堀田丸正の株主総会に出席しました【2025年11月11日】

株主総会
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堀田丸正 臨時株主総会

日時:2025年11月11日(火) 10:30-11:05

場所:国際ファッションセンター(大江戸線両国駅直結)

出席株主数:約70名

お土産:新社名(Bitcoin Japan)入りTシャツ、もしくは新社名のロゴ入り帽子

 

企業概要

堀田丸正(8105)

HP:堀田丸正株式会社 | ファッション、きもの、マテリアル、繊維、ジュエリー、ライフスタイル商品の企画・製造・販売

①留袖、訪問着、振袖、袋帯などの和装品、宝石、貴金属などの指輪、ネックレスなどの宝飾品、帯揚げ、帯〆、半衿、草履、着付小物などの和装小物品を卸売販売する「きもの事業」(売上構成比20%)、マットレスを中心としたヘルスケア商品などを卸売販売する「ライフスタイル事業」(売上構成比2%)、布帛・ニットを中心とした婦人服およびホームファッションなどの卸売、百貨店などでの婦人服販売、ニット製品の企画販売およびD2C事業を行う「ファッション事業」(売上構成比48%)、意匠撚糸の製造・卸売販売を行う「マテリアル事業」(売上構成比30%)、不動産賃貸事業を行う「その他」(売上構成比0%)を運営。

筆頭株主は、RIZAPグループ(2928)で、3,500万株、62.2%を保有。
第2位の株主は、和装品・洋装品の加工・販売などを手掛けるヤマノホールディングス(7571)で、ヤマノホールディングスの子会社のヤマノビューティメイトグループの保有分も含めると、211万株、3.7%を保有。

③2025年11月11日に、商号を「堀田丸正」から「Bitcoin Japan」へ変更。

株主優待(3月末)
500株:2,000優待ポイント
1,000株:3,000優待ポイント
2,000株:6,000優待ポイント
3,000株:8,000優待ポイント
5,000株:13,000優待ポイント
10,000株:25,000優待ポイント

 

株式情報

時価総額:401億円(2025年11月10日時点)

売上高:30.9億円(2025年3月期実績)⇒32.0億円(2026年3月期予想)

株価:674円(2025年11月10日時点)

1株純資産:46.1円(2025年6月末時点)、PBR:14.6倍

1株当期純利益:△4.09円(2026年3月期予想)、PER:赤字

1株配当:未定(2026年3月期予想)、配当性向:赤字

配当利回り:未定、株主優待利回り:0.1%(500株保有時、株主優待品を600円として計算)

株主数:7,611名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2026年3月期第2四半期は、当社グループは前期に構造改革を実施し、不採算事業から撤退するとともに、中長期的な価値創造を見据えた事業に経営資源を集中し、成長基盤の構築を進めてきた。構造改革によるコスト削減の効果はあったものの、きものを除く全セグメントにおいて減収、また、円安などによる仕入コストの上昇や物流コストの上昇なども影響し全社において減収減益となった。経常利益においては、親会社であったRIZAPグループが、Bakkt Opco Holdings,LLCへ株式を譲渡したことに伴い、新規事業への資金調達の検討や臨時株主総会の開催などにむけた費用などを計上した。加えて、当社が保有する一部固定資産について、収益性の低下が見られたため、減損損失として特別損失に42百万円を計上した。この結果、売上高は14億52百万円(前年比5.1%減)、営業損失は1億93百万円(前年は営業損失1億86百万円)、経常損失は1億88百万円(前年は経常損失1億58百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は2億40百万円(前年は純損失1億63百万円)となった。

②きもの事業は、専門店事業は、新規催事企画の推進、新商品の販売など新たな取り組みが成果を得たが、前期の大型倒産による影響と大手きものチェーン店が大きく落ち込み減収減益、百貨店事業は、百貨店単独売場化を推進し、中間連結会計期間においては前年を上回る結果となったが、販売コストが重みとなり増収減益となった。この結果、売上高は3億29百万円(前年比3.6%増)、営業損失は67百万円(前年は営業損失38百万円)となった。

③ライフスタイル事業は、ヘルスケア部門において、大口取引先からの受注が軟調に推移し減収減益となった。この結果、売上高は15百万円(前年比24.5%減)、営業損失は5百万円(前年は営業損失3百万円)となった。

