コジマ 第62期定時株主総会
日時:2024年11月20日(水) 10:00-11:15
場所:コンセーレ(東武宇都宮駅からバスで20分)
出席株主数:約30名
お土産:カレンダー、コジマのロゴ入りミネラルウォーターの配布あり
企業概要
コジマ(7513)
HP:コジマ | ビックカメラグループ (kojima.net)
①物品販売業部門として「コジマ×ビックカメラ」にて家庭用電化製品などの販売を手掛ける。
②筆頭株主は、家電量販店大手のビックカメラ(3048)で、3,900万株、50.6%を保有。
創業者一族の小島章利さんが、第3位の株主で、代表を務めるケーケーワイの保有分も含めると、387万株、5.0%を保有。
③株主優待
2月末
100株:株主様お買物優待券1,000円
500株:株主様お買物優待券3,000円
8月末
100株:株主様お買物優待券1,000円
500株:株主様お買物優待券3,000円
1,000株:株主様お買物優待券5,000円
3,000株:株主様お買物優待券15,000円
5,000株:株主様お買物優待券20,000円
長期保有(1年以上2年未満)
8月末
100株:株主様お買物優待券1,000円追加
長期保有(2年以上)
8月末
100株:株主様お買物優待券2,000円追加
株式情報
時価総額:798億円(2024年11月19日時点)
売上高:2,698億円(2024年8月期実績)⇒2,753億円(2025年8月期予想)
株価:1,025円(2024年11月19日時点)
1株純資産:861円(2024年8月末時点)、PBR:1.19倍
1株当期純利益:54.5円(2025年8月期予想)、PER:18.8倍
1株配当:18円(2025年8月期予想)、配当性向:33%
配当利回り:1.7%、株主優待含む利回り:5.6%(2年以上継続100株保有時)
株主数:94,833名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①家電小売業界における売上は、パソコン、ゲームなどが低調に推移したが、スマートフォン、理美容などが好調、調理家電などが堅調であったため、総じて堅調に推移した。このような状況の中、「家電を通じて 笑顔あふれる 明るく暖かいみらいをつくる くらし応援企業であること」のパーパスのもと、「お客様のくらしを『より快適に』『より便利に』『より楽しく』します。くらし応援コジマ」をビジョンに掲げ、「生産性の向上」および「持続的な成長」の2大戦略を推進するとともに、短期的な視点での「収益性」、中期的な視点での「成長性」、超長期的な視点での「社会性」の3つの観点に基づいて事業に取り組み、企業価値の向上に努めている。
②「収益性」としては、店舗における販売員の「接客力・専門性の強化」に取り組み、今期新たに開設した「上板橋研修センター」において、基礎的な商品知識から実際の接客までを一貫して学ぶことができる研修プログラムを導入し、販売員一人ひとりの接客レベル向上に努めている。さらには、販売員向けにエアコン設置工事研修を実施し、エアコン販売の知識向上を図ることで、より省エネ性能に優れた高付加価値商品を提案できるよう育成に努めている。あわせて、接客対応の時間をより長く確保するため、電子棚札の導入店舗を拡大し「業務効率の改善」にも努めている。商品の機能説明だけではなく、お客様の生活シーンに寄り添った付加価値の高い商品を提案できる接客を強化することで、他社との差別化を図り、収益の増加と生産性の向上に努めている。また、「集客力の強化」に取り組み、お客様から大変ご好評をいただいているミニ四駆大会や、地域の企業・自治体と連携したイベントを積極的に開催するなど、ご来店のお客様に楽しんでいただける機会の創出に取り組んでいる。
③「成長性」としては、「EC事業」において、自社サイトである「コジマネット」の機能強化を図り、商品紹介コンテンツのリッチ化や「コジマ×ビックカメラカード」で無金利分割60回までのお支払方法を導入した。また、2024年7月より、ベネフィット・ワンが提供する福利厚生サービスと連携し、「コジマネット」への送客を図るなど、収益の向上に取り組んでいる。「住設事業」においては、引き続き、住設部門の売場を充実させた店舗リニューアルを進めることで、スマートハウスの提案を強化し、太陽光発電や蓄電池などの再生エネルギー関連商品の拡販に努めている。加えて、外壁屋根の塗装や修繕リフォームの認知度向上にも取り組み、売上の拡大を図っている。
