ジーネクスト 臨時株主総会
日時:2024年9月13日(金) 10:00-11:35
場所:新宿喜楓ビル(新宿西口駅徒歩1分)
出席株主数:約10名
お土産:無し
企業情報
ジーネクスト(4179)
HP:株式会社ジーネクスト(G-NEXT) | CRM・CTI連携可能な顧客対応を支援するプラットフォームの提供 (gnext.co.jp)
①アナログ・煩雑な顧客対応のDX化を促進するサービスを展開しており、企業の顧客体験の一貫性を支援。顧客対応窓口をはじめとした、企業が取り巻くステークホルダーのDXを支援するステークホルダー DXプラットフォーム「Discovereiz」を自社開発・提供。
②筆頭株主は、創業者で前社長の横治祐介さんで、148万株、35.3%を保有。
③従業員数は24名のみと少人数体制。
株式情報
時価総額:13億円(2024年9月12日時点)
売上高:6.1億円(2024年3月期実績)⇒6.1~6.7億円(2025年3月期予想)
株価:263円(2024年9月12日時点)
1株純資産:0.96円(2024年3月末時点)、PBR:273倍
1株当期純利益:非開示(2025年3月期予想)、PER:非開示
1株配当:無配(2025年3月期予想)、配当性向:無配
配当利回り:無配
株主数:1,664名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①株主の横治祐介さんが招集した9月11日の臨時株主総会に続き、中1日でのジーネクスト側による本臨時株主総会の開催。横治祐介さんから、経営支配権の獲得を目的とする修正動議などがなされる可能性があるとのことで、議決権行使書と共に委任状が同封されており、議決権行使と委任状の返送のお願いも同封されていた。
②筆頭株主で創業者で前社長の横治祐介さんが、東京地方裁判所に検査役の選任の申立てをおこない、検査役が選任。ビデオカメラが会場入口に1台、会場内に3台設置され撮影していた。座席は、出席票番号による指定席制。
③株主総会の冒頭で、社長の三ヶ尻秀樹さんから、9月11日開催の株主総会にて株主提案が全て否決されたこと、一連の騒動について遺憾の表明、新規顧客獲得に影響が出ている旨の説明あり。
④ジーネクスト側と創業者で前社長の横治祐介さんとのトラブルの経緯は下記の通り。
2024年5月9日
取締役会において、下記のとおり代表取締役の異動および社長交代について決議。代表取締役であった横治祐介さんの取締役会における不合理な議事運営、業務執行に混乱をきたすなど会社の意思決定に支障が出ていたことから、横治祐介さんを代表取締役から解職し、三ヶ尻秀樹さんを代表取締役に選定することで、迅速な意思決定を図る体制を構築するため。
2024年5月15日
横治祐介さんが、一身上の都合により取締役を辞任。
2024年6月12日
横治祐介さんが、6月28日の定時株主総会に修正動議の提出を通知。内容は、取締役3名(中川祐輝さん、横治祐介さん、鎌形尚さん)の選任、監査等委員である取締役3名(小堀優さん、小峰孝史さん、浅利卓人さん)の選任。
2024年6月14日
修正動議案に対する取締役会の意見として以下表明。
「解職の経緯は、取締役会において、横治さんから、突如、自らが保有する当社株式の大多数を第三者の企業に譲渡することを希望しており、当該第三者の関係者を本定時株主総会で付議する役員候補者に推薦したいとして、横治さんを含めた候補者5名の提案があった。これを受け、取締役会では、筆頭株主である横治さんが保有する当社株式の大多数を第三者に譲渡し、これに伴い当該第三者の関係者を当社取締役の候補者として指名することは、実質的には当社の経営支配権の移転となり得るため、経済産業省が 2023年8月31日に公表した「企業買収における行動指針–企業価値の向上と株主利益の確保に向けて–」の内容および趣旨を踏まえて、当該譲渡については、当社の中長期的な企業価値ないし株主共同の利益を確保するとともに、手続きの透明性・公正性・公平性を確保するために、当社取締役会での十分な議論を踏まえた決議を経る必要があることが確認され、横治さんに対し、譲渡の相手方やその詳細、背景、理由、取締役候補者の略歴、新体制後の展望などについて、十分な説明と必要に応じた資料の提示を求めたが、横治さんからは具体的な説明は得られなかった。