上計上が翌事業年度にずれ込まないように努力しつつ、引き続き更なる受注獲得に努め、通期業績達成に向けて邁進する。

⑦プロダクツサービスは、クラウドサービス提供型ビジネスが売上成長をけん引し、利益率も改善した。クラウド型入退室管理システム(RemoteLOCK)の宿泊市場や自治体への導入が順調に推移し、導入自治体数は80を超えている。

⑧2024年2月13日開催の取締役会において、2024年3月18日開催予定の臨時株主総会における承認などの所定の手続を経た上で、当社を株式移転完全子会社とする単独株式移転の方法により、2024年7月1日(予定)を成立日として、純粋持株会社(株式移転設立完全親会社)である構造計画研究所ホールディングスを設立することおよびそれに伴う定款の一部変更を行うことについて、株式移転計画を作成のうえ決議。
持株会社体制への移行は、それぞれのミッションを明確化し、より賢慮に満ちた未来社会の実現に向けて社会の未知なる課題解決にチャレンジを続け、提供価値を更に拡大し、グループ全体としての持続的成長を確かなものにすることを目的とするもの。持株会社体制への移行により、構造計画研究所は従来のコンサルティング事業による安定的な収益の確保、新規事業であるリモートロックジャパンは更なる成長の加速、またKKEスマイルサポートおよびPARA-SOLはグループ全体に対する多様な働き方の提供をそれぞれのミッションとして、各社が連携しグループ全体で社会への提供価値を更に向上していく。

⑨2023年6月期において、自己資本比率が50%を超過したことにより財政基盤の適切な強化がなされたと考え、配当の更なる長期的な安定性を確保するため、これまでの配当性向50%程度の目標に加え、株主資本配当率(DOE)を指標として採用することとした。DOEは8%程度とし、2024年6月期より適用。

⑩質疑応答で、「グループ再編で、リモートロックジャパンをホールディングスの直下としているが、RemoteLock,Inc.(議決権32.2%を保有、さらに2024年2月7日に5.6百万ドルを取得するシリーズBの資金調達において4百万ドルの追加出資を実施したと公表)との関係はどうするつもりなのか?」との質問あり。「まだ明確に決めてはいない。リモートロックジャパンは50%成長している。」との回答。

⑪質疑応答で、「ホールディングス体制にすることのメリットは?」との質問あり。「エンジニアリングコンサルティングとプロダクツサービスの2つの事業以外で、新規のビジネスが出てきた。今後も新規ビジネスが出てくるのでその準備。子会社を管理監督していく。」との説明。

⑫質疑応答で、「ホールディングス体制の取締役は、子会社となる現構造計画研究所と同じ顔ぶれ。取締役数を削減したり、各子会社の社長を取締役としたほうが良いのでは?」との質問あり。「子会社のリーダーの若返りを考えている。」との回答。
ぱっと見、見付けにくいが、「第1号議案の株式移転計画承認の件」に、新任の取締役1名の選任(持株会社の取締役として、現取締役11名の再任と新任1名の計12名の選任)も含まれていた。

⑬質疑応答で、「ホールディングス体制にすることのデメリットは?」との質問あり。「連結決算となることにより、役員報酬は変わらないものの、監査報酬は若干増える。現在の単独決算時と比べて大きな差異は無い。影響は小さい。」との説明。

⑭質疑応答で、「ホールディングス体制になると、例えば子会社となる構造計画研究所を売却するようなことも可能となり、そのような事態が発生しないか心配。成長を目指した体制変更なのか?」との質問あり。「売却するようなことはしない。成長の仕組みを作るための体制変更。」との回答。

⑮取締役候補者12名中、70歳以上の候補者は中込秀樹さん(1941年生まれ、82歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑯社外取締役を除く取締役6名の報酬等の総額は24,593万円。2023年9月に1名の入れ替わりがあったことを考慮すると、単純平均で取締役1人当たり4,918万円。

⑰議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に会長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、構造計画研究所本所新館での開催でしたので、良い機会となりました。

株主総会では、会長の服部正太さん、副社長の木村香代子さんが質疑応答の対応をされていましたが、決議事項以外の質疑応答の時間も設けられており、投資家との積極的な対話姿勢を感じ、好印象でした。

業績も堅調で、業務分野も多岐にわたっていますが、国土強靱化政策の恩恵なども受けて着実に業績が拡大することを期待しています。成長企業として再投資も検討します。

 

株主総会会場の構造計画研究所本所新館
PAGE TOP