百五銀行の株主総会に出席しました【2024年6月20日】

株主総会
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百五銀行 第209回定時株主総会

日時:2024年6月20日(木) 10:00-10:50

場所:百五銀行丸之内本部棟(津駅よりバス10分+徒歩3分)

出席株主数:約100名

お土産:無し

 

企業情報

百五銀行(8368)

HP:個人のお客さま|百五銀行 (hyakugo.co.jp)

①三重県と愛知県を主に、本支店110ヵ店などにおいて、預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務などをおこなう「銀行業」(経常収益構成比82%)を中心に、リース業をおこなう「リース業」(経常収益構成比13%)、金融商品取引業務、クレジットカード業務・信用保証業務、地域産業調査・コンサルティングに関する業務、コンピュータによる情報処理の業務、投資事業有限責任組合の組成・運営業務などをおこなう「その他」(経常収益構成比5%)を運営。

清水建設(1803)が、第8位の株主として、393万株、1.5%を保有。

株主優待(3月末)
1,000株:株主さまご優待ギフトカタログ3,000円相当
5,000株:株主さまご優待ギフトカタログ5,000円相当

 

株式情報

時価総額:1,687億円(2024年6月19日時点)

経常利益:200億円(2024年3月期実績)⇒222億円(2025年3月期予想)

株価:664円(2024年6月19日時点)

1株純資産:1,987円(2024年3月末時点)、PBR:0.33倍

1株当期純利益:62.4円(2025年3月期予想)、PER:10.6倍

1株配当:16円(2025年3月期予想)、配当性向:25%

配当利回り:2.4%、株主優待含む利回り:2.8%(1,000株保有時)

株主数:21,609名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会は、百五銀行丸之内本部棟での開催。

②当連結会計年度におけるわが国経済は、自動車関連の部品供給不足の影響が和らぐことで、生産や輸出は持ち直しに向かったが、年度後半にかけては一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響により生産活動が低下する場面も見られた。当行の主要な営業地域である三重県・愛知県下においては、物価高の影響はあるものの、生産や輸出は増加基調にあり、個人消費も持ち直しの動きが見られるなど、経済は緩やかに回復している。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引締めなどが続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動などの影響に十分注意する必要がある。

③このような経済情勢のなかで、 経常収益は貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により資金運用収益が増加したことなどから、前年度に比べ166億3百万円増加し、1,194億87百万円となった。一方、経常費用は外国為替売買損の増加によりその他業務費用が増加したことなどから、前年度に比べ173億43百万円増加し、994億32百万円となった。この結果、経常利益は前年度に比べ7億40百万円減少し、200億54百万円となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度に比べ2億12百万円減少し、142億81百万円となった。なお、包括利益は前年度に比べ1,179億46百万円増加し、1,110億31百万円となった。株式等関係損益の増加などにより臨時損益は増加したものの、業務純益の減少により当期純利益は前期比減益。ただし、純利益の額としては過去最高益であった前年度に次ぐ、2番目の水準。

④銀行業セグメントにおいて、経常収益は前年度に比べ147億80百万円増加して998億38百万円、セグメント利益は前年度に比べ8億5百万円減少して191億99百万円となった。

⑤リース業セグメントにおいて、経常収益は前年度に比べ14億11百万円増加して159億56百万円、セグメント利益は前年度に比べ1億95百万円減少して5億37百万円となった。

⑥報告セグメントに含まれていない事業セグメントにおいて、経常収益は前年度に比べ2億12百万円増加して62億35百万円、セグメント利益は前年度に比べ55百万円増加して9億52百万円となった。

⑦2025年3月期通期の業績見通しは、連結ベースで経常利益222億円、親会社株主に帰属する当期純利益156億円を見込んでいる。国債等債券損益の改善、与信関係費用の減少などを想定し、増益予想。

⑧企業価値向上に向けた資本配賦の基本方針のもと、PBR向上に向けた取組みを進める。配当性向は長期的に30%を目指す。

⑨次期中計策定の中で、住宅ローンについては住宅着工件数自体が減ってきていることに加え、効率性の意味合いで他行競合での金利が下がる、手数料率が下がるというのもあるが、それ以上に捕捉率(顧客から借入れをしたいという仮の申し込みがあり、それが実現する率のこと)が現状30%程度。そのあたりの効率性を上げていこうと考えている。長期金利もかなりの水準まで上がってくるという前提のもと、今後については有価証券運用、債券運用にも力を入れてやっていきたい。