そればかりか、横治さんは、当社の当時の代表取締役として当社の中長期的な企業価値ないし株主共同の利益を確保する責務がある立場にありながら、上記の株式譲渡は当社の株主としての立場に基づくものであり、当社の代表取締役としての立場に基づくものではないなどとして、取締役会が要請した、当社の代表取締役としての当社の中長期的な企業価値ないし株主共同の利益を確保する責務を無視する意向を繰り返し示し、取締役会における不合理な議事運営、業務執行に混乱をきたすなど会社の意思決定に支障を生じさせたため、社外取締役を含む取締役会の全員一致の決議により、代表取締役の地位を解職された。さらに、横治氏から、2024年5月13日に、突然、一身上の都合による役員辞任届が提出され、翌日の同月14日に本人から辞任の意思表示を確認することが出来たので、当社は、横治さんからの取締役辞任を受理し、同月15日付「取締役の辞任に関するお知らせ」を公表するに至った。当社は2024年3月期期末決算発表を当初同年5 月13日におこなう予定であったが、横治さんの突然の役員辞任届の提出により決算発表を延期せざるをえない事態になり、当社経営陣は、監査法人とも協議を重ね、同年5月15日付「継続企業の前提に関する事項の注記に関するお知らせ」の公表と共に同年3月期末決算発表をおこなった。この一連の騒動により、株主、取引先および従業員をはじめとしたステークホルダーに多大なる心配と、不安を与えてしまい、当社としては大変遺憾に感じている。」
2024年6月28日
定時株主総会開催。議事進行に想定以上の時間を要すこととなり、決議事項の全てについて、採決に至らずに流会。
2024年7月5日
横治祐介さんより、臨時株主総会の招集請求。内容は取締役4名(中川祐輝さん、横治祐介さん、小堀優さん、西原隆雅さん)の選任、監査役3名(鎌形尚さん、小峰孝史さん、浅利卓人さん)の選任。
2024年7月26日
臨時株主総会の開催日が2024年9月13日に決定。舞花に対し、第三者割当の方法により新株式および第7回新株予約権を発行することについて決議。新株式は、払込期日2024年8月13日、1株261円で766,300株を発行。第7回新株予約権は、割当日2024年8月13日、行使価額333円で1,201,300株、行使請求期間は2024年8月14日から2026年3月31日まで。
2024年7月30日
横治祐介さんに対し、東京地方裁判所が、9月11日までの日を会日とするジーネクストの株主総会を招集することを許可。手続費用は各自の負担。また、横治祐介さんが、2024年7月29日付で、東京地方裁判所に新株および新株予約権発行の差止め仮処分を申立て。
2024年8月8日
東京地方裁判所において、新株および新株予約権発行の差止め仮処分の申立てを却下する決定がなされる。
2024年8月13日
ジーネクスト側が、2024年9月13日の臨時株主総会の議案を公表。内容は取締役5名(村田実さん、小林潤一さん、小沼忠國さん、江頭敬太さん、高橋智さん)の選任、監査役3名(信原寛子さん、齊藤友紀さん、江本卓也さん)の選任。会社側臨時株主総会は、株主側臨時株主総会とは別議題として招集するもの。定時株主総会は、議案の全てについて採決にまで至らずに流会となった。これにより、代表取締役であった三ヶ尻秀樹さんが、2024年6月28日に開催された定時総会終結の時をもち任期満了となり、会社法第351条第1項の定めに基づき、2024年9月13日現在において代表取締役(権利義務者)としての在任になっているため、その後任として執行役員管理管掌の村田実さんを代表取締役に選任し、新たな経営体制の下、当社の持続的成長と更なる発展を目指すもの。
2024年8月30日
ジーネクスト側が、東京地方裁判所に検査役の選任の申立てをおこない、9月11日開催の臨時株主総会について検査役が選任。横治祐介さんが招集する、2024年9月11日開催の臨時株主総会に関して、株主総会開催禁止の仮処分を東京地方裁判所に申し立て。
横治祐介さんが、東京地方裁判所に検査役の選任の申立てをおこない、9月13日開催の臨時株主総会について検査役が選任。
2024年9月9日
横治祐介さんに対する善管注意義務違反の疑いに関する下記の社内調査開始を公表。
