エクサウィザーズ 臨時株主総会
日時:2023年11月24日(金) 10:30-10:50
場所:新橋プレイス(新橋駅徒歩0分)
出席株主数:約10名
お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり
企業概要
エクサウィザーズ(4259)
HP:株式会社エクサウィザーズ (exawizards.com)
①個別企業を顧客とし当社グループのAIプラットフォーム「exaBase」に蓄積されたデータ基盤を用いたコンサルティングやアルゴリズム・ソフトウエア開発を通じて顧客企業のデジタル・AI戦略やDXなどの推進体制の立案・実行および投資効果の最大化の支援をおこなう「AIプラットフォーム事業」(売上構成比84%)を中心に、多くの企業に共通した業務課題に向けて顧客の業務プロセスに簡易に導入・活用可能なAIソフトウエア群の提供をおこなう「AIプロダクト事業」(売上構成比16%)を運営。
②筆頭株主は、社長の春田真さんが代表を務めるベータカタリストで、春田真さん個人での保有分も含めると、1,559万株、18.7%を保有。
取締役の坂根裕さんが、第4位の株主として、377万株、4.5%を保有。
株式情報
時価総額:336億円(2023年11月22日時点)
売上高:55億円(2023年3月期実績)⇒70億円(2024年3月期予想)
株価:400円(2023年11月22日時点)
1株純資産:64.6円(2023年6月末時点)、PBR:6.19倍
1株当期純利益:非公表(2024年3月期予想)、PER:非公表
1株配当:無配(2024年3月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配
株主数:18,892名(2023年3月末時点)
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①2024年3月期第2四半期業績は、当第2四半期よりスタジアムの連結開始。売上高は2,085百万円となり四半期では過去最高の売上高、営業損失は△186百万円と当第1四半期比で改善しており、赤字幅が縮小傾向。結果として、第2四半期累計の売上高は3,388百万円(前年同期比+29.2%)と高成長を実現、営業損失は△534百万円(前年同期は△287百万円)。
②AIプロダクト事業は、当第2四半期より、好調なexaBase DXアセスメント&ラーニングに加えて、exaBase生成AIの立ち上がりも貢献し、売上高は317百万円(前年比+74.7%)、営業損失は△64百万円(当第1四半期比+95百万円の改善)と、赤字幅が改善傾向。結果として、第2四半期累計の売上高は500百万円(前年同期比+56.1%)と高成長を実現、セグメント損失は△224百万円(前年同期は△187百万円)。
③AIプラットフォーム事業は、当第2四半期の売上高は1,272百万円(前年同期比+2.3%)と前年同期比並ながら、四半期単位では最大の売上高を実現、営業利益は379百万円。結果として、第2四半期累計の売上高は2,392百万円(前年同期比+3.9%)、セグメント利益は599百万円(前年同期は668百万円)、セグメント利益率は25.1%。長期継続顧客による第2四半期累計の売上高は1,668百万円(売上高比69.7%)と高水準を維持。生成AIを絡めたDX案件や生成AI×exaBase Studioによる内製化支援案件が増加した結果、TOP10顧客平均売上高も第2四半期累計で122百万円とCAGR10.1%(3カ年)で成長。
④当第2四半期よりスタジアム社の事業数値を集約した「その他サービス事業」セグメントを新設。売上高は495百万円、セグメント利益はのれん償却費も含みながら26百万円と黒字化。
⑤AIプラットフォーム事業における取引者数(年間取引額1百万円以上)は142社。サービス内容は、生成AI研修(プロンプト研修、業界別活用促進セミナー)、AXスプリント(ChatGPT×デザイン思考を活用した新規事業立案)、AIプラットフォームサービス(AIコンサルタントによる個社ごとの経営課題抽出/課題解決)、AIアシスタントシリーズ(業務オペレーションの深い理解に基づく特定業務課題の代替、IRアシスタントを皮切りに様々な領域へ展開)、Microsoft Azure/基幹システム等への連携(exaBase Studioを利用した基幹システム連携、グループ会社のエクスウェアの開発力もフル活用)、exaBase Studio DXアセスメント&ラーニング。
