クオンタムソリューションズ 臨時株主総会
日時:2024年3月14日(木) 10:00-10:25
場所:アルカディア市ヶ谷(市ヶ谷駅徒歩2分)
出席株主数:約20名
お土産:無し
企業概要
クオンタムソリューションズ(2338)
HP:Quantum Solutions (quantum-s.co.jp)
①EV事業・システムコンサルティング・システムインテグレーション・ソフトウェア開発およびシステム受託開発をおこなう「システムソリューション事業」、まつげエクステンションサロンの運営・まつげエクステンションスクール運営・化粧品の販売を展開する「アイラッシュケア事業」を運営。
②従業員数は、3名(連結42名)のみと少人数体制。
株式情報
時価総額:180億円(2024年3月13日時点)
売上高:2.6億円(2023年2月期実績)⇒3.6億円(2024年2月期予想)
株価:413円(2024年3月13日時点)
1株純資産:3.73円(2023年8月末時点、2024年3月1日に実施した株式3分割を考慮)、PBR:110倍
1株当期純利益:▲42.6円(2024年2月期予想)、PER:赤字
1株配当:無配(2024年2月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配
株主数:1,423名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①株主総会は、取締役のNEIL ADAM NASTANSKIさん、監査等委員である取締役の荒井祐樹さん、石川和男さん、大下良仁さんが欠席。監査等委員である取締役は、3名全員が欠席。取締役全体としては、8名中4名が欠席。欠席者が半数と多く、違和感を感じた。
②議長は、社長のMark Pinkさんが務めていたが、日本語に不慣れなようで、司会者が議案内容を説明、取締役の三牧博至さんが質疑応答を対応されていた。
通訳を用いた対応や、他の取締役が議長を務められるよう定款変更するのも手だと思う。
③システムソリューション事業において、第2四半期連結累計期間より、AI関連事業展開の準備に着手している。また、アイラッシュケア事業に関しては、アフターコロナの影響により、サロンの売上が好調であり、現在営業を行っている3店舗においては、対前期比110%を達成した。この結果、2024年2月期第3四半期連結累計期間においては、売上高161百万円(前年比13.6%減)、営業損失397百万円(前年は営業損失294百万円)となった。経常損失は268百万円(前年は経常損失113百万円)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は265百万円(前年は親会社株主に帰属する四半期純損失925百万円)となった。
④システムソリューション事業においては、5G技術とAI技術を融合した関連事業として、当第3四半期連結累計期間より、AI関連事業展開の準備も始めている。その一環として、2023年7月にCompass Cloud Technology Pte. Ltd.との合弁会社としてコンパスクラウドAIジャパンを設立し、同社において、Compass Cloudの開発した計算効率に優れ、消費電力やサイズで他社製品に比較優位性のあるARMベースのエッジ・サービス・ハードウェアを利用し、AI、エッジコンピューティング、クラウドストレージ、クラウドゲーミング、デジタルツイン事業を日本で展開していく予定。また、AI生成コンテンツ事業を具体的かつ相応の速度で進めるため、新株予約権発行による資金調達をおこなった。さらに、現在、大規模言語モデルを活用したいわゆる生成型AIの開発が爆発的に進んできており、使用されるGPUの市場規模が急速に拡大しているため、2023年9月にKAYTUS SINGAPORE PTE. LTD.と販売代理店契約を締結し、AI開発向けGPUサーバーの販売を開始している。本事業は現在、予定通り進んでおり、KAYTUSから高性能GPUサーバーを調達して検索エンジン大手企業を含んだ販売先へ提供を開始している。以上のように事業を進めていく予定だが、当第3四半期連結会計期間においては、まだ結果が出ていない状況。その結果、売上高は26百万円(前年比5.1%減)、売上構成比は16.2%となった。セグメント損失(営業損失)は100百万円となり、前年と比べ37百万円(前年は138百万円の営業損失)の増益となった。
⑤アイラッシュケア事業においては、予約が2か月先まで獲得されているなどの状況で、サロンの売上が好調であり、現在営業している3店舗に関しては、前年対比で110%となっている。特に有楽町マルイ店は前年対比126%と大幅に伸びているが、前期に3店舗閉鎖していることから、店舗数が減少しているため、サロン全体の売上高は前年比86%となっている。また、自社サイトでの商材販売においては、顧客一社あたりの売上の減少、他社の安価な商材の市場参入などにより前年対比81%と不本意な結果となった。その結果、売上高は135百万円(前年比15.1%減)、売上構成比は83.8%となった。セグメント損失(営業損失)は15百万円となり、前年と比べ31百万円(前年は47百万円の営業損失)の増益となった。