「当社は、横治さんの代表取締役在任中の善管注意義務違反・忠実義務違反に該当する疑いがある事実として、2024年5月9日の取締役会の数日前に、自己の保有株式の大半(公開買付規制にかからない発行済株式の約33%)を、市場価格の1.5倍で同取締役会の6日後に譲渡する企図を横治さんが突如表明した上、同取締役会においてその譲渡先などについて十分な説明をしなかった事実、および、横治さんが、当社取締役会に無断で、当社と競合する可能性がありうる事業(ビジネスアポイントのプラットフォームの開発など)を営むBigSmallの取締役に2021年5月25日より就任していた事実を商業登記簿の記載とともに指摘している。本調査の結果、まず前者の事実について、横治さんは、遅くとも2024年2月には、当社との正式な取引関係のない仲介業者を起用し、横治さんが保有する当社株式の大半を譲渡するスキームの検討に入り、取締役会への報告のないまま、同年4月には関係者間で具体的な調整を進めていた疑いがあることが確認された。また、後者の事実についても、横治さんは、BigSmallの取締役に就任していたのみならず、同社のための営業活動、協業先の支援、契約締結行為などを、当社代表取締役名義および当社の人員を利用しておこなっていたことが疑われる記録が確認された。本調査の結果、横治さんの代表取締役在任中の行為については、職務権限基準、稟議規程、関連当事者取引管理規程、情報セキュリティ管理規程などに違反すると疑われる各種の行為が確認された。なお、当社からの再三の返却要請にかかわらず、横治さんへの当社の貸与物など(PC・その他備品・法人クレジットカード・セキュリティカード・社員証・健康保険証・未提出の領収書)は返却されていない。」
2024年9月10日
ジーネクスト側が申し立てた9月11日の株主総会開催禁止の仮処分について、東京地方裁判所より却下する決定がなされる。
2024年9月11日
株主の横治祐介さんが臨時株主総会開催。株主提案は全て否決。
2024年9月13日
ジーネクスト側が本臨時株主総会開催。
⑤2025年3月期第1四半期は、当社が属するクラウド基盤サービス市場においては、引き続き業務上のデータ・システムなどの既存要件を維持しながら他の環境への移行または新規システムに乗り換えるマイグレーション案件が中心ではあるものの、その対象領域は拡大している。また、クラウドサービス提供事業者が構築した環境を、他の利用者と共同利用するパブリッククラウドを導入・利用する企業が増加していることなどからも順調に推移している。
⑥このような状況の中、ステークホルダーDXプラットフォーム「Discoveriez」を通じて、ビジネス現場で発生する「情報の分断」を解決するべく、「分断した情報」を「つなぐ」「まとめる」「活用する」ことで、それぞれに必要な情報が集約され、その情報をもとに社内外のやり取りを最適化しており、その中で「業務が楽になった」「見えなかった情報が見えるようになったことで仕事が楽しくなった」などの喜びの声を多数いただいてきた。しかしながら、過去に積極的に展開した一過性の売上の計上を志向した不採算事業・案件のテコ入れ、「優待WALLET」などのサービス撤退、マーケット開拓に向けた各種施策やコストマネジメント施策の導入が遅滞したことを主因として、業績が不安定となり、下押し圧力が強まった。加えて、中長期的に安定したビジネスモデルを目指すため、売上構成をフロー型からストック型へ重点移行する方針を掲げ実行に移しているが、現在はまだその過渡期にあることから、業績の回復がままならない状況。一方で、2023年4月より、課題解決の範囲拡大とパートナーとのコラボレーションの掛け合わせにより、企業のIT戦略における上流から下流工程までを一気通貫でおこなう課題解決プログラム「SRM Design Lab」を開始した。加えて、2024年6月には、生成AI(人工知能)を活用し顧客対応における作業負担の軽減・業務効率化およびVOC(Voice of the Customer)の活用を支援する新サービス「Discoveriez AI」のサービス開始を発表しており、自社プロダクトである「Discoveriez」に加え、パートナーとの複数領域での共創により、クライアントへの本質的な課題解決を実行支援している。
⑦以上のような取り組みの結果、クラウドMRR(Monthly Recurring Revenue)の力強い成長がみられた一方で、フロー型からストック型への売上構成の変化などにより減収となり、当第1四半期累計期間の売上高は116,617千円(前年比13.8%減)となった。また、Discoveriezの開発などにおける外注費や通信費の売上高比率が高止まりしたことで売上総利益率が圧迫され、営業損失は61,488千円(前年は営業損失39,189千円)、経常損失は61,459千円(前年は経常損失39,461千円)、四半期純損失は61,697千円(前年は四半期純損失39,699千円)となった。
