アライドアーキテクツ 臨時株主総会
日時:2025年12月29日(月) 11:00-11:10
場所:恵比寿ビジネスタワー(恵比寿駅徒歩2分)
出席株主数:数名
お土産:無し
企業概要
アライドアーキテクツ(6081)
①自社開発のマーケティングSaaSツールの提供およびSaaSで補いきれないマーケティングDX施策の提供・支援や、顧客企業のマーケティングDX課題において企画立案から施策の実行までを包括的に支援する事業を行う「国内事業」(売上構成比73%)を主に、独自のインフルエンサーネットワークを活用した中国・香港・台湾向けインバウンド、越境ECプロモーション支援を行う「クロスバウンド事業」(売上構成比13%)、3D広告クリエイティブ制作における高品質・ハイスピード・低価格を実現する仕組みを提供するサービス「Craft(クラフト)」をグローバルに展開する「海外事業」(売上構成比14%)を運営。
②筆頭株主は、取締役の中村壮秀さんで、中村壮秀さんが代表を務める合同会社MNカンパニーの保有分も含めると、505万株、35.6%を保有。
株式情報
時価総額:32億円(2025年12月26日時点)
売上高:34.6億円(2024年12月期実績)⇒26.5億円(2025年12月期予想)
株価:205円(2025年12月26日時点)
1株純資産:116円(2025年9月末時点)、PBR:1.76倍
1株当期純利益:△70.3円(2025年12月期予想)、PER:赤字
1株配当:未定(2025年12月期予想)、配当性向:未定
配当利回り:未定
フリーキャッシュフロー:△2.45億円(2024年12月期実績)
株主数:4,275名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2025年12月期第3四半期は、生成AIをはじめとする先進技術の急速な普及と社会実装が進展し、企業のAI活用需要は引き続き拡大している。特にマーケティング分野においては、AI技術を活用した高付加価値ソリューションの需要が顕著となっている。このような環境下、当社グループは経営資源の集中と収益性の改善を目的として事業ポートフォリオを再構築し、セグメント名称を「マーケティングAX(AI Transformation)支援事業」に変更した。第3四半期連結会計期間以降は、本事業の中核である「三層支援モデル(実行・戦略・システム)」の体制整備を加速させ、上流ソリューション領域の拡大と高利益率体質への転換を進めている。
②当第3四半期連結累計期間においては、主要顧客における広告・制作などの実行支援案件が堅調に推移したことに加え、上流ソリューションおよびマーケティングシステム領域への案件拡張が進んだ。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,215,338千円(前年比14.0%減)、営業損失は168,706千円(前年は営業損失359,404千円)、経常損失は155,899千円(前年は経常損失405,974千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は554,598千円(前年は純損失497,621千円)となった。営業損益段階では、新規領域への人員配置・体制強化に伴う先行的な費用や、一過性の外部専門家費用の計上などにより、前年同期に比べ損失幅が拡大した。ただし、これらの一過性費用を除いた恒常的な販管費は計画線上で推移しており、第4四半期連結会計期間はコストコントロールの徹底と費用の平準化により収益性の改善を見込んでいる。 足元では、「三層支援モデル」の推進により、複数のソリューションを併用する顧客(二層・三層支援顧客)の比率が上昇し、顧客単価の改善傾向が確認されている。当社グループは、これらの成果を踏まえ、今後も上流・戦略柳雄域の拡大と高付加価値型の事業構造転換を推進し、中長期的な企業価値の向上を目指していく。
③中期成長戦略は、2027年12月期に売上高50億円、営業利益5億円。
④2025年7月18日に、「2025年12月期第1四半期連結会計期間において、特別調査費用478,327千円の特別損失を計上した。」と公表。当社のクロスバウンド事業(クロスボーダーカンパニー)にて従事する従業員により、売上計上の適否などに関する疑義、案件間の費用の付け替えや期間帰属の操作が行われていた疑義が存する事案が判明したことを受け、2024年12月24日に当社の社外取締役(監査等委員)および外部の有識者で構成される調査委員会を設置し、本件に係る事実関係の解明、発生原因および問題点の分析を行った。「調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」に記載のとおり調査委員会から調査報告書を受領し、同委員会の調査が終了したことに伴い、調査委員会費用およびフォレンジック調査費用などのうち、当第1四半期連結累計期間において確定した金額を特別損失として計上した。
⑤2025年8月14日に、「特別損失の計上、子会社の税金費用計上および2025年12月期通期連結業績予想の修正(増収減益)。」を公表。2025年12月期第2四半期連結会計期間において、特別調査費用250百万円を特別損失として計上する。当該特別調査費用は、当社において発生した不適切会計事案に関する調査委員会の設置に伴い、2025年12月期第2四半期連結会計期間において確定した調査委員会費用およびフォレンジック調査費用などを特別損失として計上するもの。なお、2025年12月期第1四半期連結会計期間において計上した特別調査費用478百万円と合わせ、当該事案に係る特別調査費用は合計729百万円となった。また、本日当社では連結子会社Creaditsが保有する連結子会社SuperFaction Pte. Ltd.株式すべてを2025年8月29日に取得する取締役会決議を実施致した。Creaditsでは本株式売却の影響により2025年12月期に税金費用を345百万円計上する見込みとなり、当社グループの2025年12月期連結決算においても同額業績に影響する見込み。
⑥2025年10月29日に、「本日2025年10月29日に社外取締役(監査等委員)である渡邉淳さんから一身上の都合で辞任する旨の申出を受領し同日辞任。また、社外取締役(監査等委員)である大村健さんからも、2025年10月30日をもって一身上の都合で辞任する旨の申出を受領した。」と公表。