④店舗展開においては、2023年11月23日に「コジマ×ビックカメラ 新さっぽろデュオ店」(北海道札幌市)をはじめ2店舗を開店した一方、2024年6月30日に「コジマ×ビックカメラ ファボーレ富山店」(富山県富山市)をはじめ4店舗を閉店したことから、2024年8月末現在の店舗数は139店舗となった。 なお、7月10日には、インバウンド需要をターゲットにしたポップアップストア「コジマ×ビックカメラ 沖縄アウトレットあしびなー店」(沖縄県豊見城市)を期間限定で開店している。
⑤当事業年度の上半期(9月~2月)においては、巣ごもり需要などの反動減影響により、テレビやパソコンなどが低調に推移したことに加えて、EC事業を中心に利益重視の体制強化を実施してきた影響によって、売上高が減少したが、売上総利益率は大幅に改善した。その結果、営業利益および経常利益は、前年をわずかに下回る水準で着地した。下半期(3月~8月)においては、携帯電話やエアコンの好調、テレビの需要回復に伴い、売上高は増収に転じた。さらにEC事業の収益改善に加えて、店舗における高付加価値商品の販売強化により、売上総利益率は、引き続き前年に対して大幅に改善した。また、販売費及び一般管理費については、将来の成長に向けた積極的な人的資本投資やシステム投資などの費用が増加した一方で、デジタル広告・スマートフォンアプリの活用による広告宣伝費の削減や、節電対策による水道光熱費の削減など、経費コントロールに継続して取り組んできたことから、各段階利益は増益となった。 以上の結果、当事業年度の売上高は2,698億68百万円(前年比0.7%増)、営業利益は63億59百万円(前年比32.0%増)、経常利益は66億27百万円(前年比28.8%増)、税引前当期純利益は54億25百万円(前年比10.8%増)、当期純利益は40億1百万円(前年比39.5%増)と、増収増益となった。 品目別売上高のうち物品販売事業について、音響映像商品の売上高が401億22百万円(前年比1.7%減)、家庭電化商品の売上高が1,200億5百万円(前年比1.2%減)、情報通信機器商品の売上が 761億96百万円(前年比2.1%増)、その他の商品は320億98百万円(前年比8.8%増)となった。
⑥2025年8月期は、家電市場においては、今後も厳しい競争環境が続くと想定されることから、他社との差別化を図るべく、「コジマ」の店舗ブランド力強化に努め、家電販売力の向上に取り組んでいく。販売員の接客品質の底上げを図り、成約率を高めるため、研修センターの拡大による教育機会の充実や資格取得支援などを推進し、より一層販売員の育成に取り組んでいく。また、店舗業務の効率化や新たな人事評価制度の導入などにより、接客に注力できる環境を整え、人時生産性の向上にも取り組んでいく。さらに、2025年には創業70周年を迎えることから、記念セールなどの各種販促施策を展開し、収益向上に努めていく。成長事業の収益拡大に注力し、EC事業においては、継続して自社サイトのコンテンツリッチ化や利便性向上を実施することに加えて、ECプラットフォームを活用した新たな分野のサービスの導入などを実施することで、収益向上に取り組んでいく。法人事業においては、法人WEB受注の活用による効率的な営業を推進するとともに、法人事業所と店舗法人のエリア再構築による収益改善を図っていく。住設事業においては、再生エネルギーやリフォーム事業の専任者増員や人財育成による売上拡大、「くらし応援便」と連携したお客様宅への訪問営業強化による収益拡大を図っていく。以上の取り組みにより、売上高は2,753億円(前年比2.0%増)を見込んでいる。
店舗やECにおける高付加価値商品の販売強化に加えて、商品在庫の適正化に取り組むことで、売上総利益率の向上に努めていく。また、将来の成長に向けた人的資本投資やシステム投資を引き続き見込むものの、販管費のコントロールに努めることから、営業利益は64億円(前年比0.6%増)、経常利益は66億50百万円(前年比0.3%増)、当期純利益は42億円(前年比4.9%増)を見込んでいる。
