ナルミヤ・インターナショナル 臨時株主総会
日時:2025年8月28日(木) 10:00-10:15
場所:芝パークホテル(御成門駅徒歩2分)
出席株主数:約30名
お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり
企業概要
ナルミヤ・インターナショナル(9275)
①ベビー・子ども服の企画販売事業、オリジナル・ライセンスブランドの展開による子ども服および関連製品の製造加工販売を運営。
②筆頭株主は、総合アパレル大手のワールド(3612)で、586万株、59.7%を保有。
各種繊維品の卸売などを手掛ける豊島が、第2位の株主として、64万株、6.5%を保有。
人材派遣業務などを手掛けるソーエイが、第3位の株主として、23万株、2.3%を保有。
大手繊維専門商社のモリリンが、第4位の株主として、19万株、1.9%を保有。
繊維商社の三共生興(8018)の子会社の三共生興アパレルファッションが、第10位の株主として、6万株、0.6%を保有。
株式情報
時価総額:173億円(2025年8月27日時点)
売上高:391億円(2025年2月期実績)⇒440億円(2026年2月期予想)
株価:1,716円(2025年8月27日時点)
1株純資産:715円(2025年2月末時点)、PBR:2.40倍
1株当期純利益:168円(2026年2月期予想)、PER:10.2倍
1株配当:無配(2026年2月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配
株主数:9,796名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2026年2月期第1四半期は、業績については、比較的暖かい天候にも恵まれ、春物の売上が好調に推移し、特に入園・入学式・卒業式に対応したオケージョン商品が売上を牽引した。昨年度から再開した積極的な新規出店に伴う売上増加、それに加え、ルミネ新宿で開催したメゾピアノジュニア25周年記念POPUP店舗の売上も寄与したこともあり、売上高は堅調に推移し、10,122百万円(前年比109.9%)となった。一方で、コスト面については、出店増加に伴う新卒採用の実施や既存社員への処遇改善の実施による人件費の増加、昨年度から引き続き積極的な新規出店に伴う開店コストなどの先行投資を進めているなどの一過性の事象もあり、販売費及び一般管理費が5,596百万円(前年比111.1%)となった。以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は10,122百万円(前年比109.9%)、営業利益は674百万円(前年比91.9%)、経常利益は678百万円(前年比93.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は435百万円(前年比90.3%)となった。
②ワールドとナルミヤ・インターナショナルは、2025年7月3日に開催された両社の取締役会決議により、ワールドを株式交換完全親会社とし、ナルミヤを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決定し、同日、ワールドとナルミヤの間で株式交換契約を締結。本株式交換は、ワールドにおいては、会社法の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の決議による承認を受けずに、ナルミヤにおいては、2025年8月28日開催予定の臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、2025年10月1日を効力発生日として行う予定。なお、本株式交換の効力発生日に先立ち、ナルミヤの普通株式は、2025年9月29日に上場廃止となる予定。ナルミヤ株式1株に対して、ワールド株式0.58株を割当交付する。
③ワールドは、ワールドにはない子供服ブランドを保有するナルミヤ株式を取得しナルミヤとの関係を強化することがワールドのブランド事業の発展に資すると考え、ナルミヤとの取引関係を維持・発展させていくことを目的に、2018年9月の東京証券取引所市場第二部へのナルミヤ株式の上場の際に、ナルミヤ株式の割当てを受けて以降ナルミヤ株式の取得を進め、2019年3月には、ナルミヤ株式の追加取得によりナルミヤを持分法適用関連会社化した。その後、資本関係や取引関係をより強固にするために、両社は、2022年1月13日付で資本業務提携契約を締結するとともに、ワールドは、同年2月に実施された公開買付けによりナルミヤ株式を追加取得し、ナルミヤを連結子会社としている。