⑧本株主総会の取締役候補者の村田実さんが、本臨時株主総会終了後の取締役会において代表取締役に選任される予定。村田実さんは、35歳(1988年生まれ)と若い社長となる見込み。
⑨質疑応答で、「株主総会招集通知には第2号議案までが掲載されている。一方で、議決権行使書と委任状には第4号議案までの賛否記入欄がある。「委任状による議決権行使のお願い」には、第3号議案と第4号議案の賛否記入欄は使用しないとの記載がある。なぜ、このような分かりにくい招集通知を送付したのか?」との質問あり。「株主提案を招集通知に記載する予定であったためこのような内容となってしまった。」との説明。
⑩質疑応答で、「第1号議案に社長の三ヶ尻秀樹さんの名前が無いが、社員として残るのか?」との質問あり。「社員としても残らない。」との回答。
⑪質疑応答で、「新社長に就任予定の村田実さんから抱負を伺いたい。」との意見あり。村田実さんから丁寧な挨拶と現状認識や取組内容について説明があった。
⑫質疑応答で、「現取締役全員が入替ってしまうのは心配。どう考えているのか?」との質問あり。社長の三ヶ尻秀樹さん、取締役の渡辺尚武さん、阿南久さんから、「今回、実行部隊の長が取締役になるので心配していない。」「現場を良く知っている人の方が窮地を乗り越えより発展できる体制になる。」「コミュニケーションのできる人達。」「辞めた従業員も戻ってきており体制が強化されている。」「赤字や儲からない事案の整理が加速される。」との旨の回答あり。
⑬質疑応答で、「今回の横治祐介さんとの一連の騒動についてどう感じているのか?」との質問あり。取締役の阿南久さんから、「上場してから業績が悪化し始め、コミュニケーションから明るさが無くなった。色々と前社長の横治祐介さんからは説明が無かった。前社長のマネージメントの悪さを感じた。」との旨の説明あり。
⑭質疑応答で、「取締役会で社長の横治祐介さんを解任できたという点ではガバナンスが効いていたと思う。一方で、取締役候補者の中には業務委託先の代表(小沼忠國さん、江藤敬太さん)が含まれる。ガバナンス面で問題は無いのか?」との質問あり。監査役の齊藤友紀さんから、「執行と監督のバランスをどうとっていくのか難しい。監査役の監督機能としての役割はこれまで以上に重くなると認識している。」との旨の回答あり。
⑮質疑応答で、「創業者で前社長の横治祐介さん、資本提携先の舞花が大株主。経営不安定な状況が続くと思われるが、資本政策をどうするつもりなのか?」との質問あり。「大株主と対話を続けるしかないと考えている。」との説明。
⑯質疑応答で、「大株主の株式の売却が続いた場合、株価低迷が続くのではと心配している。対策は考えているのか?」との質問あり。「株価についてはコメントする立場には無いが、株主とコミュニケーションを図っていきたい。」との回答。
⑰社外取締役を除く取締役2名の報酬等の総額は2,900万円。単純平均で取締役1人当たり1,450万円。
⑱議案の採決方法は投票用紙での採決。10:55に投票完了し、11:30に集計完了。結果、議案は全て可決された。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
検査役が選任されていた株主総会でしたが、筆頭株主で創業者で前社長の横治祐介さんが9月11日に開催した臨時株主総会で株主提案が全て否決されたためなのか、横治祐介さん側からの動議や質問も無く、トラブル無く穏やかに進行していました。
株主総会では、9月11日の臨時株主総会に欠席されていた取締役の渡辺尚武さん、阿南久さんの意見も伺え、現状認識が深まりました。
また、新社長に就任予定の村田実さんからしっかりとした抱負があり、「赤字でも取ってしまう案件があったが、見直ししていく。」との旨のコメントが印象に残りました。
なお、質疑応答で株主から指摘があった通り、横治祐介さんが大株主であることには変わりが無く、今後の動向が気になります。
3期連続赤字で、財務内容も悪く、予断を許さない状況なので過度な期待はしませんが、新社長に就任予定の村田実さんの手腕による早期の業績立て直し(黒字化)を期待しています。
2024年9月11日に出席したジーネクストの株主総会の内容についてはこちら↓
ジーネクストの株主総会に出席しました【2024年9月11日】 | ぽこタンの株主総会日記 (fp-agm.com)