金利上昇の収益に与えるインパクトについて、少なくとも今期に関しては、短期プライムレートが上昇するまでの金利上昇を想定していない。短期金利に連動する貸出金の上昇、それと預金金利の上昇を見ていくとそれほど大きなプラスにはならないと今期の状況として考えている。ただALMの関係上での利上げの影響は、過去の金利上昇局面での当行の追随率を見ると、調達の追随率よりも運用の追随率のほうが20%程度高い。金利が1%上昇すれば現状だと120億円程度はプラスになる予想。ただ20%というのは過去のデータであるため、多少の上下はあると思うが、そういった試算はしている。

⑪政策保有株式について、東海地区というよりは、一般企業、トヨタグループなどは見直すという話も出てきている。これまでは政策投資の見直しについては、保有意義や保有利回りなどから判断する形であったが、先方企業との間での持ち合いに関する議論を少しずつ進めていこうと考えている。政策保有株式の削減による資金については、次期中計の中では、人的資本投資、DX投資にある程度の金額を検討している。ただ政策保有株式についても簿価での保有利回りで資本コストを超える水準、10%以上の利回りを超えるものもあるので、売却にあたっては資本コストとの対比の中で売却するのが有利なのか、不利なのか、他に投資先があるのかを含めて総合的な判断をしていきたい。

住宅ローンの金利については、変動金利が多いので、つねに金利に連動して上がっていくが、対顧客との関係において5年間は返済額を変えないというのが住宅ローンの仕組みになっている。例えば月々1万円ずつ利息込みで返済されていた方で、金利が上昇した場合、これまで利息が2,000円だったが、これが3,000円になると元金の返済額が減少する。そうなった場合には、住宅ローンの元金返済ペースが遅くなるが、このような仕組みがない場合は、返済額がどんどん上がっていき、返済できなくなるという信用リスク面も出てくる。また別のルールとして125%ルールがある。金利が上がって返済額を5年後に見直したときに、125%を超えて返済額を上げないというルールを設けている。こうしたルールを設けることで、信用リスクにあまり影響を与えないように対応している。また、新規で申し込みをされるときに、リスクシナリオで金利が上がっても返済ができる方であるかを審査している。現在、変動金利であれば0.5%程度だが、2%以上の金利であっても返済できるかを判断した上で承認している。ある程度の金利上昇リスクは許容できると考えている。金利が上がったからといって信用リスクが増大するわけではない。

⑬役務取引については、預り資産を大きく増加させることは難しいと考えているが、法人コンサルティング手数料については、引き続き人材育成に注力しながら増加させていきたい。コンサルティングによる収益増強を考えていきたい。

⑭質疑応答で、「配当を増やして欲しい。」との意見あり。「配当には恒常的な性格があり、健全性が大切。内部留保も必要。投資・内部留保・株主還元をバランスよく進めたい。」との回答。

⑮質疑応答で、「今後の金利の上昇について、今期の業績予想にどの程度計上されているのか?」との質問あり。「マイナス金利解除までを前提としている。」との説明。

⑯質疑応答で、「東証がPBR1倍割れの企業に対して改善要請を出してる。PBR1倍は達成しなければならないと考えているのか?」との質問あり。「重要な経営課題。中長期的にPBR1倍を達成しなければならないと考えている。地域の経済を守るために金融サービスの維持、自己資本の対応などとバランスを取って対応していきたい。」との回答。

⑰2023年3月期、社外取締役を除く取締役6名の報酬等の総額は33,700万円。単純平均で取締役1人当たり5,616万円。

⑱議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

業績が堅調で、PBRが1倍を大きく割れており、株主優待も魅力的なので、国内金利上昇の恩恵を期待して、平均546円で投資しました。

今回、実際に頭取や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、百五銀行丸之内本部棟での開催でしたので、良い機会となりました。

質疑応答は、担当役員が回答した後、頭取の杉浦雅和さんが補足説明をするスタイルで対応されていました。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、百五銀行は、1株当たり純資産1,987円に対し、株価が664円(2024年6月19日時点)、PBR0.33倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

IRに積極的なイメージのある会社ですが、今後の国内金利上昇による業績向上とPBR1倍割れの解消、地域経済への貢献を期待して、また、株主優待も楽しみにして、継続保有の予定とします。追加投資も検討します。

 

株主総会会場の百五銀行丸之内本部棟
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