⑥既存契約顧客の全従業員に対するexaBase生成AIユーザーID発行比率はまだ5%であり、95%の開拓余地あり。
⑦第一生命と生成AI×exaBase Studioの利用による生産性向上の取り組みが開始。
⑧生成AIアシスタントシリーズの概況は、IRアシスタントは宝印刷/みずほ信託銀行との業務提携が進行し、商用利用も開始。IR領域のみならず、採用・経理などの業務におけるアシスタントシリーズを今後順次リリース予定。
⑧生成AI×CareWizの取り組みとして、大和証券グループのグッドタイムリビングとの業務提携やスターコンサルティンググループとの協業を通じて生成AIを活用した新規サービスに参入。
⑨2024年3月期通期業績予想は、売上高8,500百万円(前年比+52.0%)、営業利益▲290百万円、EBITDA 600百万円を想定。経常利益、純利益は非開示。
⑩持続的な企業価値向上に向けて、当面は事業への投資を優先的に実行する。
⑪スタジアムの子会社化にともなう、のれんと顧客関連資産の会計処理は、のれん804百万円を9年の均等償却、顧客関連資産1,853 百万円を13年の均等償却。
⑫exaBase DXアセスメント&ラーニングの導入社数は1,316社、利用者数はのべ130,616人。導入社数とは、企業・官公庁・団体などで導入済の累計数、利用者数とは、アセスメント受検者数と育成コンテンツ受講者数の合計。
⑬exaBase生成AI powered by GPT-4は、2023年5月15日よりサービスを開始し、9 月末時点の利用者数は19,287人となっており、足元10月末時点では23,485人と好調な立ち上がりとなっている。
⑭営業支援やビジネスプロセスアウトソーシングやWebサービス・アプリ・システムの企画・開発・販売の事業企画・運営をおこなうスタジアムを2023年6月30日に取得価額2,703百万円で子会社化。当社が現在保有し、また今後も増加を見込む様々なプロダクトの販売拡大での協業や相互送客を推進する。更に、当社の保有する多様な AI・テクノロジー資産を活用し、同社が得意とする営業代行での新規サービスや、新たにバックオフィス業務代行サービス等の検討を開始する。両社の緊密な協業によりシナジーを発揮し、一層の事業成長を実現していく。
スタジアムは、2023年4月26日上場予定であったが、確認すべき事項が発生し、当該事項の確認に時間を要するため、上場延期となっていた。上場延期時に提起された懸念が解消される見込みであるとのことだが、具体的な内容が気になるところ。
⑮質疑応答で、「今期の第2四半期実績の決算説明会動画で、業績は順調と説明されていたが、売上は拡大しているものの利益は赤字が拡大しており、順調ではないと感じる。黒字化の時期は?」との質問あり。「売上が順調に拡大しているとの意味。来期は業績が向上すると考えている。」との回答。
⑯質疑応答で、「業績予想については、多くの企業が純利益まで開示しているが、純利益を非開示としている理由は?」との質問あり。「開示基準は各社に委ねられている。会社の現状ではそこまでの開示は必要無いと考えている。今後、開示基準を変更する可能性はある。」との回答。
⑰社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は5,400万円。単純平均で取締役1人当たり1,350万円。使用人兼取締役1名の使用人分給与は含まず。
⑱議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
質疑応答では、社長の春田真さんからは、特に黒字化の具体的な時期については説明ありませんでしたが、来期(2025年3月期)に期待できそうな様子が伺えました。
決算説明会動画や、株主総会動画の配信もしているIRに積極的な会社です。一方で、2024年3月期通期業績予想については、経常利益や純利益を非開示としている点から推察すると、経常利益や純利益については、社内的に公表したくはない数字が予想されているように見えます。たとえ悪い数字であっても、当期純利益レベルまで業績予想をしっかりと開示された方が、個人投資家に信頼される会社になると思います。
買収したスタジアムについて、「上場延期理由となっていた確認すべき事項」がどのような内容であったのかが気になりますが、時代の流れにあったAI関連企業なので、今後の業績向上に期待して、成長企業として再投資も検討します。