セキド 臨時株主総会
日時:2025年11月20日(木) 10:00-10:15
場所:新宿パークタワー(都庁前駅徒歩7分)
出席株主数:数名
お土産:HKTフェイスマスク、HKNフェイスマスク
企業概要
セキド(9878)
HP:株式会社セキド
①「GINZA LoveLove」「&choa!」にて、一般顧客向けブランドファッション商品、韓国コスメ・雑貨の販売とリユース品の買取(下取り)や、.インターネットショップを展開する「ファッション事業」(売上構成比56%)を主に、韓国コスメブランド製品の日本総代理店として、国内の有力小売業への卸売および公式ECサイトの運営などを行う「美容事業」(売上構成比42%)、自社で保有する店舗および駐車場用地を他社に賃貸する「賃貸部門」(売上構成比0%)、外商部門において、主に法人向けの空調設備、照明機器設備などの施設工事、個人向けのリフォーム工事などを行う「その他」(売上構成比2%)を運営。
②筆頭株主は、社長の関戸正実さんで、39万株、13.5%を保有。
第2位の株主は、創業家の関戸薫子さんが代表を務める関戸興産で、関戸薫子さんの個人での保有分も含めると、35万株、11.9%を保有。
③株主優待
3月20日
500株:自社取扱コスメクーポン25,000円分、コスメセット(25,000円相当を2セット)
1,000株:自社取扱コスメクーポン25,000円分、コスメセット(25,000円相当を3セット)
9月20日
500株:自社取扱コスメクーポン25,000円分
株式情報
時価総額:17億円(2025年11月19日時点)
売上高:74.9億円(2025年3月期実績)⇒76.3億円(2026年3月期予想)
株価:578円(2025年11月19日時点)
1株純資産:90.5円(2025年6月末時点)、PBR:6.38倍
1株当期純利益:1.36円(2026年3月期予想)、PER:425倍
1株配当:無配(2026年3月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配、株主優待利回り:34.6%(500株保有時)
株主数:2,567名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2026年3月期第2四半期おけるわが国の経済は、長引く国際紛争や物価高騰など、個人消費や企業業績への影響が懸念される状況が続いている。このような環境下、当社は、赤字決算となった2025年3月期からの業績回復を期し、主力事業であるファッション事業(店舗運営事業)と美容事業のそれぞれの課題に取組んでいる。ファッション事業(店舗運営事業)においては、「GINZA LoveLove」の各店舗で自社アプリやSNSなどを利用し、WEBチラシによる会員への購買促進を強化している。具体的には、購買履歴データをAI解析して会員に適正な価格帯での「新商品のご案内」「セール情報」など、週30本以上のプッシュ通知を実施して、既存会員のリピート率向上に努めている。また、「&choa!」店舗においては、2025年5月末に新規店舗1店舗の出店と9月にはショッピングセンター内の区画増床移転によるリニューアルオープンを行うとともに、冬の美容シーズンに向けてさらに認知度の向上を図り、当社ECサイトを含むWEBサイトへの誘導を目的に店外催事を定期的に行っていく。通販部門では、世界114カ国・地域への販売が可能な「Buyee Connect」を導入し、越境ECを開始した。さらに、インフルエンサー施策やソーシャルギフト機能の導入も検討し、グローバルな販路拡大とブランド認知度の向上を図り、売上・利益の成長を目指していく。美容事業においては、美顔器シリーズで韓国シェアNO.1ブランド「medicube(メディキューブ)」の国内オフラインでの展開を強化し、2025年4月には待望の定価1万円(税抜)の新商品も投入した。また、今年に入って、韓国で大人の女性に人気のラグジュアリーコスメブランド「KAHI(カヒ)」、ヴィーガンコスメブランド「athé(アッテ)」ならびにスキンケアブランド「MEDIPEEL(メディピール)」の3つの韓国コスメブランドの日本総代理店となり、当該コスメブランド商品の取扱いも本格的に開始した。その中で当社は、輸入総代理店新規取扱い商材の増加運転資金と韓国コスメセレクトショップ『&choa!』新規店舗出店資金を資金使途として新株予約権を発行し、2025年8月14日までに当該新株予約権の全ての行使が完了した。今後、これにより調達した資金を上記資金使途に充当し、業績の早期回復に努めていく。これらの結果、当中間会計期間の経営成績は、売上高は2,837百万円、総額表示による売上高は3,237百万円となった。利益面では、美容事業の新規ブランドの売上高は拡大中だが、まだ、損益分岐点売上高までは届いておらず、営業損失は244百万円、経常損失は282百万円、法人税などを10百万円計上した結果、中間純損失は293百万円となった。
②ファッション事業においては、韓国コスメのセレクトショップ『&choa!』では、1店舗の出店を行ったほか、ショッピングモール内の区画移転に伴う増床リニューアルを1店舗行った。また、輸入ブランド専門店『GINZA LoveLove』では、路面店舗1店舗を閉店している。営業面では、『GINZA LoveLove』で効果が見られた、AIを使った顧客データ解析による再来店促進施策を『&choa!』に導入し、リピーターの増加に取組んでいる。しかしながら、物価高騰による個人消費への影響か、中高額帯商品の動きが落ち込んだことで、売上高は1,807百万円、総額表示による売上高は2,207百万円、セグメント損失は26百万円となった。
③美容事業においては、新規ブランドの中では価格戦略により美顔器の「medicube(メディキューブ)」が牽引し売上高の拡大フェーズに入りつつあり、売上高は909百万円、セグメント損失は8百万円となった。
④賃貸部門においては、売上高は17百万円、セグメント利益は15百万円となった。