その後、両社は、双方の強みを活かした協力関係のもと、経営資源の相互活用を通じた業務・人事・事業等の多面的なシナジーの共創に努め、ナルミヤは、ワールドグループのポートフォリオにおいて、ベビー・子供服のカテゴリキラーとしての強みを存分に発揮してきた。もっとも、国内のアパレル業界を取り巻く環境は、仕入価格や物流費、人件費などのコスト上昇が鮮明になっており、今後は競争力を維持できない企業およびブランドの淘汰が益々進んでいくものと考えられる。また、金融市場に眼を向けると、東京証券取引所の要請と共に、TOPIX(東証株価指数)構成銘柄の絞り込みが進み、それにより上場コストが改めて認識されている状況。ナルミヤの掲げる既存・新規事業の強化には、これまで以上のコスト削減や新規投資も必要になるところ、ナルミヤ少数株主の利益にも配慮を要する現状の資本関係では、柔軟かつスピーディな意思決定による事業戦略の推進、インパクトある事業開発投資の実行およびナルミヤに対するワールドグループの経営資源の投入に構造的な限界を迎えつつあると考えている。
④こうした状況の中、完全子会社化を通じて、ワールドとナルミヤ少数株主との間の利益相反や独立性確保のための制約を排除し、より長期的な視点からワールドグループ全体の規模を活かした企業価値拡大に資する事業への投資の実行、ワールドグループで保有する資産の総合的な活用、コスト削減による経営の効率化が可能になるものと考える。以上により、ナルミヤの完全子会社化は、現行の資本関係では十分になしえなかった成長施策の推進、ひいては今後のナルミヤおよびワールドグループの更なる企業価値向上の観点から非常に有益であると判断し、両社でナルミヤの企業価値向上に向けた施策の可能性や、完全子会社化の方法について協議を重ねてきた。その結果、ワールドによるナルミヤの完全子会社化により、企業価値向上の施策を実行可能であるとの共通認識に至った。
⑤また、完全子会社化の方法としては、株式交換を選択することにした。本株式交換の対価としてワールドの普通株式がナルミヤの少数株主に交付されることにより、ワールド株式の保有を通じて、本株式交換後に想定されている各種施策の実行を通じて期待される効果や、かかる効果の発現によるワールドグループの事業発展・収益拡大、その結果としてのワールド株式の株価上昇などを享受する機会をナルミヤの少数株主に対して提供できることに加え、ワールド株式には十分な流動性があり、市場取引により随時現金化が可能であることから、ワールド株式を継続保有するか、売却して現金化するかの選択肢をナルミヤの少数株主に提供できるという観点からも望ましいスキームと判断した。以上により、ナルミヤとワールドは、ワールドによるナルミヤの完全子会社化が、今後のナルミヤおよびワールドグループの更なる企業価値向上に資するものであり、ワールドおよびナルミヤの双方の株主にとっても有益なものであると判断したことから、本株式交換を行うことを決定し、本株式交換契約を締結することとした。
⑥監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は4,026万円。無報酬の2名を考慮して計算すると、単純平均で取締役1人当たり2,013万円。
株主総会での個人メモ
①株主による会場内でのパソコンやスマホの使用禁止の案内があったが、一方で、取締役などの会社側の出席者はノートパソコンを使用していた。
⇒出席株主に会場内でのパソコンやスマホの使用禁止を求めるのであれば、会社側のメンバーも同様に使用禁止にすべきだと思う。
②質疑応答で、「2018年の再上場後、ナルミヤ単体としては、個人株主を前にした最後の株主総会となる。再上場後の良かった点、悪かった点について総括を伺いたい。」との意見あり。「良かった点としては、ネームバリューが若い人たちに知れ渡った点。事業も拡大できた。百貨店だけではなく、Eコマースなどマルチチャネルを進められた。コロナもあったが、厳しい状況の中、上手く乗り越えられた。悪かった点は、早めに海外に出店を進めたかったが、資金が足りないため、対応できなかった。」との旨の説明。
③議案に反対される株主については、株式買取請求ができるとのことで、反対株主に挙手を求め、株主番号の確認をされていた。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
質疑応答では、社長の國京紘宇さんが自身の言葉で丁寧に回答対応をされていました。
社長の國京紘宇さんからの説明の中で、「今までもワールドとシナジーが取れていた。ワールドの企業価値を高めていく。」、経営理念の「世代を超えて愛される企業へ」などの言葉が特に印象に残りました。
2025年9月29日に上場廃止の見込みとなり寂しいですが、今後、ワールドへ投資を検討する際の参考とします。