⑥連結業績予想に関しては、売上高では、当第3四半期連結累計期間までに活発な営業活動を展開したシステムソリューション事業において、AIエッジコンピューティングなどの提供、AI(人工知能)用GPUサーバーなどの販売や関連サービスでの大幅な取扱高の増加を見込んでいる。一方で、EV事業において部品調達の遅延による生産の遅れなどの影響が下期以降も引き続き予想されることから製造計画の遅延および競合環境を勘案し、計画を下方修正した。その結果、売上高は、前回発表予想2,070百万円からの増収が想定される。同様に営業利益も当該売上計上に伴って発生する販売管理費の増加を見込んだ上で、営業利益においても前回予想値45百万円から増益を見込んでいる。しかしながら、昨今の当社主力商品であるAI(人工知能)GPUサーバーのメーカー在庫状況が世界的に逼迫していることや国際的なロジスティクスの混乱から仕入れ商品の輸送に想定以上に時間がかかるおそれもあり、当期末までに実現できる売上並びに収益を慎重に精査の上で算定予定につき、現時点での具体的な予想数値は差し控える。尚、当期売上増加のたいそうを占める主要なGPUサーバーの販売状況に関しては、下記1.と2.は納品・検収・資金決済の全てが完了している。
1.2023年9月29日開示:売上高約24百万円、販売先…量子ディープラーニング取組みIT企業。検収は9月29日で、第3四半期決算に売上利益計上済。
2.2023年11月9日開示:純額処理扱い34百万円、販売先…データセンター向けIT機器販売会社。検収は12月15日で、2024年2月期決算に計上予定。
3.2023年10月23日開示:純額処理扱い145百万円、販売先…FUTURANEX TECHNOLOGY Co., ltdについては、納品、検収、資金決済いずれも、2月取引完了予定で、2024年2月期決算に計上予定。
4.2023年10日12日開示:取扱高1,680百万円、販売先グローバルネットサービス提供企業向けについては、1月12日付IRにて経過開示した通り、売買契約締結が本年1月となっているが、当期中に契約締結・納品・検収が完了する見通しであり、当期業績予想への影響は無い。また、現在ニュージーランドにてオンラインストレージサービスを提供する企業向け大口のGPUサーバーの販売を予定しており、販売契約締結を間近に控えている。本件も売買契約締結後納品・検収を当期中に完了する予定だが、期末近くでの取引でもあり、当期業績予想への影響は慎重に検討の上、計上基準を満たすと判断した時点で速やかに公表する予定。又、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、営業利益の改善、為替の影響及び非支配株主持分損益等に生じた当第3四半期累計期間における差異を反映して修正する予定。
⑦上記内容の進捗状況について、2024年3月8日に開示あり。2024年2月期において、当社の独自の強みであるAI(人工知能)用GPUサーバー等の販売および関連するサービスを新規事業として開始した。新規事業において、第4四半期で1件の大口の取引が契約出来たため若干の取扱高と代金の回収は実現したものの、昨年10月12日開示分のグローバルIT向け取扱高1,680百万円分の検収・納品が翌期(2025年2月期)へずれ込み、加えて本年1月15日開示のニュージーランド大手IT企業向け取引は同社との資金決済並びに検収・納品が翌期(2025年2月期)にずれ込んだことから、新規事業の売上としては82百万円に留まる見込みとなり、同部門の粗利益も62.5百万円となる見込み。その結果、通期連結業績予想における売上高について、前回発表予想値2,070百万円から、1,710百万円減少の360百万円を見込んでいる。営業利益は、新規ゲーム事業の開発費先行投資300百万円を加えて増加する販売管理費を見込み、営業利益前回予想値45百万円から、785百万円減少の△740百万円を見込んでいる。また、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、為替の影響及び非支配株主持分損益等により生じた第3四半期連結累計期間における差異を反映して修正した。尚、本業績修正に関する監査法人との協議は個別内容精査中につき、完了次第、決算を最終的に確定し、売上高および収益に関し変動がある場合には速やかに開示する。
⑧当社グループは、前連結会計年度において営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなった。また、当第3四半期連結累計期間においても、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上している。これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在。