④ファッション事業は、ジュニア部門は、円安による原価高が影響したが、収益性を鑑みた取引先の選択と集中により増収増益、ホームファッション部門は、円安進行による原価高をコスト削減で吸収し減収増益、ミセス部門の卸事業は、PB品の受注が好調に推移したが、催事販売は開催数の減少が影響し減収減益、SHOP事業は、前期での出店により前年並みとなったが、販売コストが重みとなり減益、ファッション事業全体で減収ながら営業損失が縮小となった。この結果、売上高は6億65百万円(前年比5.6%減)、営業損失は22百万円(前年は営業損失27百万円)となった。

⑤マテリアル事業は、国内事業は、国内アパレルメーカーからの受注減により減収、上海事業は、中国内需の取引は引き続き厳しい状況にあったが、国内事業との連携により日本への販売が好調に推移し増益となった。国内事業および上海事業ともにコストの大幅削減を行ったことにより営業損失は縮小した。この結果、売上高は4億36百万円(前年比9.3%減)、営業損失は7百万円(前年は営業損失19百万円)となった。

⑥当社グループは、前連結会計年度において、営業損失3億55百万円および経常損失3億円、親会社株主に帰属する当期純損失4億7百万円を計上する結果となった。当社グループの業績は、前連結会計年度まで7期連続で営業損失、経常損失を計上している。そのため過去の業績も考慮し、継続企業の前提に関する注記を開示するまでに至らないが、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しているものと認識している。

2025年5月26日に、「親会社であるRIZAPグループは、当社の株式の30%を合同会社エンヴィーに譲渡することを決議した旨の連絡を受た。」と公表。

⑧2025年5月29日に、「親会社であるRIZAPグループが、その保有する当社株式の一部を、市場外での相対取引により合同会社エンヴィーへ譲渡する予定。売出株式数は16,864,650株、売出価格は1株につき88.94円、受渡期日は2025年6月10日の予定。」と公表。

2025年6月11日に、「親会社RIZAPグループから、合同会社エンヴィーに対する株式譲渡が中止となった旨の報告があった。」と公表。

⑩2025年6月19日に、「2025年6月25日に開催予定の第121回定時株主総会に付議予定の「第2号議案取締役4名選任の件」および「第3号議案監査等委員である取締役3名選任の件」について、当社の株主(親会社)であるRIZAPグループから、本総会において修正動議を提出する予定である旨の連絡があった。」と公表。RIZAPグループから本修正動議の理由について、「RIZAPグループが保有する堀田丸正の株式一部譲渡の中止に伴い、当該議案の一部について修正が必要であると判断し、堀田丸正の事業経営に経験や理解のある経営者が適切と考え、新たな候補者を提案するため、本修正動議を提出することに決定した。」との説明あり。

2025年6月25日に開催の第121回定時株主総会にて、RIZAPグループからの修正動議が可決。当初代表取締役に内定していた塚川仁喜さんに替わり、上杉隼土さんが代表取締役社長に就任。

⑫2025年6月26日に、「当社は、2025年3月31日時点において、スタンダード市場における上場維持基準に適合しない状態となった。「流通株式時価総額」が7.9億円であり上場維持基準(10.0億円)に達していない。」と公表。取組内容は、「早期に株主優待制度の拡充を行う。」「RIZAPグループは、保有する当社の株式の一部を市場で売却を進めている。これにより流通株式数は増加していくものと判断している。具体的には、当社の大株主であるRIZAPグループが、2025年6月4日付で株式の売却を行うために三井住友信託銀行と株式処分信託契約を締結し、2,810,775株売却している。」など。

2025年8月4日に、「親会社であるRIZAPグループが、その保有する当社株式の一部を、市場外での相対取引によりBakkt Opco Holdings, LLCへ譲渡することを決議した。売出株式数は16,864,650株、売出価格は1株につき99.41円、受渡期日は2025年8月5日の予定。」と公表。