⑦2024年7月30日に、株主優待制度の変更(拡充)を公表。NISA制度が拡充され、長期的な資産形成への関心が高まる中、当社株式への投資魅力をさらに高めるとともに、より一層株主様との関係性を深め中長期的に保有していただくことを目指し、株主優待制度の内容を変更(拡充)することとした。2025年2末日より新しい制度を適用。
⑧2024年10月18日に、決算説明会資料の中で、2025年8月期~2029年8月期中期経営計画を公表。2029年8月期に売上高3,150億円、営業利益90億円。
⑧監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は14,000万円。なお、取締役5名のうち1名は無報酬。単純平均で取締役1人当たり3,500万円。
株主総会での個人メモ
①株主総会会場は、最寄りの駅からバスで約20分かかり、ややアクセスが不便な場所での開催。
②質疑応答で、「定款から、コジマの特徴であった「家庭電化製品の安値日本一への挑戦販売」を削除する背景は?」との質問あり。「創業時の原動力であったが、70年経って経営環境が変化し時代に合わなくなってきた。指定価格商品が増えてきており、今後の事業展開を模索している。」との旨の説明。
③質疑応答で、「定款に、自動車関連事業として販売、レンタル、整備業、保険代理業を追加する案だが、ビッグモーターのような事業を想定しているのか?」との質問あり。「家電だけでは今後の人口減に対応できず、ロードサイド店が多いので、EVの販売や付随する事業を検討している。」との回答。
④質疑応答で、「EVの売上規模の想定は?」との質問あり。「検討中。計画数値はもう少し待って欲しい。決まり次第公表する。」との説明。
⑤質疑応答で、「定款に、「使用済家庭用電気製品の再生処理及び再生製品の販売」を追加する案だが、具体的な内容は?」との質問あり。「スマートフォン、タブレット、Apple Watch、ゲーム機、ゲームソフトについて、ソフマップでクリーニングし、コジマでのリユース販売を想定している。」との回答。
株主総会を終えて感じたこと
「コジマ×ビックカメラ」の店舗に親近感があり、株主優待が魅力的で、また、PBR1倍への株価改善を期待して、平均578円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
質疑応答は、担当取締役が回答し、社長の中澤裕二さんが補足説明するスタイルでした。丁寧な説明対応であったものの、質問と意見が5問まで出た段階で、中澤裕二さんから、次の質問で質疑応答を打ち切るとの説明があり、違和感を感じました。開始から1時間程度しか経過しておらず、余裕の無い対応にも見えるので、もう少し多くの質問を募ってしっかりと対応したほうが印象が良くなるかもしれません。
親子関係にある上場会社や持分法適用関係にある上場会社における情報開示については、少数株主保護やグループ経営に関する情報が投資判断上重要になるにもかかわらず、十分な開示がなされていない会社が多いことが指摘されています。ビックカメラが50.6%の株式を保有しておりビックカメラの連結子会社ですが、東京証券取引所が、2023年12月に、「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実」および「支配株主・支配的な株主を有する上場会社において独立社外取締役に期待される役割」を公表しており、厳しい目が向けられつつあるので、今後、親子上場の廃止の可能性もあるかもしれません。
匿名・流通型犯罪グループ(トクリュウ)による強盗が相次ぎ報道されていますが、コジマのような大企業が「外壁屋根の塗装や修繕リフォーム」事業を手掛けていると安心感があり、嬉しい対応です。
「家電市場においては、今後も厳しい競争環境が続くと想定される」との言葉が気になりますが、株主優待も楽しみに継続保有の予定とします。追加投資も検討します。
2024年5月20日に到着したコジマの株主優待と隠れ株主優待の内容についてはこちら↓
コジマの株主優待と隠れ株主優待が到着しました【2024年5月20日】 | ぽこタンの株主総会日記