東京一番フーズの株主総会に出席しました【2025年12月23日】

株主総会
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東京一番フーズ 第27回定時株主総会

日時:2025年12月23日(火) 10:00-10:25

場所:小田急ホテルセンチュリーサザンタワー(新宿駅徒歩1分)

出席株主数:約20人

お土産:無し

 

企業情報

東京一番フーズ(3067)

HP:株式会社 東京一番フーズ|コーポレートサイト (tokyo-ichiban-foods.co.jp)

①「泳ぎとらふぐ料理専門店とらふぐ亭」「おいしい寿司と活魚料理魚の飯」「うまい寿司と魚料理魚王KUNI」「寿し常」などのブランドを直営およびフランチャイズにて展開する「飲食事業」(売上構成比91%)を主に、自社養殖魚などの活魚・鮮魚を法人・個人向けに販売を行う「外販事業」(売上構成比9%)、「不動産賃貸事業」(売上構成比0%)を運営。

筆頭株主は、社長の坂本大地さんの資産管理会社のなにわで、坂本大地さんの個人の保有分を含め、358万株、40.1%を保有。
第3位の株主は、取締役の良川忠必さんで、9万株、1.0%を保有。

2025年10月6日に提出された大量保有報告書の変更報告書では、社長の坂本大地さんと資産管理会社のなにわの保有分は522万株、52.0%との記載あり。

 

株主優待(3月末、9月末)
500株:株主様ご優待券1枚
1,500株:株主様ご優待券2枚
2,500株:株主様ご優待券3枚
3,500株:株主様ご優待券4枚
4,500株:株主様ご優待券5枚

※株主様ご優待券は、下記商品からの選択
1枚:泳ぎとらふぐコース一人前、焼きふぐ特別プラン(玄海)一人前、魚沼産コシヒカリ2kg
2枚:全国お取り寄せ「くつろぎ」セット(3〜4人前)

 

株式情報

時価総額:40億円(2025年12月22日時点)

売上高:72.5億円(2025年9月期実績)⇒73.4億円(2026年9月期予想)

株価:445円(2025年12月22日時点)

1株純資産:181円(2025年9月末時点)、PBR:2.45倍

1株当期純利益:12.7円(2026年9月期予想)、PER:35.0倍

1株配当:無配(2026年9月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配、株主優待利回り:7.4%(500株保有時、優待品を16,500円/年として計算)

フリーキャッシュフロー:△14.6億円(2025年9月期実績)

株主数:5,606名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①当社グループは、飲食事業を起点に、卸売事業、加工事業、養殖事業を垂直に展開する6次産業化を推進している。その目指すところは、SCM(サプライチェーンマネジメント)力のある垂直統合型の総合水産企業の展開。目的は、グループ飲食店舗のお客様、外販先(飲食業者、小売業者、卸売業者など)とダイレクトに情報共有することで、すべての事業においてお客様視点からの生産・物流などの業務の改善、イノベーションの推進による新たな価値の創造にある。当社グループの飲食事業においては、水産物SCMによるトレースが確認できる安心・安全な食材の調達と職人の技を駆使した満足度の高い料理・サービスの提供をモットーとしている。また、ポテンシャルの高い海外市場に向けた水産物の事業展開を図るための米国出店においては、米国における関税制度の混乱により悪影響は生じるものの、2店舗目開業に向けた準備を進めている。当期においては、働き手不足が深刻化する中で、当社グループの目指すサービス水準維持を前提としたうえで店舗営業の採算性改善および管理部門強化に向けての先行投資を行っている。以上の結果、売上高は72億50百万円(前年比2.8%減)、営業利益1億95百万円(前年比14.2%減)、経常利益1億85百万円(前年比24.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益75百万円(前年比93.0%増)となった。
売上高が減少している要因について説明が無く、違和感あり。