⑭2025年9月26日に、2025年11月11日開催予定の臨時株主総会において、商号変更を含む「定款一部変更の件」「取締役3名選任の件」などの議案を付議することを決定。商号を、「堀田丸正」から「Bitcoin Japan」へ変更。当社の新規事業としてビットコイン・トレジャリー事業を開始することとし、また、将来的には(主にビットコイン・トレジャリー事業およびその関連事業に伴う)金融関連事業の開始も視野に入れている。これに伴い、今後、当該新規事業を展開する企業としてふさわしい商号とするべく、商号の変更を行う。変更予定日は2025年11月11日。
発行可能株式総数について、6,000万株から238,561,392株とする。A種種類株式250,000株、B種種類株式 250,000株、C種種類株式250,000株も発行可能とする。今後の資本政策の柔軟性を高め、資金調達の選択肢の多様化を図るため、A種種類株式、B種種類株式およびC種種類株式に関する規定を新設する(なお、各種類株式に関する規定に係る定款変更は、各種類株式の導入に備えた制度的枠組みを整備するものであるが、現時点で各種類株式の発行について具体的な計画が進行しているわけではなく、かかる発行が行われるかどうかは未確定。もっとも、当社は 、資金調達の選択肢を検討するため、直ちに投資銀行または証券会社との協議を開始する予定。)。将来の機動的な資金調達の検討の可能性や情報の透明性の観点から、各種類株式に関する規定を新設するものだが、今後の検討に伴い、これらの種類株式に係る定款上の規定を修正する必要が生じた場合には、さらに定款を変更する可能性がある。

⑮2025年9月26日に、代表取締役の異動および役員の異動について公表。代表取締役社長の上杉隼土さんは退任し、Bakkt HoldingsのPhillip Lord(フィリップロード)さんが代表取締役社長CEOに就任。経営体制を強化し、ビットコイン・トレジャリー事業拡大の速度を上げ、より一層の中長期的な企業価値の向上を図るため。2025年11月11日開催予定の臨時株主総会および同総会終了後に開催予定の取締役会において正式に決定される予定。取締役のうち、RIZAPグループから選任されていた上杉隼土さん、木村仁美さん、中田剛史さんの3名は、全員退任。

2025年11月10日に、2026年3月期通期連結業績予想数値を下方修正。売上高は、百貨店との取引拡大によってきもの事業の売上は伸びたものの、マテリアル事業およびファッション事業において気候変動の進行による季節商材の売上不振の影響などを受けた。第3四半期以降も百貨店との取引拡大などの伸長する要素はあるものの季節要因に大きく左右され厳しい状況が予測されるため、大幅な改善は見込めないことから通期において前回発表予想を下回る見込み。利益面についても、売上高の減少に加え、価格高騰に起因した市場全体での在庫過多の影響による粗利率改善の遅れや、百貨店取引拡大に伴う販売費、物流コストの値上げ影響による経費の増加、営業外費用および特別損失(固定資産の減損損失)の計上の影響があった。第3四半期以降に売上高の大幅な改善が見込めないことに加え、臨時株主総会の開催費用などの負担などもあり、通期において利益改善が見込めないことから前回発表予想を下回る見込みとなったので、通期の連結業績予想を修正。また、通期の連結業績予想に関しては、2025年8月4日に公表した「親会社、その他の関係会社、主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動」による当社株式の譲渡に伴い、2025年11月11日開催予定の臨時株主総会において定款の一部変更が承認された後に、新経営体制のもと新規事業(暗号資産事業)への取り組みを行う予定。新規事業の影響については現在精査中であり、今回の業績修正数値には新規事業の影響を織り込んでいない。

⑰社長の上杉隼土さんは、43歳(1982年生まれ)と若い社長。

⑱社外取締役と監査等委員である取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は670万円。2024年6月に退任した2名をそれぞれ3ヶ月分として、2024年8月に退任した1名を5ヶ月分として、無支給者2名をRIZAPグループからの2名として試算すると、単純平均で取締役1人当たり618万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。

 

株主総会での個人メモ

①取締役の木村仁美さん、中田剛史さんは、所用のため欠席。

②質疑応答で、「ビットコイン・トレジャリー事業について、今後に向け、何かキーワードを教えて欲しい。」との旨の質問あり。「ビットコイン・トレジャリー事業の今後の事業展開については、新任の取締役を含めた新たな取締役会で決議して進める。私(上杉隼土さん)からは詳細についての説明は控える。」との説明。