⑤外商部門では、売上高は102百万円、セグメント利益は8百万円となった。
⑥2026年3月期第2四半期(2025年3月21日~2025年9月20日)の業績については、ファッション事業(店舗運営事業)においては、時計やバッグなどで高価格帯の商品が苦戦するなど、売上高が計画未達となった。一方、4つの新規ブランドの内、美顔器の『メディキューブ』は、価格面での競争力を発揮し、好調な推移を見せているが、『KAHI』、『Athe』、『MEDIPEEL』については、本格的な展開はこれからというところで、美容事業でも売上計画には届かず、売上高は、計画を603百万円下回り、2,837百万円となった。利益面では、売上未達の影響により、営業損失は244百万円、経常損失は282百万円、中間純損失は293百万円とそれぞれ200百万円程度の未達となった。 未達となった売上高はこれからピークを迎える年末、年始商戦を含む下半期に取り返すべく、一つひとつの課題に取り組んでいく。2025年5月7日に「2025年3月期決算短信」において公表した通期の業績予想に変更は無い。
⑦2025年5月23日開催の取締役会決議において決定した、EVO FUNDを割当予定先とする第15回~第17回新株予約権(計90万株、行使価額は直前取引日の終値の100%に修正、下限行使価額は355円)について、2025年8月14日に全て行使完了。
⑧2025年10月16日開催の取締役会において、2025年11月20日開催予定の臨時株主総会の付議議案について決議。議案の内容は、定款における発行可能株式総数について、410万株から1,180万株への変更。
⑨2025年11月18日付の取締役会決議において、EVO FUNDを割当予定先とする第18回および第 19回新株予約権の発行および本新株予約権の買取契約を割当予定先との間で締結することを決議。第18回新株予約権の総数は10,000個(100万株)、第19回新株予約権の総数は10,000個(100万株)。下限行使価額は296円。初回の修正では、行使価額は、2025年11月18日の終値の100%に修正。第2回目以降の修正では、行使価額は、修正日に、当該修正日に先立つ3連続取引日の終値の平均値に修正。権利行使期間は、2025年12月5日~2027年12月6日まで。使途は、輸入総代理店新規取扱い商材の運転資金、韓国コスメセレクトショップ『&choa!』新規店舗出店資金。本新株予約権の発行に伴い、社長の関戸正実さんおよび割当予定先は、本新株予約権のための貸株を行う予定(貸借株上限数:200,000株)。
⑩社外取締役を除く取締役2名の報酬等の総額は4,332万円。単純平均で取締役1人当たり2,166万円。
株主総会での個人メモ
①株主総会会場は、セキド本社のある新宿パークタワー内のコンファレンスルーム。
②取締役の小手川大助さんは、所用のため欠席。
③質疑応答で、「今回の定款変更により、発行可能株式数が約3倍に増える。2025年11月18日に、EVO FUNDを割当予定先とする新株予約権の発行を公表したが、今後、割当先がオーナー家(関戸家)ではない新株が発行された場合、オーナー家の保有割合が低下し、経営権を奪われるような状況となってしまわないか心配。」との旨の意見あり。「今回、EVO FUNDを割当予定先とするワラントを200万株で出している。途中で解除もできる契約となっており、経営権、ガバナンス、定足数を考慮し、無原則に行使を進めるつもりは無い。しっかりとコントロールしていきたい。」との旨の回答。
④質疑応答で、「魅力のある株主優待を実施しているが、今回の定款変更により、発行可能株式数が約3倍に増える。新株が発行された場合、株主数が大幅に増えることが予想されるため、現株主優待が維持されるのか心配。」との旨の意見あり。「株主優待については、内容を2倍に拡充した。配当金を出せない状況なので、株主優待は継続していきたい。株主数が増えると株主優待コストが負担となるが、過度な負担とならないように行使のコントロールをしていきたい。十分な資金調達が確保できたら、契約を解除していく。」との旨の説明。
⑤議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、セキド本社のある新宿パークタワー内のコンファレンスルームでの開催でしたので、良い機会となりました。
質疑応答では、社長の関戸正実さんが丁寧に回答対応されていました。また、株主総会後に、会場出口で役員の見送りがありました。
2026年3月期第2四半期の決算短信において、「輸入総代理店新規取扱い商材の増加運転資金と韓国コスメセレクトショップ『&choa!』新規店舗出店資金を資金使途として新株予約権を発行し、2025年8月14日までに当該新株予約権の全ての行使が完了した。今後、これにより調達した資金を上記資金使途に充当し、業績の早期回復に努めていく。」との説明があった一方で、今回の臨時株主総会の結果、発行可能株式総数が410万株から1,180万株に変更され、今後、追加で実施されるであろう増資を考慮すると、1株あたりの価値の希薄化が気になります。また、その場合の発行条件も気になります。
ブランドショップについては、インフレによりブランド品への支出が抑えられ気味で、同業他社も苦戦を強いられている中、2025年11月14日に、中国政府が日本への渡航注意喚起を行った影響で、中国人・香港人のインバウンド需要の減少も見込まれ、業績への影響の有無が気になるところです。
2004年にホームセンター事業、2012年に家電店舗販売事業から撤退し、売上が急減した後は、売上横ばいが続いています。また、自己資本比率が14.5%と低く、1株純資産も100円を割ってしまい、ワラントによる資金調達に頼る厳しい状況です。
一方で、セキドの家電店舗やブランドショップには思い入れもあり、美容事業の拡大やさらなる施策でなんとか踏ん張って生き残り、業績の回復へつなげて欲しいです。再投資も検討します。