②「飲食事業」セグメントにおいて、「泳ぎとらふぐ料理専門店とらふぐ亭」の一部の店舗ならびに「おいしい寿司と活魚料理魚の飯」調布店は業績改善の見通しが立たないことから、減損損失を13,868千円計上。また、子会社である寿し常では、同社が運営する「海鮮処寿し常」町田東急ツインズ店および丸井錦糸町店、「寿しの魚常」橋本店は業績改善の見通しが立たないことから、減損損失を39,081千円計上。

③当連結会計年度より、「不動産賃貸事業」について、事業運営の実態をより適切に表示するために、報告セグメントとして記載する方法に変更。
「不動産賃貸事業」のセグメントを新設したものの、具体的な事業内容について説明が無く、違和感。

④飲食事業は、「泳ぎとらふぐ料理専門店とらふぐ亭」においては、子会社である長崎ファームとの連携により安定供給される自社ブランド食材の供給に格段の高成果が現れており、仕入原価安定化に寄与している。「寿し常」においても、事業譲受以来行ってきた不採算店舗整理によって収益性を高めてきた。また、「とらふぐ亭」と同様に長崎ファームとの連携による食材の安定供給による仕入原価安定化を図っている。海外店舗である「WOKUNI」においては、賃金と諸物価高騰に加えて現地における税制改正内容についての不透明さが生じる中でも連結利益に寄与しており、1号店の約1.5倍のキャパシティを誇る2号店の開店準備を推進中。飲食事業における共通の取り組みとして、養殖事業を用いた原価管理・安定化のみならず売上管理・利益管理などに向けた改善を行うことを予定しており、当期においてシステム、人的投資などを実施している。以上の結果、当連結会計年度における飲食事業は、売上高65億34百万円(前年比2.6%減)、セグメント利益2億37百万円(前年比13.5%増)となった。
売上高が減少している要因について説明が無く、違和感あり

⑤外販事業は、養殖事業においては、平戸養殖場における「平戸本まぐろ極海一番」の養殖において、より大型の個体の生育を目指し、生産・出荷数のコントロールならびに研究開発を行っている。また、卸売・加工部門においては国内のとらふぐ身欠き(除毒した製品)の需要の伸びを見据え、人員強化による体制整備に向けた先行投資を拡大した。以上の結果、当連結会計年度における外販事業は、売上高6億83百万円(前年比6.8%減)、セグメント損失54百万円(前期はセグメント利益2百万円)となった。
売上高が減少している要因について説明が無く、違和感あり。

⑥不動産賃貸事業は、不動産賃貸事業についての重要性増加に伴い、当連結会計年度より、不動産賃貸事業部として開示している。以上の結果、当連結会計年度における不動産賃貸事業は、売上高32百万円(前年比231.2%増)、セグメント利益15百万円(前年比134.9%増)となった。
売上高が増加している要因について説明が無く、違和感あり。

⑦今後の見通しについては、飲食事業においては、魅力のあるメニュー提供とサービスのクオリティ向上を強化を継続する。更に、宅配やテイクアウトなどの推進など自宅利用における利便性向上により自宅需要も獲得することで、さらに収益の拡大に努めていく。また、その基盤となる水産物の調達においては、自社養殖のとらふぐや本まぐろを主としたSCMの推進による差別化に努め、また、そのスキームを海外へも展開していく。以上により、2026年9月期の業績見通しは、売上高73億48百万円、営業利益2億31百万円、経常利益2億6百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1億15百万円を予想している。

⑧2025年10月9日に、「2025年5月より、連結完全子会社である長崎ファームとブレインパッドとの間で、トラフグ陸上養殖事業に関する業務提携を開始した。」と公表。「サービス・プロダクトにおける一気通貫のデータ分析・活用に習熟しているブレインパッドの知見」「東京一番フーズグループが有する生産からお客様への提供までを通した6次産業化への知見」「長崎ファームにおける養殖事業への様々な挑戦に基づいた専門家としての知見」をそれぞれ有機的に結合させることで、養殖事業の効率化を通じ、「一次産業における事業者とIoTの成功例」として新たな地平を開くことを目的に業務提携を行うこととなった。
2025年5月に業務提携した内容について、2025年10月9日に公表するIR姿勢に違和感。