⑨2023年12月18日に、JP GAMESとの資本業務提携を発表。JP GAMESはファイナルファンタジーXVのプロデューサーとして知られる田畑端さんが設立したゲーム会社。日本国内において、数々の大企業とゲーム開発を行っており、東京パラリンピックの公式ゲームを開発するなど、広範囲に影響力を持つゲームを開発している。JP GAMES は、AAAゲームの技術とノウハウを投入し、新たなPRGとなる「プロジェクトGEMINA」の開発を準備中。田畑端さんの指揮の下、JP GAMESはゲームデザインの枠を超えた体験を世界中のプレイヤーに提供している。両社は、社長のマークピンクさんが、約3カ月前にビジネスコンサルタントであるアレンブレアリーさんを通じてJP GAMESの紹介を受け、2023年10月初旬から協議を開始した。それぞれの技術力と創造性を融合させ、ゲーム業界に革命を起こし、AI テクノロジーを活用した革新的なゲームを提供することを目指すことを目的に、資本提携を実施することになった。普通株式110株(発行済株式の2.5%)を取得する。また、同社発行済み株式の30.8%を保有する大株主からの買収に関して交渉することにJP GAMESが同意。
JP GAMESの株式110株について、JP GAMESの大株主であるTBTオフィスから、2024年1月12日に取得価額122,500,000円(自己資金にて充当予定)で取得。
⑩2024年1月19日開催の取締役会において、株式の分割および定款の一部変更を行うことについて決議。2024年2月29日の株主名簿に記録された株主の所有普通株式1株につき、3株の割合をもって分割。新株予約権の1株当たりの行使価額は、第10回新株予約権は、調整後178円。第12回新株予約権は、調整後267円。
⑪取締役の邵贇さん、三牧博至さん、監査等委員である取締役の石川和男さん、大下良仁さんの4名が本臨時株主総会をもって辞任。三牧博至さんは、監査等委員である取締役に就任予定。
⑫質疑応答で、「HPがエラーで見れない。改善して欲しい。」との要望あり。取締役の三牧博至さんから、「HPのリニューアルをおこなったが、一部、追いついていない部分があった。」との回答。
⑬質疑応答で、「5月の定時株主総会を控え、この時期に取締役8名中、4名も一斉に辞任する理由は?」との質問あり。取締役の三牧博至さんから、「(三牧博至さんは)取締役を辞任し、ガバナンス強化のため、監査等委員である取締役に就任予定。邵贇さんは、経営企画に注力する。監査等委員である取締役の石川和男さん、大下良仁さんからは辞任の意向があった。」との説明。
⑭質疑応答で、「JP GAMESとのゲーム開発の進捗状況は順調なのか?」との質問あり。取締役の三牧博至さんから、「開示できるようになったら、IRで平等に開示する。」との回答。
⑮監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は4,027万円。2023年5月に退任した1名を3ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり1,239万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
⑯議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。一方で、取締役の三牧博至さんが質疑応答を対応されていたため、社長のMark Pinkさんの意見が伺えなかったのは残念でした。
2024年2月期は、売上急増の業績予想を公表していましたが、2024年1月15日に「2024年2月期第3四半期決算短信」を公表した後、「当社が取り扱うNVIDIA製GPU搭載サーバーの販売の進捗に関するお知らせ」が立て続けに公表され、雲行きが怪しく思え、心配していたところ、2024年3月8日に業績の大幅な下方修正が発表されました。検収・納品が翌期(2025年2月期)へずれ込むとの説明ですが、実態や実現可否がとても気になります。
また、株主総会では、監査等委員である取締役3名全員が欠席されていた点に違和感を感じました。本臨時総会をもって辞任された監査等委員である取締役の石川和男さん、大下良仁さんの辞任の真因も気になるところです。
なお、本臨時総会は、当初、2024年2月28日に開催が予定されていましたが、今回、取締役に就任された田畑端さんから、業務の都合で開催予定を延期して欲しいとの要望があったとのことで、本日の開催へ延期となっていました。
JP GAMESについては、出資が2.5%のみと少ないものの、今回、JP GAMESの代表取締役の田畑端さんが取締役に就任もされており、JP GAMESとの資本業務提携に対する期待と、NVIDIA製GPU搭載サーバーの販売に関する不安が入り混じります。まずは、今期の業績に検収・納品がずれ込んだNVIDIA製GPU搭載サーバーの売上がしっかりと計上されるのかを確認したいと思います。
従業員数が3名(連結42名)のみと小さな会社なので、過度な期待はしませんが、継続注視します。