③質疑応答で、「新株発行により発行株式数が増加するが、新株発行により株価が下がらないように配慮して欲しい。」との意見あり。「真摯に受け止める。」との回答。

④質疑応答で、「商号が「堀田丸正」から「Bitcoin Japan」へ変更となるが、例えば、きもの事業などで取引先を伺う社員の名刺も「Bitcoin Japan」へ変更となるのか?取引先からの信頼を損ねたり、既存事業の社員においてモチベーションの低下が心配。堀田丸正の名前は歴史がありブランドでもあるので、既存事業は子会社化したりして名前を残したほうが良いのでは?」との旨の質問あり。「きもの、マテリアル、ファッションの事業についてはこれまで通り継続する。「堀田丸正」の名前は変更され、名刺は「Bitcoin Japan」となる。「堀田丸正」の名前は社内には残る。社員に対して、既存事業は継続すると説明しているので、モチベーションの問題は無い。」との旨の説明。

⑤質疑応答で、「昨日、開示された「通期業績予想の修正」では、1株当たり当期純利益が△4.09円となっているが、同時に開示された「2026年3月期第2四半期決算短信」では、1株当たり当期純利益が4.09円と黒字になっている。記載間違いだと思うので、訂正されたほうが良いのでは?」との意見あり。「内容を確認して対応する。」との回答。

⑥質疑応答で、「定款に追加される「AI、ビットコインのマイニングおよびクラウド一般向けのデータセンターの開発およびリースに関する事業」について、今回の新株発行で調達する資金の範囲内で行う予定なのか?」との旨の質問あり。「新規事業を見据えて、今回、定款を変更する。新規事業については、新任の取締役を含めた新たな取締役会で決議して進める。」との説明。

⑦質疑応答で、「「資金調達について、直ちに投資銀行または証券会社との協議を開始する予定。」との説明だが、具体的に協議をする投資銀行や証券会社が決まっているのであれば教えて欲しい。」との質問あり。「現時点、具体的な計画が進行しているわけではないので答えられない。新任の取締役を含めた新たな取締役会で決議して進める。」との回答。

⑧質疑応答で、「ビットコイン・トレジャリー事業について、具体的な数値目標を教えて欲しい。」との質問あり。「新任の取締役を含めた新たな取締役会で検討する。」との説明。

⑨質疑応答で、「RIZAPグループは、保有する堀田丸正の株式について、3,218万株の内、今回、1,686万株を売却したが、まだ1,532万株が残っている。今後、残りの1,532万株も売却を進めるのか?それとも今後も経営に関与を続けるのか?」との旨の質問あり。「RIZAPグループは、堀田丸正の株式について売却方針を掲げているが、当社では具体的なRIZAPグループの意向を承知していない。」との回答。

⑩議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

今回の臨時株主総会の結果、発行可能株式総数が6,000万株から約2億3,856万株に変更され、優先株も発行可能となり、今後実施されるであろう増資を考慮すると、1株あたりの価値の希薄化が気になります。

以前は業績不振の会社が再生可能エネルギー(太陽光発電など)事業に手を出すケースが目に付きましたが、昨今では、業績不振の会社が暗号資産(ビットコインなど)取得を行うケースが増えている印象です。

RIZAPグループにおいては、保有する堀田丸正の株式について、1,532万株(27.2%)が売却せずに残っている一方で、本臨時株主総会をもって、RIZAPグループから選任されていた取締役の上杉隼土さん、木村仁美さん、中田剛史さんの3名全員が退任し、また、木村仁美さん、中田剛史さんにおいては、本臨時株主総会すら欠席していた点も気になりました。

議長を務められていた上杉隼土さんが、多くの質問に対して、ほぼほぼ、「新任の取締役を含めた新たな取締役会で決議して進める。」と回答していた点も考慮すると、今後、RIZAPグループが経営に関与する意思は無いものと思われ、今後の保有(売却)方針が気になるとともに、売り圧力とならないか心配です。

なお、筆頭株主のBakkt Holdingsのフィリップロードさんが社長に就任する予定ですが、フィリップロードさんから英語で通訳を交えて丁寧な挨拶があり、「本日、会社の新しい方向性について動画を出すので見て欲しい。」との言葉が印象に残りました。

1894年に呉服問屋として開業し、1933年に株式会社を設立した歴史のある会社ですが、商号が慣れ親しんだ「堀田丸正」から「Bitcoin Japan」へ変わってしまうのは寂しいものの、良し悪しは別にして、経営陣が大きく変わり、会社が変わる過渡期になるかもしれません。

2019年3月期から7期連続で営業赤字が続いていますが、新社長のフィリップロードさんの手腕に期待し、まずは、今後公表されるであろう新規事業を含めた業績予想を確認します。

 

株主総会会場近くにある堀田丸正の本社が入る国技館フロントビルディング
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