2025年11月14日に、「2025年9月期連結業績予想と実績値との間に、差異(下方修正)が生じた。」と公表。米国における先行き不透明感による個人消費支出の一時的抑制ならびに新規店舗開店準備に伴う費用発生などにより、売上高・営業損益、経常損益それぞれにおいて業績予想を下回った。また、グループファイナンス最適化の遅れに伴い米国事業における現地資金調達ならびに税金税効果会計への負の影響(海外子会社でありグループ法人税制適用対象外)の発生により、親会社株主に帰属する当期純利益は前回予想を下回った。当社が保有する一部店舗資産などの将来の回収可能性を検討した結果、当第4四半期会計期間において、減損損失25百万円を含む特別損失26百万円を計上した。結果、2025年9月期において、減損損失52百万円を含む特別損失54百万円計上した。

⑩2025年9月末の従業員数は、2024年9月末から25名減の241名。店舗数は、1店舗減の65店舗(FC2店舗含む)。
店舗数は1店舗減だが、従業員数は約1割減っており、退職の原因や影響が気になるところ。

⑪社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は7,901万円。単純平均で取締役1人当たり1,975万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。また、業績が悪化傾向の一方で、役員報酬が大幅に上昇(2024年9月期は、社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は5,227万円)しており、違和感。

 

株主総会での個人メモ

①事業報告は、ほぼ割愛されていたが、議案の採決後、執行役員2名より米国の2店舗目の準備状況、米国への本まぐろの輸出の内容を中心にトピックの説明があった。株主総会開始前には、米国の1店舗目の様子について動画が放映されていた。

②質疑応答で、「個人情報保護のため、質疑応答では名前を名乗らせない会社が多い。時代に合わせて株主総会の運営を見直して欲しい。」との意見あり。

③質疑応答で、「本株主総会の定足数は満たしているとの説明があったが、具体的な数字について説明して欲しい。」との意見あり。「事前の議決権行使数を含め、出席数は55,653個、62.3%となり、定足数を満たしている。」との回答。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

質疑応答では、株主総会の運営に関する意見があったのみで、特に質問も無く、寂しい印象でした。

店舗数について、寿し常買収前としては2009年にピークで51店舗あったものの、以降、店舗数は微減を続け、2020年に47店舗の状態から、寿し常26店舗を買収し73店舗となりました。以降、店舗数は再度、減少傾向となり、2025年9月末時点では65店舗となっています。中期経営計画の公表も無く、今後の成長戦略を描けているのか分からず、気になるところです。

株主総会開始前には、米国の1店舗目の様子について動画が放映され、執行役員2名より米国の2店舗目の準備状況、米国への本まぐろの輸出の内容を中心にトピックの説明がありました。

気になる点として、コロナ禍の2020年を最後にふぐの日フォーラムの再開が無く、2015年は創業20周年で特別記念優待を実施したものの、2025年の創業30周年では実施はありませんでした。今では株主総会のお土産(ひれ酒用のひれ)も無くなっています。

また、体感として、国内店舗においては施設の老朽化が気になり、コロナ禍前に対しサービスレベルも低下しているようにも思え、会社として国内事業への熱意が失われつつあるように感じます。株主総会での説明内容から見ても、熱意は米国事業にのみ傾いているのかもしれません。

なお、2025年11月14日に、中国政府が日本への渡航注意喚起を行った影響で、中国人・香港人のインバウンド需要の減少も見込まれ、日中関係悪化による業績への影響の有無が気になります。

適時開示が少ない会社ですが、適時開示に遅れがあったり、定時株主総会までに決算説明資料も開示されなくなってしまったりと、IR対応にも課題があるように見えます。国内店舗の状況を含め、違和感を多々感じますが、成長戦略の提示や業績改善の兆しが見られないか継続注視します。

 

2025年6月3日に到着した東京一番フーズの株主優待の内容についてはこちら↓

東京一番フーズの株主優待が到着しました【2025年6月3日】 | ぽこタンの株主総会日記

 

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