⇒監査等委員である取締役3名のうち、社外取締役2名がほぼ同時に辞任となり大きな違和感。辞任の真因が気になるところ。
⑦2025年11月14日開催の取締役会決議において、ZUU(4387)、MFTrustLead、髙桑昌也さん、Tan U-Mingさん、吉田直人さん、西川中さん、渡邉涼一さん、大久保義春さん、村田啓さん、寺田航平さん、森和孝さんを割当予定先とする第三者割当増資を実施することを決定。払込期日は2025年12月1日。発行新株式数は1,651,200株。発行価額は1株191円。調達資金の額は315,379,200円。ZUUへ261,700株、MFTrustLeadへ157,000株、髙桑昌也さんへ157,000株、Tan U-Mingさんへ91,600株、吉田直人さんへ157,000株、西川中さんへ261,700株、渡邉涼一さんへ261,700株、大久保義春さんへ104,700株、村田啓さんへ157,000株、寺田航平さんへ20,900株、森和孝さんへ20,900株を割当。使途は、クリプト領域におけるエンタープライズ向け導入支援および関連システムの提供(イネーブラー)に係る事業開発投資。
⑧2025年12月11日開催の取締役会において、2025年12月期通期連結業績予想を上方修正。売上高については、前回公表した2,650百万円に対し、当社が掲げる新戦略における「三層支援」のうち、二層および三層の支援案件が想定を上回って進捗していることから、当期中に約265百万円の追加売上高を見込み、10.0%増の2,915百万円へと上方修正する。なお、これら支援の拡大に対応するための体制強化などによりコストも増加する見込みであることから、当期の営業損益への寄与は限定的と見込んでいる。営業損益については、前回公表した営業損失300百万円から250百万円へ、50百万円の改善を見込んでいる。主な要因は、当初250百万円を想定していたガバナンス強化関連費用について、施策の効率化などにより今期の発生額が約150百万円にとどまる見込みとなり、前回予想比で100百万円のコスト抑制が見込まれる点にある。一方で、2025年第4四半期に見込んでいる売上増加に確実に対応するための短期的な人員強化に加え、中長期の成長に向けた人材採用やツール導入などの先行投資として、前回予想に対して約50百万円の費用増加を見込んでいる。これらを総合した結果、営業損失は前回予想に比べ50百万円の縮小となる見込み。また、経常損失は営業損失と同額の250百万円を見込んでいる。親会社株主に帰属する当期純利益については、2025年8月29日付で、連結子会社Creaditsが保有していた海外連結子会社SuperFaction Pte.Ltd.の株式を全て取得した。これに伴い、本件株式譲渡の影響として想定していたSuperFaction Pte.Ltd.に係る法人税費用が当初想定を下回ることが判明したことから、前回公表した△1,000百万円から△750百万円へと250百万円の損失縮小を見込んでいる。今期の赤字は、前回公表時と同様、事業悪化によるものではなく、「信頼回復」と「将来の成長」の双方を実現するための戦略的な先行投資の結果であるとの認識に変わりはなく、当社グループは、「三層支援」戦略を一層推進することで、来期以降の利益回復と中長期的な企業価値向上の実現を目指していく。
⑨2025年12月11日開催の取締役会において、東京証券取引所グロース市場からスタンダード市場への市場区分変更申請に向けた準備を開始することを決議。スタンダード市場への変更により、投資家層の拡大、株式流動性の向上、企業としての信用力・認知度の向上が期待され、当社の持続的成長に資するものと考えている。
⑩社長の田中裕志さんは、39歳(1986年生まれ)と若い社長。
⑪監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は9,071万円。2024年3月に就任した1名を9ヶ月分として試算すると、単純平均で取締役1人当たり3,298万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
⇒使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。
株主総会での個人メモ
①12月26日(金)を仕事納めとしている会社が多い中、他社ではあまり見かけない年末の12月29日(月)開催の株主総会。
②10月30日に辞任された監査等委員である取締役の大村健さんは、監査等委員である取締役が欠員となっており、権利義務取締役として出席されていた。
③監査等委員である取締役候補者は1名のみだが、前方に関係者席が2つ用意されていた。株主総会終了まで、1つは空席であった。
⇒2025年10月29日に辞任した監査等委員である取締役の渡邉淳さんの席として用意していたが、欠席されていた可能性あり。
④質疑応答で、「10月末に社外の監査等委員である取締役(渡邉淳さん、大村健さん)が辞任されたが、昨年12月に発覚した不正会計について責任を取っての辞任なのか?」との旨の質問あり。社長の田中裕志さんが回答について事務局と相談し、「辞任の理由は一身上の都合。監査等委員である取締役の渡邉淳さん、大村健さんについては、ガバナンスの向上に尽力いただいた。」との旨の回答。
⑤議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
12月26日(金)を仕事納めとしている会社が多い中、今回、他社ではあまり見かけない年末の12月29日(月)開催の株主総会でした。
2025年10月末に、監査等委員である取締役3名の内、社外の監査等委員である取締役の渡邉淳さん、大村健さんの2名がほぼ同時に辞任された点に大きな違和感を感じました。
2024年12月に発覚した不正会計の責任を取っての辞任ではなく、一身上の都合との説明でしたので、辞任の真因が気になると共に、ガバナンスやコンプライアンスにおいて、さらなる問題が隠れていないか心配です。
業績面においては、2期連続で最終赤字が続いており、今期も最終赤字が続く見込みです。まずは、今期末の決算短信において来期の業績予想が黒字回復できるのか注視します。


